2023-05-31 Wed

2023年制作 米
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
≪キャッチコピー≫
『神様、相手はコドモですよ。』
≪ストーリー≫
「シャザム!」という言葉を唱えると、心は少年のまま、屈強なヒーロー・シャザムに変身できるビリー(アッシャー・エンジェル)。ほかの5人の子供たちもビリーと同じパワーを魔術師から与えられ、それぞれが好き勝手にやっていたため神々を怒らせてしまう。やがて巨大モンスターを引き連れた神々の娘たちが地球にやってきて、力を返してもらおうとビリーらに襲いかかる。
≪感想≫
DC映画の最新作。
前回は「ブラック・アダム」かな。
今回は「シャザム」の続編。
さてさて。
続編として素晴らしく、楽しい作品に仕上がっておりました。
キャラクターについて。
僕的には足に障がいを持っているフレディがとてもいい感じ。
あの明るいいじめられっ子というか、めげないいじめられっ子というか。
根っこの優しさや強さが見え隠れするキャラで素敵でしたよ。
ビリーを支える兄弟たちも相も変わらずいい感じ。
ただ、欲を言えば彼ら彼女らがもっと活躍するシーンを観たかったな。
ヴィランについて。
久しぶりにルーシー・リュー姉さんを観ました。
本作ではヴィランでしたが相変わらず素敵なお方でした。
他にもヘレン・ミレンやレイチェル・ゼグラーも良かった。
ヴィランたちでわちゃわちゃ揉める件も良い感じ。
全体的にめちゃくちゃ悪役がいなかったのも軽くって良かったです。
そうそう。
キャラクターで言えば本作ではなんと!!ワンダーウーマン(ガル・ガドット)が登場。
めちゃくちゃびっくりしましたよ!!
そうか、本作はDC映画だから今後も絡んでいくのでしょうか。
今回、「ブラック・アダム」とは類似性が見られたけど、「ワンダー・ウーマン」や
「バットマン」とはテイストが違うので想像がつかないなぁ・・・。
楽しみ・・・。
エンドロール後のシーンではジャスティス・リーグならぬジャスティス・ソサエティという
キーワードが。
聞いたことあるワード。
・・・やっぱり「ブラック・アダム」よりじゃん。
楽しみですね。
そんなこんなで。
前作も楽しい作品でしたが、本作も負けずに楽しい作品。
老若男女、どなたがみても一定の楽しさが担保できる。
まったく小難しくないので、特にちびっこはワクワクしながら観れるんじゃないかな。
続編映画としても素敵な作品でした。
DC映画も色々なテイストが出てきて今後が俄然楽しみになってきました!!
≪点数≫
8点
(23.03.19鑑賞)

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2023-05-29 Mon

2022年制作 米
監督:スティーヴン・スピルバーグ
≪キャッチコピー≫
『人生の出来事、
そのひとつひとつが映画になった。』
≪ストーリー≫
初めて訪れた映画館で映画に魅了された少年サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)。その後彼は8ミリカメラを手に、家族の行事や旅行などを撮影したり、妹や友人たちが登場する作品を制作したりするなど、映画監督になる夢を膨らませていく。母親(ミシェル・ウィリアムズ)が応援してくれる一方で、父親(ポール・ダノ)は彼の夢を本気にしていなかった。サミーはそんな両親の間で葛藤しながら、さまざまな人々との出会いを経て成長する。
≪感想≫
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督最新作。
監督の半自伝的物語を映像化。
さてさて。
楽しいことや感動的なことばかりじゃなく苦みや苦しみも
並行して描かれる。
それがまた絶妙なバランスで伝え方もしっかり描かれているので
とても分かりやすく見入ってしまう。
これぞ巨匠のお仕事。
キャストも素晴らしかった。
特に両親を演じたポール・ダノとミシェル・ウィリアムズ。
理系の父親は最後の最後までサムの傍にいて彼を支える。
包み込むような優しく真面目な父親。
一方の天真爛漫な母親は自分の幸せのためにサムから離れることに。
これはこれで自由を謳歌していて素敵だなぁと思ったり。
この対照的な両親の表情がとっても良かったんですよね。
特にミシェル・ウィリアムズは素晴らしかったなぁ・・・。
そうそう。
お話で言うと。
いじめっ子とのやりとりも良かったなぁ。
これまた「映画」が持つ力を知らしめられた感じ。
本当の自分とは違った自分が映像には映し出される。
そのギャップに悔しさを味わういじめっ子のあいつ。
なるほど、ああいう感想を持つパターンもあるんだなぁ。
凄い。
一方で、もう一人のいじめっ子のあいつのリアクションも最高でしたが(苦笑)
あと「映画」の力をまざまざと見せつけられた印象。
例えば、序盤、サムがボーイスカウトみたいな中で映画を観せるシーンが
あるんですが、この映画がまた素晴らしくってね。
ガンマンの映画っぽいんですが、観ている人たちのリアクションを
観ていると「映画」の持つ力のすばらしさを知る。
その後も戦争映画や高校の卒業式でのセレモニー映画。
どれも「映画」が持つ力を感じることができて◎。
しっかし凄いよなぁ・・・。
これが実話で監督の自伝的物語をこうやって「映画」として
昇華させる。
人生は悲しみも苦しみも楽しさも喜びも地続きで並行して生まれてくる。
自らの「人生」を「映画」という作品を通して放たれる。
スピルバーグ監督だからこそできる人生賛歌。
こりゃ、本当に素晴らしい。
ラストカット、ラストのお話も粋で楽しかったな。
地平線の件は思わずにやり。
そんな感じで。
巨匠スピルバーグ監督の半自伝的作品。
思い返すと、理系の父と芸術家の母。
それぞれの才能をしっかりと継いだスピルバーグ監督。
名匠になるべくしてなったその才能。
スピルバーグ監督もまた両親の作品なのだ。
そんな息子が放つ両親へのラブレター的な本作。
僕的アカデミー作品賞はこれかなぁ・・・。
傑作。
もっと語りたい。
もう一回観たい。
≪点数≫
9点
(23.03.12鑑賞)
2023-05-26 Fri

2021年制作 インド/仏
監督:パン・ナリン
≪キャッチコピー≫
『「人生」という
物語が、いま 始まる』
≪ストーリー≫
インドの小さな町に住む9歳のサマイ(バヴィン・ラバリ)は、学業のかたわら父親のチャイ店を手伝っていた。ある日、家族と映画館を初めて訪れた彼は、すっかり映画に魅了される。ある日、映画館に忍び込んだのがバレて放り出されるサマイを見た映写技師のファザルが、サマイの母親の手作り弁当と引き換えに、映写室から映画を観ることを彼に提案する。
≪感想≫
インド映画。
インド映画と言えば最近観た超絶エンタメ大傑作の「RRR」がありますが。
さらには以前観た「ガリーボーイ」的な現代風のエンタメ作品があったり。
本作はそんなエンタメとは一味も二味も違った穏やかな作品。
舞台はインドのめちゃくちゃど田舎。
そこに住む少年がフィルム映画と出会い、魅了され、成長していくっつーお話。
インド版「ニュー・シネマ・パラダイス」的な・・・と思いきや、
ちょっと違う不思議な映画に仕上がっていました。
本作の特徴としてまず演者達の「顔」が素晴らしかった!!
主人公のサマイ少年のルックも素晴らしかったんですが、その仲間たちの
「顔」ももれなく良かった。
別にキャラが立っていたわけではないんですが、どこか身近な感じがして
忘れられない彼らがとっても良かったんですよねぇ。
まぁ、やんちゃくれの悪ガキどもなんですが(苦笑)
あとは映写技師のファザルが良かったですねぇ。
サマイが彼と出会い交流していくことでファザルの将来も開かれていく。
めちゃくちゃな悪党がいないのも素敵。
田舎ならではの閉塞感は嫌な部分でもあるんだけど、これはこれで良い部分も
あるのかなぁとも感じたり。
クライマックスの展開。
サマイたちは自分たちの力で映画を作る、というか映画館を作ってしまいます。
その後、サマイが通っていた映画館のフィルム映写機が時代の流れで撤去される。
そこから・・・・。
なんとまぁ不思議な展開。
フィルム映画たちが廃棄されてからの映像が映し出される。
なるほど!!
タイトルの通りエンドロールのつづきを見せてもらいましたよ。
エンディングの歴代の巨匠たちの名。
誰もが知っているあの人やあの人。
新旧問わず名匠たちの名前が列挙される。
なんとまぁリスペクトに満ちた演出。
そんなこんなで。
本作はとにかく演者の「顔」が良かった。
インドの田舎に住む人たちの「顔」「顔」「顔」。
そうそう。
本作って監督の子供の頃のお話を映像化しているんですって。
どのくらいの純度なんでしょうか。
素敵なお話。
≪点数≫
7点
(23.03.07鑑賞)

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2023-05-24 Wed

2022年制作 米
監督:ダニエル・クワン/ダニエル・シャイナート
≪キャッチコピー≫
『ようこそ、最先端のカオスへ。』
≪ストーリー≫
エヴリン(ミシェル・ヨー)は優柔不断な夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)と反抗期の娘、頑固な父と暮らしながら、破産寸前のコインランドリーを経営している。税金申告の締め切りが迫る中、エヴリンはウェイモンドに並行世界に連れて行かれる。そこでカンフーマスターさながらの能力に目覚めたエヴリンは、全人類の命運を懸けて巨大な悪と闘うべく立ち上がる。
≪感想≫
2023年アカデミー作品賞受賞作。
ナニコレ!?
すっげー楽しいじゃん!!
マルチバースな世界観。
僕はMCUでマルチバースという世界観をある程度、理解しているので
とんでもなく楽しめました。
ただ、やっぱりぐっちゃぐちゃなカオスな世界観は一度観ただけじゃ
理解できない。
これって、初見の人はどれくらい理解できたのかなぁ。
演者さんについて。
本作は家族愛の話でもあってね。
主演のエブリンを演じたミシェル・ヨー。
「ポリス・ストーリー3」「グリーン・デスティニー」等々でも活躍の動ける女優さん。
アクション女優のイメージが強いかな。
本作はマルチバースなので色んな世界線のエブリン像があって◎。
素敵だなぁ・・・。
そして僕的MVPはやっぱりエブリンの旦那ウェイモンドを演じた、ジョナサン・キー・クァン。
僕のオールタイムベストの「グーニーズ」のデータじゃん。
おじさんになっちゃって(感涙)。
こちらも色々なウェイモンド像があって◎。
どちらも様々なキャラクターを演じていて役者ってやっぱり凄まじいなぁって。
あとは、二人の娘ジョイ。
彼女は初めて見ましたが、これまた魅力的なキャラクター(ヴィラン)で最高。
彼女がボスとして初めて登場し、バトルするシーンはめちゃくちゃ楽しかった!!
こんなにも自由なんだと思わせる何でもあり展開が最高でしたよ。
笑いの部分。
本作ってなかなかの下ネタというかお下劣なお笑いも多くって。
思わず声を出して笑う所もありつつ、全体的にはニヤリと笑わせていただきました。
お話について。
という壮大な世界観の中、最後はミニマムな世界へと着地する。
クライマルチバースマックスは文字通り「多」幸感溢れる展開。
ここまで自由にやっているのにも関わらず、しっかりと
まとめてくるあたりは流石。
他にも他にも。
細かいところで言うと、色んな世界線があって、次はどんなエブリンの能力が
観れるのか。
どんな世界線があるのか。
想像は無限大。
想像以上の展開にワクワクしたり、もっといけるだろうと物足りなくも
感じたり。
それだけ自由なマルチバースの世界はやっぱり楽しいんですよねぇ。
アクションでいうと、カンフー映画としても楽しかった。
先に書きましたが主演のミシェル・ヨーが動ける女優さんなので見応えもたっぷり。
こちらも大満足のアクションだらけでした。
そんなこんなで。
アカデミー賞最多最多10部門11ノミネートの本作。
正直、一度観ただけじゃあ全てを理解できていない。
勢いもあり自由な世界線はなんでもありのカオスな作品。
こりゃもう一回観なきゃいけないですなぁ・・・。
とりあえず最高に楽しめました!!!!
≪点数≫
8点
(23.03.04鑑賞)

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2023-05-22 Mon

2022年制作 米
監督:スコット・マン
≪キャッチコピー≫
『ようこそ、
地上600mの絶望へ』
≪ストーリー≫
ベッキー(グレイス・フルトン)は、夫のダンをフリークライミング中の落下事故で亡くし、その悲しみを引きずったまま1年が経とうとしていた。そんな中、親友のハンター(ヴァージニア・ガードナー)から、現在は使われていない地上600メートルのテレビ塔でのクライミングを持ちかけられる。ベッキーはハンターと共に老朽化した梯子を登ってテレビ塔の頂上に到達し、そこからダンの遺灰をまく。新たな一歩を踏み出そうと決意するが、はしごが崩落して頂上に取り残される。
≪感想≫
ワンシチュエーション作品。
高さ600メートルの鉄塔に登ってみたら降りれなくなったっつーお話。
アイディアたっぷり。
ひたすら続く緊張感。
3歩進んでは3歩下がる。
様々なアイディアが思いつくもどんどんつぶされていく・・・。
最後の最後までどうなるのか分かんない展開。
一つのシチュエーションなので飽きてしまいそうなんだけど、
「おっ、こう来たか!!」
の連続。
そもそも僕って実は高所恐怖症で。
子どもの頃はそんなことはなかったんですが、「死」のイメージに
リアリティがのり始めた頃から一気に怖くなったんですよね。
本作はその高所恐怖症の僕にはとんでもなく恐ろしい映像の数々でしたよ。
何度、目を背けたことか・・・。
何度、目を細めたことか・・・。
そして何度観るのを止めようと思ったことか。
とても丁寧な演出。
フリがしっかりしているというか。
例えば、序盤、二人がタワーへ向かおうとすると大型トレーラーと衝突しそうになる件。
クライマックスでのあの展開に繋がるし。
例えば、これまたタワーに向かう道中で現れるハゲタカ。
クライマックスのあの展開に繋がるし。
例えば、レストランでの充電シーン。
クライマックスのあの展開に繋がるし。
他にも他にも。
思い返すと細かいところまで気が利いている。
巧みですねぇ。
キャラクターについて。
もうねぇ・・・あのやんちゃな親友がやる一挙手一投足が嫌いすぎて(苦笑)
悪ノリが過ぎるっつーの・・・。
ハンターもハンターで悲しみを打ち消すためにあえての危険な行動なんだろうけど
いくらなんでも、人を巻き込むなっつーの。
どこぞのユーチューバーと同じじゃん!!
彼女の末路は悲しくもちょっとだけしょうがないよなぁという気持ちになりました。
あと結局一番最悪だったのは旦那さんだったのかな。
ただの浮気野郎じゃん!!
そんな感じで。
とてもよくできた作品。
ハゲタカのシーンなんてちょっとホラーみもあって楽しかったです。
アイディアたっぷりな良作。
素晴らしかったです!!!!
≪点数≫
8点
(23.02.28鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-19 Fri

2020年制作 ノルウェー/デンマーク/英/スウェーデン
監督:マッツ・ブリュガー
≪キャッチコピー≫
『この男、
ヤバすぎる――。』
≪ストーリー≫
デンマークの元料理人ウルリク・ラーセンさんはコペンハーゲン出身の元麻薬密売人と組み、彼を架空の石油王に仕立てて北朝鮮に潜入する。武器や麻薬を製造し、各地へ密輸する北朝鮮の犯罪組織の中核へと、二人は長い時間をかけて近づいていく。組織の関係者らと商談を重ね、徐々に信頼を得ていった彼らは、ひそかに進められる兵器と麻薬の密造工場建設計画に深く関わっていく。
≪感想≫
久しぶりのドキュメンタリー映画。
謎の国、北朝鮮へ10年間スパイ活動したデンマーク人のお話。
いやぁ~、とても映画的なお話。
事実は小説より奇なりなんて言葉がありますがまさに。
ほとばしる緊張感。
恐らくこの主人公のウルリクさんってド素人なんですよね。
そんな一般ピーポーのウルリクさんが地元の北朝鮮団体に入会してどんどん北朝鮮色に染まっていく。
中盤の北朝鮮の2人組とのホテルでの会合シーンはしびれました。
その後の、能面の男が加わっての会合もやばかった。
恐らくバレたら一発アウトの状況。
ヘタな映画やドラマなんかよりもよっぽど緊張感のあるシーンでしたよ。
最後のネタバラシのシーン。
これまで仲間と思っていたウルリク氏がアレハンドロに真実を告げる。
あのアレハンドロの表情の変化からの通信を切る件。
こわっ!!!!
ふと思う。
彼は今後どういう生活を送っていくのだろう。
10年間も緊張感の中、生き続けていてアドレナリンが出っぱなし。
しかも家族にそのスパイ活動をしていたことを言っていいなかったんですよね。
案の定、奥さんはめちゃくちゃ呆れてキレて。
そりゃそうだよなぁ・・・。
変な話、彼はこの後、北朝鮮関連の奴らに命を狙われても良いような事を
やらかしたんじゃないかなぁ。
恐ろしや・・・。
例えば本人的にもスリルのある生活から抜け出せなくなるんじゃないか・・・。
例えば本人が本当に北朝鮮に魅力を感じてしまっていたら・・・。
恐ろしや・・・。
あと、ウルリクの相棒的ポジションのジェームス!!
こいつもまた食わせもんで凄かったなぁ。
こいつに関しては、前科持ちなので肝が据わっていて最高なやつ。
そんなこんなで。
これ本当のお話なんだよなぁ・・・。
色々考えると結構穴だらけのお話で。
いつバレてもおかしくないスパイ活動は緊張感たっぷりでハラハラドキドキ。
しっかし、北朝鮮という国は本当にどういう国なんだろう。
そこに住む人たちはどういう思想でどういう生活をしているんだろう。
ネット上に流れている情報はどこまで本当なのだろう。
俄然興味が湧いてきた。
≪点数≫
8点
(23.02.26鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-17 Wed

2022年制作 スウェーデン/独/仏/英
監督:リューベン・オストルンド
≪キャッチコピー≫
『狂った時代を、笑い飛ばせ。』
≪ストーリー≫
モデルでインフルエンサーのヤヤは、恋人である男性モデルのカールと共に豪華客船のクルーズ旅行に招待される。リッチでクセの強い乗客はゴージャスな船旅を堪能し、客室乗務員は彼らから高額のチップをもらおうと笑顔を振りまきながら要望に応えていたが、ある夜に船が難破する。さらに海賊に襲われ、無人島に流れ着いた乗員乗客たちが食料、水、そしてSNSのない状況にあえぐ中、トイレ清掃員が圧倒的なサバイバル能力を発揮する。
≪感想≫
2023年アカデミー作品賞候補作。
序盤。
高級料理店で食事する一組のカップル、カールとヤヤ。
現在、偶然にも巷で話題となっている女性との食事の時は
男性がおごるのが当然でしょ的な展開で喧嘩に。
この話題ってどっちがおごるのかに正解はなくってお互いの
距離や関係性だったりするので、一方的に考えを押し付けあう
やり取りは見ていて辛くってね。
はぁ~やだやだ。
第2幕。
豪華客船にてセレブ達が悠々自適にバカンスを楽しんでいる。
そこから何やら不穏な空気に。
船の中でつらつらとグラグラと変な方向へ走っていく。
映像に関してもそう。
心理的なグラグラと視覚的なグラグラでめちゃくちゃ気持ち悪くなっちゃった(苦笑)
グロ、ゲロまみれでルック的にもとんでもなく不快な気分。
ちょっとだけ目をそむけたくなりましたよ。
第3幕。
船が海賊に襲われて、数名の乗客が無人島らしき島に漂流。
ここからサバイバル展開にトランスフォーム!!
豪華客船では掃除のおばちゃんだった方がそのサバイバル能力のおかげで
一躍、キャプテンに!!!!
ここから人間の嫌な部分をあぶりだされていく。
それぞれの嫌な部分が見え隠れ・・・。
自分もこんな状況になったらきっとこうなってしまうんじゃないかと思わせる嫌な展開。
これまたやだやだ。
最後の着地は良かったな。
キャプテンとなったおばちゃん(アビゲイル)が自分の地位を確保するために
無人島のタネを見つけたヤヤに襲い掛かりそうになって終了!!
んん~~~やっぱそうなるよねぇ。
最後の最後まで皮肉のきいた作品でした。
そんな感じで。
本作はアカデミー作品賞候補作品。
んん~・・・なんでだろう。
なんかくらくらする。
映像に酔っているのか。
はたまた人間の卑しさや本能に触れて気持ち悪くなったのか。
観終わった後はふらっふらで帰路についたとさ・・・。
≪点数≫
4点
(23.02.23鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-15 Mon

2018年制作 米
監督:マット・エンジェル/スザンヌ・クート
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
この上ない悲劇を体験した後、母と10代の息子が親戚の所有する別荘に移り住む。そこには親子の静かな生活を脅かす、不気味で説明不可能な力がうごめいていた。
≪感想≫※大きなネタバレあり
Netfrixオリジナル作品。
なんだこれ・・・。
鑑賞後のもやもや感。
スッキリしないことこの上なし!!
伏線がめちゃくちゃ張られているんですが回収を全くしないまま終了。
父親を亡くした母と息子。
お金が無いから、妹の別荘に住むことに。
そこで奇妙な出来事が起こりまくるっつーお話。
ジャンルはホラーなのかサスペンスなのか。
謎々しい登場人物たち。
主人公の母と息子も何となく何かが起こりそうな雰囲気。
クライマックス。
大きなネタバレなんですが「全滅」します・・・。
えっ!!
なんだこれ!?
結局犯人は誰なんだ??
何のために??
登場人物たちの行動も謎過ぎるしバカすぎるし。
何を描きたいのかが全くピンとこない。
何かのメタファーか??
いやいや。
気になることを挙げればきりがない。
とほほほほ・・・・。
そんなこんなで。
久しぶりにこんなにピンとこない作品に出会いました。
本作は同僚に紹介していただいたんですが、その方も似たような感想を抱いていたなぁ・・・。
そもそもこの作品をなぜ観ようと思ったのか。
なぜネットフリックスでおススメに挙がったのか。
思えば、この方から紹介される作品は自分のアンテナにはかからない作品ばっかりなんだよなぁ。
今回は駄作でしたが絶対自分が観る事ない作品だからある意味楽しい。
次はどんな作品を紹介してくれるんだろう。
楽しみですねぇ。
≪点数≫
2点
(23.02.22鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-12 Fri

2021年制作 米/メキシコ/仏
監督:ギレルモ・デル・トロ/マーク・グスタフソン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
第1次世界大戦下のイタリア。10歳の息子を亡くしたゼペットは、悲しみから立ち直れず、木を彫って息子を作ろうとする。翌朝、ゼペットが目覚めると、命を吹き込まれた人形ピノッキオがいた。自由に振る舞うピノッキオに初めは手を焼いていたゼペットだったが、二人は次第に心を通わせ合うようになる。しかし、行き違いによりピノッキオがカーニバルの一座と共にゼペットのもとを去ってしまう。
≪感想≫
Netfrixオリジナル映画。
ディズニー映画で誰もが知っているであろう名作「ピノキオ」。
実はわたくし、観たことがあるようなないような。
何となく知っているんだけど、オチや細かい内容を覚えていないんですよね。
息子を亡くしたゼペットじいさんが自分で作った木彫りの人形に
命を吹き込んでピノキオとして育てる的な。
そんで、ピノキオは嘘をついたら鼻が伸びる的な。
そんなお話を「シェイプ・オブ・ウォーター」「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが映画化。
しかもストップモーションアニメ!!
こんな楽しみなことはない。
デル・トロ監督と言えば先日、これまたNetfrixオリジナルドラマの「ギレルモ・デル・トロの驚異の世界」
を観たばかり。
あの独特なルックと世界観がとても素晴らしくってね。
ディズニーの甘い世界をどんなデル・トロ印に変換してくれたのか。
さてさて。
いやぁ、期待通りの素晴らしい作品に仕上がっておりました。
鑑賞後、オリジナルのあらすじを調べてみると。
大まかなお話は同じだったんですね。
そこはやっぱりデル・トロ監督。
少しダークな雰囲気も醸し出しつつ、それでも子供が観ても
楽しめるファンタジックな作品。
素晴らしい!!
ただデル・トロならではの改編もされていて。
例えば時代が第一次世界大戦中のヨーロッパだったり。
例えばクジラに飲み込まれるのが深海巨大魚?だったり。
所々、ダークでホラーみがあって凄く良かったんですよね。
それでいて、鑑賞後は心が穏やかになっていて暖かくなっているという素敵な感覚。
素晴らしい!!
ストップモーションアニメという所も良かったです。
クリーチャーやキャラクターのルックもそうですが、あの少し不自然で
カクカクとした動きも観ていて気持ち良くってね。
作り手のこだわりや情熱を感じることができて◎。
そんなこんなで。
大好きデル・トロ監督が描いたピノキオの世界。
十分に堪能させていただきました!!!!
≪点数≫
9点
(23.02.19鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-10 Wed

2023年制作 米
監督:ペイトン・リード
≪キャッチコピー≫
『過去、現在、未来…
征服者(カーン)が全てを奪う。』
≪ストーリー≫
アントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)は、実験中の事故に巻き込まれ、相棒のワスプことホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)や娘のキャシーらと共に量子世界に引きずり込まれる。未知の世界で彼らを待ち受けていたのは、征服者カーンだった。
≪感想≫
大好きMCU最新作。
今回は「アントマン」シリーズ最新作。
そしてフェーズ5の幕開け的作品。
最近のMCUはネタバレが怖いので公開後すぐに劇場にて鑑賞してまいりました。
さてさて・・・。
もうねぇ・・・MCUに関しては一定量の楽しさは担保されていて。
本作ももれなく楽しい作品に仕上がっておりました。
新キャラたちについて。
僕的にはモードックが最高だったなぁ。
奇妙なルックとキャラクターはコメディリリーフ的存在で楽しかった。
それでいてしっかりと悪役にも善役にもなるアニメ的存在は素晴らしかったです。
あと、スコットの娘のキャシーの成長譚としても良かったな。
MCUもどんどん若手が出てきて今後が楽しみですね。
量子世界の女性戦士、ジェントラも革命家っぽくてカッコ良かった。
あ、そうだ。
前作、前々作に登場していた3バカトリオがいなかったのが寂しかった。
なんでしょう・・・これまでのアントマンシリーズってとっても身近感があって
本当に身の回りで起こる事件を解決していくってなイメージ。
それが今回は量子世界へと飛び出し次元を超えた世界観に。
アントマンシリーズというかはMCUシリーズ最新作って感じ。
あのアントマンが・・・。
感慨深いですね・・・。
考えると色々な世界観が混ざっていたような。
例えば、序盤の量子世界のルックはスター・ウォーズみ満載。
現れるクリーチャーやメカはちょっと見たことあるような印象で。
まぁ、これはこれで楽しかったですよ。
スター・ウォーズみと書きましたが、終盤の展開はこれぞアントマン。
アリの軍隊が敵をなぎ倒したり、スコットやキャシーが巨大化してバトルするあたりは
観たかったアントマンで楽しかったですよ。
ちょっとハイブリット感があって良かったです!!
そんなこんなで。
アントマンシリーズ最新作。
これまでのミニマムな世界から一気に世界を広げて量子世界へと。
楽しく鑑賞させていただきました!!!!
満足。
先に書きましたが本作はMCUフェーズ5の幕開け。
今回のヴィランはサノスからカーンへと。
まだカーンの恐ろしさ、無敵感、迫力、絶望感はサノスには及びませんが
今後どうなっていくのか皆目見当がつかない。
ただ、マーヴェルのことだからあっと驚く展開が待ち受けているに違いない。
楽しみ!!!!!
長生きしなきゃ!!!!
≪点数≫
8点
(23.02.18鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-08 Mon

2021年制作 米
監督:ジェームズ・ワン
≪キャッチコピー≫
『ヤツは[一番近く]にいる』
≪ストーリー≫
マディソンは、あるときから目の前で殺人を目撃するという悪夢を見るようになる。超人的な能力で次々と犠牲者を殺めていく漆黒の殺人鬼による夢の中の殺人事件が、ついに現実世界でも起きてしまう。人が殺されるたびに、殺人現場を疑似体験するようになったマディソンに魔の手が忍び寄る。
≪感想≫
ホラー映画。
昨年、私がチェックするSNSの映画人たちがもれなく絶賛していた本作。
やっとこさ鑑賞することができましたよ。
さてさて。
なにこれ、めちゃくちゃ面白いんですけど!!
徐々に明らかになってくる真実。
そこまでホラー味たっぷりでドキドキしながら鑑賞。
これは多重人格物か!?
これはお化け的な展開か!?
これは超常現象的なお話なのか!?
色々と推理しながら鑑賞。
そんな感じで観ていくと・・・。
中盤ぐらいから徐々にアクション要素が強くなってきて・・・。
完全なる真実が明かされたとき!!
ガブリエルが登場して覚醒!!
クライマックスの虐殺シーンなんてバイオレンスアクション映画に
トランスフォームして最高!!
ゴアありグロありで素晴らしかったです。
あのクライマックスの疾走感は半端なく楽しかったですよ。
アクション映画としても素晴らしかったです。
そんなこんなで。
ちくしょー。
これ、映画館で観たかったなぁ。
素晴らしい作品でした。
≪点数≫
9点
(23.02.12鑑賞)

満足ならクリック!!
2023-05-05 Fri

2022年制作 米
監督:アンナ・フォースター
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
過去を封印してひっそりと暮らすルー(アリソン・ジャネイ)は、ある嵐の晩、隣家の女性(ジャーニー・スモレット)から助けを求められる。女性は幼い娘が何者かに連れ去られたと語り、娘を救出するため二人は誘拐犯の追跡に乗りだす。その道中、互いの秘めた過去が浮かび上がってくる。
≪感想≫
Netfrixオリジナル映画。
どこかの島でひっそりと住む母娘。
そこに昔、死んだ父親が現れ、娘を誘拐する。
そこで近くに住む偏屈ばばぁの主人公ルーが助けるために奮闘するっつーお話。
お話の展開が読めなくって良かった。
大ネタバレですが、娘を誘拐した父親は実はルーの息子で。
ルーの息子であるフィリップは小さい頃にルーのCIAでの仕事の関係で
誘拐されることに。
ルーはフィリップより仕事を選んだ母親をひたすら恨んでいて。
ルーへの復讐のために自分の娘を誘拐したってな訳で。
なるほどねぇ。
この展開はまったく想像していなくってとても驚きました。
このストーリーが観れただけでも◎。
メインのアクションに関してはまぁまぁまぁ。
確かにルーの無敵感は観れたのですが、もう少しいききっていても良かったかな。
元CIAという肩書のサバイバル能力をもっと見たかったかな。
ただ、あの年齢であれだけ強かったらやっぱカッコ良かったです。
そんなこんなで。
アイディア一発勝負の本作。
最後の展開だけは楽しめましたが、あとはまぁまぁまぁ。
そうそう。
父親役の方が「ヴェノム」のトム・ハーディに似ていたなぁ。
鑑賞後に違うと気付いてびっくり。
≪点数≫
6点
(23.02.12鑑賞)

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2023-05-03 Wed

2022年制作 邦
監督:原田 眞人
≪キャッチコピー≫
『狂犬よ、のし上がれ。』
≪ストーリー≫
警官時代に愛する人が殺される事件を止めることができず、その苦悩を抱えながら生きる元警官の兼高昭吾(岡田准一)。警察は関東最大のヤクザ組織「東鞘会」への潜入捜査を彼に強要し、データ分析で相性98パーセントと判定された無軌道なヤクザ・室岡秀喜(坂口健太郎)とコンビを組ませる。東鞘会最高幹部の一人でもある土岐勉(北村一輝)が率いる東鞘会・神津組に潜り込むことに成功した二人は、抜群のコンビネーションを発揮。連絡係の衣笠典子(大竹しのぶ)の協力を得ながら、組織内でのし上がる。
≪感想≫
大好き岡田准一主演で日本のアングラ世界を描いた良作。
世界観が抜群に素晴らしかった。
アクションに関してはリアリティが抜群。
岡田君の格闘術が半端なくって。
「生」感が凄くあって、本気で強そうなんですよね。
ただお話に関してはとってもいききっていて。
これまでの日本映画のヤクザ物とは違って、どこかワールドワイドな
展開というか。
これまでの日本のヤクザ映画って良い意味で田舎臭いというか男臭いというか。
本作は確かにアウトローなんだけど、泥臭いんだけどどこか
スタイリッシュな印象。
最後の最後まで展開があって、見応えたっぷり。
誰が味方で誰が敵か。
本当のゴールはどこなのか。
これまた良い意味で全員ぼそぼそしゃべるもんだから、話が分かんない
部分もあったりね(苦笑)
とにかく最高でしたよ。
アクションについてもう少し。
岡田君のアクション映画で一番好きかも。
とにかく動ける岡田君。
もうねぇ・・・めちゃくちゃカッコ良いんですよね。
無敵感があって、こいつには絶対勝てないなと思わせるオーラを纏っている。
うまく言えませんが、フィクション感が無いというか。
そんなこんなで。
いやぁ良い映画観たなぁ・・・。
大好き岡田君の最新アクション映画。
泥臭いんだけどスタイリッシュ。
彼にはハリウッドのアクション映画や韓国のアクション映画に出てほしい。
特に本作の匂い的には韓国映画も彷彿とさせていたので、韓国映画に
出てほしいなぁ。
そうそう。
ちょっと思い出したのが韓国映画の「新しき世界」。
お話的にもエンディングの描き方も似ていましたね。
オマージュかな。
≪点数≫
9点
(23.02.11鑑賞)

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2023-05-01 Mon

2022年制作 仏
監督:ロマン・ガヴラス
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
ひとりの少年が殺害された悲しい事件をきっかけに、激しい戦いの舞台と化したアテナ団地。 警察に反感を持つ若者たちが大挙して集い、武装して徹底抗戦を構える。 一方、警察隊はその団地の前で隊列を組み、突入の機会を窺っていた。
≪感想≫
Netfrixオリジナル映画。
フランス映画。
ひとつの場所で起こっているデモを3名ぐらいの視点でワンカット風に追いかける。
とにかく強烈で臨場感たっぷりの本作。
とんでもなく素晴らしい作品でした!!
とりあえずこれ、どうやって撮っているんだろう・・・。
ひたすら続く長回し。
冒頭10分。
恐らくこの暴動の中心的人物であろうカミルをひたすら追いかける。
カミルが団地の屋上に立ち、警官たちと対峙する。
そこでタイトルである「アテナ」がドンッと流れる。
ここまででもう観てよかったなと。
何度でも観たいオープニングシーン。
本当に凄かったです。
以前観た「1917 命をかけた伝令」を思い出したり。
本当にこの暴動の中に放り出された気分。
最後の最後まで緊張感たっぷり。
一時も目が離せない。
ひりつく緊張感。
物語の中心であるカミルとアブデル。
アブデルはこの暴動を止めるために奔走するが終盤、ある出来事により
暴動を扇動する立ち位置に。
そしてあの最後の着地。
なんとも切ない終わり方。
そこに正義があったのか・・・。
警察の汚職や差別問題。
右翼や左翼の暴動問題。
社会にはびこる「悪意」が人々を苦しめていて・・・。
そこで起こった不幸(今回は弟の死)に対してどういう行動をとればいいのか。
理性と衝動。
そしてその原因になった事情は果たして私たちが思っていることなのか。
誰かのつまらない思想だったりするんじゃないのか。
暴力の連鎖を止めるのははたして無理なのか・・・。
色々と考えさせられる。
ただ、本作の素晴らしさは重厚なストーリーもありますが
やっぱり演出力じゃないでしょうか。
ひたすら続く長回し。
見応えたっぷりの映像。
緊張感たっぷりの映像。
本当に素晴らしかったです。
そんな感じで。
とんでもない傑作がまた生まれました。
以前観たフランス映画「レ・ミゼラブル」にも通ずる作品。
おススメです!!
≪点数≫
9点
(23.02.08鑑賞)

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