2022-02-28 Mon

2019年制作 イラン
監督:サイード・ルスタイ
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
イランではホームレスの薬物依存が問題となっていた。警察の薬物撲滅チームのサマド(ペイマン・モアディ)は強引な捜査もいとわず、麻薬組織のボスであるナセル・ハグザド(ナヴィド・モハマドザデー)の追跡に闘志を燃やしていた。サマドはナセルのペントハウスを突き止め、彼を捕らえるが、これは攻防の始まりに過ぎなかった。
≪感想≫
イラン映画。
なかなか変な映画というか、変わった作りの作品という印象。
中盤までは麻薬王を追いかける警察側の視点で進んでいって、
中盤以降はその麻薬王が捕まってそこからの麻薬王の視点で進んでいく。
その他にもこの一連に巻き込まれた人間や警察たちの視点でも
描かれたり。
泥臭くって人間臭い世界観。
アングラっぽい世界観。
生々しい雰囲気と映像はまるでイランという国の
ドキュメンタリーを観ているよう。
警察を買収しようとする麻薬王。
警察官同士でも足を引っ張りあったり。
終盤の裁判シーンや死刑が執行されるシーンも見応えあったな。
どこまでがリアルなのか分かりませんが、
イランの現状の一端を見ることができて勉強になりましたよ。
演者の方々も生々しくって良かったですね。
序盤のドラム缶が並ぶスラムで麻薬に溺れる人々。
留置場で上半身裸で並べられる人々。
あの気の抜けた顔、顔、顔。
いかにもっぽいその「顔」は観ているだけでえげつなかったですよ。
とにもかくにも。
あまり観ることができないイラン映画。
生々しいイランの麻薬との現状にぐったり。
良い群青劇を観ることができましたとさ。
そうそう。
僕的にはオープニングのあの一連にとにかく心掴まれました。
あの、生き埋めされる着地にグッと。
とんでもなくインパクトのあるオープニング。
いやぁ、凄かった。
≪点数≫
7点
(21.12.11鑑賞)

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2022-02-25 Fri

2021年制作 邦
監督:三木 孝浩
≪キャッチコピー≫
『1995年の僕と、
2025年の僕で、
絶対に、君を救う』
≪ストーリー≫
1995年の東京。科学者の高倉宗一郎(山崎賢人)は、ロボット開発の研究に熱中する。秀でた科学者であった亡き父の親友・松下が夢見たプラズマ蓄電池の完成を間近に控え、彼は愛猫のピートと松下の娘・璃子と平和な日々を送っていた。だが、共同経営者と婚約者に裏切られ、自分の会社も開発中のロボットや蓄電池も失ってしまう。
≪感想≫
調べてみるとどうやら海外人気原作小説を基に
日本にて映画化。
近未来のお話。
ふぅ・・・。
久しぶりに純粋に「嫌」な気分にさせられた悪役を観ましたよ。
何でしょう。
最近の作品での悪役、悪い奴ってそれなりに背景があったり
理由を描いているのでキャラに深みを感じたりしたのですが
本作のアイツらはまぁ嫌なやつで・・・。
冒頭の、宗一郎が騙されて眠らされるまでの件は
本当に観ていて不快でした。
ちょっと観るのをやめようと思ったくらい。
宗一郎を騙くらかした悪党コンビの共同経営者の和人と
宗一郎の恋人である白石。
特にこの白石という女がまぁ最低最悪で。
こんなにも振り切った単純にただただ「嫌」なキャラクターは
本当に観ていて不快でした。
和人もなぁ・・・。
「顔」がもう憎々しいんだよなぁ・・・。
とにかく、最低最悪のコンビでした。
あとはねぇ・・・。
この手の作品、いわゆるタイムトラベルをテーマにした作品って
いまいち飲み込みにくいんですよね。
ツッコミどころが死ぬほどありすぎて。
その場合、勢いが大切でそのまま突っ走って楽しませてくれれば
「最高」なんですが、本作はそれがなかったなぁ。
確かにある意味「勢い」はあったんです。
物語がトントン進んでいくのでグッと引き込まれそうにもなったんです。
ただ、やっぱり一つ一つの行動や、そもそもこの設定に
無理がないのか的な引っかかりにやっぱり
「ちょっとなぁ・・・。」
って。
そんな感じで。
ちょっと「不快」よりの作品。
そうそう。
本作の世界観ってPS4の人気ゲームソフト「Detroit Become Human」にそっくり。
絶対、影響受けてるんじゃないかな。
あのゲームは最高だったなぁ。
もう一回やろうかしら。
それを考えると、この世界観はやっぱり良い設定だったと思います。
思えば、藤木直人さん演じるアンドロイドとか良い感じだったもんなぁ。
「ターミネーター2」のT−1000のようなダッシュシーンには
思わずニヤリ。
≪点数≫
4点
(21.12.05鑑賞)
こちら原作。
機会があれば。

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2022-02-23 Wed

2021年制作 米
監督:アンディ・サーキス
≪キャッチコピー≫
『俺たちより
最悪』
≪ストーリー≫
地球外生命体のシンビオートは、ジャーナリストのエディ(トム・ハーディ)に寄生したものの、食欲を制限されてストレスを溜め込んでいた。そんな折、未解決事件を追うエディは、刑務所に収監中の死刑囚クレタス・キャサディ(ウディ・ハレルソン)と再会する。猟奇殺人を繰り返し、死刑執行が迫るクレタスは突然エディの腕にかみつき、彼の血液が普通の人間とは違うことに気づく。
≪感想≫
大好きアメコミ映画「ヴェノム」の続編。
少し前作の事は覚えていないのですが、そのキャラクターや
アクションにワクワクした印象。
さて本作は・・・。
相変わらずの凸凹バディムービーに思わずにやり。
主人公であるエディとヴェノム。
どっちもちょっとだけおバカでダメダメ。
ビシッとして決めるところは決める!!訳でもなく、
意外と一定のダメダメっぷりで最後まで突っ切る。
これはこれで良しってなもんか。
何となくB級臭も漂う大型エンタメ作品。
予告編で死ぬほど観ましたが、ヴェノムがカーネイジと対峙して
「あいつはやばい!!」
的なシーンは何度見てもほっこり。
緊張と緩和ってなやつ。
本作のヴィランである、カーネイジとその宿主であるサイコパスシリアルキラーの
クリータス・キャサディ。
プラス、キャサディの恋人であるフランシス・バリソン。
彼女の能力である超音波は「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」の
ブラック・キャナリーのようなものか。
カーネイジに関してはルックもそうですがバケモノ感も半端なく
ヴィランとしてはこの上なく最高。
フランシス・バリソンに関してもヴェノム達シンビオートには「音」が
重要なファクターであるということを伝えるうえで最適なキャラ。
ヴィランに関しては良き設定でしたね。
物語のテンポも良く、近作のアメコミ映画は2時間越えの作品が多い中
本作は100分弱とタイトに仕上げていて、これはこれで好印象。
全体的に最後までだれることなく鑑賞することができましたよ。
そして何より!!
アメコミ映画お約束のエンディング後のおまけシーン。
・・・ん!
・・・・んん!!
思わず映画館で
「えっ!!」
ってつぶやいてしまいましたよ。
まさかのスパイダーマンことピーター・パーカーの登場。
正直、このシーンを見た瞬間、これまでの映画の話など
吹っ飛ぶような衝撃。
なんだこれ、今後がめちゃめちゃ楽しみじゃねーか!!!!
こりゃまだまだ死ねないぞ。
長生きしてぇなぁ。
そんなこんなで。
作品自体も一定量の満足感は得られる良作。
何より今後がとても楽しみなシリーズに。
次回作、はよ!!
まずは「スパイダーマン」の新作、はよ!!
≪点数≫
7点
(21.12.04鑑賞)

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2022-02-21 Mon

2019年制作 米
監督:ジーン・スタプニツキー
≪キャッチコピー≫
『背伸びしたら、オトナになれるの?』
≪ストーリー≫
女子から初キスパーティに招待された小学6年生のマックス(ジェイコブ・トレンブレイ)、ルーカス(キース・L・ウィリアムズ)、ソー(ブレイディ・ヌーン)は、今までキスしたことがなかった。どうすればいいのかわからない彼らは、必死でリサーチを開始する。ある日、マックスの父親が大事にしているドローンがバラバラに壊れてしまい、外出を禁止されることを恐れた彼らは新品を手にいれようと隣町に向かう。
≪感想≫
誰もが通るであろう第1次青春時代。
性の目覚めと裏腹なまだまだ幼稚な心。
アメリカ版ズッコケ三人組が織りなす青春コメディ映画。
ベタっちゃあベタな展開。
けど着地はちょっと捻られていて、好感持てました。
何となく、これまで観てきた作品であれば、最後の最後は
仲間みんなで大円団的な終わり方なのに本作は違くって。
本作の場合は、親友3人組がそれぞれ成長していって
それぞれの好きなものを追っかけた結果、離れ離れに。
それでも思い出として残っている親友、仲間という意識は
しっかりと根付いていてね。
これはこれでとてもグッときましたよ。
キャラについて。
ズッコケ三人組の面々ではないのですが、僕的にはあの中国系の
姉弟が最高でした。
あの弟のクールないききったキャラが最高。
お姉ちゃんの方も良いキャラしていましたが、何よりルックが素敵でした。
ズッコケ三人組もそれぞれが良い味出していましたよ。
両親が離婚してしまうあいつのその後や素直なキャラクターにはほっこり。
応援したくなる楽しい奴らでした。
全体的に切れ味抜群の品のないネタの数々。
いききっていて楽しかったりもしたのですが、若干引き気味
だった部分もあったり。
あとねぇ。
少しだけ入り込めなかったのは、笑いのネタがあまり面白くなかったのと、
主役3人組があまりにも幼稚すぎて。
僕が子供の頃はもっとませてたような・・・。
お国柄なのかな。
もう少し小さい頃のお話だったら納得いったかもね。
まぁまぁまぁ。
そんなこんなで。
懐かしさも多少感じた作品。
着地もグッときたし良い良い。
お下品が過ぎる部分も多々ありましたが、十分に楽しむことができました。
≪点数≫
6点
(21.11.27鑑賞)

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2022-02-17 Thu

2019年制作 米
監督:ディーン・デュボア
≪キャッチコピー≫
『会えば、きっと好きになる。』
≪ストーリー≫
敵対していたドラゴンと人間は、臆病者のバイキングの少年ヒックと傷を負ったドラゴンのトゥースの奮闘により共に生きる道を選ぶ。彼らはバーク島で平和に過ごしていたが、ドラゴンが増え過ぎて島がパンク状態になる。今は亡き父の後継者となり、若きリーダーに育ったヒックは島を出てドラゴンたちと新しい世界を探すことを決意する。
≪感想≫
先日観たシリーズ2作目の続編。
本作でシリーズ最終作になるのかな。
連投で鑑賞することにしました。
さてさて。
僕的に本シリーズの楽しみ方として一つあるのが、ヒックを含めた
ハーグ島の仲間たちの楽しさ。
前作でも書きましたが、あの双子の女の子の方がめちゃくちゃ楽しい
役回りをしていて。
本作でもその立ち位置は健在。
最高でしたよ。
今回は何気に双子の男の子の方も楽しく仕上がっておりました。
全体的にルックもカッコいいんですよね。
あのフルアーマー姿の面々は観ていてワクワクするというか。
そんな感じで。
とても良い着地の仕方。
最後のシーンはありきたりながらもグッときました。
いやぁ、やっぱり良シリーズだったなぁ・・・。
毎回、書いていますが本シリーズは映画館で観てこそのシリーズでした。
あのドラゴンたちの疾走感やめくるめくアクションは見応えたっぷり。
男の子にオススメした良シリーズ。
堪能いたしました!!
とんでもなく短めレビューでした。
≪点数≫
8点
(21.11.26鑑賞)

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2022-02-15 Tue

2014年制作 米
監督:ディーン・デュボア
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
ドラゴンと人間が共存するバーク島では、賑やかなドラゴンレースが開催されていた。レースに参加しないヒックは、ドラゴンのトゥースに乗って地図にない場所を求め探検へ出かけてゆく。見慣れない島を発見したヒックは、そこで巨大なドラゴンを操る集団を見つけるが、何と彼らはバーク島を狙っていて…。
≪感想≫
以前観た良作アニメの続編。
前作を観たのが大分前なので、うっすらしか覚えていないのですが、
観ていると思い出すキャラクターの数々。
ヒックの仲間の個性的な面々。
僕的に大好きなのはあの双子の女の子の方。
あの新キャラの筋肉2枚目なアイツへの一目惚れシーンからの、
求愛の件は最高に笑わせてもらいましたよ。
新キャラでいうと母親がカッコ良かったな。
ドラゴン使いでルックも最高。
蛮族的な感じが◎でした。
ヒックとトゥースの関係性と成長はやっぱり観ていて気持ちよかったり。
ただ欲を言えば、あんなにたくさんのドラゴン種が出てきたので、
もっと色々見せて欲しかったなと。
まぁまぁまぁ。
お話について。
最後はなんだかんだでグッときちゃった。
ヒックが親父の跡を継いでみんなの長になるあのシーンとかね。
そんな感じで。
実は本シリーズはもう一昨出ていて。
それを観るために本作を鑑賞。
本作は映画館で上映しなくってDVDスルーだったみたい。
前作もそうでしたが、本作のドラゴンに乗ってのバトルや爽快な
アクションはでかい画面で観てこそのルックなんじゃなぁなかろうか。
もったいないよなぁ・・・。
ま、そんな事呟いている僕もお家のTVで観たのですが(苦笑)
≪点数≫
7点
(21.11.23鑑賞)

満足ならクリック!!
2022-02-11 Fri

2020年制作 米
監督:アニーシュ・チャガンティ
≪キャッチコピー≫
『母の愛からは逃れられない』
≪ストーリー≫
生まれつきの病気で車椅子生活を送る17歳のクロエ(キーラ・アレン)は、大学への進学を望んでおり、自立しようと頑張っていた。そんな中、自身の体調や食事を細やかに気遣い、進学の夢を後押しする母親ダイアン(サラ・ポールソン)が差し出す薬が危険なものであることを知り、彼女は母に不信感を抱く。クロエは過剰なまでに自分を管理するダイアンから逃れようとするが、その先には想像を絶する試練と、思いも寄らぬ事実が待ち受けていた。
≪感想≫
以前観た「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督最新作。
前作はあまり観たことのない作りでフレッシュでとても楽しめた印象。
さぁ、次はどのような作品に仕上がっているのでしょうか。
さてさて。
なるほど、やっぱり見せ方が巧い。
序盤から母親の狂気な感じが漂っていて。
毒親感が半端ない空気感は見ていて不気味すぎてね。
何より、この母親を演じたサラ・ポールソンのルックが素晴らしくって。
何であんなに毒親感、サイコ感が出ているんだろうと考えたんですが、
メイクのせいもあるんじゃないかなと。
特にあの眉毛。
太濃ゆいあの眉毛にサイコ感がたっぷり出ていました。
序盤の演出で怖かったのが、クロエがPCを操作していて
その奥の薄暗い部屋で母親の姿がぼんやり映し出された瞬間。
「こ・こ・こ・こえぇ〜・・・。」
中盤の一つの真実が浮きあっがた瞬間。
想像だにしていなかった展開に思わずぞぞっ・・・。
このシーン、インパクトが本作の肝で、僕的には
見事にハマりました。
それはともかく、あの郵便屋さんはかわいそすぎたな。
冷静でとても良いやつだっただけにとても残念。
むむむ・・・。
着地について。
クライマックスの病院でのあの着地。
ちょっとだけ無理があったかなぁ。
いくら何でも、拳銃で撃たれるくだりは、ちょっと強引すぎたのかなと。
もう少し切れ味の鋭い決着のつけ方が良かったなぁ・・・。
例えば、クロエがダイアンをどうにかしてやっつける的なね。
まぁまぁまぁ。
ラストシーンはちょっとだけスカッとしたな。
これまでの母親からの仕打ちに復讐を匂わす終わり方。
ニヤリとしてとても気持ち良かったです。
とにもかくにも。
アイディア一発勝負な本作。
僕的にはとても驚かされたし大好き。
前作の「search サーチ」にも驚かされたので、今後も楽しみな監督さん。
追い続けていきます!!
≪点数≫
7点
(21.11.22鑑賞)

満足ならクリック!!
2022-02-09 Wed

2020年制作 韓
監督:ウ・ミンホ
≪キャッチコピー≫
『男はその日なぜ
大統領を暗殺したのか。』
≪ストーリー≫
1979年10月26日、韓国。大統領直属の諜報(ちょうほう)機関である中央情報部(KCIA)の部長を務めるキム・ギュピョン(イ・ビョンホン)が、敬服していたはずの大統領(イ・ソンミン)を射殺する。事件の40日前、アメリカに亡命したKCIAの元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)が下院議会聴聞会で韓国大統領の横暴を告発していた。キムは、かつての友人でもあるヨンガクに大統領の命で接触し、事態収拾を図るが、その再会が彼の人生を大きく狂わせていく。
≪感想≫
韓国映画。
史実に基づいたお話。
時は1979年。
当時の大統領であるパク・チョンヒが大統領直属の諜報機関KCIAのキム部長に
暗殺される。
そこに至るまでのお話。
いやはや、どこまでが本当かわかりませんが、大統領が殺されたっつーことは
本当なわけで。
大統領が暗殺・・・。
物騒なお話ですねぇ・・・。
さてさて。
本作の主役であるキム部長。
彼がお国のために、いやもっというとパク大統領のために辛酸を舐めながら
活動を続けていて。
大統領のためなら友をも殺す。
大統領、ひいては国家に心を奪われた男の生き様。
彼がだんだんと大統領から心を離れていく様は本当に苦くって。
というか、このパク大統領という男。
なんとまぁ憎々しい。
特にあの表情!!
すっごい嫌な感じ・・・。
パク大統領はキム部長を近づけては遠ざけての繰り返し。
命のやり取りなのでシリアスなんだけどちょっとした恋愛映画を観ているみたい。
お話については政治劇で何となくスパイ要素も詰まっていて。
この手の話は結構飲み込みづらかったりもするので、途中まで追っかけるのに
少しだけ苦労したのですが、中盤、終盤にかけて整理されてきたらどんどん
のめり込むことができましたよ。
そうそう。
ちょっとだけ先日観た「工作 黒金星 (ブラック・ヴィーナス) と呼ばれた男」を
思い出しました。
同じぐらいの時代なんじゃないかなぁ。
本作に出演されていたイ・ソンミンも出てたよな。
ここでも良い「顔」してたよなぁ・
そんなこんなで。
骨太歴史ドラマ。
男くさい渋めの作品なんだけど、そこはやっぱり
韓国映画という事で独特の空気感が。
ちょっとこう、泥臭さというか良い意味での田舎臭さが残っている感じ。
堪能いたしました!!
しっかし、韓国という国は本当に興味深い。
これまでも、大統領が逮捕されたり暗殺されたりと色々ときな臭い状勢が
続いたりしていて。
闇が深いというか・・・。
≪点数≫
7点
(21.11.21鑑賞)

満足ならクリック!!
2022-02-07 Mon

2019年制作 中/香港
監督:デレク・ツァン
≪キャッチコピー≫
『君が、俺の明日を変えてくれた
君が、私の明日を守ってくれた』
≪ストーリー≫
進学校に通う高校3年生の少女チェン・ニェンは、大学進学のための全国統一入学試験を控え重苦しい日々を過ごしていた。ある日、一人の同級生が陰湿ないじめを苦に自殺し、彼女が新たないじめの標的となる。いじめっ子たちの嫌がらせが激しくなっていく中、チェン・ニェンは下校途中に集団暴行を受けている少年・シャオベイと出会う。共に孤独を抱えた彼らは次第に心を通わせていく。
≪感想≫※ネタバレあり
青春映画かと思っていたらミステリ展開も含まれていたり。
中国の社会問題を織り交ぜながら、見事に映画として
きっちりと仕上がっていた良作。
こんな感じのお話かなと思ったら、もうひと展開。
それならこんな着地かなと思ったら、さらにもうひと展開。
どこまでも続く、物語の連鎖。
いやぁ、のめり込みながら鑑賞してしまいましたよ。
隙が無いというかね。
物語はとても重め。
いじめ問題を主に置きながら、貧富の問題、そこから生まれる
受験戦争や親からの抑圧。
社会や学校の隅に追いやられた二人の少年少女の物語。
人物描写について。
いじめっ子集団は言わずもがな最悪。
結果、主犯のあの娘は死んじゃうんだけど、彼女の
浅はかな考え方や、それが当たり前にまかり通っている性格には
いらだちと恐怖を覚えたり。
けど、これって現実にありえそうだし、我が国日本でもこんな
人間はいるだろうし、こんないじめはありえるのだろうと思うと
めちゃくちゃげんなり。
例えば警察官の対応も嫌だったなぁ。
何でしょう、警察という職業が抱える闇というか。
あの女刑事のチェンに対する言動とか対応とか。
あの若造刑事のこの一連に対する対応とか。
自らの不手際は置いといて、無理やりチェンとシャオベイを引き離すようなあの対応。
もちろん自らの過ちを悔いているとは思うんです。
ただ、それも空回りに繋がっているように見えて。
本作におけるチェンやシャオベイはほんの少しも悪くなくって。
例えばいじめた側の女子高生たち。
彼女たちも受験戦争や学歴社会、そして親からの抑圧によって
性格がねじれているんですよね。
彼女たちもやはり被害者でもあったり。
恐らく、彼女たちを抑圧している親たちもそう。
なんだかんだで社会問題から派生した「悪」でね。
それに比べて、チェンやシャオベイ。
特にチェンに関しては、これっぽっちも悪いところが見当たらない。
彼女を観ていると
「いじめられる側にも問題がある」
何てことは口が裂けても言えない。
シャオベイに関してはやさぐれ坊主なんだけど、彼は彼で
親の愛を受けずに育ったはぐれもの。
ある意味、孤独な二人が共鳴して惹かれ合うのは必然的で。
彼ら二人には本当に幸せになって欲しくって。
物語の着地について。
冒頭と最後はチェンの現在を描き出していて。
どこかで英語の先生をやっているチェン。
それを変わらず見守るシャオベイの姿。
なんとも希望に満ちたラストシーン。
・・・いや、まてよ・・・。
これってもしかして幻想なのか・・・??
だって、殺人を犯した人間が無事に出所してすぐに英語の先生にまで
なれるのか??
とても光がさした希望のお話なんだけど、いくら何でもこの着地は
難しいんじゃないでしょうか。
そう思うと、やっぱりもやっと切なくなる。
とにかく二人には幸せになってほしいなぁと。
そんな感じで。
いやはや、これまた素晴らしい作品なのは間違いない。
先の読めない展開や、最後の着地。
そして中国のお国事情や社会情勢なども勉強になりました。
何より、とても瑞々しい二人の俳優さんを観れて良かったです。
ただ、やっぱりとても痛くてもやもやするんだよなぁ・・・。
≪点数≫
8点
(21.11.17鑑賞)

満足ならクリック!!
2022-02-03 Thu

2021年制作 邦
監督:阪元 裕吾
≪キャッチコピー≫
『二人は殺し屋
その正体は』
≪ストーリー≫
女子高生の殺し屋・ちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、高校卒業後は普通の社会人として生活することになり戸惑っていた。組織から委託される人殺し以外の経験がない二人は、公共料金の支払いといった日常生活における知識がなく、慣れない社会人生活に苦戦する。さらに組織からルームシェアを命じられると、コミュニケーションに難があるまひろはアルバイトをこなすちさとに嫉妬し、二人の仲は悪化。一方殺し屋稼業では、ヤクザとのトラブルに巻き込まれてしまう。
≪感想≫
今年のミニシアター系ベスト邦画発見。
オフビートな世界で切れ味の鋭いアクションが炸裂!!
「女の子」二人が織りなす殺し屋映画。
キュートとカッコいいが融合。
キュートなパート。
主人公の殺し屋二人組。
彼女たちは社会不適合者で、アルバイトも探すも元来の性格と
殺し屋気質でどこにも馴染めず。
彼女たち二人の会話ややり取りがとにかく愛おしい。
ちょっとだけまどろっこしいシーンや展開もあったりしたんです。
ほんの少しだけテンポを速くしても良かったのかな。
んん〜〜〜〜・・・そんなことないか。
彼女たちの良さ、世界観の良さが失われるのかな。
まぁまぁまぁ。
カッコ良いのパート。
切れ味の鋭いアクションシーン。
特にクライマックスのバトルシーンがめちゃくちゃカッコ良い!!!!
ハリウッドじゃなく邦画でこのレベルのアクションが見れるなんて、
なんて幸せ。
ず〜〜〜っと観ていたいアクションシーンの数々。
素晴らしかったですよ。
アガッた、アガッた。
主人公の二人以外にも楽しいキャラがたくさん。
僕的には、二人のマネージャーのようなアイツも良かったし、
クライマックスのラスボス殺し屋も最高にイケていたし。
あの、敵の娘は以前観た邦画「初恋」のベッキーに通ずる
ぶっ飛んだキャラクターで好感持てたし。
親父ヤクザも息子ヤクザも、メイドカフェでのやり取りは
くすくすと笑わせてもらったし。
いやぁ・・・楽しかった。
そんなこんなで。
とにかくシリーズ化希望。
彼女たちのあのゆるい生活と、時折グッとくる表情や会話。
そしてキレのあるアクション。
ずっとずっと追い続けていきたい二人の成長。
大好き!!!!
シネコン系の大規模映画も最高ですが、この手のミニシアターで
コツコツ頑張っている邦画作品もやはり素晴らしい。
例えば2020年は「佐々木、イン、マイマイン」
例えば2019年は「メランコリック」
今年はこれかなぁ・・・。
これだから映画鑑賞が止められない。
監督は阪元裕吾というお方。
他にもこの手の作品を多数撮っていらして。
「ある用務員」「黄龍の村」「最強殺し屋伝説 国岡」。
予告等々観てみると何とも楽しそうな作品たち。
観てぇ!!
我が街の映画館でもやってくれないかなぁ・・・。
求む!!!!
また追い続けていきたい監督さんを発見できました。
≪点数≫
8点
(21.11.14鑑賞)

満足ならクリック!!
2022-02-01 Tue

2021年制作 米
監督:クロエ・ジャオ
≪キャッチコピー≫
『地球滅亡まで、あと7日。』
≪ストーリー≫
ヒーローチームが不在となった地球で、人類の行動が新たな脅威を呼び起こしてしまう。そんな中、7,000年にもわたって宇宙的規模の脅威から人類を見守ってきたエターナルズと呼ばれる10人の守護者たちが、数千年の時を経て次々と姿を現す。散り散りになっていた彼らは、人類滅亡まで7日しかないと知って再結集する。
≪感想≫
大好きMCU最新作。
今回はアベンジャーズ等々のヒーローたちがわちゃわちゃやっている前から
実は地球はエターナルズというヒーローたちに守られていたっつーお話。
監督は「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督。
監督は「ノマドランド」でアカデミー監督賞を受賞しています。
そんなオスカーを取った監督がなんとアメコミ映画の監督に!!
果たしてどんな作品になったのでしょうか。
さてさて・・・。
またもややってくれたぜMCU!!
これまでのシリーズからまたさらに世界観を広げてきました。
単独作品としてとても素晴らしい一作。
また新たな始まりを謳った傑作の誕生だ。
ありがとうクロエ・ジャオ!!
本作の主人公となるエターナルズの面々。
十人十色とままさにこの事。
10人のキャラクターたち。
これだけ初見のキャラクターが出てくると何名かをピックアップしがちだけど、
本作は全てのキャラクターが見事に立っていて。
それぞれの背景や性格、それぞれの関係を見事に描き出していました。
それだけでもう大満足!!!!
ずっと彼らの活躍を観ていたかった。
なんでしょう、一人一人に感情移入できるというか。
それぞれを応援したくなるあの感じ。
みんな大好き!!
ここら辺はクロエ・ジャオ監督の手腕なのでしょうね。
素晴らしい。
少しだけキャラについて。
大好きドン・リー(マ・ドンソク)演じるギルガメッシュ。
イメージ通りの素手でぶん殴りキャラで力持ちかつ優しいマッチョマン。
中盤、退場するものの、彼のキュートさと優しさ、そして力強さに
心をギュッと鷲掴みにされましたよ。
アンジー(アンジェリーナ・ジョリー)演じるセナとの関係性にもグッときました。
そのセナ。
もうねぇ・・・佇まいがもう神々しくて。
正直、彼女に関してはファーストアクションシーンで鳥肌が立っちゃうぐらい
美しくて、魅力的でした。
そんな主役級の彼女をあえてピックアップしてエターナルズの一員として
他のキャラと同列で描いていたのも良かったなぁ。
人間の心を操ることのできるドルイグ。
僕的に最初はこいつが、何か裏切ったりして、ガチャガチャ起こすんだろうなぁと
思っていたら、そんなことないない。
心根は綺麗なひねくれBOYでした。
そしてドルイグと良い関係のマッカリ。
彼女の能力は超神速。
彼女のアクションはめちゃくちゃ素晴らしかった。
クライマックスのイカリスとのバトルシーン。
他の仲間とのコンビネーションバトルは最高。
テンションMAX、アガリまくりましたよ!!
僕的にはこのマッカリガ一番好きかも・・・いや、セナも捨て難い。
いやいや、ギルガメッシュ、スプライトあたりも・・・。
インド系のキンゴも良かったな。
日本の人気漫画「幽遊白書」の霊丸っぽい力を駆使して
敵と渡り合ったり、性格的にもコメディーリリーフっぷりを発揮していて、
人間のマネージャー、カルーンとのやり取りも微笑ましくって最高。
これまた、カルーンのキャラが楽しくってね。
他にも、成長に対して憧れを持つスプライトの苦悩にグッと来させられたり、
ヴィランになっちゃうイカリスの苦悩、主役級のセルシの逞しさ。
恐らく、マーヴェル初となるゲイのヒーロー、ファストスの地球人としての
佇まいにも感涙。
とにかくキャラクター一人一人が素晴らしかったです。
演出。
LGBTQや多種多様な民族、ルックを当たり前のようにミックスして
描き出しているあたりもクロエ・ジャオの志の高さを感じられる。
本当に素晴らしかったです。
アクションシーンも素晴らしかった。
ド派手な映像とアクション。
これこそ映画館案件。
十分に堪能いたしました。
多少、暗めの作風でこれまでのMCUとは少し毛色が違いましたが、
これも紛れもなくMCU作品。
これまでのポップで派手なMCUではなくクロエ・ジャオ的丁寧で美しい
MCU。
これはこれで良し!!
とにもかくにも。
フェーズ4になっても、どんどん攻めてくるMCU。
これから、このエターナルズはどのようにアベンジャーズと関わっていくのでしょうか。
これからが本当に楽しみ。
正直、ここ近作で一番好きかも。
MCUお約束のエンドロール後のオマケシーン。
出てきたのはなんと、サノスの弟エロス!?
なんじゃ、そりゃ。
また新しいキャラクターが・・・。
いやぁ・・・続編が待ち遠しい!!
その前に、もう一回観ようかしら。
≪点数≫
10点
(21.11.07鑑賞)

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