2021-08-30 Mon

2019年制作 韓
監督:リ・ゴン
≪キャッチコピー≫
『その男、阿修羅となる――』
≪ストーリー≫
貧しい家庭に生まれた少年グィスの父は自殺し、母も彼を見捨てる。最愛の姉まで失い天涯孤独の身になったグィスに残されたのは、生前父から教わった囲碁の腕前だけだった。一匹狼の棋士に才能を見いだされたグィスは山寺での猛練習に励み、やがて心身ともにたくましく成長して山を下りる。
≪感想≫
韓国映画。
以前観た「神の一手」のスピンオフ。
実は、本作を鑑賞後にこの事実を知ったんですよねぇ・・・。
囲碁とバイオレンスってどこかで観た事あるなぁと思ったんだよなぁ。
とほほ・・・。
さてさて。
先に書いた「神の一手」とはそこまで関係なかったので、これはこれで
楽しかったりしました。
まず、囲碁とバイオレンスのバランスが良かったです。
「神の一手」のレビューを読んだんですが、囲碁が活かしきれていない的な
事が書かれていて。
確かに、本作も囲碁の部分に関してはルールが分かんないのでピンとこない
ところもあったんですが、そこまで気にならなくって。
勝負の描き方が上手かったのかな。
バイオレンス部分もカッコよくって◎。
主人公のグィスのバッキバキの肉体がまず最高!!
そしてそこから繰り出される肉弾戦がまたスマートで最高!!
何でしょう、普通なら銃とか出てきても良いのに、そこは全く出てこない。
世界観がしっかりしていて、泥臭く肉弾戦。
あのトイレでのゴロツキ集団とのバトルや、路地裏でのチンピラとの第1ラウンド。
めちゃくちゃカッコ良かったです!!
キャラ立ちもしっかりしていて、悪役はしっかりとあくシャクしてくれていたし、
父親の復讐のために出てきた敵キャラも良かった。
僕的には義手のお師匠様が良かったなぁ。
彼との修行シーンはグッときましたよ。
そんなこんなで。
この手の作品、さらにどこかで観たなぁと思ったら
「タチャ イカサマ師」シリーズだ。
賭け事とバイオレンスの融合的なね。
まぁまぁまぁ。
いききった世界観は最高に楽しめました。
ここまできたらもう、カッコ良いと言うしかない!!
大満足!!
≪点数≫
8点
(21.06.12鑑賞)

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2021-08-26 Thu

2018年制作 韓
監督:キム・ギドク
≪キャッチコピー≫
『善悪の境界線が揺らぐ――』
≪ストーリー≫
退役した軍艦が、クルーズ旅行にきたカップル(藤井美菜、オダギリジョー)、有名議員(イ・ソンジェ)とその息子(チャン・グンソク)らを乗せて出航する。大海原を航行する船の中には、暴力と欲望が渦巻いていた。そして船は、いつしか異次元へと迷い込む。
≪感想≫
韓国映画。
監督のキム・ギドク監督ですが昨年、新型コロナウイルス感染のためお亡くなりに。
とてもアクのあるクセの強い作品を撮り続けていたギドク監督。
「弓」「サマリア」「嘆きのピエタ」辺りは鑑賞しています。
とにかくクセがすごい!!
あと、過去には色々と問題も起こしていましたね。
詳しくはわかりませんが、大クセ監督であること間違いない。
むむむ・・・。
合掌。
さてさて本作について。
ひたすら不快でダウナーな気分に。
映画としては良くできているというか、刺さった作品だったりもするんです。
ただ何だか嫌な気分なんだよなぁ・・・。
このご時世のせいなのか。
自分の心が不安定なのか。
ちょっと時期を選ぶ作品だったのかも。
とほほ・・・。
序盤から、強姦やら暴力やら、ひたすら人間の悪い部分ばかり
抜き取って描き出す。
それが最後の最後まで止まらなくって。
心が上がることがなかったんですよねぇ・・・。
ただ、そこに写っているのは紛れもなく「人間」で。
ありえないんだけどありえなくもない状況にひたすらダウナーに。
もうやだよって・・・。
いざ自分だったらなんて考える気力もなく、悪党が静粛されても
心は晴れず。
人間の良心みたいなものをあまり読み取ることができなかったんですよね。
とほほ・・・。
物語や演出に突っ込みどころはたくさんあるものの、一つの作品としては
キム・ギドク印で成り立っている。
それはそれですごいなぁと。
そんな感じで。
作品としては素晴らしいのは分かっているんですが、ちょっと
心が受け付けなかった作品。
十年後、二十年後に鑑賞したらその時は受け入れられるのだろうか。
そんな冒険心は今は持ち合わせていない。
とほほ・・・。
≪点数≫
1点
(21.05.30鑑賞)

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2021-08-23 Mon

2017年制作 邦
監督:堀 貴秀
≪キャッチコピー≫
『未来は、《ガラクタ》に託された。』
≪ストーリー≫
環境破壊によって汚染された地上に人類は住めなくなり、地下開発を進めるための労働力として、人工生命体マリガンが生み出される。だが、人類に反旗を翻したマリガンによって地下は乗っ取られる。以来、1600年の月日が流れ、遺伝子操作により永遠の命を得た代償として生殖能力を失った人類は、新種のウイルスによって人口の30パーセントを失ってしまう。
≪感想≫
ストップモーションアニメ。
世界観やらルックやらカルト臭がプンプンする傑作の誕生。
キャラクターについて。
様々なキャラクターのルックがちょっと気持ち悪いんだけど
気持ち良い。
あの3人組のあいつらとか最高だったし、ヒロインチックの
あの子も何ともキュートに見えるし。
しゃべる言葉も絶妙に伝わらない言葉で耳障りも悪すぎず
ちょうど良い塩梅。
演出について。
ストップモーションアニメのちょっとわちゃわちゃしている感じとか
楽しかったなぁ。
3人組のあいつらの筋肉増強からのカンフーっぽいアクションも
めちゃくちゃ最高。
ちょっと狂気じみたアニメーションはゾクゾクしましたよ。
まさに「カルト」な感じ。
お話について。
未来的な世界観は観ているだけで満足できたのですが、
正直、最初は何を描いているのかピンとこなかったりもしたんです。
ただ主人公のパートンに少しづつキャラが立ってきて、
どんどん動きが派手になってきたあたりから、めちゃくちゃ
楽しくなって。
孤児っぽいあの娘との交流とかもグッときたし。
3人組とのやりとりも楽しかったし。
最後まで楽しく鑑賞させてもらいました。
そんなこんなで。
一人の人間の情熱が大傑作を生み出した!!
何が凄いって、最後のエンドロールで流れる監督さんの名前!!
ほとんどの役割を堀貴秀監督が担っていて。
しかもエンドロールのバックでは、ストップモーションアニメを作っている
過程が早送りで流れていて。
これがまた途方もなくってすっごいんです。
映画と同じく、一人の人間が狂気的に作品作りを行なっている。
もうお手上げです・・・。
怪作で傑作の誕生!!
調べてみると、本作は三部作の予定みたい!!
続編が楽しみ!!
欲を言えば、もう少し短いスパンでお願いしたいところですが、監督の
イキキッタ情熱は薄まらないで欲しいので、首を長くして待っております!!
≪点数≫
9点
(21.05.16鑑賞)

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2021-08-19 Thu

2019年制作 カナダ/仏
監督:グザヴィエ・ドラン
≪キャッチコピー≫
『その瞬間、恋に変わった。』
≪ストーリー≫
親友同士で30歳のマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は、友人が監督する短編映画でキスシーンを演じる。その口づけをきっかけに、二人は今まで封印してきた相手への思いに気付き始める。婚約者のいるマティアスは親友への思わぬ感情に戸惑い、マキシムは長年の友情が壊れることを恐れていた。
≪感想≫
監督はグザヴィエ・ドランというお方。
後々知ったのですが、本作のマキシムって監督のグザヴィエ・ドランが
演じていたんですね。
こんなに若い監督さんだったのか。
しかもすごい評価を受けている監督さん。
これからも楽しみな方のようです。
さてさて。
恋愛においてのもどかしさや歯がゆさが目一杯詰まった作品。
好きだからこそ。
好きという気持ちを押し殺す。
気づいているのに気づかないふり。
観ていてもやもやっとしながらも少しだけ魅了されていて。
繊細な映画という印象。
恋だの愛だの煩わしくも複雑な感情の揺れの中、
そこに同性愛というさらにセンシティブな要素が
根っこにあるからさらに複雑になっていく。
そうそう。
本作のマティアスたちの仲良しグループの馬鹿話とか
ウダウダガチャガチャしたあの感じとかが僕的にはとても大好きで。
「こいつらバカやってんなぁ」
って。
終盤のマティアスがパーティーの空気を悪くして、こりゃ修復不可能だぞってくらいの
空気になったんだけど、あの仲直りの仕方とか最高。
一線を超えたんだけど、しっかりとまた「バカやってんなぁ」に戻ってこれる
あの関係が最高で。
僕にも親友と呼べる奴らが何名かいるのですが、まさしく
こんな関係だったりもするんですよね。
恐らく何が起こっても切れることのない関係は
何物にも代えがたいものです。
終わり方も何とも。
二人のあの表情はそれまでの行動からどう受け取ればいいのか。
これはバッドエンドなのかハッピーエンドなのか。
観客に解釈を委ねる感じ。
僕的にはこれまでの二人の関係は消して崩れることは
ないんじゃないかなぁと。
そこに恋愛が生まれても、なんだかんだで「バカやってんなぁ」の
形は変わらないんじゃないかなと。
良き関係。
逆にマキシムの毒母との関係が心配になる。
久しぶりにあんなダメ親を見ました。
息子の優しさを無下にして金をせびったり、暴力、最後には顔に
唾を吐きかける始末。
こりゃぁもうダメダメだよ。
アルコール依存やニコチン依存もあるのでしょう、自らのストレスを
我が息子に投げかける。
二人の関係が修復する気が全くしない・・・。
やるせなさすぎますねぇ。
そんなこんなで。
繊細なんだけどさわやかな印象。
そして、ちょっとこう昔のことを思い出させた作品。
グザヴィエ・ドラン監督。
要チェックですな。
≪点数≫
6点
(21.05.09鑑賞)

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2021-08-16 Mon

2019年制作 韓
監督:キム・ドヨン
≪キャッチコピー≫
『大丈夫、あなたは一人じゃない。』
≪ストーリー≫
結婚を機に仕事を辞めたジヨン(チョン・ユミ)は育児と家事に忙殺され、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。ある日、ジヨンは他人が乗り移ったかのような言動をするようになり、さらにその時の記憶は全くなくなっていた。夫のデヒョン(コン・ユ)はジヨンにその真実を告げることができずにいた。
≪感想≫
韓国で大ベストセラーを記録した同名小説を映画化。
この小説の噂はめちゃくちゃ聞いていて。
とても興味があっていつか読まなきゃなぁと思いながら、
まずは映画の方を鑑賞。
さてさて。
とにかくキム・ジヨンが受けている日常の不条理にズキズキしっぱなし。
「女性の生きづらさ」を全面的に描かれた本作。
むむむ・・・何だろうなぁ。
社会が成長していったり、変化していくうえでは
やっぱり痛みも伴うものなんだろうなぁと思ったり。
今回、描かれていた時代の女性たちは社会的にも立場が悪く
家庭の中でも立場が悪い。
しかもそれは悪意に満ちたものではなく、そのシステムが組み込まれている
からこそたちが悪くって。
恐らく、この社会の中でも順応して暮らしている方達もいて、
違和感なんてなくむしろそれが心地良いという方もいるんだろうなぁと。
ただ、本作のキム・ジヨンのような女性も少なからずいるし
そこは変えていくべきで救うべきシステムなんですよね。
そしてそのシステムを変えるにはこれまで当たり前のように
組み込まれているシステムや人たちの意識をアップデートさせなければと。
本作でも話されていた、時代に合わせた変革をってなもんで。
柔軟な心を持たなければ。
変化を楽しめる心を持たなければ。
より良い社会にしていくためには必要な事なのでしょう。
なかなかまとまりませんが、先は長いなぁと・・・。
ただこれはめちゃくちゃ嫌な気分になったのですが、女子トイレの盗撮問題の件。
気付いた会社の男たちは気付かぬふりをしていたようで。
なんてクズ野郎!!
あと、ジヨンが高校生?くらいの時にバスで起こった事件について。
あの男子学生の恐ろしさったらもう・・・。
なんてゲス野郎!!
これももしかしたら、男性の根底には女性に対する蔑視的な気持ちが
刷り込まれている証拠なのかも。
ゾッとしましたよ・・・。
物語の着地。
何となく、幸せな方向に向いていってとても爽やかな
名残を残しつつ終わっていました。
ただ、僕的にはこの終盤の終わり方が何ともやっとしていて。
つじつま合わせのように急展開していった感が。
それはそれで良いのですが、もう少し丁寧に回復、そして
未来へと歩んでいく姿を見たかったなぁと。
ベストは中盤でジヨンが再就職が決まって、未来へと進み出す件で
終わってくれると良かった。
あそこまでどん底に落ちているジヨンなのに、最後は
パッと回復している姿を見るのは、嬉しいんだけど
少しだけスッキリしませんでした。
もう少し、メッセージについて。
本作ではジヨンに対する扱いを通して、観ているこちらの意識や考え方を問われる。
旦那としての立ち振る舞い、父親として、弟として、社会人としての
考え方や諸々。
ただ、本作って実は男性がどうこうというよりかはそれまでの文化や
風習、そして社会のシステムがダメだったんだなぁと思ったり。
そこから人たちの心にダメな部分が根付いているんですよね。
人を「思いやる」という気持ちを放棄してしまって。
「当たり前」という楽な思想にたどり着く。
何だかなぁと。
自分の年代はそのいわゆるハラスメント的な事や女性が受けている不平等的な
社会を少し経験もしてきたし、心に刷り込まれている部分の多々あると思っていて。
今尚、その刷り込まれている「当たり前」的な発想が時折、見え隠れしている
事を本作を観ながら改めて思い出させられて反省。
そして自分を正当化しようとする思考にこれまた反省。
ふぅ〜〜〜・・・。
そんな感じで。
結構、ヘビーな流れとじんじん痛みが走る内容にちょっとどんより。
それを考えると最後の爽やかな終わり方は少し良かったのかなと思ったり。
色々と身につまされたり思うところがあったり。
今後の社会を生きていくためにも観て良かったなぁと思いました。
そうそう。
めちゃくちゃ余談というかふと思ったのですが、
本作の着地はジヨンが作家になって物語を終えます。
この後のジヨンはまさか以前観た邦画
「ミセス・ノイズィ」に続くのかぁ(笑)
人生七転び八起き(笑)
なんて思ったりもしました。
≪点数≫
8点
(21.05.09鑑賞)
こちら原作本。
読まなきゃ。

満足ならクリック!!
2021-08-12 Thu

2019年制作 カナダ/米
監督:クリス・バトラー
≪キャッチコピー≫
『これは、大発見です――Mr.リンク君』
≪ストーリー≫
神話と怪獣研究の第一人者を自称するライオネル卿は、自身の手で伝説の生き物を見つけ、その存在を証明しようと思い立ってアメリカの太平洋岸北西部に行く。やがて彼は、人類の遠い祖先にあたる生きた化石ミッシング・リンクと遭遇する。ライオネル卿は孤独なミッシング・リンクのために、遠い親類を捜そうと伝説のシャングリラに向かう。
≪感想≫
「KUBO クボ 二本の弦の秘密」や「コララインとボタンの魔女」等のスタジオライカ最新作。
ストップモーションアニメ。
スタジオライカの作品は一級品という印象。
これまでの作品にはとても満足させていただきました。
そんなこんなで新作はというと・・・。
とにかく映像のクオリティが素晴らしかったです!!
時折、
「あ、これってストップモーションアニメなんだよなぁ」
と思い出しては感動したりして。
例えば、アクションシーンの数々。
敵のハゲ男との取っ組み合いとか観ていてとても楽しかったし。
リンクの表情の一つ一つをとっても繊細で観ていて楽しかったし。
目玉の動きとかも細やかで素敵だったなぁ。
キャラクターについて。
主人公のライオネル・フロスト卿は好紳士ではなくどちらかというと、
中二病的なわがまま男。
憎めない男ではあるんですが、最後まで少ししか
成長が見られなかったので少しだけ残念でした。
それに比べてリンクの愛らしさたるやもう。
ちょっとだけおバカなんだけどそれは無垢からなるもの。
確かに、そのヌケた行動にはイラっとさせられたりもするのですが、
そこはご愛敬。
とても魅力あるキャラクターでした。
あと、僕的には先に少し書きました敵のハゲ頭のアイツが良かったなぁ。
憎ったらしくてしっかりと悪役をしてくれている。
それでいて愛くるしいルックと行動は◎。
イエティ集団をもう少し登場させてくれても良かったかなと思いつつ。
全体的にキャラクターは立っていて良かったです。
も一度、アニメーションについて。
どこまでがストップモーションアニメでどこからがCGなのか分かんない。
エンドロールでその工程が少し描かれているのですが、
これがまた凄いのなんのって。
もうねぇ・・・。
製作者の情熱には本当に頭が上がりません。
ふと後悔。
これ、やっぱり映画館のでかいスクリーンで観るべき作品だったんじゃなかろうか・・・。
やっちまったか・・・。
お話については、楽しかったんですが先に書きましたフロスト卿の成長を
もう少し丁寧に描いても良かったのかなと。
キャラがしっかりと立っていただけに少し物足りなくも感じました。
ってな訳で。
噂によると、本作は興行収入的にはとても大コケしたみたい。
このままだと、新作を製作するのは難しくなるのか!?
くぅ~~・・・。
このクオリティの作品たちを観れなくなるのはもったいなさすぎる!!
応援しております!!
≪点数≫
7点
(21.05.06鑑賞)

満足ならクリック!!
2021-08-09 Mon

2019年制作 米
監督:クリストファー・ランドン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
何者かに殺される誕生日を繰り返すタイムループから抜け出したツリー(ジェシカ・ロース)は、恋人のカーター(イズラエル・ブルサード)と楽しく過ごすつもりだった。ところが彼のルームメイトのライアン(ファイ・ヴ)が殺人鬼に狙われるタイムループに陥り、理工学部で学ぶライアンたちが開発した量子冷却装置(SISSY)が原因だと判明する。彼らは研究室に行き、そこで装置から放たれたビームをツリーが浴びてしまう。
≪感想≫
先日観た「ハッピー・デス・デイ」の続編。
前作でループする一日を乗り越えた女子大生。
翌日、またもや同じ日をループする現象に巻き込まれた輩が・・・。
前作の登場人物をそのままに内容もグレードアップ。
単に、人気があったからもう一昨作っちゃえ的な感じではなく
しっかりとアイディアを持ち寄って新しい展開を
見せつけてくれて。
前作のタイムループの原因を見せながら、前作のお話を
踏襲した葛藤と成長を描き出す。
数々の死ぬシーンはもうコントじゃん。
不謹慎ながら笑っちゃいました。
本作では前作で悪役だったロリが良い娘でいたのも良かったなぁ。
代わりに不倫医者が嫌な奴だったのも良かった。
ちょっと勧善懲悪的なね。
前作からのキャラクターもめちゃくちゃ出てきたし、前作の翌日のお話なので
流れも完璧。
そんな感じで。
前作から続編として見事にアップデートされた本作。
コメディタッチたっぷりのポップコーンムービー。
前作から連続で観たので面白さが倍増!!
堪能いたしました!!
あれ・・・この終わり方・・・??
何となく続編を匂わせている・・・??
いやいや、それはないでしょう・・・。
ちょっと楽しみ。
≪点数≫
7点
(21.04.29鑑賞)

満足ならクリック!!
2021-08-05 Thu

2017年制作 米
監督:クリストファー・ランドン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
毎晩飲んだくれながら、さまざまな男性と関係を持つ大学生のツリー(ジェシカ・ロース)は、誕生日を迎えた朝にカーター(イズラエル・ブルサード)のベッドで目を覚ますが、1日の出来事をすでに経験したような違和感を抱く。そして1日が終わるとき、マスクをかぶった何者かに殺されてしまう。しかし目を覚ますと、ツリーは再びカーターの部屋で誕生日の朝を迎えていた。
≪感想≫
イケイケな女子大生が誕生日に殺されてはまた同じ日を
繰り返すというタイムループもの。
ホラーチックでコメディチックな楽しい作品に仕上がっておりました。
キャラクターについて。
主人公は根っこは良い娘なのはわかるんですが、
結構言動とか行動とか嫌な感じなんですよね。
最後、少しづつ成長して心改めたのは良かったのですが、
ちょっと、途中途中でイラっとしました。
ま、それも面白の一つだったりもしたのですが。
主人公のツリーを何度も殺しに来る犯人。
正直、序盤で何となく分かってしまうんですが、僕的には一番犯人であってほしくない
キャラクター(ロリ)で。
だって、ロリはそこまで悪い奴じゃないし、ツリーの
ロリに対するあたりを観ていると正直、ロリに肩入れしたくも
なるよねぇ。
展開や演出について。
何度も何度も同じ日を繰り返す設定は、トム・クルーズ主演の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
を思い出したり。
本作はだいぶコメディタッチでエンタメ的に作られていたので
そこまで緊張感もなく、楽しく拝見。
次はどういう殺され方をするのかという不謹慎な楽しみ方をしたりね(苦笑)
少しづつ成長していくツリーを観るのも楽しいし、同じ映像を
デジャブ的に観ながら新しい発見をするのも楽しかったり。
同じシチュエーションだけにするのではなく、少しづつ変化を
つけている件は良いですねぇと。
僕的には終盤にかけての展開が好きだったな。
警察に連行されそうになって警察官が殺人犯に轢かれる件。
ツリーがカーターを助けたいがために自殺する件。
やっぱり真犯人はロリでしたまでの一連の流れは、とても気持ちがよかったです。
全体的に良い塩梅。
期待通りの面白さというか。
安定の面白さというか。
そんなこんなで。
B級感たっぷりの本作。
ホラーとはいえグロやバイオレンスは抑えめで
ライトに軽くサクッと観られる良作。
本作は続編が作られているみたい。
早速、鑑賞するべし!!!!
≪点数≫
8点
(21.04.28鑑賞)

満足ならクリック!!
2021-08-02 Mon

2019年制作 邦
監督:今泉 力哉
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
下北沢の古着屋に勤務している荒川青(若葉竜也)は浮気されて振られた恋人を忘れることができなかった。ときどきライブに行ったりなじみの飲み屋に行ったり、ほとんど一人で行動している彼の生活は下北沢界隈で事足りていた。ある日、美大に通う女性監督から自主映画に出演しないかと誘われる。
≪感想≫
「あの頃。」「アイネクライネナハトムジーク」「愛がなんだ」の今泉力哉監督作品。
最近、何となくよく話題になる監督さん。
イメージとしては、作品を見れば今泉監督の作品だなぁとわかる
世界観を持っている感じ。
お話は単純。
古着屋の青年の数日間を切り取ったお話。
何気ないやりとりはどこか息苦しくって、どこか可笑しくって、
どこか懐かしい。
こんな何気ないやりとりが、今もどこかで起こっているんだろうなぁって。
以前、同監督の「あの頃。」を観た時にも感じた、自分が本作の主人公ぐらいの時代
に過ごしていた日々を思い出す。
とんでもなく懐かしいこの空気感。
住んでいるところや写っている景色、人たちを眺めながら
ぼんやりと思い出す。
いやぁ、良いですねぇ・・・。
そこにいる登場人物たちがとても愛おしくなる。
主演の青を演じるのは若葉達也さん。
この俳優さんは本当に素晴らしい!!!!
一気にファンになっちゃった。
というか、この青という青年にとても好印象。
ダメダメな部分もたくさんあるんだけど、嫌いになれない。
友達になりたいかといったらそうでもないんだけど、どこか
応援したくなるというか。
あの不器用な感じとか。
これまでの恋愛経験のお話等々。
きっと、こいつは良いやつなんだろうなぁって。
青を囲む女性陣もまた素敵な人たち。
青を巡る4名の女性。
元カノの雪、本屋の田辺さん、映画監督の高橋町子、そして美大生の城定イハ。
みんな個性的でキャラの立った方達でしたが、青とイハの会話シーンは
ずっと見ていたかったなぁ・・・。
田辺さんも良い娘だったなぁ・・・。
全体的に派手さはないんです。
ただ、それが本当に良いんです!!
実在感があって、とても身近で愛おしいキャラクターばかり。
今すぐ下北に行ったら会えそうな奴ら。
僕的には、下北のカフェに聖地巡りしていた女子が素敵だったな。
あと、青が通うバーのマスターはルックも含めて最高だったし、職質してくる
警官の余談もグッときたよね。
他にも青の古着屋のお客のぎこちないカップルにも笑かしてもらったし。
とにかく出てくる人たちはドキュメンタリーを見ているような生々しさ。
少し考えると、ファンタジーなのはわかっているんだけど、なんだか
会えそうな気がするんですよねぇ。
ふふふ。
ストーリーは特に抑揚がなく基本的に長回しの会話シーンの数々。
間がとても多くって、どこかぎこちなくも生々しい。
人と人とのコミュニケーションを丁寧に描いている感じ。
これぞ今泉印!!
ただ、そんな抑揚の抑えた流れから一転。
クライマックスの大立ち回りはこれまでの落ち着いたトーンから一転。
とても派手なやり取りに。
これがまた面白くってね。
ただ、それでも今泉ワールドはしっかりと保っていて、凄い実在感や
リアリティが半端ない。
良い塩梅なんだよなぁ・・・。
そんなこんなで。
胸がキュッとなったりにやにやしたり。
とにかく映画の中の彼ら彼女らのすぐ側で、生活を覗き見しているような感覚。
とりあえず下北沢に行ってみたいなぁ。
きっと、彼ら彼女らが今もまだ生活をしているんだろう・・・。
う〜〜ん・・・素敵な作品でした。
≪点数≫
9点
(21.04.25鑑賞)

満足ならクリック!!