2021-05-06 Thu

2019年制作 英/仏/ベルギー
監督:ケン・ローチ
≪キャッチコピー≫
『毎日、抱きしめて。』
≪ストーリー≫
マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。母のアビーは、介護士として働いていた。夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。
≪感想≫
とんでもなく刺さる作品に出会ってしまいました。
重い・・・。
痛い・・・。
イギリスのとある家族のお話。
リッキー(父)は家族と借金返済のために日雇い労働(配送業)で働いていて。
アビー(母)も家政婦(ヘルパー?)として馬車馬のように働いていて。
息子(お兄ちゃん)は最近反抗期っぽいし。
娘(妹)も少しづつ多感になっているようで。
負の連鎖が止まらない。
家族の生活のために親父は死に物狂いで働いて。
そのおかげで、家族との時間も減り、息子はグレる始末。
皆のストレスはたまる一方で観ていてとてもやるせなくなる。
基本、この家族は想いあっている。
根っこの部分の絆は深く、根っこの部分の人間性はとても
常識的な人たち。
それこそ、どこにでもありそうなありきたりであたりまえの一家族。
微笑ましい会話や楽しそうなやり取り。
そんな家族を壊しているのは「社会」だったりして。
例えばリッキーが働く配送業にしてもそう。
めちゃくちゃ正論っぽい理不尽な対応にとんでもなくやるせなくなる。
ただ、リッキーの雇い主であるあいつもめちゃくちゃ悪い奴には見えなくって。
なんでしょう、そもそものこの配送業の持つシステムがダメなんじゃないかって。
そして、そのシステムの恩恵を受けているのは誰でもない僕らであって・・・。
いたたたた・・・。
あまりにも救いがなさすぎてね。
この家族はそれでも生きていかなければならない。
彼らの未来はどうなっていくのか。
劇的に変わることもない気がして。
どんより重くなっていく。
沈んでいく気持ち。
はぁ・・・。
そんな感じで。
とても重くて痛い作品。
とても身近で明日は我が身とも思わせてくれる作品。
すぐ傍で起こっていると感じさせてくれる監督の手腕には脱帽。
傑作なのは間違いないんです。
ただ、やっぱり思い出すと胸が苦しくなる。
こりゃいかん・・・。
救いをくれい!!!!
何だろう・・・。
この手の映画を観るのが結構辛くなってきている・・・。
現代社会を巧みに描き出していて、身近に感じているし、
色々、考えさせられることもたくさんある。
映画としてもとても優れているし、観るべき映画なのは
わかっているのですが・・・。
ふぃ~~。
≪点数≫
1点
(21.02.23鑑賞)

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