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No.1905 『ハスラーズ』
No1905 『ハスラーズ』
2019年制作 米
監督:ローリーン・スカファリア

≪キャッチコピー≫
『私たちは、もう媚びない――』

≪ストーリー≫
デスティニー(コンスタンス・ウー)は、母に捨てられた自分を育ててくれた祖母の面倒を見るために、ストリップクラブで働き始める。先輩ストリッパーのラモーナ(ジェニファー・ロペス)やダイヤモンド(カーディ・B)から仕事のノウハウを教わり生活は安定するが、リーマン・ショックが起きて世界の経済が揺らぎ、彼女たちの仕事も不況のあおりを受ける。ある日ラモーナが、経済危機を引き起こしながら裕福な生活を送るウォール街の金融マンから大金を奪おうと仲間に持ち掛ける。

≪感想≫
2008年に起こったリーマンショック。
その煽りを食らったストリッパーたちが、鼻の下を伸ばした男を相手に
お金を巻き上げる作戦を企てる。

戦う女性たちを描いた作品。
まずは、この状況を生み出している社会が悪いのが一つ。
そして、この手の生き方に走ってしまう人間の業が一つ。
結局、彼女たちがやっていることも犯罪行為なんですよね。
決して気持ちの良い行動ではなかったなぁと。

ただやっぱり、鼻っ柱を伸ばした金持ちたちを騙眩かすシーンは
スッキリしたりもしたし。
ちょっとこうもやもやと。

リーマンショック。
実は僕が無知なのもあるんですが、この世界的な金融危機のことが
よく分かっていなくて・・・。
そのせいで、不況に陥り、経済状況が世界的に悪くなった的なぼんやりとした
知識のみで。

以前観た「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でも、この時代のことが
描かれていましたね。
あの作品のレビューでも、似たようなことを書いておりました。

勉強勉強・・・。
とほほのほ。
短めレビューでしたとさ。

≪点数≫
  6点
                                           (21.03.14鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
No.1904 『野球少女』
No1904 『野球少女』
2019年制作 韓
監督:チェ・ユンテ

≪キャッチコピー≫
『あきらめない。何があっても。』

≪ストーリー≫
最高134キロの速球と鋭い変化球が強みのチュ・スイン(イ・ジュヨン)は、高校卒業後にプロ球団でプレーすることを夢見て熱心に練習を重ねてきた。しかし、女子という理由でトライアウト(プロテスト)を受けられず、友人や家族からも夢を諦めるよう説得される。そんな折、かつてプロを目指すも断念したチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)がコーチとして赴任し、スインの運命は大きく動き出す。

≪感想≫
韓国映画。

一人の女子高校生がプロ野球選手を目指して奮闘するっつーお話。

話だけ聞いていると、いろもん的な痛快スポコン映画と思いきや。
全体的にトーンを抑えた、落ち着いた傑作でした。

いやぁ・・・素晴らしかった。

観ていて何度も泣かされるシーンが。
スインがナックルボールを特訓していくシーン。
コーチのジンテもスインを認め彼女の長所を伸ばしていくという
一人の意思が波及して二人になって動き出すシーンは
やっぱりうるりと涙してしまいました。
次は、終盤のトライアウトシーン。
プロ選手と勝負をすることになったスイン。
ここでは一緒にトライアウトを受けている女性プレイヤー、
そして周りのメンバー。
ジンテコーチや母親まで。
またまた意思が波及して色々な人たちの気持ちを高めてくれる。
これまたグッと涙してしまいました。
というか、このシーンに関してはマウンドに立っているスインの
姿を見ているだけでグッときましたねぇ・・・。
これまでの苦労が実を結びまたひとつ殻を破ってその位置に
立っている姿を見るとやっぱりね。
しかも、様々な人たちの思いがひとつになっているあたりもやっぱりね。
そして、最後はラストの球団社長とお母さんとのやりとり。
球団社長が契約金のお話をしていると、母親は契約金は受け取るものではなく
支払わなければいけないものと勘違い。
それでも、どうにかお金を集めて払えるようにします的な対応に
微笑みながらも号泣。
それまでの母親とのやりとりや想いも知っているだけに、めちゃくちゃ
泣けました。
本作はこの母親が良かったなぁ。
母親は母親で苦しい生活をしていて。
娘に厳しく当たるもそれは家庭のため。
ただ、しっかりと娘と向き合えていない自分がいるのも知っていて。
中盤のスインを工場に紹介している時にスインのカバンの中身を見てしまった時の
あの表情。
スインの夢を諦めさせる事と向き合うことの苦しさ。
それがラストにはしっかりと夢を応援することに繋がるんだよなぁと。
グッときます。

そうそう、少し余談ですが、スインの特訓シーンで階段をアヒル歩きで登頂するシーン。
スインが登りきって両手でガッツポーズ。
ロッキー」っぽいなぁ・・・って。

あとね。
本作でスインがプロになるために取った過程が素晴らしくって。
スインは速球を投げるために自己流で特訓するも、女性だからか、そもそもの筋力や
技術が伴っていなくって。
そこでコーチのジンテは短所をカバーするのではなく長所を伸ばして
戦おうとサポートする。
・・・そうなんですよ!!
短所を直すのではなく長所を伸ばせば良いんです!!
このやり方が功を奏し、スインは自分の武器であるナックルボールを習得する。
なんか、この育て方、考え方がとっても良いなぁって。

もひとつ。
ジンテとスインの関係性も素晴らしかった。
ジンテもプロを目指してなれなかった、いわゆる負け犬の一人で。
それがスインと出会って、自分のコーチとしての才能を改めて開花させ、
スインをプロへと導く。
二人の会話で、
「ジンテの代わりに私がプロになる!!」
的なやりとりはとてもグッときましたよ。
良いですねぇ・・・。

そんなこんなで。
一人の人間の「貫く強さ」が、色々な人たちの意識を変え、ルールを変え、
世界を変える。
本作は意外と男性だ女性だという部分はそこまで強くないように感じました。
それだけ、ジェンダーレスな世界が浸透してきているのかなとも。
確かにここで描かれているのは女性初的な物語でしたが、そこを超えることの
難しさというよりかは、「意思」を貫き通す強さを描いたお話に感じましたよ。

いやぁ・・・素晴らしい!!!!

スカッとする良作ではありませんでしたが、しんみりジワリとくる傑作でした。
オススメです!!

≪点数≫
  9点
                                           (21.03.13鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
No.1903 『燃ゆる女の肖像』
No1903 『燃ゆる女の肖像』
2019年制作 仏
監督:セリーヌ・シアマ

≪キャッチコピー≫
『すべてを、この目に焼き付けた――。』

≪ストーリー≫
18世紀のフランス・ブルターニュ地方。画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は貴族の娘エロイーズ(アデル・エネル)の見合いのため、彼女の肖像画を依頼される。しかし、エロイーズは結婚することを頑なに拒んでいた。マリアンヌは身分を伏せて孤島でエロイーズと過ごし、ひそかに彼女の肖像画にとりかかるが、マリアンヌの目的を知ったエロイーズは絵を見てその出来栄えを否定する。

≪感想≫
画家のマリアンヌは、ある女性の肖像画を描くために
島に渡る。
そこにはエロイーズがいた。
二人の交流が始まった。

時代は18世紀のイギリス。
少し「女王陛下のお気に入り」を思い出したりしました。

視点を描いた作品。
マリアンヌからエロイーズへの眼差し。
エロイーズからマリアンヌへの眼差し。
その二人の眼差しは一方的なものから交わるように。
その眼差しの交差加減で、二人の現在地を落とし込む。
なるほどねぇと。

音楽の使い方。
本作は殆ど音楽が使われていなかったような。
中盤の謎の女性会合の民俗歌とか、クライマックスのオペラ的な歌とか。
それらのせいで逆にインパクトが増す。
音楽がない分、他のところに集中することで妙に生々しくリアリティが増す。
なるほどねぇと。

純愛映画であり社会における女性の位置付けが描かれた作品。
とんでもなく美しい描写と物語はどこを切り取っても素晴らしくって。

ラストシーンのエロイーズのワンショットは圧巻。
恐らくマリアンヌの存在も認めつつも、決してそこに目を向けようとしない。
自分の中のマリアンヌの存在をそこに留めていくためなのか、
湧き上がる思い出を押さえつけるためなのか。
涙を流したり笑顔を見せたりするエロイーズの表情から、この物語の
全てが完結される。

いやぁ、素晴らしい。

女性同士の恋愛映画と思いきや、本作では抑圧されている女性を
描いている作品でもあって。
本作は、ほとんど男性が出てこない。
しかも、出てきても女性の思いや行動に対して何の興味も持たず、
ある意味、物として扱っている姿ばかり。
その中で、もがき苦しむ女性たち。
彼女たちもそれが当たり前のように生活しているんだけど、
やっぱりそこには息苦しさが根付いていて。
分からないですが、エロイーズのお姉さんの自殺もそういう事の延長戦だったり
するのではないのかな。
あとは、侍女のソフィの堕胎の件もそうだし。
闇夜で行われている女性たちの会合も多くは語られていませんでしたが、
男性を排した演出はそういうことなんでしょうと。

あとね。
女性同士の友情的な手を取り合って頑張っていく的な演出も素敵だったな。
エロイーズとマリアンヌ、そしてソフィがワイワイキャッキャとトランプをするシーンは
素敵でしたね。
ソフィの堕胎に連れそう二人の姿も良かったし。

全体的に女性しか描かれていない本作。
先に書きましたが、どこを切り取っても絵画的で映画的で素晴らしい作品。
女性が観たらどのような感想になるのだろう。
堪能いたしました。

そんなこんなでこの感想を書き終えて、色々な方の考察を読みふける。
なるほどねぇ・・・。
ラストシーンにはこういう解釈があったのか・・・。
僕はまだまだ浅いなぁ・・・。

≪点数≫
  8点
                                           (21.03.07鑑賞)

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No.1902 『エクストリーム・ジョブ』
No1902 『エクストリーム・ジョブ』
2019年制作 韓
監督:イ・ビョンホン

≪キャッチコピー≫
『前代未聞の“揚げる大捜査線”が始まる!!』

≪ストーリー≫
コが班長を務める麻薬捜査チームは、休みなく奔走しているのに実績を全く残せず、解散の危機にひんしていた。彼らは国際犯罪組織による国内麻薬密搬入の情報を入手し、起死回生を狙った潜伏捜査に打って出ることにする。コ班長とメンバーのチャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンは、組織のアジト前にあるフライドチキン店を買い取って実際に営業しながら24時間体制で監視を行うが、フライドチキンがおいしいと評判になって客が殺到し、捜査する時間がなくなってしまう。

≪感想≫
韓国映画。

落ちこぼれのダメダメ刑事グループが、麻薬捜査のため
敵のアジトを張り込むことに。
ひょんな流れでアジトの向かいのチキン店を買い取り
商売も始めることとなるが・・・。

めちゃくちゃ気持ちの良い作品!!

何と言っても世界観が素晴らしかった。
本作はコメディ作品なんですが、そのバランスがとても絶妙で。
冒頭数分の麻薬売人の取り締まりシーンでは結構いききった
ベッタベタなギャグシーンのオンパレードに、
「なるほど、こういうタッチの作品ね・・・。」
って観ているこっちに伝えてくれて。
その世界観が最後まで絶妙に持続していったんですよね。
めちゃくちゃシリアスになりそうな場面も、しっかりとオチをつけて
最後には笑える展開に。
クライマックスの大乱闘シーンに関してもそう。
実はもっとカッコよく撮れそうな気もするんです。
だけど、敢えて笑いの部分も忘れていない。
そのテンポやスタイルが僕的にはどハマりしちゃってね。
クライマックスあたりは2回観ちゃいましたよ。

チームのそれぞれのキャラが立っていて、誰も脇役なんかじゃない。
へっぽこチームかと思えば、実はバリバリの武闘派揃い。
ブサイクフェイスのマ刑事は柔道チャンピオン。
紅一点のチャン刑事はムエタイチャンピオン。
サブリーダー的なヨンホ刑事は元海軍特殊部隊の殺人マシーン。
クライマックス一人一人の正体が明かされてめちゃくちゃ盛り上がってきたところで、次のキャラ。
新人のジェフン刑事!!
何と、彼はただの野球部出身・・・。
体育会系はひたすら我慢強いというだけ(苦笑)
これこれ!!
このしっかりと落とした笑いはさすがだねぇと思わず笑いながら唸っちゃいましたよ。
ただ、ジェフンはジェフンでしっかりと活躍していたんですよね。
そして笑いに持っていったところで、再度、班長であるコ刑事!!
彼はひたすら打たれ強いというゾンビ刑事。
ラスボスとのバトルは決着の描き方も含めて最高でした。

本作はほんとクライマックスの演出が秀逸。
なんて気持ちの良い展開。
これまでダメダメだと思っていた彼らが実は・・・。
カタルシス大爆発!!
見たかった展開を大幅に超えた展開で最高すぎる!!
いやぁ・・・久しぶりにこんなに気持ちの良い作品に出会ったかも。
良い良い。

そんなこんなで。
中盤ぐらいまではまぁ面白いなぁぐらいでしたが、クライマックスで大爆発。
めちゃくちゃ楽しめました。
ちょっとだけ欲を言うと、もう少し「笑い」が僕好みだったら良かったな。
まぁ、それも瑣末なこと。
大満足の作品でした。
こんな時代にはこんなスカッとした作品が必要です!!

≪点数≫
  9点
                                           (21.03.06鑑賞)

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No.1901 『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』
No1901 『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』
2019年制作 米
監督:ライアン・ジョンソン

≪キャッチコピー≫
『空前絶後のハイテンション・ノンストップ・ミステリー誕生』

≪ストーリー≫
85歳の誕生日を迎えた世界的ミステリー作家のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が、その翌日に遺体で見つかる。名探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、匿名の依頼を受けて刑事と一緒に屋敷に出向く。ブランは殺人ではないかと考え、騒然とする家族を尻目に捜査を始める。

≪感想≫※ネタバレあり
とある大富豪が死体で発見される。
自殺だというが、どうやら他殺の可能性も。
そんな折、大富豪の家族たちは遺産の行方を気にしているようで・・・。
事件の真相はいかに・・・っていうお話。

さてさて。

なるほどねぇ・・・。
作りがなかなか楽しい作品でした。
冒頭で、事件の全貌を映し出し、そこからは人間ドラマを描いていく。
そして最後にはさらなる事件の全貌を映し出す。
何となくこの手の作品って、殺人事件の犯人は誰だ!?的な
引っ張りで最後まで持っていってカタルシス大爆発!!で
終わるイメージですが、本作はちょっと人間ドラマ的な
側面も描いていて。
エンタメ性を持たせつつ、明かされた真実に少しづつ肉付けをしていく。
ここら辺は観ていて楽しかったです。
少しコメディタッチな部分もあったんですよね。

最後の最後。
僕的にはちょっとだけ不満な終わり方。
だってさぁ・・・遺産を受け継いだマルタの今後はどうなるのでしょう。
まだまだ不安は残るよ。
これからもマスコミに追われるだろうし、家族のあることないこと
言われて心身すり減らされるんじゃないのかなぁ。
持ち前の善人っぷりで味方をつけていってほしいのですが、
そうもいかないこの世の中。
残された家族たちも今後も色々やってきそうだしね。
心配・・・。

そんな感じで。
映画としては古典的な作りながらもフレッシュな作品。
十分に楽しませてもらいました!!

≪点数≫
  7点
                                           (21.02.28鑑賞)

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No.1900 『ジュディ 虹の彼方に』
No1900 『ジュディ 虹の彼方に』
2019年制作 米
監督:ルパート・グールド

≪キャッチコピー≫
『スポットライトの中、愛と求めて――』

≪ストーリー≫
ミュージカル映画のスターだったジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は、遅刻や無断欠勤を重ねた結果、映画のオファーがなくなる。借金が増え続け、巡業ショーで生計を立てる毎日を送っていた彼女は、1968年、子供たちと幸せに暮らすためにイギリスのロンドン公演に全てを懸ける思いで挑む。

≪感想≫
ハリウッド女優であるジュディ・ガーランドの伝記的映画。

「オズの魔法使い」のドロシー役で有名な彼女ですが、
僕は世代的にそこまで知らなくって。
「オズの魔法使い」はもちろん知っていますが、映画版は
昔、ちょっとだけ観た記憶が。
ただ、彼女が歌う「虹の彼方に」は死ぬほど聴いた事があって。
名曲ですね。

さてさて。

子供の頃からスターとして君臨していた彼女。
その時代の芸能界は今よりももっと闇にまみれていて・・・。
ジュディを商品として扱う毒親とプロデューサー達。
生活を管理され、ろくに食事も与えられず、好きなこともできず
抑圧されていく。
代わりに与えられたものは睡眠剤のような今でいう覚せい剤。
彼女の今は確実に彼らによって作られていて。
情緒不安定な毎日や、薬漬けの毎日。
こちらも見ていてとても不安定な感情になりましたよ。

それでも彼女はステージに立つと一変する場面も。
そこはやはりプロフェッショナル。
この場所に「生」を感じ「幸福」を感じる。
彼女を求めるファンがいて愛されている、求められていることを感じる。

ラストシーンの「虹の彼方に」を歌うシーンで、観客が代わりに
歌って紡ぐシーンはやっぱり泣けてくるよね。

何でしょう。
やっぱり「歌」の力ってすげぇなぁと。
よく音楽映画でコンサートのシーンがあったりするんですが、
あの周りの人間の気持ちと一つになる感じとか最高にグッとくるんですよね。
無条件で涙が出てくるというか。
本作でもクライマックスのシーンは素晴らしかったです。

そんな感じで。
これは実話ベースなんですよね。
ハリウッドの闇をまざまざと見せつけられました。
この映画で描かれていることって、現在も少なからずあるんだろうなぁ。
もっというと、日本も含め芸能界ってこういうものなんだろうなぁって。

恐ろしや・・・。

そうそう。
これは書かなきゃ。
本作は主演を演じたレネー・セルヴィガーが本当に素晴らしかった。
歌うシーンも全て彼女が歌っていたんですって。
調べてみると、彼女の人生も少しジュディ・ガーランドとかぶる部分もあるようで。
演じるべくして出会った役柄なんでしょうね。
彼女は本作でアカデミー主演女優賞を獲得しました。
素晴らしい!!

≪点数≫
  6点
                                           (21.02.27鑑賞)

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No.1899 『あの頃。』
No1899 『あの頃。』
2020年制作 邦
監督:今泉 力哉

≪キャッチコピー≫
『“推し”に出会って
    “仲間”ができた。』

≪ストーリー≫
大学院受験に落ち、恋人もおらず、金もない劔(松坂桃李)。どん底の生活を送る中、松浦亜弥の「桃色片想い」のミュージックビデオを目にしたのがきっかけで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちの熱狂的なファンになりオタ活に没頭する。藤本美貴推しで、プライドが高くてひねくれたコズミン(仲野太賀)をはじめとするオタク仲間と「恋愛研究会。」を結成し、トークイベントやライブの開催、学園祭でのアイドルの啓蒙活動に励む劔。だが仲間たちは、アイドルよりも大切なものを見つけて散り散りになっていく。

≪感想≫
すぐそばにある物語。
誰にでもあった「あの頃。」を思い出させる良作。

決して他人事でもなく、決してありえないお話でもない。
抑揚なく描かれているお話もどこかドラマチックで。

本作ではオタクが描かれていますが、そんなにオタクオタクしていなくって。
昔なら、アイドルオタク=キモいとか言われがちだったのに、今は
そんなこともない。
文化が根付いてきたんでしょうねぇ・・・。

本作は群青劇でもあって、それぞれのキャラクターが立っていてね。
ガチャガチャしそうな人数なのにそれぞれがしっかりと色分けされている。
ちょっと不健全で不健康な奴ら。
言っていることややっていることはめちゃくちゃでアウトな奴らなのに、
決して嫌いになれない男たち。
ライブハウスでの自主オフ会みたいなものも、内輪な感じもプンプンするけど
それはそれで楽しそうで。
「好き」な人や物、それが一つでもあればこんなにも人生が輝いていく。
それだけでもう勝ち組だったりもするんですよね。
ダサいと言われようがキモいと言われようが、間違いなくその人の生活は
楽しくって輝いているんですよね。
最強じゃん。
ここら辺を感じさせてくれるのはやっぱり作り手が巧みなんでしょう。

本作はひたすら続くであろう青春時代を描いていて。
大人になって訪れた何度目かの青春は永遠に続きそうなのにそうもいかない。
ひたすら懐かしむあの素晴らしき思い出。
観ているこっちもあの時代やその時代を思い出す。
グッときますよねぇ・・・。
ただ、今が一番楽しいという前向きなテーマもしっかりと伝えていて。
確かに「あの頃。」を思い出してはグッとくることも多くは
なってきているんだけど、今は今でできることも増えたし、
好きなことも増えたし、楽しいことも増えているし。
これはこれで楽しかったりするんですよね。

そうそう。
みんなで歌っているあの曲がとっても良い曲でしたね。
調べてみると「恋ING」という曲みたい。
久しぶりにモーニング娘。の曲でも聴いてみよっかな。

そんな感じで。

アイドルだオタクだ何だというよりかは、それぞれの
「あの頃。」を思い出させてくれた作品。

そういや、昔、コンビニでアルバイトしていた時、
同僚がモーニング娘。が大好きで事あるごとに
「なっちが・・・」「なっちが・・・」
なんて話してくれたなぁ・・・。
あぁ、懐かしき思い出。

≪点数≫
  7点
                                           (21.02.25鑑賞)
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No.1898 『家族を想うとき』
No1898 『家族を想うとき』
2019年制作 英/仏/ベルギー
監督:ケン・ローチ

≪キャッチコピー≫
『毎日、抱きしめて。』

≪ストーリー≫
マイホームを持ちたいと考えている父のリッキーは、フランチャイズの宅配ドライバーとして独立する。母のアビーは、介護士として働いていた。夫婦は家族の幸せのために働く一方で子供たちと一緒に居る時間は少なくなり、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンはさみしさを募らせていた。ある日、リッキーが事件に巻き込まれる。

≪感想≫
とんでもなく刺さる作品に出会ってしまいました。
重い・・・。
痛い・・・。

イギリスのとある家族のお話。
リッキー(父)は家族と借金返済のために日雇い労働(配送業)で働いていて。
アビー(母)も家政婦(ヘルパー?)として馬車馬のように働いていて。
息子(お兄ちゃん)は最近反抗期っぽいし。
娘(妹)も少しづつ多感になっているようで。

負の連鎖が止まらない。
家族の生活のために親父は死に物狂いで働いて。
そのおかげで、家族との時間も減り、息子はグレる始末。
皆のストレスはたまる一方で観ていてとてもやるせなくなる。

基本、この家族は想いあっている。
根っこの部分の絆は深く、根っこの部分の人間性はとても
常識的な人たち。
それこそ、どこにでもありそうなありきたりであたりまえの一家族。
微笑ましい会話や楽しそうなやり取り。
そんな家族を壊しているのは「社会」だったりして。

例えばリッキーが働く配送業にしてもそう。
めちゃくちゃ正論っぽい理不尽な対応にとんでもなくやるせなくなる。
ただ、リッキーの雇い主であるあいつもめちゃくちゃ悪い奴には見えなくって。
なんでしょう、そもそものこの配送業の持つシステムがダメなんじゃないかって。
そして、そのシステムの恩恵を受けているのは誰でもない僕らであって・・・。
いたたたた・・・。

あまりにも救いがなさすぎてね。
この家族はそれでも生きていかなければならない。
彼らの未来はどうなっていくのか。
劇的に変わることもない気がして。
どんより重くなっていく。
沈んでいく気持ち。
はぁ・・・。

そんな感じで。
とても重くて痛い作品。
とても身近で明日は我が身とも思わせてくれる作品。
すぐ傍で起こっていると感じさせてくれる監督の手腕には脱帽。
傑作なのは間違いないんです。
ただ、やっぱり思い出すと胸が苦しくなる。
こりゃいかん・・・。
救いをくれい!!!!

何だろう・・・。
この手の映画を観るのが結構辛くなってきている・・・。
現代社会を巧みに描き出していて、身近に感じているし、
色々、考えさせられることもたくさんある。
映画としてもとても優れているし、観るべき映画なのは
わかっているのですが・・・。

ふぃ~~。

≪点数≫
  1点
                                           (21.02.23鑑賞)

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No.1897 『ブルータル・ジャスティス』
No1897 『ブルータル・ジャスティス』
2018年制作 カナダ/英/米
監督:S・クレイグ・ザラー

≪キャッチコピー≫
『正義を棄てた日
    男たちの運命が
       交錯する――』

≪ストーリー≫
強引な逮捕をしたことから6週間の無給停職処分を下された、ベテラン刑事のブレット(メル・ギブソン)とその相棒トニー(ヴィンス・ヴォーン)。家族のためにも金を得なければならないブレットは、トニーを誘って不穏な動きを見せる犯罪者をマークし、闇取引の金を奪う計画を立てる。監視していたボーゲルマンという犯罪者とその仲間が動き出し、その後を追うブレットとトニーだが、想像だにしない事態に直面してしまう。

≪感想≫
メル・ギブソン主演作。
そういやメル・ギブソンって久しぶりに見たかも。
なんか、メル・ギブソンって何かしら問題を起こして炎上しているイメージが
あるんですよねぇ・・・。

まぁまぁまぁ。

本作について。

すっごい独特でバイオレンス大爆発な作品。
とても大好きな作風でした!!

何でしょう。
妙に無駄なシーンが多いというか。
もっとテンポよく,サクサク進めることもできるのに、謎のシーンや
間延びしたシーンが多くって。
駄話が多かったり。
ただ、それが別に苦痛でもなんでもなくって観ていられる感じ。
途中で銀行強盗される女性の日常を描いたシーンが始まるのですが、
その後、彼女がどう関わってくるのかドキドキして見ていると、
まさかのフェードアウトの仕方!!
これには驚かされましたよ。

あと、本作って絶妙にエグくってバイオレンスなシーンが満載。
拳銃ぶっ放して手の指が破裂したり。
ショットガンぶっ放して頭が吹っ飛ばされたり。
最高かよ。

しかも本作ってそこまで音楽がなかったような。
突然訪れるバイオレンスと、そこらかしこにある不穏な空気は
緊張感たっぷりでね。
のめり込むように鑑賞することができました。

二転三転する物語。
ただその先にはきっと嫌なことしか待ち受けていない雰囲気がビンビンで。
「静」と「動」を巧みに使い分けた演出とお話はとても僕好みでした。

そんな感じで。
大人の映画というか、ちょっとマニアックな作風に仕上がっていた印象。
僕的にはとてもハマってしまった本作。
監督はS・クレイグ・ザラーというお方。
こりゃ覚えなきゃ。

調べてみると他には「トマホーク ガンマンVS食人族」なるタイトルが・・・。
なにこの魅力的なタイトル!?
要チェックや・・・。

≪点数≫
  9点
                                           (21.02.20鑑賞)


なにこのタイトル!?
魅力的!!

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