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No.1863 『岬の兄妹』
No1863 『岬の兄妹』
2018年制作 邦
監督:片山 慎三

≪キャッチコピー≫
『ふるえながら生きていけ』

≪ストーリー≫
港町に暮らす良夫(松浦祐也)はある晩、自閉症の妹の真理子(和田光沙)が、男に体を許して金銭を受け取ったことを知る。そのころ、良夫が勤める造船所でリストラがあり、良夫は足が不自由であることを理由に辞めさせられてしまう。困窮した良夫は妹の売春のあっせんを始めるが、次第に妹の喜びや悲しみを知り困惑する。さらに売春のことを知った友人が、良夫に忠告しに家にやって来る。

≪感想≫
身体障がいを背負ったお兄ちゃん(良夫)。
知的障がいを背負った妹(真理子)。
良夫は仕事もクビになり家賃も払えず電気も止められる始末。
そんな中、良夫はあるきっかけで真理子を売春させて生活費を稼ぐことに・・・。

基本的に役者さんたちが素晴らしかったので、リアリティ抜群で。
観ていて痛々しさと怒り、憤り、とんでもなくダウナーな気分になりました・・・。

お話について。
せめて最後は少しでも希望の光が見えて欲しかったな。
もちろん、現実はそんなに甘くなく、実際にこういう事ってありえるのかもしれない。
もしかするともっとひどい事だって、全然ありえる訳で・・・。
ただ、やっぱりそこに映る兄妹に少しでも「再生」の兆しを・・・。
最後の最後。
良夫の元上司から職場に戻ってきてくれとのオファーがあるも、
良夫はそれを無下にする。
どんだけこいつは、絶望のどん底にいるんだよと。
底がない良夫のメンタルはどんだけ落ちていくんだと。
とにかく一挙手一投足がクズ過ぎてヘビー過ぎる。
嫌いになれないキャラクターなんだけど、どうにかしてあげたいキャラクターなんだけど、
実際はめちゃくちゃダメ人間なんですよね。

ふと感じたのが、本作では社会福祉、それこそ生活保護的なシステムが
まったく描かれていませんでした。
そこへ至るまでの知識やメンタルにはならなかったのでしょうが、
ここまで堕ちていく良夫に救いの手を差し伸べてほしかったなぁ。

何でしょう。
本作をみていて、何度も「生きる」って何だろうともやもやしました。
モラルのボーダーラインをどんどん広げて、自分のやっている事を
ダメと気付きながらも突き進んでいく。
むむぅ・・・。

とはいえ、これは演出のせいなのか、めちゃくちゃヘビーでズシリと
のし掛かるお話なのに、少しだけ軽さも兼ね備わっていたような
印象も受けました。
少し笑いのテイストを交えていたり。
そこら辺は、上手くバランスが取れていたように感じましたよ。

そんな感じで。
テーマはとてもショッキングで目を背けたくなるシーンもたくさん。
作品としてはとても素晴らしく、テーマも深く考えさせられる作品。
ただやっぱり心は沈んじゃったなぁ・・・。
思い出されるシーンもたくさんあるんだけど、やっぱり思い出すと
沈んじゃうんだよなぁ・・・。

≪点数≫
  5点
                                           (20.11.22鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)