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No.1851 『凪待ち』
No1851 『凪待ち』

2018年制作 邦
監督:白石 和彌

≪キャッチコピー≫
『誰が殺したのか?
     なぜ殺したのか?』

≪ストーリー≫
木野本郁男(香取慎吾)はギャンブルをやめ、恋人の亜弓(西田尚美)と亜弓の娘の美波(恒松祐里)と共に亜弓の故郷である宮城県の石巻に移住し、印刷会社で働き始める。ある日、亜弓とけんかした美波が家に帰らず、亜弓はパニックになる。亜弓を落ち着かせようとした郁男は亜弓に激しく非難され、彼女を突き放してしまう。その夜、亜弓が殺される。

≪感想≫※ネタばれあり
大好き白石和彌監督作品。

白石監督は多作な方でどんどんどんどん新作を撮っていて。
それだけにアタリハズレもあったりして。
僕的には「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」「孤狼の血」あたりは大好き
サニー/32」「止められるか、俺たちを」はムムム・・・。

さて本作はいかに!!

何となく、評判では香取慎吾さんのクズっぷりが凄かった的な
感想を読んだりしたのですが、実際見てみるとそうでもなくって。
確かに、めちゃくちゃダメダメなんだけど、ろくでなしと言われても
しょうがないんだけど、人間の「弱さ」が前面に出ていて。
どこかで明日は我が身的な。
一つ間違えれば誰だって転がり落ちていくんじゃないかって。
この主人公・郁男の行動に腹が立ちつつも再生を願っている自分がいて。

ただ、やっぱり嫌な部分はたっくさん。
例えば、大事なところでギャンブルに走っていく件とか。
例えば、自暴自棄になってお祭りで周りに迷惑をかける件とか。
「何で、ここまで堕ちていくんだよ・・・。」
って憤りを感じてね。
ふつふつとこみ上げる怒りとやるせなさにぐぅっとなっちゃいました。

その他の登場人物たちもどこか業を背負っている奴らばかり。
ゲボ吐きながら郁男に謝る名脇役のあいつにはもっと制裁を加えて欲しかったな。
唯一の善人とも言える小野寺修司(リリー・フランキー)も結局は一番の悪人となったし。
思うと、どこにも綺麗な人間がいない感じが白石印大爆発でとても見応えがありましたよ。
どこかこう、表裏一体というかね。
汚いんだけど綺麗で。
悪いんだけど善くて。
グラグラと揺れる人生の中、僕らは生きているんですよねぇ・・・。
グラグラと言えば演出で、郁男が道を踏み外すシーンでカメラがグラッと傾く演出。
観ているこっちはそのシーンの瞬間に郁男が堕ちていくのが分かっているから
「うわぁ・・・それでも堕ちていくのかぁ・・・。」
ってこっちまで凹んできたりね。

ただ、最後は光が差し込む終わりで良かったです。
ろくでなしでもいつかは改心されるんだと。
許し続ける家族や環境が郁男を変えていく。
もちろん、そこまでしないと人は変われないのかとも思ったりもしましたが
やっぱり人が救われていくのはとても尊いなと。
グッときましたよ。

そんなこんなで。
大好き白石監督作品。
本作は大当たり!!
これからも素晴らしい作品を撮り続けてください!!

≪点数≫
  8点
                                           (20.10.15鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)