2020-09-15 Tue

2018年制作 インド
監督:ゾーヤー・アクタル
≪キャッチコピー≫
『言葉で気持ちに火を付けろ』
≪ストーリー≫
大学生のムラド(ランヴィール・シン)は、ムンバイのスラム街に生まれた。彼は学費を送ってくれる両親に黙って裕福な家の娘と交際し、地元の悪友とつるんでいた。ある日、大学のキャンパスでフリースタイルのラップパフォーマンスをする学生 MC Sher(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)と出会ってラップに魅せられた彼は、フリースタイルのラップ大会での優勝を目指す。
≪感想≫
久しぶりのインド映画。
と言っても僕的にはこれで3作目かな。
インド映画といえば長尺でミュージカル調といったイメージ。
ただ、近年ではめちゃくちゃ評判の良い作品をたくさん輩出。
僕的に、以前観た「バーフバリ」シリーズは最高に楽しめて。
超ド級のエンタメ作品に心鷲掴みにされました。
インド映画恐るべしと思っていましたが、その後、なかなかタイミングが
合わなくって鑑賞できておらず。
そんなこんなでお久しぶりなインド映画。
内容は貧困にあえぐ下町の若造ヒップホップと出会って、
ラップに目覚めるっつーお話。
インド版負け犬映画の誕生!!
クライマックスはボロボロ泣いちゃいました。
劣悪な環境にもへこたれず夢を追いかける若者を描いた物語。
何となく観たことあるようなスタンダードな展開。
例えば「8 Mile」
例えば「パティ・ケイク$」
ヒップホップをテーマにした作品といえば傑作シリーズの
「SR サイタマノラッパー」なんてのもありましたね。
全て良作でした。
特に「パティ・ケイク$」は最高の負け犬映画!!
本作の主人公もこれまた劣悪な環境で。
インドも貧富の差が激しく大きなビル群の横にはズタボロのスラム街。
しかも家父長制が色濃い家庭で育つ主人公のムラドは父親の言うことは絶対で
そこにも抑圧を感じながら生きていて。
これまたムラドの父親がめっちゃくちゃ最悪な親でね。
家庭にいきなり第二夫人を連れてきては、ムラドの母親(第1夫人)を無下に
扱う始末。
自分は貧乏人で、どうせ息子のお前もそれなりの人生を送るしかないんだから
叶わない夢は捨てちまえ的精神。
むむむ、確かにそういう環境に育っちゃえばそうなるのかもしれないけど、
やっぱりやるせない気持ちになっちゃってね。
親父との絡みはもれなく嫌な気持ちになっちゃいましたよ。
ムラドの周りももちろん劣悪な環境。
気の良い仲間も、車泥棒で生計を立てていたり、スラムの子供達を集めては
ヤクを用意させていたりとダメダメな友達もいたり。
けどねぇ・・・。
ムラドの友達たちは基本的にいい奴らだったんですよねぇ。
環境が生んだアウトロー的奴らでね。
バカなんだけど憎めない的な。
ちょっと、違うかもしれませんが「グッドウィルハンティング」の
マット・デイモン演じる主人公の兄貴たちを思い出したな。
本作のキャラは魅力的な方、多数。
先に書いたムラドのバカ友達たちも最高でしたが、ラッパー仲間のMCシェールが
カッコ良かったな。
彼も決して裕福とは言えない環境で生きているんだけど、熱い「漢」でね。
ムラドの背中を押し続ける姿勢は素敵でした。
ヒロインが二人とも良かったな。
ムラドの彼女であるサフィナは裕福な家庭に育ちながらも、親から抑圧されている
箱入り娘で。
彼女は彼女なりに戦っていてね。
ムラドに対する愛情表現とか、意外に攻撃的でちょっと笑っちゃいましたよ。
もう一人のヒロインのスカイ。
彼女はルックがとにかく素敵でした。
フリーダムな佇まいとかイケていてこれぞアーティストってな感じでしたね。
インド映画特有の長尺で、正直、途中ダレてしまった部分もなきにしもあらずだったんですが、
その分、クライマックスのライブシーンはそれまでのストレスからの解放が
爆発されて無条件に泣かされましたね。
そこからエンドロールまでの、ムラドの成功譚はやっぱり気持ちが良くって。
後味がとても良い作品に仕上がっておりましたよ。
本作は、実在のラッパーをモデルにした作品なんですって。
へぇーへぇーへぇー。
要チェックや。
そんなこんなで。
久しぶりのインド映画でしたが、作り手の期待通りに泣かされてしまいました。
他の作品も探してみるかな・・・。
≪点数≫
8点
(20.06.06鑑賞)

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