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No.1799 『斬、』
No1799 『斬、』
2018年制作 邦
監督:塚本 晋也

≪キャッチコピー≫
『なぜ人は
    人を
    斬るのか』

≪ストーリー≫
江戸時代末期の日本は、開国か否かで大きく揺れていた。困窮の末に藩を後にし、農村の手伝いをする浪人の杢之進(池松壮亮)は、近所に住む姉弟のゆう(蒼井優)と市助(前田隆成)と共に時代の変化を感じながらも静かに過ごしていた。そこへすご腕の剣士・澤村(塚本晋也)が現れ、杢之進の剣の腕を見込んで動乱の京都に彼を誘おうとする。

≪感想≫
久しぶりの時代劇。

時は幕末。
人を斬ったことのない剣の達人のお話。

ここで描かれているのは負の連鎖。
暴力が暴力を生み最後はまた暴力に着地。
杢之進(もくのしん)は最後、澤村を斬ることで一つレベルが上がったこととなるのか。
彼は斬ることを拒み、暴力の連鎖を止めようとする。
その彼を無理やり覚醒させようとする周りの人間たち。
ゆうが暴力を振るわれても歯をくいしばるだけの杢之進には
ほとほと呆れて悔しくなりましたが、最後、覚醒している姿を見るのもモヤっとしたり。
何が正解でこの後どうなるのか受け手に投げかける作風は
ど直球で刺さってしまってね。

もやもやもやっと。

他にも。
中盤から出てくる荒くれ者の野武士どもは見た目は悪人づらなんだけど、
話してみると、案外気のいい奴らで。
もちろんやってきたことには悪いことも含まれるんですが、許せる範囲内で。
その野武士どもを見た目で「悪」と決めつけ追い出そうとする農民たち。
それを問答無用で斬りさばく澤村。
なんとも息苦しくなったり。
しかもこの殺陣のシーンがバイオレンスたっぷりで痛々しいんですよね。
ひたすら握りこぶしをギュッとしながら鑑賞しておりましたよ。

お話自体が、なんとなく現代社会や自分の環境に重ねることができて
嫌な気分になっちゃいました・・・。

演出的にもエンタメ的ではなく、どちらかと言うとアート的な作品。
時折、よく分かんなくなったりしましたが、その壮絶さ、凄さが
ズシリと心に直撃する作品で。

そうそう。
本作は役者さんたちも本当に素晴らしかった。
ゆうを演じた蒼井優さんは相変わらず画持ちが素晴らしい!!
アップでずっと写っていても観ていられる。
惹きつけられますねぇ・・・。
杢之進を演じた池松壮亮くんの佇まいも素晴らしかった。
池松くんは声も良いんですよねぇ。
ボソボソっと喋る感じがまたグッときます。
本作の監督である塚本晋也監督も演者として出ていたし、存在感が
半端なかった。
この3人がとにかく素晴らしかったです。

そんな感じで。
バイオレンスたっぷりの大人な作品。
暴力が生み出す負の連鎖をど直球で見せつけられました!!
鑑賞後はひたすらもやもやもやもや。
なかなかオススメはできませんが素晴らしい作品であることは間違いない。
もう少し考える時間を・・・。

≪点数≫
  8点
                                           (20.05.03鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)