2020-08-30 Sun

2019年制作 邦
監督:山崎 貴
≪キャッチコピー≫
『これは、数学で戦争を止めようとした男の物語。』
≪ストーリー≫
昭和8年(1933年)、第2次世界大戦開戦前の日本。日本帝国海軍の上層部は世界に威厳を示すための超大型戦艦大和の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六は今後の海戦には航空母艦の方が必要だと主張する。進言を無視する軍上層部の動きに危険を感じた山本は、天才数学者・櫂直(菅田将暉)を軍に招き入れる。その狙いは、彼の卓越した数学的能力をもって大和建造にかかる高額の費用を試算し、計画の裏でうごめく軍部の陰謀を暴くことだった。
≪感想≫
三田紀房の同名漫画を実写化。
数学の天才が軍人になって数学を使って国を動かすか!?っつーお話。
いやぁー面白かったっす!!
最初は戦場でドンパチやる戦争映画なのかなと思って観ていたら全然そんな事なくって。
太平洋戦争に至る前の会議等々のお話でしたよ。
ただこれはこれでれっきとした戦争映画で。
物語の展開や演出が素晴らしくって見応えあるエンタメ作品に仕上がっておりました!!
まず良かったところ。
お話の展開が面白かった。
思っていた着地にはたどり着かず、どんどん自分が思っていたゴールが変わっていく感じ。
最初は、天才数学者・櫂直が戦艦を作るのを止めるために奔走していって
大逆転で食い止めるのかなぁと思いきや・・・。
間違ってはいないんですが、そこから一波乱二波乱。
それまで飄々としていて何となくカリスマ性も感じなかった山本五十六たち。
彼らは彼らでまた違う顔を持っていて。
彼らの本質を知った時。
歴史上の偉人とも言える山本五十六の軍神とも呼ばれた本性を知った時はゾッとしましたよ。
何でしょう、全体的に軍人が軍人である部分を見せられた感が半端なくって。
どんな風に転がっても戦争に向かっていく感じ。
あのオープニングの戦争シーンに繋がっていく感じがちょっとだけゾッとしちゃってね。
田中泯さん演じる平山中将も怖かった。
クライマックスの彼の言動や行動、信念が国を想うが故の行動なんだけど、
それが後の結果に繋がる事を考えると、やっぱりもやっとね。
そういえば、脇を固める人物で高任という人物がいました。
平山中将寄りの若手軍人でこいつが良い顔してたんですよねぇ。
見た事ない役者さんだなぁと調べてみると。
なんと!!
大好き「SR サイタマノラッパー」シリーズのMC MIGHTYじゃないですか!!
嬉しい発見になりました。
オープニングの戦争シーンが意外とゴアな感じで凄惨なシーンだったのも
後の展開にしっかりと彩を付けていて素晴らしかったな。
全体的に素晴らしかったんですが気になったところもちらほら。
まずは物語の着地について。
あのオチだと、櫂直は結局、後の日本のためとはいえ戦艦大和を作る事になるんだよな。
オープニングの犠牲者、戦争の被害者を考えると、やっぱりその行動も
もやもやっとしたりね。
もちろん、戦艦大和ができなくっても、戦争は止められなかったとは思うんですが、
何だかやりきれない気持ちになっちゃったんですよ・・・。
太平洋戦争の悲惨さを知っているだけに、すっごい嫌な気分になっちゃってね。
櫂直ならもっとやってくれるはず!!なんて期待しちゃったんですよね・・・。
歴史を変えることはできないのでしょうがないっちゃあしょうがないのですが。
ちょっと嫌な気分になっちゃったな。
そんな感じで。
良くできた作品。
最後に向かうほど見入ってしまったストーリーテリングの妙。
とても楽しむ事ができました!!
本作は漫画が原作という事で。
先に書きましたが、最後の大和が出来上がってしまった所と、櫂がそこにどこまで関わったかの部分を
漫画では描かれているのでしょうか。
櫂は戦争を始めることに抗っていたのでしょうか・・・。
未だ続いている作品とのこと。
読まなきゃいかんのぅ・・・。
≪点数≫
7点
(20.05.17鑑賞)
こちら原作漫画。
えっ!?こんなに出ているの!?

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2020-08-28 Fri

2019年制作 邦
監督:原 恵一
≪キャッチコピー≫
『アカネは、幸せの色の国へ!
それは、失くしていた“宝物”を見つける
感動の冒険――』
≪ストーリー≫
自分に自信のないアカネは誕生日の前日、突如現れた謎の錬金術師ヒポクラテスと弟子のピポから世界を救ってほしいと言われ、骨董(こっとう)屋の地下室からつながるワンダーランドへ連れ出される。幸せな色に満ちたワクワクする世界は、色が消えてしまうという危険にさらされていた。ワンダーランドを守る救世主として期待されるアカネは、世界を救うための冒険に出る。
≪感想≫
アニメ作品。
本作はCMでよく観て、とにかく歌が素晴らしくって!!
劇中歌で流れるmiletの「Wonderland」。
この曲を初めて聴いた瞬間、完全に打ちのめされてyoutubeで聴きまくりました。
ほんと、毎日聴いていたような気がします。
映画も観なきゃなぁと思いつつも、なかなかタイミングが合わず、ここまで来ちゃってね。
やっとこさ鑑賞することができました。
さてさて作品は・・・。
むむむ・・・イマイチ盛り上がりの欠ける作品でした・・・。
何でしょうねぇ、迫力に欠けるというか、派手さに欠けるというか。
物語は一人の少女が異世界に飛び込み冒険をするっつーお話で。
冒険活劇的な内容なのに何だか地味でね。
アニメーションや色彩はとっても美しい。
異世界の風景がとっても綺麗で。
例えば、僕的に風景が綺麗なアニメといえば「君の名は」や「天気の子」の
新海誠監督作品が思い出されますが、それに匹敵するぐらい
素敵なアニメーションでした。
大きな画面で観たかったなぁって。
残念無念。
ただね・・・。
お話が雑だったり展開に抑揚がなかった気が・・・。
本作は原作本があるみたい。
どんどん話が進んでいって、勝手に物事が展開していく感じ。
いつの間にかザン・グの話もカタが付いているのも「最初」は
ピンとこなかったし、アカネの成長譚としても全体的に急に
進んでいく感がピンとこなかったし。
そもそも大魔導士のカマドウマがいれば全部何とかなったんじゃないかって
思っちゃったし。
マッチポンプ的問題の数々は中々ピンとこなくってね。
確かに、後々思い返すと腑に落ちたんですが、観ている時は
何の感情に揺らぎもなくって。
演出に抑揚がなく感じちゃったんですよね。
迫力がないというか。
実は景色に関してもちょっと違和感が。
クライマックスのコロッセウムみたいな街並。
あれってめちゃくちゃ広くて大きな世界なんだろうけど、レイアウトのせいか
そんなに広く壮大に感じなかったんです。
逆に小学生の主人公がすっごい大きく見えたり・・・。
何だろう、レイアウト、ポジショニングの違いなのかな・・・。
ちょっといちいち引っかかっちゃいましたよ・・・。
とほほ・・・。
クライマックスの雫切りの儀式もそんなに盛り上がらなかったし。
先に書きましたmiretの曲が爆発した瞬間は確かに良かったんですが、
CMやPVで聞いたほどのインパクトは感じなかったんですよね。
何でだろうなぁ・・・。
そんな感じで。
良いところもあったんですが、何だか盛り上がりに欠けた印象の本作。
劇場の大画面で観たらかなり印象が変わったんだろうな。
まぁ、曲の良さは間違い無いので今後もyoutubeで聴きまくるぞい!!!!
≪点数≫
4点
(20.05.16鑑賞)

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2020-08-26 Wed

2019年制作 邦
監督:矢口 史靖
≪キャッチコピー≫
『カラダが勝手に
ミュージカル♪?』
≪ストーリー≫
一流商社に勤務する鈴木静香(三吉彩花)は、曲が流れた途端に歌って踊らずにはいられなくなるという催眠を催眠術師にかけられる。翌日から静香は、テレビから流れる音、携帯電話の着信音、駅の発車メロディーなど、ちまたにあふれる音楽に体が勝手に反応してしまう。なんとか術を解いてもらおうとするが、催眠術師はどこにもいなかった。
≪感想≫
「ロボジー」「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」の矢口史靖監督作品。
監督の前作「サバイバルファミリー」が巷では評判が良かったのですが、
僕的には合わなかった印象。
何でしょう、「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」は
大好きな作品なのになぁ・・・。
さてさて。
むむむ・・・。
これまた、ちょっとダメよりに感じちゃいました。
まず世界観がハマらなかった。
催眠術によって音楽が聞こえると反射的に踊り出し歌い出すという
特異な体になった女性(静香)のお話。
ミュージカル映画の特質を活かした作品なんだけど、そもそも
あれは物語の中に歌が流れたり、踊り出したりがその世界の中では
自然に組み込まれているからまだ飲み込めるんですが、
本作の場合、静香だけがミュージカルの世界に入り込むため、
周りは突然、踊り出す彼女に若干、引き気味。
しかも、彼女もその状況が嫌なので、踊り出す楽しいシーンも
心の奥では嫌々というのがわかるので、正直目を背けたくなるほどの
痛々しいシーンに。
正直、ミュージカルシーンだけで考えるととても楽しかったんです。
主演の静香を演じる三好彩花さんはルックもカッコ良くってキュートでダンスも歌も
見応えがあって。
普通のミュージカルとして描いて欲しかったなぁって(苦笑)
何だか所々引っかかってしまったんですよねぇ・・・。
誰にも迷惑かけないミュージカルシーンは良かったんですが、例えば職場で打ち合わせ中の
ミュージカル、レストランでのミュージカルはめちゃくちゃ痛かったです。
あと、ミュージカルになっていく線引きもよくわかんなかった。
通常の音楽に乗って踊り出すのは分かるんです。
人の歌にも乗るのも分かるんです。
ただ、そこで踊らず、一緒に歌うだけだったりするのはなぜだろう・・・。
中盤のストリートで小銭稼ぎをする時に歌うんですが、一緒に踊らないのはなぜだろうって・・・。
なんか、いちいち引っかかってしまいましたよ。
中盤のヤンキーに絡まれた辺りの喧嘩ダンスバトルもよくわかんなかったし。
ストーリーとミュージカルが上手く融合できていないように感じました。
キャラクターに共感を持てなかったのもあるかな。
主人公の最後の選択もそれまでがそこに至るほどの生活だったのかなぁって。
今の仕事もやりがいありそうで別に辞めるほどのことでもないでしょうにって。
新しい出会いがあったのは素晴らしいのですが、二人で何かを始めるのも
ちょっと時期尚早ではないのかなって。
静香と一緒に旅するおデブちゃんとフラレ女子もそこまで良き仲間には見えなかったし・・・。
う〜〜ん・・・何だかなぁって。
先に書いたヤンキーに絡まれるシーンも元はおデブちゃんの不注意が原因だし。
フラレ女子のサイコな行動もちょっと違うなぁって感じちゃったし。
催眠術師の御大も結局はイカサマ混じりのエンターテナーだったし。
何だかなぁ・・・。
ただね。
ここら辺は監督の手腕なのでしょうが、ラスト、エンドロールの「タイムマシーンにお願い」が
ミュージカル調に流れている時は楽しい映画だったなぁって思ったり。
ただ、こうやって感想を書いているとやっぱり納得いかねぇなぁって・・・。
そんな感じ。
前作に引き続き矢口監督作品にノレなかった私。
残念無念!!
次回作を楽しみにしておりますぞ。
≪点数≫
4点
(20.05.10鑑賞)

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2020-08-24 Mon

2019年制作 韓
監督:クォン・オグァン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
伝説の詐欺師「チャッキ」の息子で国家試験準備中の受験生イルチュル(パク・ジョンミン)は、勉強には全く興味がないが、ポーカーの板の上では実力者だ。
≪感想≫
韓国映画「タチャ」シリーズ最新作。
本作は3作目で過去2作品を観たのが2016年か・・・。
覚えてないなぁ・・・。
レビューを読み返すとあまり芳しくなかったみたい。
さてさて・・・。
良かったところ。
バイオレンス色が強かった。
血みどろブッシャーやら暴力描写が派手でした。
賭博、イカサマ師など裏の世界を描いているだけに、きな臭く泥臭く
痛い痛いシーンが連続。
見応えがありましたよ。
僕的には最後のラスボスの手を切り落とすシーンや、悪徳じじいが
メッタ刺しされるシーンとかが◎。
本作の賭博がポーカーだったのも良かった。
前作までは花札の謎のゲームだったのでルールが分からず
そこまで緊張感が伝わんなかったんですよね。
本作のポーカーはルールがわかるので緊張感が伝わって・・・。
ただね・・・。
本作ってそこまでポーカーに重きを置いていなくって。
どちらかと言うと、騙し合い的な側面が強かったです。
ちょっと思い出したのが「オーシャンズ11」シリーズ的な。
コンゲームっていうのかな。
まぁまぁまぁ。
さらに、ただね・・・。
全体的にノリ切れなかった部分もあってさ。
キャラに強さ、カッコ良さを感じなかったんですよね。
本シリーズはイカサマ師のお話なのでもっとプロフェッショナルなキャラが
わんさか出るのかと思いきやそうでもなかったんですよね。
本作ではチームを組んで計画を企てるんですが、それぞれ良い感じなのに、
何となく事の顛末はあっけなく終わっていたり。
首謀者のエックが一番プロフェッショナルで、主人公の師匠的な存在で
一番様になっていたのに、あの最期はないよなぁ・・・。
他のメンバーたちもそこまで活躍できなかったし・・・。
何と言っても主人公のト・イリチュルがとんだダメダメ野郎で。
彼の一挙手一投足で周りのメンバーが迷惑を被る。
彼がなぜあそこまでヒロインに絆されるのかが分からない。
最後の最後まで彼女に寄り添っていくのが何とも情けなくってね・・・。
こいつ、プロ失格だよ!!ってね。
ただ、彼に関してはルックだけは素晴らしかった。
最初は、プライド高い世間知らずで井の中の蛙感がバンバンに出ていたのですが、
中盤ぐらいからスーツをビシッと決めてプロフェッショナル感がビンビン。
ここに関しては素晴らしかったな。
敵キャラが弱かったのも何だかなぁ・・・。
ラスボスのあいつはめちゃくちゃ凄腕のイカサマ師のはず。
クライマックスではひと勝負で決着が付くんです。
それは良いんですが、あまりにも弱すぎやしないかいってな
決着の仕方で。
もっと強くっても良かったのになぁと。
残念な気持ちになりました。
何でしょう、全体的にカッコ良さげで勢いのある作品に仕上がっていて、
最後の着地もとっても良さげで、おぉ、良い作品を観たなぁと感じたりもしたんです。
ただ、序盤、中盤はずっともやもやイライラしていたのも事実で。
よくよく考えると、やっぱなんか違うんだよなぁって・・・。
残念無念。
そんな感じで。
全体的にアガリきれなかった本作。
良い部分もたっくさんあっただけに何だか勿体無かったな。
本シリーズは全体的にそんな感じで終わっちゃいました。
本シリーズは人気漫画が原作。
とりあえず、こっちを読みたいよ・・・。
≪点数≫
6点
(20.05.09鑑賞)

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2020-08-22 Sat

2017年制作 米
監督:ローアル・ユートハウグ
≪キャッチコピー≫
『謎が私を駆り立てる。
秘宝が私を欲してる。』
≪ストーリー≫
大学生のララ・クロフト(アリシア・ヴィキャンデル)は、バイク便のライダーとして働いているが、生活はいつもギリギリ。冒険家である父親は彼女が子供のときに行方をくらまし、亡くなっていた。その父の最後の目的地が、日本のどこかにあるとされている神話上の島の伝説の墓だった。ララはその島を探すために冒険に乗り出す。
≪感想≫
アンジェリーナ・ジョリー主演で2作品作られた本シリーズ。
2作品ともアンジーの魅力大爆発で、まるでアンジーのPVのようでした。
もちろん僕も堪能させていただきましたよ。
本作はリブート版で主役をアリシア・ビキャンデルに変更。
彼女もめちゃくちゃ綺麗なルックですよねぇ・・・。
ちょっとだけ線が細いのが心配ですが。
楽しみ楽しみ。
さてさて・・・。
ん?んん??
なんじゃこりゃこりゃ。
物足りないよぅ・・・。
全体的に派手は派手だったんですが、全然スカッとしなくって。
全然気持ちよくなかったんですよね・・・。
アクションシーンもめちゃくちゃ多かったんですが、ララ・クラフト、
アリシア・ビキャンデルに魅力を感じなくってね。
例えば、格闘アクションに関しても線が細くって弱々しいイメージ。
他のアクションシーンに関しても決して強そうとは言えず、
ひたすらピンチの連続でよくこのスペックで死なないよなぁなんて。
何でしょう、一度もスカッとしなかったんですよね。
前シリーズのアンジー演じるララ・クロフトは無敵感があって、彼女の
活躍を楽しめば良い的な流れだったんですが、本作のララ・クラフトは
ちょっと弱そうでねぇ・・・。
めちゃくちゃピンチを何とか乗り切るんですが、その乗り越え方のいくら何でも感が
半端なくって。
それが無敵感あふれるルックだったら、まだ気持ちが良かったんですが、
先に書いた通り、アリシア・ビキャンデルのか弱さとマッチしていなかったので
ノリ切れなかったんですよね。
残念無念。
あと、謎解き的な要素もまるでなかったのも肩透かしかな。
アンジー版も無かったと言えば無かったのですが、魔宮とかを冒険するなら
そういう謎解きもあったって良いじゃない!!
むむむ・・・。
良いところと言えば。
正直、最後の2・3分が一番心踊りました。
後に知ったんですが、本作はタイトルにある通り、ララ・クラフトの
ファースト・ミッションで。
ララが強くなる前のお話だったんですね。
今後、あの強くてカッコ良いララ・クラフトが見れるのかと思うとワクワクしてね。
次回作は制作されるんですよね!?
楽しみにしておりますよ!!!!
≪点数≫
3点
(20.05.06鑑賞)
こちらゲーム版。
もう・・・ゲームしたくてしたくて。

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2020-08-20 Thu

2018年制作 韓
監督:キム・ヨンワン
≪キャッチコピー≫
『絆のために
頂点を目指す!』
≪ストーリー≫
生まれて間もなく韓国からアメリカに養子に出された男(マ・ドンソク)は、かつてアームレスリングでトップになることを志していた。孤独な彼はクラブの用心棒として働いていたが、スポーツマネージャー(クォン・ユル)の甘い言葉に乗せられ、再度アームレスリングに挑戦することを決意して韓国に戻り、実の母親を訪ねる。
≪感想≫
大好きマ・ドンソク兄貴主演作。
スタンダードな良作!!
小さい頃に養子に出されたドンソク兄貴が、アームレスラーになって
韓国に戻ってくることに。
自分を捨てた母親の顔を見に行くと、そこには知らない母子が
住んでいて・・・。
兄貴〜〜〜!!!
観たかったドンソク兄貴がそこにいました!!!
キャラクターがまた素敵!!
朴訥で照れ屋。
心は清い男の中の”漢”!!
あの子供達にハニカミながら対応するシーンとか観ていてめちゃくちゃ微笑ましくって。
内なる闘志を秘めて、自分の存在意義をアームレスリングに叩き込む。
クライマックスの兄貴の心境の吐露はグッとくること間違いなし!!
ボロボロ泣きながら鑑賞してしまいました。
脇を固めるキャラたちも良かったな。
弟分のジンギ。
個人的にはこいつの顔が憎たらしくてキャラ的にも嫌い寄りだったんですが、
ジンギはジンギで抱えているものもたくさんあって。
クライマックス、成長した彼を観て素直に応援したくなったり。
妹のスジンも素晴らしかった。
あの、人生、戦っている感がビンビンで応援したくなる感じ。
子供達もまた可愛らしかったんですよね。
特に娘の方がキュートすぎてね。
この登場人物、全てにちょっとだけ影があって。
それぞれが最後には成長して、クライマックスには一つになる。
間違いない!!
ほんと、グッときまくりでしたよ。
そうそう。
他のキャラたちも色々立っていて楽しかったです。
元チャンピオンのあいつとその弟子2人のタコ入道たち。
ジンギの親父も良かったし、鍼灸師のじいちゃんも良かった。
悪党社長のアイツも良い顔していたなぁ。
お話について。
本作は絆のお話。
ふと思ったのが、僕的なイメージとして韓国の文化って「血」を大事にしているような。
どんな人でも血の繋がりを大事にしていて家族を大事にしていて、
ザ・縦社会というか。
それが本作の繋がりはそうじゃなくって。
確かに人を大事にする部分では一緒なんですが、そこには「血」の繋がりではなく
「絆」を大切にしていてね。
本作に出てくる人たちは皆血が繋がっていない兄弟、兄妹。
「血」なんて関係ないない、そこには彼らだけの「絆」が生まれているんだ。
最後の兄貴のインタビューはボロボロ泣いた。
ほんと良い表情するよねぇ・・・。
本作は劇中でも触れていましたが、大好きシルベスタ・スタローンの
「オーバーザトップ」に影響を受けているようで。
実は僕、観たことないんですよねぇ・・・。
観なきゃなぁ・・・。
そんなこんなで。
お話は王道負け犬映画に家族や絆を描いた傑作。
大好き!!!!
やっぱりドンソク兄貴の作品にハズレなし!!
≪点数≫
9点
(20.05.05鑑賞)
こちらスタローンの「オーバー・ザ・トップ」。
うっすら観たような観ていないような。
観なきゃ!!

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2020-08-18 Tue

2008年制作 邦
監督:三宅 唱
≪キャッチコピー≫
『この夏が、
いつまでも
続くような
気がした』
≪ストーリー≫
失業中の静雄(染谷将太)は、函館市の郊外にある書店に勤める僕(柄本佑)と同居していた。ある日僕は、ひょんなことから同僚の佐知子(石橋静河)と一夜を共にする。その日を境に佐知子は毎晩のように静雄たちのアパートを訪れるようになり、三人は酒を飲みながら楽しく過ごしていた。静雄は、キャンプに行こうと僕を誘うが断られてしまい、佐知子と二人で行くことになる。
≪感想≫
佐藤 泰志の同名小説を実写化。
何者でもない、3人の男女が過ごすひと夏の物語。
ちょっと「そこのみにて光輝く」を思い出しましたが、本作の原作者が
一緒ということで。
なるほどねぇ。
ただ、こちらの方が少しだけ軽やかな印象を受けたかな。
本当に少しだけですが・・・(笑)。
さてさて。
なんでしょう・・・。
決して同じような生活を送っていなかったんですが、とても懐かしい気持ちになれたというか。
一人暮らしをしていた大学時代。
それこそモラトリアムな時代を過ごしていたあの頃を思い出しました。
馬鹿騒ぎして朝を迎えて、一人で人気のない街並みを歩いたあの感じ。
何物になれないのは知りつつも淡い期待を奥底で握りしめているあの感じ。
ぼんやりと毎日が過ぎていくあの感じ。
瞬間瞬間の楽しさ、嬉しさ、悲しさは紛れもなくあったというあの感じ。
その瞬間の匂いや景色、そして”色”を鮮明に思い出したり。
別にそれは何でもない生活の一部だったのかもしれませんが、
あの頃の自分を思い出したりしました。
もやもやもやと。
主人公の”僕”はフリーターで何となく生きている人間。
何事にも熱くならず、ただただ生きているだけの人間で。
その”僕”と同居する静雄も現在無職でこれまたぼんやりと生きている人間。
この二人の表情が凄い乾いていて。
無ではないし、楽しそうなシーンもたくさんあるんですが、何だか
そこに「熱」を感じなくって。
演じている役者さんたちが素晴らしいのもあるんですが、自分もここまで
あからさまではないんでしょうが少なからずその瞬間はあったんだろうと、
何とももやっとした気持ちに。
本作は、原作の終わり方と少し違うみたい。
本作の終わり方は少しだけ”僕”に熱が帯びる。
僕的にはそこに”僕”の成長を感じて。
初めて感情をあらわにしたというかね。
監督の優しさを感じました。
本作のヒロインを演じた石橋静河さん。
僕的にとても大好きな佇まいをしている女優さん。
以前「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」という作品を観て一気にファンに
なっちゃってね。
本作のキャラクターも見事にマッチしていていました。
ちょっと沈んだ感じとか。
ちょっと危うい感じとか。
とても魅力的な女優さんですね。
今後も追い続けていきたいです。
そんなこんなで。
少し淀んで少しもがいている時代が映し出された作品。
懐かしさを感じつつ、彼らの未来はどうか「熱」を帯びたものであれと
ふと思った良作。
これ、僕が大学時代に観ていたらどう思ったんだろうなぁ。
もやもやもや・・・。
≪点数≫
7点
(20.05.04鑑賞)
こちら原作。
本作のその後も描かれているみたい。
興味あるなぁ。

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2020-08-16 Sun

2003年制作 米
監督:ヤン・デ・ボン
≪キャッチコピー≫
『カラダが欲しがる世界の刺激。』
≪ストーリー≫
ある日、ギリシャのサントリーニ島で発生した大規模な地震の影響で、地中海海底に埋没していた“月の神殿”が2300年ぶりに姿を現わした。トレジャー・ハンター、ララ・クロフトもこの情報を聞きつけて現場に急行。神殿に入った彼女は、アレクサンダー大王像の胸に埋め込まれたメダリオンと鉄の檻に収められた黄金の珠を発見する。だが彼女がそれらを取り出そうとした時、突然現われた一味に襲われてメダリオンと珠を奪取されてしまう。その盗まれた珠には<パンドラの箱>の所在が示されていた。彼らの正体とその陰謀を知ったララは珠の追跡に乗り出すが…。
≪感想≫
ゲーム原作の人気シリーズ第二弾。
アンジェリーナ・ジョリーの魅力大爆発の本シリーズ。
前作ではアンジーのPVかと思うほどのアンジー推しの作風に。
多少薄くはなりつつも本作でもその流れは健在。
カッコ良くてセクシーなアンジーを堪能することができました。
アクションについて。
本作のアクションは良い意味でバカアクションというか、ありえない
アクションの連続。
序盤のテリー(ジェラルド・バトラー)とのバイクシーンとか。
中盤のテリーとビルから飛び降りるシーンとか。
ちょっと、イキきったアクションは以前観た旧「チャーリーズ・エンジェル」シリーズを
思い出しました。
あと、アンジーがサメをパンチして手懐ける件も思わず笑っちゃった。
なんでしょう、本作は前作に比べてエンタメ性が強くなったというか、
アンジー以外の所でも楽しませようとしていた様に感じました。
例えばお話の展開も多種多様。
最初は海底神殿。
次は中国のビル群。
最後はアフリカのジャングル。
設定も研究所やら魔界っぽい所やら、思い返すと色々あったなぁって。
アンジーのこってりラブシーンもあったな。
最後のテリーとの展開もちょっと唐突すぎるし、着地もなんかピンとこない。
ふふふ・・・。
ただ、これはちょっと前作ともカブるかもしれないんですが、
そこまでノリきれなかったんですよね。
すっごい、色々詰め込まれていてエンタメ性に富んだ作品だったのに、
遠い目をして観ているみたいな・・・。
なんでだろうなぁ・・・(苦笑)
そんな感じで。
前作よりは楽しめましたが、やっぱりなんともノレなかった作品。
アンジーの魅力は十分に堪能できたので良しとしよう。
さぁ、次回作はアリシア・ヴィキャンデルを主演に据えたリブート作品。
どうなることやら・・・。
楽しみ、楽しみ・・・。
ふと思ったんですが、今シリーズって女性版「インディー・ジョーンズ」だよなぁ。
僕、実は「インディー・ジョーンズ」観たことないんだよなぁ。
観なきゃなぁ。
≪点数≫
6点
(20.05.03鑑賞)
こちらゲーム版。
最近、ゲームをやりたくてやりたくて・・・。

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2020-08-14 Fri

2018年制作 邦
監督:塚本 晋也
≪キャッチコピー≫
『なぜ人は
人を
斬るのか』
≪ストーリー≫
江戸時代末期の日本は、開国か否かで大きく揺れていた。困窮の末に藩を後にし、農村の手伝いをする浪人の杢之進(池松壮亮)は、近所に住む姉弟のゆう(蒼井優)と市助(前田隆成)と共に時代の変化を感じながらも静かに過ごしていた。そこへすご腕の剣士・澤村(塚本晋也)が現れ、杢之進の剣の腕を見込んで動乱の京都に彼を誘おうとする。
≪感想≫
久しぶりの時代劇。
時は幕末。
人を斬ったことのない剣の達人のお話。
ここで描かれているのは負の連鎖。
暴力が暴力を生み最後はまた暴力に着地。
杢之進(もくのしん)は最後、澤村を斬ることで一つレベルが上がったこととなるのか。
彼は斬ることを拒み、暴力の連鎖を止めようとする。
その彼を無理やり覚醒させようとする周りの人間たち。
ゆうが暴力を振るわれても歯をくいしばるだけの杢之進には
ほとほと呆れて悔しくなりましたが、最後、覚醒している姿を見るのもモヤっとしたり。
何が正解でこの後どうなるのか受け手に投げかける作風は
ど直球で刺さってしまってね。
もやもやもやっと。
他にも。
中盤から出てくる荒くれ者の野武士どもは見た目は悪人づらなんだけど、
話してみると、案外気のいい奴らで。
もちろんやってきたことには悪いことも含まれるんですが、許せる範囲内で。
その野武士どもを見た目で「悪」と決めつけ追い出そうとする農民たち。
それを問答無用で斬りさばく澤村。
なんとも息苦しくなったり。
しかもこの殺陣のシーンがバイオレンスたっぷりで痛々しいんですよね。
ひたすら握りこぶしをギュッとしながら鑑賞しておりましたよ。
お話自体が、なんとなく現代社会や自分の環境に重ねることができて
嫌な気分になっちゃいました・・・。
演出的にもエンタメ的ではなく、どちらかと言うとアート的な作品。
時折、よく分かんなくなったりしましたが、その壮絶さ、凄さが
ズシリと心に直撃する作品で。
そうそう。
本作は役者さんたちも本当に素晴らしかった。
ゆうを演じた蒼井優さんは相変わらず画持ちが素晴らしい!!
アップでずっと写っていても観ていられる。
惹きつけられますねぇ・・・。
杢之進を演じた池松壮亮くんの佇まいも素晴らしかった。
池松くんは声も良いんですよねぇ。
ボソボソっと喋る感じがまたグッときます。
本作の監督である塚本晋也監督も演者として出ていたし、存在感が
半端なかった。
この3人がとにかく素晴らしかったです。
そんな感じで。
バイオレンスたっぷりの大人な作品。
暴力が生み出す負の連鎖をど直球で見せつけられました!!
鑑賞後はひたすらもやもやもやもや。
なかなかオススメはできませんが素晴らしい作品であることは間違いない。
もう少し考える時間を・・・。
≪点数≫
8点
(20.05.03鑑賞)

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2020-08-12 Wed

2001年制作 米
監督:サイモン・ウェスト
≪キャッチコピー≫
『世界の「謎」は私のモノ。』
≪ストーリー≫
類い希な才能を持つ美しきトレジャー・ハンター=ララ・クラフト(A・ジョリー)。ある日、彼女は20年前に失踪してしまった父の隠し部屋で謎の星座表を発見する。それは、“イルミナーティ=光の人々”という秘密結社が時空の扉を開ける鍵を見つけるためにはどうしても必要なモノだった……。
≪感想≫
アンジェリーナ・ジョリー主演作。
本作はゲームソフトが基になっていて。
その昔、かくいう僕もゲームに明け暮れた日々を送っていた時期もありまして。
この「トゥームレイダー」もやっていた記憶があります。
アクションアドベンチャーゲームで僕はへったくそだったので上手に
できませんでしたが、友達がすいすいこなしていた記憶が。
懐かしき少年時代。
さてさて映画について。
なるほど、こりゃアンジェリーナ・ジョリーのPVだな。
いかにアンジーをカッコよくセクシーに映すかに特化していて。
冒頭のアクションシーンに始まり、その後も立て続けにアンジーの
魅力を映し出す。
しかもキャラと彼女のルックがめちゃくちゃ合っているんですよ。
こりゃみんなファンになるわ・・・。
ただね・・・。
確かにアンジーは美しくってカッコよくって素晴らしかったんですが、
何でしょう、メチャクチャ派手にドンパチやっているのに、派手に
見えなかった感が否めなくって。
演出なのかなぁ。
カメラワークなのかなぁ。
とにかく、そこまでアガる事がなかったんですよね。
ちょっと物足りなかった気がします。
何だろうなぁ・・・。
キャラについてはとっても魅力的なアンジー様。
ルックも美しく、アクションもキレていて頑張っておりましたよ。
そうそう。
本作、ダニエル・クレイブも出演されていました。
なんとなく、痩せていて後のジェームス・ボンドとは思えないくらい
頼りなかったなぁ。
もうちょっとカッコよく撮ってほしかったっす。
もひとつ、そうそう。
本作、序盤の舞台がカンボジアのアンコール・ワットでしたね。
実は、学生時代に行ったことがあって。
懐かしき風景にちょっと心が躍りました。
また行きたいなぁ・・・。
そんな感じで。
アンジーの魅力は堪能できましたが、正直もっとやれただろう感は
否めない本作。
次回作に期待です!!
本作はシリーズ物でアンジー主演としてはあと一作。
そしてアリシア・ビキャンデル主演のリブート作品が一作品。
長い目で鑑賞していきます・・・。
≪点数≫
5点
(20.05.02鑑賞)
こちらゲーム版。
進化しすぎて何が何やら・・・。

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2020-08-10 Mon

2018年制作 米/英
監督:バート・レイトン
≪キャッチコピー≫
『普通の大学生が起こした
普通じゃない強盗事件。』
≪ストーリー≫
ケンタッキー州の大学に通うウォーレン(エヴァン・ピーターズ)とスペンサー(バリー・コーガン)は、大学の図書館に時価1,200万ドル相当の高価な画集が所蔵されていることを知る。刺激のない生活にうんざりしていた二人は、画集を盗んで売ることを思いつき、大学の友人二人を仲間に加えて強盗計画を企てる。決行の日、老人に変装した四人は図書館に向かう。
≪感想≫
不思議な作りのお話。
本作は、実際にあったお話を基に作られていて。
通常のドラマ的な進め方でなく、なんと実際にこの事件に関係した方々を
そのまま登場させてインタビューしている演出。
ちょっとイーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」を思い出したり。
あれも実際の人たちを出演させてたもんなぁ。
お話は、何者でもない若造4人が一発逆転を目指して、
大学図書館から希少図書強奪を図るっつー流れ。
お話の筋だけ聞いていると、スタイリッシュでカッコ良いケイパームービーを
想像していたのですが・・・。
あらあら・・・。
泥舟で航海している若造たちをひたすら鑑賞している感じ。
そこじゃない!そこじゃないんだよ感がビンビンで。
ひたすら不安と後悔が映し出されるんだけど、その中で彼らの心に
もしかしたら成功するんじゃねぇかと一縷の望みにすがる無謀にも近い願い。
クライマックスの失敗するシーンは本当に観ていて辛かったっす・・・。
先に書きましたが、何者でもない若造が、自分を見失って
すがるように何かをしでかそうとする。
観ているこっちも一歩間違えばこいつらみたいになってたんじゃないのかなぁと
ぞわぞわする。
ふぅ~~~(深いため息)・・・。
とにもかくにも。
また新しい作りの犯罪映画を観せてもらいました。
うっすら思い出したのは「その土曜日、7時58分」かな。
あれも徐々に転落していくお話だったような。
今作は反面教師作品として完璧。
これを観て犯罪に走ろうなんて輩は馬鹿ですよ!!
ちょいと後味の悪い良作でしたとさ。
≪点数≫
8点
(20.04.27鑑賞)

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2020-08-08 Sat

2018年制作 米
監督:アリ・アスター
≪キャッチコピー≫
『完璧な悪夢』
≪ストーリー≫
ある日、グラハム家の家長エレンがこの世を去る。娘のアニーは、母に複雑な感情を抱きつつも、残された家族と一緒に葬儀を行う。エレンが亡くなった悲しみを乗り越えようとするグラハム家では、不思議な光が部屋を走ったり、暗闇に誰かの気配がしたりするなど不可解な現象が起こる。
≪感想≫
上映時、巷で話題となったホラー映画。
私の周りでは本作の評判がすこぶる良くって。
観なきゃ観なきゃと思っていたんですが、ホラーには中々手が伸びなくってね。
ずーっと先延ばしにしておりましたが、本作の監督さんの最新作「ミッドサマー」が
劇場公開しているという事で、満を辞して鑑賞いたしました。
さてさて・・・。
わぁ〜〜〜〜〜〜!!
めちゃくちゃこえぇ・・・。
とんでもなく不気味で恐ろしい作品でした。
ホラー演出について。
僕的に印象的だったのが「音」。
音楽はそこまで流れていなくって、所々、効果的に流れる感じ。
それ以外は無音ではなく、なんか沈んだ効果音みたいなものが流れている。
絶えず息を飲む感じがめちゃくちゃ緊張感たっぷりで。
そこに「幸せ」なんぞなくって、ひたすら「不穏」。
何が起こっているのか、そして何が起きるのかが全く予想できない。
本作の「音」の使い方は恐ろしかったっす。
本作ってきっと映画館で観ていたら怖さが倍増したんだろうな。
くぅ~~~・・・残念無念。
キャラクターのルックがとにかく不気味。
まず、娘のチャーリー。
チャーリーはずっと無口で何やら大切な何かを持っている感じ。
こいつが絶対何かやらかしそうだなぁと思わせる風体。
息子のピーターのルックも丁度良い塩梅の怖さ、不気味さだったな。
そして何と言っても母親のアニー。
彼女視点で進んでいく物語は彼女のリアクションの一つ一つが怖さを
倍増させてたんですよね。
もはや顔芸的な演出はすっごい怖かったです。
暗闇の使い方も巧み。
あの暗闇に映る人影の演出とか本当にビビっちゃいました。
緩急の使い方も巧み。
クライマックスのアニーが暗闇からダッシュしてピーターを追っかけるシーンは
これまたビビっちゃいましたよ。
バイオレンス描写もビビったなぁ。
序盤のチャーリーに対するあのシーン。
「アウトレイジ」椎名桔平さんのあのシーンや「悪の法則」のあのシーンを思い出したり。
父親の炎上シーンも酷かった。
握り拳ギュッと握りながら鑑賞しておりました。
ド派手な演出はそこまでなくって、沈んだ雰囲気の中、物語が進んでいく感じは
ただただ不気味で恐ろしい。
巧みですねぇ・・・。
お話についても、思っていた感じと違って◎。
先に少しだけ触れましたが、最初は娘のチャーリーが呪われていて
家族に恐怖を撒き散らしていくのかと思いきや、あっさり退場。
そこから、アニーの物語になり、最後はピーターの物語になる。
非科学的でありえないお話なんだけど、どこか理があって納得させられるお話に
仕上がっていて。
最後の最後までストンと落ちるこの恐怖はなんともねぇ・・・。
最後の終わり方もなんとも不思議な気持ちに。
ちょっとだけ祭り感があるというか。
ぞっとしましたよ。
とにもかくにも。
本作の監督はアリ・アスターというお方。
ホラーはあまり強くないですが、また新しい感覚のホラー映画を観せてもらった感じ。
「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督に引き続き
今後も追い続けていきたいホラー映画を主とした監督さんの一人となりました。
今後が楽しみです!!
さぁ「ミッドサマー」を観なきゃ!!
ただ、勇気いるなぁ・・・(苦笑)
追記・・・巷はコロナ一色でわが街の映画館も軒並み営業停止になっている。
このままじゃ、ミッドサマーは劇場で見れないかも・・・。
コロナのバカヤロー!!!!
≪点数≫
9点
(20.04.26鑑賞)

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2020-08-06 Thu

2018年制作 邦
監督:石井 裕也
≪キャッチコピー≫
『この世界は
悪意に満ちている。
でも――
町田くんがいる。』
≪ストーリー≫
町田くん(細田佳央太)は運動や勉強が不得意で見た目も目立たないが、困っている人を見過ごすことのできない優しい性格で、接する人たちの世界を変える不思議な力の持ち主だった。ある日、町田くんの世界が一変してしまう出来事が起こる。
≪感想≫
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」や「船を編む」等々の
石井裕也監督最新作。
人間の悪意と不寛容さを取り除いた善人・町田くんの
恋と青春のお話。
いやぁ、なんだか変てこな映画でした。
まず主人公の町田くん自体がすごいいききったキャラクターでね。
人間の悪いところを一切排泄した澄みきった心を持った高校生。
いくらなんでも感がビンビンで、多少引っかかりがなかったと言えば嘘になりますが
やっぱり善き人、善き心の描き方が上手なのか受け入れることができて。
演じた役者さんの瑞々しさも相まって、とても好感が持てました。
あとねぇ、本作は女優陣がともかく素晴らしくって。
ヒロインの猪原さんを演じた関水渚さん。
初めて見ましたが、これまためちゃくちゃ初々しくって表情豊かな
素敵な女優さんでねぇ・・・。
キャラクター的には、人間嫌いなんだけど、町田くんという謎のキャラクターに
初めて出会って困惑している感じとか最高。
あの、町田くんの行動にやきもきして貧乏ゆすりするシーンとか最高でした。
そして僕的MVPはもちろん前田敦子さん!!!!!
彼女は町田くんの性格を唯一理解している学友の栄。
彼女の朴訥なツッコミがめちゃくちゃ楽しくってね。
彼女が出てくるシーンはもれなく素晴らしかったっす。
もう、笑った笑った。
ちょっと、彼女の代表作「もらとりあむたま子」を思い出しました。
他にも町田くんの後輩のさくらを演じた高畑光希さん。
彼女もまたベテラン女優っぷりを発揮。
猪原さんとさくらと栄さんが織りなすシーンが一ヶ所だけあるんですが、
そこがもう微笑ましくってね。
最高のシーンだったなぁ。
あとは、町田くんの母親を演じた松嶋菜々子さんも素敵なキャラクターを
見事に演じていましたね。
本作は主役とヒロインの脇を固める役者さんたちがとにかく素晴らしかったイメージです。
池松壮亮くんも良かったなぁ。
一見、すっごい嫌なやつなのかなぁと思いきや根っこはとっても素直なやつでね。
他にも、町田くんのお父さんも素敵でした。
この両親の元から町田くんが育ったかと考えると納得。
演出について。
最後の展開はもうファンタジー。
大空に浮遊していく風船に捕まってヒロインの元に飛んでいく。
なんだこの展開!!
ファンタジックでコミカルな展開に思わず微笑んでしまいましたよ。
まぁ、これはこれで良いのかなぁって。
高校生の初恋のお話。
この小さな世界のお話なんだけど、そこで描かれていることは
人として、現代社会に生きる人に本当に大切なことはなんなのかという
とんでもなく大きなテーマが混在していて。
バランスよく描かれているかというと、そうでもないんですが、
どこか、心に引っかかるシーンがたくさんあったり。
クライマックスの町田くんの無償の優しさ、善意がいろんな人に伝わって
彼に戻ってくるシーンはとてもグッときましたよ!!
むむむ・・・なんでしょう。
なんともヘンテコな映画だなぁと。
そんな感じで。
誰も傷つかない感じ。
そして善意が波及していく感じ。
物足りないと言えば嘘になるが、こういう作品がいろんな人の心に届いて、
ふとした時に優しさが芽吹くような。
今の閉鎖的な時代に生まれた素敵な作品。
どちらかというと大人に観て欲しい作品。
オススメです。
≪点数≫
8点
(20.04.25鑑賞)

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2020-08-04 Tue

2016年制作 韓
監督:ハ・ウォンジュン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
ソウル。カン・ギマンはかつて優秀な刑事だったが、テファをボスとする麻薬密売組織と癒着するように。やがて彼の相棒になった後輩ユンは、5年前にカンに救われたことが、刑事になるきっかけだった。だがテファにユンは刺殺され、カンもテファに刺されたナイフの破片が頭の中に残ってしまう。3年後。警察を辞職していたカンはTVジャーナリストのナムに自分を密着取材させるとともに、テファに対して復讐の戦いに乗り出し……。
≪感想≫
韓国映画。
元刑事のカンは自らの過ちで相棒を失ってしまう。
その贖罪を込めて、麻薬組織のボスに復讐を誓う・・・。
うん、いかにも韓国ドロリ系なアクション映画でした。
本作の見どころは何といってもアクション!!
主演のチョン・ドゥホンさんはスタントマン出身でどちらかというと
様々な映画にて武術監督を担当しているお方らしくって。
めちゃくちゃ動けるため、アクションが素晴らしい。
本作のアクションは拳銃ドンパチは一切なくって、全て肉弾戦。
しかもスマートさはなくって生々しくって泥臭いアクションの数々。
うっすらですが「ジョン・ウィック」のアクションを思い出したり。
身の回りの物を武器にして戦う姿は◎。
例えばボールペン。
例えばロープ。
そして何といっても、缶詰の蓋をナイフ代わりに利用してのアクションはフレッシュ!!
全てのアクションに対し「痛み」が伝わる。
強いてダメ出しをするなら、少しだけ見にくかった・・・。
勢いは良かったんですが、カメラワークがガチャガチャっとしていて、
もう少し、スマートに見せて欲しかったかな。
まぁ、一定のクオリティは保っていたので大満足はできたんですけどね。
お話については特にサプライズもなく、王道のお話。
強烈なボスがいてそいつをどんどん追い詰めていくみたいな。
僕的にはこの敵キャラたちが好きだったな。
何よりボスに従う部下たちのルックが素晴らしくって。
例えば冒頭で死ぬボスの右腕的アイツ。
例えば中盤の教会でカンにやられちゃう無口なアイツ。
片目のアイツや薬物製造担当のアイツ。
どいつもこいつも良い「顔」してたんだよなぁ。
これまた欲を言えば、もっとこいつらのキャラを立たせてほしかった。
少しだけ残念無念。
そんな感じで。
アクション大爆発な本作。
生々しい韓国アクションを堪能できました。
≪点数≫
6点
(20.04.24鑑賞)

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2020-08-02 Sun

2018年制作 米
監督:スティーヴン・S・デナイト
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
巨大兵器イェーガーを駆使する人類とKAIJUたちとの激闘から10年。今は亡き英雄ペントコストの息子でイェーガー・パイロットとしての活躍を期待されていたジェイクは、環太平洋防衛軍(PPDC)を去って違法なイェーガーのパーツ売買を行っていた。だが、戦地からイェーガーのパーツを盗んでいたアマーラと共に逮捕され、PPDCのパイロット養成施設へ送られる。そこで彼は義姉のマコ(菊地凛子)に命じられ、イェーガー・パイロットの候補生の教官を務めることになる。
≪感想≫
大好き「パシフィック・リム」の続編。
前作の超絶的なロボットバトルっぷりにめちゃくちゃ大満足した私。
日本の特撮ファンにはたまらない細やかな作りにすっごい興奮しながら鑑賞した記憶が。
そんな、大好きな作品の続編。
ワクワクしながら鑑賞。
ん??
んん??
んんんん????
ちょっと期待値を上げすぎたせいかちょっとだけ不満が残る作品に仕上がっておりました。
まずは、良かったところ。
ロボットバトルっぷりが素晴らしかった。
ロボキャラをもっとキャラ立ちさせて欲しかった的な若干の不満はあるものの
やっぱりクライマックスのKAIJUに向かっていく4体のイェーガーは迫力がありました。
やっぱこの手の映画は劇場で観てこそだよなぁ・・・。
DVDで鑑賞したので後悔無念・・・。
とにかく迫力あるバトルシーンは十分に堪能できました!!
良かったところはこんくらい。
ここからはダメダメなところ。
前作に比べ、全体的に雑な作り。
前作の監督は大好きギレルモ・デル・トロ。
本作は色々すったもんだがあったのでしょうか、別の監督さんに変わっていて。
だからかどうか分かりませんが、お話自体も前作の流れをそんなに踏襲していなくって。
例えば前作の主人公であったあいつは全く出て来ないし、名前も出てこなかったような・・・。
なんだか可哀想すぎるよ(落涙)。
も一人、前作の主人公であった菊地凛子さん演じるマコの扱いも雑だったな。
あんな途中退場の仕方は可哀想すぎるよ(落涙)。
本作で登場する新人達。
前作とは違って見習いパイロット達が活躍する流れ。
そういやメンバーの中に、新田 真剣佑さんが出演されていましたね。
そこまで活躍しませんでしたが、ちょっと嬉しかったです。
と言うか、本作ってそこまで個人個人のキャラが立っていなかったような。
イェーガーに関してもそうだったんですが、深く思い入れができなかったので、
全体的にあっさり終わっちゃった感が否めなくってね。
ここら辺も残念無念でした。
そんな感じで。
ど迫力のイェーガーバトルはやっぱり映画館で観たかった。
この終わり方だと、続編もありそうな予感。
次回作は映画館で観るんだい!!
その際は、ギレルモ・デル・トロ監督でお願いしやす!!
≪点数≫
6点
(20.04.19鑑賞)

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