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No.1778 『彼らが本気で編むときは、』
No1778 『彼らが本気で編むときは、』
2017年制作 邦
監督:荻上 直子

≪キャッチコピー≫
『カタチなんて、あとから合わせればいい』

≪ストーリー≫
母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモ(柿原りんか)が、おじのマキオ(桐谷健太)の家を訪ねると、彼は恋人リンコ(生田斗真)と生活していた。トランスジェンダーのリンコは、トモにおいしい手料理をふるまい優しく接する。母以上に自分に愛情を注ぎ、家庭の温もりを与えてくれるリンコに困惑するトモだったが……。

≪感想≫
職場の方に勧められた作品。

調べてみると本作の監督は荻上直子さん。
かもめ食堂」や「めがね」の監督さん。
僕的に上記2作品は好きな作品で。
あの独特な空気感。
お話はピンときませんが、その独特でゆるぅ〜い世界観が◎。
そんな監督さんの最新作。

さてさて。

ん?
んん??
思っていたのと全然ちがぁう!!

新たなる荻上ワールド作品の誕生です。

まずは良かったところ。
これはこれまでの荻上監督作品にも言える事なんですが、
ご飯がめちゃくちゃ美味そう!!
「かもめ食堂」のおむすびとか美味しそうだったもんな。
本作でいうとリンコさんが作る食事の数々がとっても美味しそうで。
観終わったら母親が作った料理を食べたくなりました。

本作はLGBTやネグレクト等をストレートに描いた作品で。
観た事ありませんが「チョコレートドーナツ」的な感じかな。
本作って結構分かりやすく声高にそれを訴えていたように感じました。
これらの事に色々と考えさせられる作品に仕上がっていたのではないでしょうか。
多様化。
本当にマイノリティの方々が肩身の狭い思いをしないような教育をしていって、
その存在が当たり前になるような社会にしていかなければなぁと
強く感じましたよ。

あと、画も綺麗でしたね。
特に中盤くらいで映る桜並木のシーンは、そこだけでも観て良かったなぁと感じたり。
全体的に、ふわりとしていて美しいルックに仕上がっておりました。
ここら辺は「かもめ食堂」を思い出したり。

ここからはむむむな所。
まず、嫌なやつががすっげぇ嫌なやつで。
善人とのコントラストがはっきりし過ぎていてあまり中間の人間がいない。

もうねぇ・・・。

本作に出てくる嫌なやつらには本当に制裁を加えて欲しかった。
せめて成長、反省させて欲しかったな。
例えばリンコさんの中学校時代の教員たちだったり。
例えばリンコさんが入院する事になった病院の看護師さんだったり。
例えばトモちゃんの同級生のカイくんのお母さんだったり。
トモちゃんのお母さんもちょっとダメダメだったなぁ。
トモちゃんのお母さんに関しては少しだけ成長が見られましたが、
それ以外の人たちに関してはダメなまんま終わってしまっていて。
すっごいもやもやしたまま終わってしまいましたよ。
そもそも、彼ら彼女らが発する言葉や行動の数々はとても信じられないような
事ばかり・・・。
今時、ここまで差別的な人っていないよね・・・。
製作された時代のせいだったりするのかなぁ・・・。
すっごい不快に感じちゃいましたよ。

何気にリンコさんのお母さんもとんでもない母親だったな。
我が子の事を愛する強さはとても素晴らしい事だと思うんですが、
マキオくんの両親に対してのあの発言は何ともしっくりこなかった。
ここでも度を超えた差別の描き方をしていてむむむって。

あと何となくサイコちっくに感じた場面も。
リンコさんが男性器を煩悩の数だけ編んで供養するっつー、そもそものお話。
それを少しだけふわりと包んでほっこりとしたお話に仕上げる感じとか
ちょっと戸惑いましたよ(苦笑)
性にまつわる話をああいうテイストでお話するのも、少し笑えるような。
何だろう・・・ある意味フレッシュに感じました。

終わり方もちょっとしっくりこなかったな。
トモちゃんだけが成長しただけにしか見えなかったんですよね。
元々、マキオくんとリンコさん夫妻に関しては「善」なる人だったので、
彼らに関しては成長というよりかは少しだけ悲しみを改めて感じちゃった的な
終わり方でね。
もちろん彼らの未来は幸せに満ち溢れているとは思いますが、ちょっとだけ
もやっとしましたよ。

も一つ。
本作では「父親」が殆ど登場しなかったな。
いなくなっていたとしても「父」の存在が今にどう繋がっているのかを
描いて欲しかった。
少なくとも0ではないでしょうから・・・。
ちょっとそこももやもやっとね。

そんな感じで。

最初に新たなる荻上ワールドと書きましたが、
これまでの独特な世界観から直球の世界観に戻った感じ。
お話は分かりやすくなったし、訴えたい事に対してド直球で描き出す姿は
新境地といったところではないでしょうか。
今後はどういう作品を撮ってくれるのでしょうか。
楽しみにしております。

≪点数≫
  5点
                                           (20.03.28鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)