2020-04-29 Wed

2017年制作 米
監督:デイヴ・マッカリー
≪キャッチコピー≫
『僕には、君(ブリグズビー)がいる。』
≪ストーリー≫
25歳のジェームスは、物心ついたときから外の世界を知らず、小さなシェルターで両親と一緒に生活してきた。毎週ポストに投函される教育ビデオ“ブリグズビー・ベア”を見て成長してきた彼は、映し出される世界の研究に没頭する。ある日、突然ジェームスは警察に保護され、衝撃的な事実を知ることになる。
≪感想≫
赤ちゃんの頃に誘拐されていた男が、急に保護され
外の世界に放り出されるっつーお話し。
どこかで聞いたことあるなぁと思ったら、以前観た
ブリー・ラーソン主演の「ルーム」だ。
あれも、生まれてこの方外に出たことのない男の子が
外界を知るってお話だったような。
さて本作について。
いやぁ、とてもグッとくるお話でした。
まず、周りの人間の寛容な心がとても素敵。
根っからの悪党があまり見当たらなかったんですよね。
家族にしてもそうだし、何なら誘拐犯もそんなに悪く描かれていなくって。
病院の女医さんがちょっと嫌な奴だったくらいかな。
もちろん、そこに悪意とか悪いことは見え隠れしているんだけど
全体的にふわりとした空気感で描かれているので、そんなに
重々しく見えなかったんですよね。
ジェームスに対する好奇な目とかもあったりしても、
それに打ち勝つ他者の優しさが◎。
なんだろう、人の優しい部分を上手く抽出して描いていたので、
クライマックスは自然とほろりとさせられて。
ちょっとだけ泣いちゃいました。
あと、映画を作るという一つのゴールがあったのも良かったな。
映画(ブリグズビー・ベア)を制作する過程で、徐々に縮まっていく
ジェームスと世界との距離。
友達ができ本当の家族との距離も一層縮まる。
主人公が成長し、周りの人間も一緒に成長していく。
どんどん一つになっていく過程はやっぱり観ていて気持ちが良くって。
キャラクターでいうと主人公のジェームス。
彼はとてもピュアなんだけど、しっかりと新しい世界を違和感なく
受け入れる心を持っていて。
これって、誘拐犯が彼に観せていた「ブリグズビー・ベア」と
育て方が生んだ賜物なんだよなぁと。
ちょっと複雑な気持ちになっちゃいましたよ。
他にも一緒に映画を作るメンバーはもれなく気のいい奴ら。
分け隔てなくジェームスとつるむ姿にはグッとくるものがあります。
そんな感じで。
ミニマムな世界観ながらもとても素敵な良作。
あの、ブリグズビー・ベアのチープさもまた素敵なんだよなぁ。
ちょっと、最初から最後まで観てみたいかも!!
おススメです!!
≪点数≫
9点
(20.02.06鑑賞)

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