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No.1701 『蜜蜂と遠雷』
No1701 『蜜蜂と遠雷』
2019年制作 邦
監督:石川 慶

≪キャッチコピー≫
『私はまだ、
   音楽の神様に
     愛されている
       だろうか?』

≪ストーリー≫
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。

≪感想≫
恩田陸の同名小説を映画化。
本作は2017年の直木賞と本屋大賞を受賞しております。
私も読了。
ぶっとい小説だったのですが、あまりの面白さにスイスイグイグイと読破。
とても素晴らしかったのを覚えております。

そんな原作を実写化した本作。
監督は石川慶さん。
調べてみると「愚行録」の監督さんで。
「愚行録」も好きな作品です。

さてさて。

これまた素晴らしい音楽映画でした!!

まずはお話について。
原作とはストーリーや描いていることが少し違っていたような。

最初、原作を読む前は圧倒的な天才少年・風間塵の登場に周りの人たちがどう感化されていくか的な
お話かなぁと思いきやこれが違っていて。
四人の天才のお話に仕上がっていたように感じました。

一見、凡人代表っぽいロートルサラリーマン(とはいえ20代後半くらい?)奏者の
高島明石もなんて事はない彼も天才の一人で。
ただ、天才の世界にもさらなる高みの人間ばかり。
それが風間塵であり栄伝亜夜でありマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。
天才が天才に触れ覚醒しまた新たなる音楽の世界の素晴らしさが描かれていて。
超絶的な天才少年・風間塵を中心にピアノコンクールに関わる人たちが巻き込まれる悲喜交々。
原作は風間塵を中心に描かれていました。

そして映画版はというと。
栄伝亜夜の「再生」にスポットをあて、彼女を中心に描かれていました。
これはこれで良し!!
原作とは別物の「蜜蜂と遠雷」。
ただ、これはこれでまごう事なき「蜜蜂と遠雷」。
原作が見事に補完してくれて、また原作を読みたくなる。
先に書きましたが風間塵の存在がどのように周りの天才たちに影響を与えている部分は
本作ではそこまで描かれていなくって。
色々と深読みすると分かるんですが、僕はそんなに賢くないので原作の存在が本作を
観るにあたってとても好循環したんですよね。
もちろん映画だけ観ても全然楽しめるんですが、原作を読む事で何倍も素晴らしさが増しました。

ただ、ちょっと思ったのが原作と少しお話を変えていた部分。
原作では高石明石も天才として描いていたように感じたんですが、本作では明石は
凡人代表みたいな描き方で。
観客代表的な立ち位置ももちろん良かったんですが、僕的には
原作通りに明石も天才的な立ち位置で描いて欲しかったな。
もう少しスポットライトをあててほしかったです。

むむむ・・・なんてことを色々考えると、原作を読まないと色々ピンと
こなかった部分もあったのかな。
・・・そりゃそうだ、原作はぶっといぶっとい小説で、あれを厳密に
実写化するとなると1本じゃ足りないよなぁ。

だからこそ強く願う!!
本作は栄伝亜夜を中心に描いていましたが、他の三人を中心に描いたバージョンも
観たいなぁと思ったり。
同じ物語でも問題ないない。
全然楽しめるはず!!

本作の素晴らしかった点は何と言っても音楽表現。
僕は映画館で鑑賞したんですが、これが本当に素晴らしくって。
静寂の中に流れるクラシックコンクールの全て。
溢れる緊張感と天才たちが奏でる音楽。
奏者の背景も描きながら紡ぎ出す音楽シーンは圧巻で、
正直、思わず拍手してしまいそうになってしまいました。
ピアノを奏でるシーンはもれなく、
「ずっと聴いていたいなぁ・・・。」
って。

ここでも少しだけ欲を言わせてもらうと、時折、音楽シーンの合間に
キャラクターたちの交流を描いたりバックグラウンドを描いているシーンがあって。
たまに、それがもったいなく感じたんですよね。
もっと演奏シーンを中心に描いてくれぃ!!って。
それぐらい音楽シーンは素晴らしかったんですよねぇ。

そんなこんなで。
素晴らしい音楽映画の誕生。
映画館で観て良かった!!
原作を読んでいて良かった!!
石川慶監督の作品は今後も追い続けていくぞ!!

とりあえず、もう一度原作本を読みたくなったので、借りてこよっと。
そして調べてみるとスピンオフ小説も出ているみたい。
すっげー読みたい!!

≪点数≫
  8点
                                           (19.10.09鑑賞)

こちら原作。



こちらスピンオフ作品。
知らなんだ!!
読まねば!!

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)