2019-12-30 Mon

2017年制作 米
監督:クレイグ・ギレスピー
≪キャッチコピー≫
『彼女は世界中から愛され
一瞬にして世界中から憎まれた』
≪ストーリー≫
貧しい家庭に生まれ、厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、血のにじむような努力を重ねて、アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。
≪感想≫
実話に基づいたお話。
フィギュア・スケーターのトーニャ・ハーディングを題材に描いた本作。
トーニャ・ハーディングといえばアメリカのオリンピック代表で
トリプル・アクセルを史上二人目の成功者(ちなみに一人目は日本の伊藤みどり選手)。
1994年リレハンメルと1992年アルベールビルの2大会に出場。
メダルは逃していますがまごう事なき実力者で。
ただ、彼女に関してはその私生活で起こった事件がとても有名で。
僕もリアルタイムでぼんやりながら見ていたのを覚えています。
その事件は、ナンシー・ケリガン襲撃事件。
同じくアメリカ代表のナンシー・ケリガンがトーニャ・ハーディングの元夫に雇われた人物に
襲われる事件。
その首謀者がこのトーニャ・ハーディングなのでは的な。
当時、マスコミがワイワイガチャガチャ。
稀代の悪人として扱われていたのがこのトーニャ・ハーディング。
そんな事件の顛末と彼女の生き方を描いた本作。
さてさて・・・。
なるほど、重々しい感じになりそうなんだけど演出のせいかエンタメ的に
鑑賞することができました!!
キャラクターについて。
主犯格のあいつの馬鹿さ加減たるやもう!!
というか、本作に出てくるキャラクターは全体的にイタくってダメダメな奴らばっか。
トーニャの母親のラヴォナ。
愛情を間違った形で与えて今のトーニャがある。
ラヴォナにとっては正論なんだけど、はたから見たらやっぱりその行動は毒親で・・・。
すっごい痛々しかったです。
トーニャの元夫であるジェフ。
こいつも、絵に描いたようなDV夫。
言葉の暴力だけでなく肉体的な暴力も日常茶飯事。
この話が本当なら、トーニャに濡れ衣を着せて最悪の行動。
ただ、こいつに関してもこいつの中では真っ当な行動で。
それがわかるが故に歯がゆさと腹立たしさが倍増!!
僕的にこの手の人間たちを見るのは結構辛くって。
もちろん上記二人のダメダメっぷりはわかるんですが、こいつらにとって、
それは正義であり真っ当な行動で。
それを考えるとなんだか切なくなるというか・・・。
許されない行為をなくすためには、時それならどうすればいいのかって考えると
いやぁな気分になっちゃうんですよね・・・。
側から見てるとトーニャもさっさと、お母さんや夫から離れればいいのになと思っても、
きっと彼女にとってはすがりたい人たちでもしかしたら、彼女にとっては
必要な人たちなのかと考えるとこれまた切なくなったり・・・。
とほほほ・・・・。
なんとも悲しい気分になっちゃったりね。
あとナンシー・ケリガン襲撃実行犯の面々。
あいつらは本当に救いようのないバカばっかりですねぇ。
その雑さに不謹慎ながらちょっと笑ってしまいましたもん。
そして何と言っても首謀者的立ち位置的なショーン。
あいつはなんなんだ(苦笑)!?
面白くも怖いあの感じ。
すっげぇバカでこんな奴が本当にいたかと思うと・・・。
笑えるんだけど、行き所を間違えたあの感じの人間はゾッとしますね・・・。
音楽の素晴らしさ。
本作、なんかロックな音楽がやたらと流れていて、重々しい流れと
内容を見事にエンタメチックに変換されていて。
ちょっとサントラが欲しくなったな。
演出の妙。
何度も書きますが、本作は実話を基に描いていて、よくよく考えると
とっても重苦しいお話だったりするんですよね。
それをここまでポップに描いているのはやっぱり監督の手腕なのかなぁと。
さすがにポップは言い過ぎですが、すっごい見やすく仕上がっていたように感じました。
そんなこんなで。
歴史的大事件を描いた本作。
この手の作品で言うと「フォックスキャッチャー」や「バトル・オブ・セクシーズ」を
思い出しました。
演者さんたちも見事。
トーニャ・ハーディングを演じたマーゴット・ロビーはもちろんのこと、
母親を演じたアリソン・ジャネイの憎たらしさも抜群だったし。
元夫のジェフ・ギルーリーを演じたセバスチャン・スタンはどこかで観たことあんなぁと
思っていたら大好き「アベンジャーズ」シリーズの
バッキーじゃん!!
ちょっと嫌いになりそうなほどダメダメ亭主を見事に演じておりました。
トーニャ・ハーディングのその後。
彼女は結局襲撃事件に関わったことになりフィギュアの世界から追放されてしまいます。
その後はプロボクサーになったり総合格闘家になったりオートレーサーになったりしたみたい。
すっごい波乱万丈な人生・・・。
ふぅ〜〜〜・・・。
良作でしたが、色々考えるとなんとも切ない話ですなぁ・・・。
事実に基づいた良作。
楽しくも切ない良作でした!!
≪点数≫
8点
(19.10.13鑑賞)

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2019-12-27 Fri

2019年制作 邦
監督:石川 慶
≪キャッチコピー≫
『私はまだ、
音楽の神様に
愛されている
だろうか?』
≪ストーリー≫
優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。
≪感想≫
恩田陸の同名小説を映画化。
本作は2017年の直木賞と本屋大賞を受賞しております。
私も読了。
ぶっとい小説だったのですが、あまりの面白さにスイスイグイグイと読破。
とても素晴らしかったのを覚えております。
そんな原作を実写化した本作。
監督は石川慶さん。
調べてみると「愚行録」の監督さんで。
「愚行録」も好きな作品です。
さてさて。
これまた素晴らしい音楽映画でした!!
まずはお話について。
原作とはストーリーや描いていることが少し違っていたような。
最初、原作を読む前は圧倒的な天才少年・風間塵の登場に周りの人たちがどう感化されていくか的な
お話かなぁと思いきやこれが違っていて。
四人の天才のお話に仕上がっていたように感じました。
一見、凡人代表っぽいロートルサラリーマン(とはいえ20代後半くらい?)奏者の
高島明石もなんて事はない彼も天才の一人で。
ただ、天才の世界にもさらなる高みの人間ばかり。
それが風間塵であり栄伝亜夜でありマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。
天才が天才に触れ覚醒しまた新たなる音楽の世界の素晴らしさが描かれていて。
超絶的な天才少年・風間塵を中心にピアノコンクールに関わる人たちが巻き込まれる悲喜交々。
原作は風間塵を中心に描かれていました。
そして映画版はというと。
栄伝亜夜の「再生」にスポットをあて、彼女を中心に描かれていました。
これはこれで良し!!
原作とは別物の「蜜蜂と遠雷」。
ただ、これはこれでまごう事なき「蜜蜂と遠雷」。
原作が見事に補完してくれて、また原作を読みたくなる。
先に書きましたが風間塵の存在がどのように周りの天才たちに影響を与えている部分は
本作ではそこまで描かれていなくって。
色々と深読みすると分かるんですが、僕はそんなに賢くないので原作の存在が本作を
観るにあたってとても好循環したんですよね。
もちろん映画だけ観ても全然楽しめるんですが、原作を読む事で何倍も素晴らしさが増しました。
ただ、ちょっと思ったのが原作と少しお話を変えていた部分。
原作では高石明石も天才として描いていたように感じたんですが、本作では明石は
凡人代表みたいな描き方で。
観客代表的な立ち位置ももちろん良かったんですが、僕的には
原作通りに明石も天才的な立ち位置で描いて欲しかったな。
もう少しスポットライトをあててほしかったです。
むむむ・・・なんてことを色々考えると、原作を読まないと色々ピンと
こなかった部分もあったのかな。
・・・そりゃそうだ、原作はぶっといぶっとい小説で、あれを厳密に
実写化するとなると1本じゃ足りないよなぁ。
だからこそ強く願う!!
本作は栄伝亜夜を中心に描いていましたが、他の三人を中心に描いたバージョンも
観たいなぁと思ったり。
同じ物語でも問題ないない。
全然楽しめるはず!!
本作の素晴らしかった点は何と言っても音楽表現。
僕は映画館で鑑賞したんですが、これが本当に素晴らしくって。
静寂の中に流れるクラシックコンクールの全て。
溢れる緊張感と天才たちが奏でる音楽。
奏者の背景も描きながら紡ぎ出す音楽シーンは圧巻で、
正直、思わず拍手してしまいそうになってしまいました。
ピアノを奏でるシーンはもれなく、
「ずっと聴いていたいなぁ・・・。」
って。
ここでも少しだけ欲を言わせてもらうと、時折、音楽シーンの合間に
キャラクターたちの交流を描いたりバックグラウンドを描いているシーンがあって。
たまに、それがもったいなく感じたんですよね。
もっと演奏シーンを中心に描いてくれぃ!!って。
それぐらい音楽シーンは素晴らしかったんですよねぇ。
そんなこんなで。
素晴らしい音楽映画の誕生。
映画館で観て良かった!!
原作を読んでいて良かった!!
石川慶監督の作品は今後も追い続けていくぞ!!
とりあえず、もう一度原作本を読みたくなったので、借りてこよっと。
そして調べてみるとスピンオフ小説も出ているみたい。
すっげー読みたい!!
≪点数≫
8点
(19.10.09鑑賞)
こちら原作。
こちらスピンオフ作品。
知らなんだ!!
読まねば!!

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2019-12-25 Wed

2019年制作 米
監督:チャド・スタエルスキ
≪キャッチコピー≫
『世界はお前を許さない』
≪ストーリー≫
伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、裏社会の聖域“コンチネンタルホテル”での不殺の掟を破ったため、裏社会の元締め“主席連合”の粛清の対象となり、1400万ドルの賞金首となってしまう。行く先々で刺客との死闘を余儀なくされ満身創痍のジョンは、かつて“血の誓印”を交わした元殺し屋ソフィアに協力を求めるべく、モロッコへと向かうが…。
≪感想≫
大好き「ジョン・ウィック」シリーズ最新作!!
キアヌ・リーブス演じる無敵な殺し屋ジョン・ウィックが超絶アクションで
我々を楽しませてくれる本シリーズ。
私ももちろん本シリーズが大好きで。
この殺し屋たちがドンパチする世界観と先に書いたような超絶アクションの数々。
本当に大好きなシリーズになっています。
そんな大好きなシリーズ最新作。
映画館にて鑑賞して来ました!!
さてさて。
うん!!やっぱ大好き超絶アクション!!
本作も十分に楽しませてもらいましたよ。
まず、世界観について。
本シリーズってどんどん実社会の人間たちを排して、殺し屋たちの世界だけで
お話が進んでいって。
良い意味でリアリティから外れていて、この大好きな世界にだけ没入できる感じ。
殺し屋たちの世界にも色々派閥があったり、そこでジョン・ウィックたちが
ドンパチ繰り広げるのがまた気持ちよくってね。
次にアクション。
僕的に本シリーズのアクションはあまり観たことのないアクションばかりで
めちゃくちゃフレッシュ。
カンフーとガン(銃)を合わせたガンフーなるアクションでバッタバッタと敵をなぎ倒していく。
しかも2作目ではまた進化したアクションを観せてくれて。
そして本作ではさらに見たことのない新しいアクションの数々が。
例えば、序盤のぶっとい本を使ったバトルアクションだったり。
投げナイフバトルアクションだったり。
馬の後ろ蹴りを利用、そして乗りながらのバトルアクション。
バイクチェイスも素晴らしい。
犬を携えてのバトルアクション。
もちろん通常のガンアクションやマーシャルアーツ。
とにかく様々なアクションシーンが盛りだくさん!!!!
しかも本作は、バイオレンス描写も結構エグくって。
敵がトドメを刺されるまでしっかりと描き出す。
観ているこっちは握り拳をグッと・・・。
何でしょう・・・観終わった後の疲労感が凄くって(苦笑)
アクション映画を満喫したなぁって感じ。
あとね。
本作のアクションってディテールも細かくて。
例えば先に書いたしっかりとトドメを刺すところもリアルだし。
あと、銃の装填シーンもしっかりと描かれている。
とにかく細部にまでこだわっていて。
長回しもたっくさん。
キアヌ・リーブスは本当に素晴らしい。
「ミッション・インポッシブル」シリーズのトム・クルーズに通ずる、自分で何もこなすマンっぷり。
クライマックスのバトルアクションの長回し。
正直、スマートとは言えなくって、ちょっとドタドタした感じも否めないんですが、
逆にそれがリアルですっごいカッコ良いんですよね。
ジョン・ウィックの実在感が増して、さらに大好きになりましたもん。
ハル・ベリー演じるソフィアの超絶犬使いアクションも素晴らしかったな。
クライマックスの防御力が異常に高い敵集団とのバトルも見ごたえ抜群。
もちろん敵ボスのハゲ坊主とのバトルも素晴らしかった。
クライマックスはバトルステージが良かったですね。
ガラス張りのステージで、あの忍者的な戦い方。
スッと消えてはスッと現れるあのアイディアもすっごい良かったなぁ・・・。
もう、言いたいアクションシーンはたっくさん。
超絶的に堪能させていただきました!!
そんなこんなで。
アクションに関しては1作目より2作目。
2作目より本作の方が間違いなくパワーアップ!!
本作の終わり方。
しっかりと次回作へと繋がる終わり方。
このまま4作、5作と撮り続けていってほしいなぁ。
キアヌ・リーブスが動ける間はず〜〜〜〜っと続いてほしいです!!
本シリーズの監督はチャド・スタエルスキというお方。
調べてみると、スタントマンで「マトリックス」ではキアヌ・リーブスの
スタントを担当していたんだって!!
なるほどねぇ。
この調子で色々なアクション映画を撮り続けてほしいな。
楽しみにしておりまっす!!
≪点数≫
9点
(19.10.07鑑賞)

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2019-12-23 Mon

2018年制作 韓
監督:ホ・チュニョン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
貧しい青年ミンジェは入院している母親の手術費用を翌日までに準備しなければならず、違法カジノで大金を得るが、借金をしていた闇金業者ペクの手下に大金を取られる。一方、ギャンブル狂のチェ刑事は借金のため、ペクに拳銃を担保として預けてしまう。そんなペクは選挙運動中の現職議員ムンから献金を要求され、殺し屋パクにムンの殺害を依頼。だがパクに送られた拳銃は、誤ってマンションの隣室に住むミンジェのもとに届き……。
≪感想≫
韓国映画。
母親の手術費用が必要なひ弱な男。
その男の借金取りであるやさぐれ男。
その男の上司である闇金業社の男。
その男から拳銃を担保に借金をしている警察官。
闇金業社の献金をあてにしている悪徳政治家。
何かと運の悪い配達業社。
ロートル殺し屋のおじさん。
そんな七人の追撃者が絡み絡み合って物語を紡ぎ出す・・・。
そんなお話。
すっごい展開が早くって一つの目標(本作で言うとお金)の周りが
どんどん変わって行って。
良い意味で、モラル的なもんとか、考える暇なくグイグイ物語に
引っ張っていく。
勢いや良し!!
ただね・・・。
やっぱり、なんとなくザラザラしながら観ていて・・・。
なんでしょう・・・。
やっぱり、基本登場人物全てに肩入れできなかったと言うか。
なんだか
「ないつら、なんだかんだ言って自業自得じゃねぇかよ・・・。」
って。
むしろ、
「イライラすんなぁ・・・もっと痛い目あってくれないかなぁ・・・。」
って。
最後は成長してくれれば良かったんですが、最後の最後までダメダメな人間賛歌だったので
ちょっと辟易しちゃってね。
まぁ、本作はコメディタッチという事もあって、それも織り込み済みだったんでしょうけど。
まぁまぁまぁ。
とにかくストーリーについてはなんだかイラッとさせられましたよ。
キャスティングについても。
ふと思ったんですが、本作、日本でリメイクしてくんないかなぁ。
逆にある程度、知っている俳優さんだともう少し肩入れできたのかなぁって。
いつもなら激ボメしている韓国俳優の「顔」も本作に限っては
ちょっとピンとこなくって。
特にお母さんの手術代のために七転八倒するあいつとか、弱々しいんだけど、
時折キレる感じのキャラが「顔」とマッチしていなくって、これまた、
ちょっと腹が立ったんですよねぇ・・・。
他のキャラについても、なんだかみんな憎ったらしい「顔」ばかり。
正直、序盤のキャラ紹介ぐらいで観るのをやめそうになりましたもん。
ただ、殺し屋ジジイに関してはちょっと笑わしてもらったかな。
こいつの一挙手一投足にはふふふと笑わせてもらいました。
あとは、配達員のあいつ。
彼に関しては、完全なる被害者ですっごいかわいそうになったり。
彼だけは幸せになって欲しかったなぁ・・・。
とにもかくにも。
映画の作りに関しては◎。
凄まじいテンポの良さで、観ている間はハラハラドキドキ。
ただね・・・。
観終わって色々考えると、やっぱり腹がたつ!!
こいつらみんな不幸になれぃ!!
なんて・・・。
やっぱりストーリーの粗も見えてきたしね。
そんなこんなで、ちょっと、いやだいぶイラッとさせられたストーリーでしたとさ・・・。
残念無念嫌い寄り・・・。
≪点数≫
2点
(19.10.06鑑賞)

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2019-12-20 Fri

2014年制作 オーストラリア
監督:マイケル・スピエリッグ/ピーター・スピエリッグ
≪キャッチコピー≫
『最後の任務は、爆弾魔の阻止。』
≪ストーリー≫
1970年、ニューヨーク。とあるバーを訪れた青年ジョン(セーラ・スヌーク)は、バーテンダー(イーサン・ホーク)に自身が歩んだ人生を語る。それは女性として生まれて孤児院で育ち、付き合っていた流れ者との子を宿すも彼に去られ、さらに赤ん坊を何者かに誘拐されたという壮絶なものだった。それを機に男性として生きることを選んだジョンに、バーテンダーは未来からやって来た時空警察のエージェントだと明かす。驚く彼を自分の後継者に選んだバーテンダーは、装備を託すとともに宿敵である爆弾魔との対決に臨んでいく。
≪感想≫※とんでもないネタバレあり
イーサン・ホーク主演の本作。
過去に戻って世界を変えるっつータイムトラベルもの。
過去を変えたら未来が変わるのか、それとももう一つ世界が作り上げられるのか的な
話になりがちですが、本作のオチ、言いたいことはそんな感じじゃなくって。
本作の中でも語られますが、
「鶏が先か、卵が先か」
問題。
大オチを言っちゃいますと、本作って一人の人間がマッチポンプ的に
物語を作っていて。
その行動は未来の自分のための行動であり、過去の自分のためである。
何が最初で何が最後なのか。
正直、中盤で何となくの概要が読めてしまったものの、
いかんせん内容が内容なだけに、良い意味で頭がぐっちゃぐちゃに。
気持ち良さと気持ち悪さが混在。
しかも本作てグロ描写も結構あったり。
そこも相まってちょっと苦味が伴っていたような。
キャスティングも良かったですね。
僕的にはヒロイン?(厳密にいうと同一人物なのですが・・・。)にあたるのかな。
ジェーン役のセーラ・スヌークさんがよかったな。
登場時は男装でちょっと不思議な雰囲気を醸し出していましたが、その正体がわかった瞬間
「なるほど!巧い!!」
って。
魅力的な方でしたよ。
そんなこんなで。
この手の作品って基本、現実では起こり得ないので矛盾も生じるし、
腑に落ちない事も多くって。
ただ、だからこそめちゃくちゃ想像が掻き立てられるし、
色んな考察が生まれるわけで。
観終わった後でも「むむむ」と唸っている状態。
誰かと語り合うにはもってこいの作品。
良いですねぇ。
≪点数≫
7点
(19.10.05鑑賞)

満足ならクリック!!
2019-12-18 Wed

1995年制作 米
監督:アリソン・アンダース/アレクサンダー・ロックウェル/ロバート・ロドリゲス/クエンティン・タランティーノ
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
199X年の大晦日、ロサンゼルスのホテル・モンシニョール。この日、勤続50年の老ベルボーイが引退する。あとを引き継ぐ新米ベルボーイ、テッドにとってそれは悪夢の始まりだった……。
≪感想≫
大好きクエンティン・タランティーノ監督。
彼の作品はもれなく観ていてすごく楽しませていただいています。
そこで、他にも見逃しているのはないかなぁと調べてみると
本作の名が。
本作は、タランティーノ監督がアリソン・アンダース、アレクサンダー・ロックウェル、ロバート・ロドリゲス
という3監督と一緒に監督をした4話のオムニバス構成の作品。
全てタランティーノ監督の作品ではないですが、これはこれでと思い
いざ鑑賞。
さてさて。
むむむ、なるほどねぇ・・・。
全体的にタラ印溢れるB級作品に仕上がっておりました。
何でしょう、昔、テレビとかで再放送をしているB級、C級映画といった印象で。
お話も、ちょいとふざけたテイストで、そこに意味を求めていなくって、
勢いとやりたいことをやっていますってな感じ。
お話はとあるホテルのベルボーイが色んな部屋で巻き起こる事件に対応していくっつー流れ。
1話目:スイートルームに集う女性が魔女集団で変な儀式を行っていた。
2話目:409号室に向かったベルボーイのテッドが浮気相手と勘違いされ、旦那の方に襲われる。
3話目:ベルボーイのテッドがとあるギャングっぽい親父に子供達の世話を頼まれる
4話目:ペントハウスに宿泊するハリウッド・スター達と一悶着。
僕的には3話目(ロバート・ロドリゲス監督)が一番良かったかな。
ただ、3話目は画や展開が好きで、登場人物達はあんまり好きじゃないっつー感じ。
子供達がちょっと嫌な子だったし、そもそもベルボーイのテッドもあんまり
良い奴じゃなかったしね。
画でいうと、ギャング親父(アントニオ・バンデラス)がラスト、帰ってきてから、
テッドと子供達が固まるシーンはちょっとぷぷぷ(笑)
他にもベッドの下に隠された死体のグロさとか、いかにもB級っぽくて◎。
4話目は大好きタランティーノ監督。
これは安定のタラ印。
序盤中盤の駄話。
そこから最後のスカッとした展開。
決して気持ちのいいお話ではないものの、あの振り幅と勢いでスカッとさせられる。
これぞタランティーノですよねぇ。
むむむと唸らされました。
キャラについては、先に少し書きましたが、ティム・ロビンス演じるベルボーイのテッド。
こいつが、なんか僕的にハマらなかったんですよね。
出来損ないで、もう少しリアル寄りのベルボーイでいてくれたら楽しかったのになぁ。
ただ、4話のあのオチにはテッドのキャラじゃないと生きてこないんだよなぁ。
そんなこんなで。
B級ならぬC級映画な本作。
それなりに楽しませてもらいましたとさ。
≪点数≫
6点
(19.09.29鑑賞)

満足ならクリック!!
2019-12-16 Mon

2019年制作 米
監督:ニール・マーシャル
≪キャッチコピー≫
『ようこそ、地獄バトル
エンターテイメントへ!』
≪ストーリー≫
超常現象調査防衛局“B.P.R.D.”のエージェントであるヘルボーイ(デヴィッド・ハーバー)は、イギリスで暴れ回る巨人退治の指令を受ける。暗黒時代に封印されたブラッドクイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が1,500年の時を超えて眠りから覚めたことを知ったヘルボーイと、霊媒能力を持つ少女アリス(サッシャ・レイン)、ベン・ダイミョウ少佐(ダニエル・デイ・キム)らは、ブラッドクイーンに接近する。
≪感想≫
大好きアメコミ映画。
以前もこのヘルボーイが主役の映画は2作品撮られていて。
しかも2作目である「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」の方は大好きギレルモ・デル・トロ監督が
撮っていて。
とても楽しんだ印象があります。
そんな好評シリーズのリブート版である本作。
監督は「ドゥームズデイ」のニール・マーシャル。
むむむ・・・あまり印象がないかも。
さてさて。
なるほど、グログロバイオレンス描写が強烈なちょっとしたバカ映画でした。
ストーリーについてはテンポよく進んでいく感じ。
ちょっと飛び飛びな感じもしたかな。
ただ、私、最近youtube動画で「しゃべんじゃーず」チャンネルというサイトを
よく観ていて。
アメコミ映画のあれこれを色々語ってくれるチャンネルなんですが、そこで
本作の予習動画がアップされていて。
それを観ていたからか、何にも気にならずとっても楽しめましたよ。
キャラクターについて。
主役のヘルボーイくん。
うーん・・・ゴツメのルックでちょっと品がない感じなんだけど、
心は少年と言うかまだ未熟と言うか。
まだ純粋さを残したおじさんと言う印象。
熱い正義のキャラクターでした。
クライマックスで覚醒した姿はめちゃくちゃイケていました!!
本作でヘルボーイの味方となったのは、
レオパルド人間のダイミョウと霊能人間のアリス。
この二人はクライマックスでその実力を発揮したので、これからって感じでしょうか。
本作のヴィランであるニムエ。
演じたのはミラ・ジョボビッチ。
彼女は佇まいがまぁ素晴らしかったです。
活躍に関しては物足りませんでしたが、彼女に対するグロ描写は
観ていて「おっ!!」って思わせてくれました。
ヴィランで言えばバーバ・ヤーガを言うババアがいましたが、
こいつはルックが最高。
ルックでいうと、ニムエが召喚したモンスターも素晴らしかったな。
エヴァンゲリオンに出てくる使徒みたいなね。
欲を言えば奴らにはもっと活躍させて欲しかったな。
演出について。
先に書いた通り本作はR15でグロ描写がたっくさん。
これでもかっていうほどの惨殺シーンはいききっていて、
1周回って笑っちゃいましたもんね。
めちゃくちゃ楽しめましたよ。
そんな感じで。
全体的に楽しめた本作。
実は僕的に、ラストの長回しチームバトルがとっても大好きで。
各キャラが活き活きとバトルを繰り広げるあの感じ。
これを見せられると続編が観たくなっちゃうじゃない!!
本作はキャラにしっかりと彩を付けてくれた助走編といったところか。
こりゃ続編が楽しみじゃわい!!
新しいヘルボーイ像をしっかりと観せてもらいました。
満足満足。
≪点数≫
7点
(19.09.27鑑賞)

満足ならクリック!!
2019-12-13 Fri

2018年制作 米
監督:デヴィッド・イェーツ
≪キャッチコピー≫
『史上最強の敵に、試される仲間の絆――』
≪ストーリー≫
ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、学者として魔法動物を守るため、不思議な空間が広がるトランクを手に世界中を旅している。ある日、捕まっていた“黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)が逃亡する。ニュートは、人間界を転覆させようと画策するグリンデルバルドを追い、魔法動物たちと一緒にパリの魔法界へ向かう。
≪感想≫
大人気小説「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ的作品第二弾。
以前第一弾である「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を鑑賞。
そのルックの良さに映画館で観て入ればなぁと・・・。
色々なクリーチャーとか、観ていて楽しかったんですよね。
魔法もバンバン繰り出されていたし。
そんなこんなで本作は絶対に映画館で観ようと決めていたのですが・・・。
まさかの見逃すという体たらく。
ちっきしょー!!!!
遅ればせながらDVDにて鑑賞する事にしました。
さてさて。
むむむ・・・。
本作って五部作らしいのは知っていましたが、本作は完全に続編ありきの
内容で・・・。
綺麗に完結しなかったんですよねぇ・・・。
ちょっと肩透かしというか、消化不良で終わっちゃった印象。
それでも楽しめたとこもたっくさん。
例えばキャラについて。
前作でそのキャラたちの特性や性格的なものは知っているので、思い入れは強くなっていて。
例えば、主人公のニュートに関して。
前作の序盤はそのコミュ障っぷりに少しイラっとしてしまいましたが、彼の良いところも
たくさん知っているぶん、本作では普通に応援しまくったりね。
ヒロインのティナもそう。
前作ではその猪突猛進っぷりに少しハラハラさせられましたが、
本作では普通に応援しまくったり。
二人の関係も良い感じでした。
唯一のマグル(人間)キャラのジェイコブ。
前作で、あの着地だったので、もうでないんだろうなぁと思いきや、普通にメインキャラとして登場。
相変わらずの素敵なやつで好印象でした。
ただね・・。
先に書いた通り、本作は次作ありきの作品に仕上がっていて。
だからかどうかわかりませんが、全体的に薄口だったような気がします。
キャラ的にももっと掘り下げたりしても良かったのになぁと。
新キャラのニュートのお兄ちゃんやその婚約者であるベラトリックス。
そこらへんのキャラももう少し背景を見たかったなぁ。
なんかピンとこない部分もあったんですよね。
ふと思う。
僕、「ハリーポッター」シリーズは映画ももちろん全部鑑賞したんですが、原作本も
全て読んでいて。
映画で足りない部分を小説の知識で補完したもんだから物凄く楽しめてね。
本作も原作があればそれを読んでいればと思っていたら・・・。
なんと・・・原作本はなかったみたい・・・。
残念無念。
それを考えると、ちょっと説明が足りないんだよなぁ・・・。
むむむぅ・・・。
クリーチャーたちのルックや魔法が放たれるシーンとかはあいも変わらず楽しかったです。
やっぱり映画館で観たかったっす。
アジア系のクリーチャーも結構出ていました。
僕的にはカッパがグロテスクになっていたのがちょっと笑えました。
そんなこんなで。
楽しかったんですが、ちょっと次作ありきの作品だったのはちょっと残念。
早く続編が出てくれねぇかなぁ・・・。
とほほ。
≪点数≫
6点
(19.09.22鑑賞)

満足ならクリック!!
2019-12-11 Wed

2005年制作 邦
監督:鳥井 邦男
≪キャッチコピー≫
『オマタセ、ベイベー。
イッツ・ショータイム。』
≪ストーリー≫
ひょんなことから横浜港署捜査課に連行されてしまったタカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)は驚いた。カオル(浅野温子)が少年課課長、松村が港署署長になっていたからだ。そんなカオルから2人が7年前に逮捕した銀行強盗犯、尾藤が脱獄していることを聞かされる。
≪感想≫
「あぶない刑事」シリーズ第6弾。
先日から鑑賞している本シリーズ。
特に代わり映えなく一定量の楽しさを提供してくれている印象。
やっとこさあと2作品になりました。
さてさて。
むむむ、なるほど、本作が一番お話に力を入れていたように感じました。
もちろんこれまでの「あぶない刑事」印はビンビンだったんです。
アドリブもめちゃくちゃあったし、シリアスなのかコメディなのか
わかんないし、とりあえずタカとユージがいかにカッコよく面白く写すのが
マスト的な作風。
ただ、本作のお話は、例えば犯人の正体が実は身内だった的な展開。
例えば最後の着地の仕方でタカとユージは実は死んでいました的な着地。
ところどころ「おっ」と思わせる展開に、思わず感心。
楽しませてもらいました。
先に書きました相変わらずのあぶ刑事印。
その過剰なキャラに時折、辟易する場面があったり。
本作でいうと、浅野温子さん演じる薫が出てくるシーンは
なぜか鬱陶しく感じちゃいました。
これまでは、キュートで楽しいなぁなんて思えたんですが、
本作は出てくるタイミングなのかちょっとイラっとしちゃって。
まぁまぁまぁ。
あとは、やっぱり時が経っているせいかみんな歳を重ねているなぁって。
僕的にはユージ派だったんですが、年を重ねていくとタカの方が
やっぱり渋くってカッコ良いなぁって。
シリーズとして観ていくとこういう楽しみ方もあるんだな。
そんなこんなで。
シリーズもいよいよ次作で最後。
長かったですが、ちょっと寂しいかも。
≪点数≫
6点
(19.09.21鑑賞)

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2019-12-09 Mon

2019年制作 米
監督:ジョーダン・ピール
≪キャッチコピー≫
『“わたしたち”がやってくる』
≪ストーリー≫
アデレードは夏休みを利用して、夫と2人の子供たちと一緒に幼い頃住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪問する。彼女は友人一家と落ち合いビーチへ出掛けるが不可解な出来事に見舞われ、過去のトラウマがフラッシュバックする。やがて夜になると、自分たちとうり二つの不気味な4人組が家の前に現れる。
≪感想≫
※とんでもないネタバレあり。
観ていない人は読んだら面白さが激減します・・・。
以前観た傑作「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール最新作。
「ゲット・アウト」はホラー映画なんですが、ちょっとサスペンス的な
要素もあって。
僕的にホラー映画って怪奇現象だったりとか心霊もの、理屈抜きの
驚かせ映画って印象でしたが、「ゲット・アウト」は違ってて。
しっかりとそこに「理由」がある感じがまた怖くってね。
すっごい楽しめた印象があります。
そんなこんなで楽しみにしていた本作。
劇場にて観賞して来ました。
さてさて。
やっぱり大好きジョーダン・ピール!!
十分に楽しませてもらいました。
避暑地に来た一家の元に、自分たちと同じ見た目をした分身が
現れるっつーお話。
ちっちゃい世界からでかい世界。
前作の「ゲット・アウト」は一つの家庭のお話でしたが、
今回は一つの地域、国的単位に広がっていて。
本作を観る前、そして序盤中盤ぐらいまでは、また小さな世界の中で
行われる話なんだろうなぁと思いきや!!
まさかの色んなドッペルゲンガーたちの登場に胸が踊る踊る。
そして、これまた本作で巻き起こっている事件の「理由」が
判明されてからは、またムムムと唸らされる。
本当に巧みですねぇ・・・。
演出が良かったな。
まずは音楽。
オープニングの童歌みたいな奇妙な音楽でグッと惹きつけられて、
途中途中で流れるパンクチックな音楽やロック調の音楽。
不気味で不穏な空気の中に勢いを付けてくれて最高。
ドッペルゲンガーたちとのバトルがより楽しめる演出に。
バイオレンス描写も満載でした。
自分の分身たちと血みどろバトル!!
子供も一緒にこんなに凶暴になるのかと思えるぐらい、
ブッサブッサとバトルを繰り広げる。
娘の車でのアクションも素晴らしかったですねぇ。
画作りも素晴らしかったなぁ。
クライマックスの、息子ドッペルゲンガーとのバトルシーンは
なんか画がカッコ良かったなぁ。
基本的に息子ドッペルの立ち振る舞いは見ごたえありました。
序盤のドッペルゲンガーが現れてからのスピーディーな展開も
素晴らしかった。
とにもかくにも。
いろいろ思い返すと、あのシーンやあのシーンも良かったなぁと思い出す始末。
本当に巧みな監督さんだなぁという印象。
本作を観賞後、いろんな方のレビューを読んだり聞いたりしてまた納得。
自分の読解力の無さには辟易しますが、もう一回観たいと
思わせてくれる作品に。
例えば、ラストのラスト。
実は息子もクローン人間の方だった的な考察。
例えば、アデレードが実はクローン人間の方だったんだけど、
冒頭の方から伏線は張り巡らされていた的な考察。
例えば、タイトルのアス(US)の意味も
いくつかあるんだよ的な考察。
あんなことやこんなこと、いろんな伏線やその理由になるほど納得。
うぅ・・・。
もう一回観たいなぁ・・・。
監督のジョーダン・ピールはもともとコメディアンだったんですって。
なるほどねぇ。
今後も追い続けて生きたい監督さんの一人になりましたよ。
大満足です!!
≪点数≫
8点
(19.09.17鑑賞)

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2019-12-06 Fri

2018年制作 米
監督:ジョン・M・チュウ
≪キャッチコピー≫
『私の彼はスーパーセレブ
愛してるだけじゃダメみたい』
≪ストーリー≫
ニューヨーカーのレイチェル(コンスタンス・ウー)は、親友の結婚式に出るためにシンガポールに行くという恋人ニック(ヘンリー・ゴールディング)に同行する。ニックの家族と対面することも決まったレイチェルは、彼がシンガポールの富豪一族の御曹司だと知って驚く。レイチェルはニックの母親のエレナ(ミシェル・ヨー)と会うが、彼女は自分たちの交際を良く思っていなかった。
≪感想≫
ほぼアジア系俳優のみで作られた本作。
アメリカでは記録的大ヒット。
CM等でもしょっちゅう観せてもらいました。
既視感バリバリの設定。
一般の人間が大金持ちと結婚する事になるんだけど、
周りのやっかみや反対にあうっつーお話。
王道的シンデレラストーリーってやつですね。
少女漫画的というか。
日本の人気漫画「花より男子」を思い出したり。
あとは、韓流ドラマでもありそうな展開でしたよ。
映っている方達がアジア人ばっかりということもあって、
既視感バリバリのお話も相まって、ちょっと新鮮さが足りなかったような。
ただね。
本作で描かれる主人公はとっても心根が強い女性で。
そこらへんはアメリカ的だなぁと思ったり。
自らで選択して試合に負けて勝負に勝つ的な。
いくら逆境に追い込まれても心根が折れることのない主人公レイチェル。
あまりにも強い心を持っているので応援するっつー感じではなく、
その強さを見せつけられたという感じでした。
ちょっと脱線しますが、本作のようなお話で出てくる成金キャラって、
嫌な奴の方が多いような。
本作でも、成金ボンボンの方が多かったように感じました。
もちろん、レイチェルの彼であるニックや、ニックの親友のあいつ、
ニックのいとこの女性とかはとっても良い人だったんですが、
いくら何でもバブリーで鼻につく人たちが多すぎてね。
ちょっと、ここら辺はフィクション感が強くってノリ切れなかったな。
本作は恋愛要素の中に、戦う女性像がしっかりと描けていたように感じます。
レイチェルのお母さんもそうだし、ニックの母親もそう。
ニックのいとこの女性もそうでしたね。
基本的に男性はちょっとダメダメな感じもありました。
まぁ、ニックはすっごい良い奴でしたが。
そこら辺の描き方も少しアメリカ映画的だなぁと思ったり。
そうそう。
キャラ的にとても良いキャラが。
レイチェルの親友のペク・リン。
演じたのはオークワフィナさん。
「オーシャンズ8」にも出演されていましたね。
彼女に関しては佇まいがもう素晴らしくって。
とても魅力的なキャラクター、女優さんでした。
そんなこんなで。
スタンダードなシンデレラストーリーの中に女性問題や、
アジア人に対しての差別問題だったりを上手に忍ばせていた良作。
アジア人の僕には鮮度はそこまでありませんでしたが、なるほど
アメリカ人が観てこういう作品が好まれるのはとても
好印象だなぁと感じた作品でした。
この調子で色んな作品がハリウッドでもヒットしてくれると
良いですね!!
≪点数≫
7点
(19.09.16鑑賞)

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2019-12-04 Wed

1985年制作 米
監督:ジョン・ヒューズ
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
土曜の休日と言うのに学校に登校させられた高校生5人。彼等はさまざまな問題を起こした懲罰として自分についての作文を書かされるハメになった問題児ばかりだった。大きな図書館に軟禁状態にされ、何から書いていいのかわからないままだらだらと時間だけ過ぎて行く中、雑談からお互いの身の上話を交わし始めた彼等は次第に心を開かせて行く。
≪感想≫
青春映画の金字塔とも言われる本作。
色んな映画のレビューを読んだり、色んな映画を観ている中で
よく目にし耳にする本タイトル。
いずれ観なきゃなぁと思って、やっとこさ鑑賞。
補習に現れた5人の高校生。
スポーツマン・お嬢様・真面目・不良・変わり者。
それぞれ違うキャラクターが一日を通してだんだん距離を
縮めていくっつーお話。
最初はバラバラだった彼ら彼女らが少しずつ自らの環境と境遇を吐露していく。
他者を受け入れ、そして自分を受け入れる。
あのぐらいの年代(高校生)、思春期真っ只中のあの感じ。
くぅ〜〜〜・・・。
痛いよう、刺さるよう・・・。
ただ、残念ながら私、高校時代なんて、とうの昔のお話。
その時代に観ていたら、また色々と感じるところもあったんだろうなぁって。
世界は自分中心で回っていて、井の中の蛙なものだから、
人の気持ちなんて考えない。
それが悩んでいるのは自分だけじゃない、もがいているのは自分だけじゃない。
そんな事に気付かされて、彼らは思いやる心を持つ。
クライマックスのそれぞれの吐露は本当にグッときました。
彼ら彼女らの世界がどんどん広がっていくあの感じ。
殻をぶち破るあの感じ。
彼ら彼女らのその後を想像するとワクワクが止まんなくってね。
もしかしたらまた新しい悩みにぶち当たるかもしれない。
もしかしたらまた元の関係に戻るかもしれない。
それでも、彼らが過ごしたこの一日はとんでもなく成長を促した
一日になる事は間違いなくって。
グッときますねぇ・・・。
とにもかくにも。
なるほど納得。
青春映画の金字塔たる所以を堪能させていただきました。
とても良い作品でした!!
また色んな作品を観ては本作を思い出したりするのでしょう。
ちなみに、今回は「桐島、部活やめるってよ」「パワーレンジャー」あたりを
思い出したかな。
≪点数≫
7点
(19.09.15鑑賞)

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2019-12-02 Mon

2005年制作 米
監督:シェーン・ブラック
≪キャッチコピー≫
『L.A.の謎は、ゲイか泥棒に任せろ』
≪ストーリー≫
ニューヨークに暮らすサエない泥棒ハリー(ロバート・ダウニーJr.)は、ひょんなことから俳優に間違えられハリウッドへ行くことになる。探偵映画のスクリーンテストに参加することになった彼は、演技のために本物の私立探偵ゲイ・ペリー(ヴァル・キルマー)に弟子入りするが、思いもよらぬ殺人事件に巻き込まれてしまう。
≪感想≫
このタイトル、どこかで聞いた事あるなぁと思ったら、以前も
「キス★キス★バン★バン」という同名映画を観ていました。
関係あるのかなぁ・・・。
さてさて。
大好きロバート・ダウニー・Jr主演の本作。
やっぱりカッコ良いよなぁ。
本作のキャラ的には三の線だったので、ちょっと「アイアンマン」の
トニー・スタークを思い出したり。
お話は的にはバディもの。
ロバート・ダウニー・Jr演じるハリーとヴァル・キルマー演じるペリーの
コンビがとある事件を追っかけるというお話。
ハリーは泥棒上がりのちょいと抜けた男で。
ペリーはゲイのタフガイ。
どちらも根っこは良い奴の名コンビ。
ヒロインは美人なミシェル・モナハン。
この手の設定・・・どこかで観た事あるなぁと思ったら、以前観た
「ナイスガイズ!」という作品。
あれも、大好きライアン・ゴズリングとラッセル・クロウのバディものでした。
ちょいと調べてみるとなるほど納得。
本作の監督シェーン・ブラックは「ナイスガイズ!」の監督さんのようで。
通りで・・・。
それを踏まえて考えると、あれもこれも似ているかもって感じ。
ちょっとしゃれた感じとか。
ちょっとコミカルな感じとか。
良い塩梅で楽しませてもらいました。
ただ、本作は少しだけ物語の展開が複雑だったかな。
ちょっと飲み込みづらかったような。
少し咀嚼が必要でしたよ。
所々に挟み込むコミカルな演出。
ハリーの薬指がチョンパするシーン。
ハリーがノリでロシアンルーレットするシーン。
ハリーとヒロインのハーモニーの恋模様。
十分に楽しませてもらいました。
とにもかくにも。
大好きロバート・ダウニー・Jrの若かりし作品を観れたのは良かったです。
作品的には「ナイスガイズ!」の方が好きですが、気持ちの良い作品に
仕上がっておりましたよ!!
≪点数≫
6点
(19.09.09鑑賞)

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