2019-09-11 Wed

2018年制作 邦
監督:原田 眞人
≪キャッチコピー≫
『一線を、越える。』
≪ストーリー≫
東京地方検察庁刑事部に配属された検事の沖野啓一郎(二宮和也)は、有能で人望もある憧れのエリート検事・最上毅(木村拓哉)と同じ部署になり、懸命に仕事に取り組んでいた。あるとき、二人が担当することになった殺人事件の容疑者に、すでに時効が成立した事件の重要参考人・松倉重生が浮上する。その被害者を知っていた最上は、松倉に法の裁きを受けさせるべく執拗(しつよう)に追及するが、沖野は最上のやり方に疑問を抱き始め......。
≪感想≫
昔、本作の原作となる小説を読了。
なかなか濃厚な良作といった印象。
少しだけ忘れかけているんですが、そんな良作が実写化。
いざいざ・・・。
んん??
こんな着地の仕方だっけか??
というか、少し変な作品だなぁ。
イメージ的にはゴリッゴリの骨太作品かと思っていたんですが、
少しテイストが違ってて。
もちろん、骨太は骨太だったんです。
だけどゴリッゴリじゃなかったと言うか。
時折、謎の演出が入ってきたんですよね。
例えば、中盤の葬式シーンでの宗教団体みたいな演出とか。
例えば、クライマックスの街頭での謎のダンスシーンとか。
例えば、寺の住職が外国人だったりとか。
例えば、急に夢の中での戦争シーンとか。
キャラに関しても中盤から出てくる弁護士の奥さんのリーゼント姿とか。
最上検事の奥さんも不思議なキャラだったなぁ。
これが全てシリアスな演出の中に、ググイと入ってくるから、
良くも悪くもざらりとしたんですよ。
ちょっと不思議な作品に感じました。
ただね・・・。
全体的にはとても見応えのある作品に仕上がっておりました!!
まずは、何は無くとも演者さんたちが素晴らしかった。
主演の木村拓哉(最上検事)!!
なんとなくこれまでの僕的キムタクイメージを
見事に超えてきてくれたと言うか。
スマートなんだけど泥臭い。
中盤の真犯人のアイツ(弓岡)を殺すシーンの一連の流れは
本当に素晴らしかったっす。
それまでの最上の生き方の一線を越える瞬間が
なんともねぇ・・・。
あと、悪党組も素晴らしかった。
弓岡もそうでしたが、何と言っても松倉というサイコ野郎。
あいつが自供するシーンの嫌な事嫌な事。
本当に不快で痛々しかったです。
裏社会の謎の女(芦名星)、諏訪部(松重豊)もこれまた
良くも悪くも微妙にフィクショナル感が出ていて良かったです。
最上検事と対立することになる新人検事の沖野(二宮和也)と橘(吉高由里子)は
言わずもがな。
何かのインタビューとかを見たり聞いたりした情報だと二人の天才肌っぷりがすさまじくてね。
役者をするために生きてきたんだろうと思わせる才能の持ち主なんでしょう。
素晴らしかったです。
お話も見応えがあった。
なんでしょう、まず真っ当な善人がいなかったような。
自らの信念はある人物はたくさんいたんですが、クリーンな人物はいなくって。
どこか、引っかかるというか、ツッコミどころがあるというか。
きっと、誰だってそうなんでしょうが、そこにもやっとした想いが
生まれてきたんです。
何が正解で、何が間違いなのか。
最上検事のやっている事は悪なんだけど、僕的には間違ったことをやっている気がしなくって。
ダメなんだけどさぁ・・・。
自分のモラル感がぐらっぐらとさせられる。
対立する沖野と橘も絶対的な正義かというとそうでもなかったりね。
もやもやっと。
最後の着地もなんとも余韻満載。
受け手の考え方に任せた感じ。
僕的には必要悪もあるんじゃないかと思ったり。
いやけど、ダメなもんはダメなのかなぁと思ったり。
ず〜〜っといったりきたり。
ずず〜〜んとどんよぉりとね。
もっとスカッとしたかった部分もありました。
松倉のあの憎たらしさったらもう・・・。
あいつにはもっと制裁を加えて欲しかったです!!
まぁまぁまぁ。
原作本も楽しめましたが、実写版の本作も十分に堪能させてもらいました。
これまでのキムタクイメージを少しだけ変えられた本作。
見応え抜群!!
素晴らしかったっす。
≪点数≫
7点
(19.07.07鑑賞)
こちら原作本。
読み直してみようかしら。

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