2019-07-31 Wed

2017年制作 米
監督:テイラー・シェリダン
≪キャッチコピー≫
『なぜ、この土地(ウインド・リバー)では
少女ばかりが殺されるのか――』
≪ストーリー≫
アメリカ、ワイオミング州。先住民族が住む深い雪に囲まれたウインド・リバーで、地元のベテランハンターであるコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)が女性の遺体を発見する。FBIの新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が派遣され、1人で捜査を開始するが雪山の厳しい自然環境や不安定な気候で難航する。ジェーンは、ウインド・リバー一帯に詳しいランバートの手を借りて調べを進めていく。
≪感想≫
アメリカ ワイオミング州のウィンド・リバー インディアン保留地が舞台の現代西部劇。
う〜〜〜ん、渋い・・・。
重ための物語。
辺境の地で起きた殺人事件。
その町の若い女性が何者かに強姦されて殺されていて。
その捜査を続けていく上で浮き彫りになっていくアメリカの現状。
迫害されているネイティブアメリカン達。
静から動へと切り替わるバイオレンスアクションシーンは見応えたっぷり。
中盤のヤク中兄弟に会いに行っていきなり始まる銃撃戦。
グッと力が入るあの瞬間は緊張感たっぷり。
そしてそしてクライマックスの銃撃戦シーン。
これまたそれまでのピンと張った空気から一変。
突然訪れるバイオレンスアクション。
息を飲むとはこの事。
素晴らしく見応えのあるアクションシーンでした。
ジェレミー・レナー演じるスナイパーの凄腕っぷりがまた素晴らしかった。
スナイパーとしての腕はもちろん。
状況をクールに把握し最良な行動で敵をなぎ倒していく。
そして犯人は誰かを導いていく。
ラストのあのクズ野郎への制裁も素晴らしかった。
溜飲が下がるとはこの事。
少しスカッとしました。
ただ、本作って結構沈んだ感じのお話なんですよね。
重ためのお話にムムムと唸らされると言うか。
田舎町という場所も相まって映る景色も穏やかなんだけど
牙を隠しているような雰囲気。
どこか暗くって重々しい。
田舎町が舞台で今のアメリカを描いていると言う点では以前観た
「ウィンターズ・ボーン」を思い出したり。
なんかこう、田舎町ならではの閉塞感というか。
本作で言うと見ないふりされている現状の渦に巻き込まれている人々の
鬱屈が見え隠れしてもどかしい気持ちに。
エリザベス・オルセン演じるFBI捜査官が被害者家族へ行う無意識な問答。
事件を解決したい、そして自分がなんでこんなところまで的な慢心が生む
差別的な考え。
被害者家族の心の内を見た瞬間。
観ているこっちもハッとさせられる。
ここら辺の描き方は巧いなぁと。
ビターですねぇ。
そんなこんなで。
ちょっと渋めのテイスト。
スカッというかムムムという感じ。
知らない世界のことをまた一つ気付かされたという印象。
僕的には印象深く好きな作品となりました。
≪点数≫
8点
(19.05.26鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト