2019-07-17 Wed

2017年制作 邦
監督:白石 和彌
≪キャッチコピー≫
『あなたはこれを
愛と呼べるか』
≪ストーリー≫
15歳年上の佐野陣治(阿部サダヲ)と共に生活している北原十和子(蒼井優)は、下品で地位も金もない佐野をさげすみながらも、彼の稼ぎに依存し自堕落に過ごしていた。ある日、彼女は8年前に別れ、いまだに思いを断ち切れない黒崎に似た妻子持ちの男と出会い、彼との情事に溺れていく。そんな折、北原は刑事から黒崎の失踪を知らされ、佐野がその件に関係しているのではないかと不安を抱き……。
≪感想≫
「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」等々を撮った白石和彌監督作品。
白石監督の作品は大好き。
先日観た「狐狼の血」も良作でした。
まだまだ観ていない作品もあるし、今後も良さげな作品が目白押しのようで。
楽しみな監督さんの一人です。
さてさて・・・。
またまたヘビーな作品ですなぁ・・・。
登場人物に関しては共感できないキャラばかり。
主人公の十和子(蒼井優)は昔の彼氏のことが忘れられず、ぐうたら生活を送っていて。
冒頭のシーンの色んなところへのクレームをつけている件は観ていて本当に不快。
関わり合いになりたくないなぁって。
そんな十和子と同棲する男、陣治。
十和子に粘着して付きまとい、無下にされながらも十和子に尽くしていく。
彼もまた見た目も立ち振る舞いも不潔極まりなくってなんとなく不快に。
その後も十和子の元カレ黒崎もめちゃくちゃ嫌なやつだし。
十和子が新しく出会う男性水島もクズな不倫野郎だし。
とにかく序盤から嫌な気分にさせてくれるキャラばかり。
正直、ちょっと観るのを止めたくなったくらい(苦笑)
ただね・・・。
中盤あたりから物語の展開が読めなくなって。
ネタバレになりますが十和子の元カレである黒崎が数年前に
行方不明になっていることが判明。
それが、もしかしたら殺されているかもしれないという疑念が。
そこから徐々に明らかになっていく、十和子の過去。
陣治の狂気性もどんどん明らかになっていく。
それに加えて水島のクズっぷりも加速。
二転三転、物語が展開。
目が離せなくなってね。
本作はどちらかと言えばミステリになるんでしょうね。
ちょっと以前観た良作「愚行録」を思い出しました。
最後の着地。
全てが報われない結末。
十和子の未来はどうなっていくのか。
陣治のこれまでは報われるのか。
嫌な気分にさせられたキャラクターたちも、最後まで観ていくと少しでも
報われてほしいという気持ちに。
見た目は良くても心根がクズな人間たちと、見た目は不潔でも心根が
純粋な人間のお話。
むむむ・・・。
色々と考えさせられましたよ。
白石監督。
相変わらず良作を撮ってくれます。
今後も楽しみにしておりますよ!!
≪点数≫
8点
(19.05.01鑑賞)
こちら原作。
小説で読んだらまた違う驚きがありそう。

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