2018-12-31 Mon

2015年制作 インド
監督:S・S・ラージャマウリ
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
多数の兵士が、赤児を胸に抱いた老女を滝へと追い詰める。彼女は自分の命と引き換えに、その小さな命を救おうとする。村人に助けられて一命を取り留めた赤ん坊はシヴドゥと名付けられ、たくましい青年へと成長する。滝の上の世界に憧れを抱いた彼はある日、美貌の女性戦士アヴァンティカと運命の出会いを果たす。
≪感想≫
インド映画。
公開当時、結構話題になっていて、よく聞いたこのタイトル。
「バーフバリ!バーフバリ!!」
なんて掛け声をよく見たりよく聞いたりしていました。
ただ、調べてみると本作ってシリーズ物で2部作だったんですね。
どっちが人気だったんだろう・・・。
さてさて。
僕とインド映画。
実は、インド映画って一回も観た事ないかも。
時折、話題になったりすることもあっていずれ観ないとなぁとは
思っていたんですが。
例えば「きっと、うまくいく」とか。
例えば「ムテゥ 踊るマハラジャ」とか。
例えば「ロボット」とか。
なんか評判が良かったりするんですよねぇ。
まぁいずれ観なきゃなぁ・・・。
さてさてさて。
本作について。
おぉ〜〜〜!!!超絶歴史スペクタクル大作!!!!
例えば現在、巷で話題の漫画「キングダム」。
それが実写化されたらこんな感じになるんだろうなぁって。
他にも「三国志」や「項羽と劉邦」、「水滸伝」とかもこんな感じで
実写映画になるんだろうなぁって。
とにかく、クライマックスのバトルシーンはそんな気持ちで鑑賞していましたよ。
演出とかストーリー展開とかが、とにかく漫画チックというか。
エンタメ性に特化した感じ。
超娯楽大作ってなもんで。
ちょっと思っていたインド映画の最上級を観せられた感じ。
例えば、時折流れる音楽。
ミュージカルとは違うんですが、歌詞で状況や時代背景を教えてくれる所とか。
序盤のシヴドゥが滝の上に登って行くシーンとか。
シヴドゥとヒロインであるアヴァンティカの初めて距離を縮めていくシーンとか。
あぁ、僕が思っていたインド映画だ・・・なんて思ったり。
ストーリーも意外にぶつ切り大雑把で。
ただ、ここぞ!!という部分をド派手に演出して描き出す。
そこが結構楽しくって見応えたっぷり。
十二分に楽しめましたよ。
少し書きましたがバトルシーンも最高に楽しくって。
特にクライマックスの蛮族との合戦。
あのバーフバリと王位を争うライバルのバラーラデーヴァのあの武器付き馬車!!
スライスカッターがついたあの馬車がカッコ良かったなぁ。
他にも投石だったり弓矢の雨嵐とか原始的だけど派手でとってもカッコ良かったんです。
とにかく見応えたっぷりのバトルシーンでした。
確かにハリウッド映画だったら、もっとクオリティの高いバトルシーンやストーリー展開を
観せてくれると思うんです。
それに比べて本作は良い意味で雑にも感じたんです。
ただ、これぞエンタメ!!的な。
作り手の意思より受け手の意思を尊重した作り。
お客さんが見たいものを何より優先的に考えて作ったんじゃないかなぁなんて思いましたよ。
とにもかくにも。
本当に楽しめた超ド級のエンタメ作品。
早く続編を観なくっちゃ!!
≪点数≫
7点
(18.09.23鑑賞)

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2018-12-28 Fri

2016年制作 米/オーストラリア/ニュージーランド
監督:デレク・シアンフランス
≪キャッチコピー≫
『この子を育てることは、過ちですか?
この子を愛することは、罪ですか?』
≪ストーリー≫
1918年、トム(マイケル・ファスベンダー)は戦争から帰還するものの、心は深く傷ついていた。その後彼は、灯台守の仕事に就く。彼はオーストラリア西部の岬からおよそ160キロメートルも先の孤島ヤヌス島に渡り、3か月の間一人で生活する。そして正式に採用されたトムは契約のために町に戻り、土地の名士の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と出会う。
≪感想≫
「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」のデレク・シアンフランス監督作品。
彼の作品は「ブルー・バレンタイン」という作品がとっても有名で。
いずれ観ないとなぁとは思っているのですが。
とりあえず「プレイス・〜」はとても良い作品だった記憶が。
さてさて。
戦争での心の疲弊を癒すために、とある島の灯台守になったトムが、その島に住むイザベルと結婚。
二人は順風満帆に暮らすも二度の流産を経験。
そしてある時、海から小舟が漂流。
その小舟には一体の死体と一人の赤ん坊が。
イザベルはこの赤ん坊を自分たちの子供として育てたいと提案する・・・。
普段、恋愛ものはあまり観ない私。
独身ということもあって、この手の夫婦愛的な作品は縁遠くってね。
なので上っ面な感想しか出てこなかったです。
とほほ・・・。
まずは、映像がとっても綺麗でした。
孤島にある灯台、そこから見える風景。
そこで生活する二人。
時代背景や演者のルックの良さも相まって、抜群に美しかったな。
トムを演じたのはマイケル・ファスベンダー。
イザベルを演じたのはアリシア・ビキャンデル。
この二人はのちにプライベートでもカップルになっちゃうんですって。
美男美女で羨ましいですねぇ。
お話について。
本作は何度も「赦し」という言葉が出ていました。
物語の最後。
赤ん坊の本当の母親は見つかり、トムは本当のことがバレて、警察に捕まってしまいます。
しかし、その時は子供も少し大きくなって思い出もたくさんになっているので、
子供は本当の親に懐いてくれなくって。
本当の母親であるハナはトムとイザベルを「赦し」ます。
この行為はとても綺麗なんだけど、どうもピンとこなくって。
なんだかうっすらと良き方向へ良き方向へと無理やり向かわせている感じがしてちょっとね。
もちろん、本作に出てくる方達はとても良き人ばかりだったので、
幸せになって欲しい感が半端なかったんですが、それならそれで、
イザベルが死ぬまで娘であるルーシーと会えなかったという
部分も少し可哀想だなぁって。
「赦す」という行為がまだまだ腑に落ちていない私。
やっぱりまだまだ人間的に未完成な私。
とほほほほ。
あとは、人が生きていくうえでやはり人とのふれあいは必要なんだなと再確認。
トムとイザベル、そして娘のルーシー、そしてルーシーの本当の母親のハナ。
互いが少しづつ生きがいを与えあって人生は流れていく。
七転び八起き的な進み方ですが最終的にはグッとくる着地。
むむむ・・・。
とにかく良い作品なのは間違い無いのですが、自分がもう少し人間的に
成長してから観たかったなぁ・・・。
残念無念!!
≪点数≫
6点
(18.09.22鑑賞)

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2018-12-26 Wed

2018年制作 米
監督:ペイトン・リード
≪キャッチコピー≫
『身長1.5cmのバディ・ヒーロー・アクション誕生!』
≪ストーリー≫
元泥棒で離婚歴もあるアントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)はFBIの監視下にあり、最愛の娘ともなかなか会えずにいた。ある日、新型スーツでパワーを手にしたワスプことホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)と、アントマンスーツの開発者ハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)が彼を訪ねてきてスコットに助けを求める。
≪感想≫
大好きMCUシリーズ最新作。
もうねぇ、僕的には1作目から観ているMCU。
恐らくどんなにつまらない作品でも一定の満足は
得られるんじゃないかなぁというぐらい思い入れは
強くなっています(苦笑)
実際、つまんない作品なんてなかったですもん。
いつも満足させてくれる楽しいMCU。
今回は「アントマン」の2作目。
前作ももちろん楽しませてもらった本シリーズ。
以前観たアベンジャーズの最新超大作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」には
アントマンが出ていなかったので、どうしたのかなと心配していましたが、
前作の楽しさをしっかり引き継いだシリーズ最新作に
仕上がっていました。
キャラについて。
主人公のアントマン、スコット。
相変わらずの楽しいキャラだったし。
ヒロインのワスプも動けてアクションにもシビれさせてくれたし。
何より性格や見た目もクールで◎。
本当に名コンビの誕生だなぁと思いました。
本作のヴィランであるゴースト。
彼女も見た目がとっても良かったです。
あの残像的な動きと映像は見ごたえあったなぁ。
ただ、もうちょっとキャラ背景を描いてくれても良かったかも。
そして前作から登場のスコットの悪仲間3バカトリオ。
もちろんMVPはマイケル・ペーニャ演じるルイス。
今回も最高のコメディ・リリーフっぷり。
自白剤の件とか最高に楽しかったですよ。
前作の演出と同じような語りからの切り返し映像は
最高に笑わせてもらいました。
アクション的にも頑張っていましたもんね。
3バカの他の二人もちょっとだけ見せ場があったのも嬉しかったな。
とにかく各キャラは前作でのアドバンテージがあるから、
それぞれが立っていて楽しかったです。
そうそう。
スコットの娘は相変わらず超絶的に可愛らしかったなぁ。
お顔はもちろんのこと、性格がなんとも可愛らしかったんですよねぇ。
こんな娘がいたら最高です。
アクションについて。
本シリーズの見どころは、何といってもアントマンやワスプの
おっきくなったりちっちゃくなったり、楽しいアクションシーンでしょう。
クライマックスのアントマンとワスプのコンビネーションバトルは
最高に楽しかったのでもっとも~~~っと観たかったなぁ。
本作はカーチェイスでもちっちゃくなったりしていたので、
これまた楽しさUP!!
世界観について。
ふと思ったんですが、最近のマーヴェルって宇宙をまたにかけた作品で
少し現実離れしまくっていたのですが、本作は少しミニマムな世界観に
戻っていたように感じます。
もちろん、内容は量子世界だったりと現実離れしてはいたんですが、
ちょっとこう、昔のマーヴェルに戻ったように思えて、これはこれで
とても楽しいなぁと。
ちょっと原点回帰っぽくて良かったです。
とにもかくにも。
相変わらずの楽しいMCUシリーズ。
最後にはアントマンが今後のアベンジャーズにどう絡んでいくかの
布石的おまけシーンも。
まだまだ見逃せないMCU。
さぁ次はどの作品だ!?
楽しみ~~~!!!!
≪点数≫
8点
(18.09.21鑑賞)

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2018-12-24 Mon

2017年制作 中/香港
監督:ツイ・ハーク
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
病気ながら、孫悟空(ケニー・リン)、猪八戒(ヤン・イーウェイ)、沙悟浄(メンケ・バータル)を引き連れ天竺へ旅をする妖怪ハンターの三蔵法師(クリス・ウー)。美女に化けては近づく人間を食う蜘蛛女たちを退治した孫悟空が、理不尽な三蔵法師を始末しようとその機会をうかがう中、一行は比丘国へ。国王・九宮真人(ヤオ・チェン)に迎えられるが、常軌を逸した気分屋である国王の機嫌を三蔵法師が損ねてしまう。困った彼は孫悟空に助けを求めるが、事態は悪化するばかりで……。
≪感想≫
以前観た大好きチャウ・シンチー監督の「西遊記~はじまりのはじまり~」。
僕的には劇場で観たせいもあって、めちゃくちゃ楽しめて。
ぜひぜひ続編を撮ってほしい!!なんて願っていたら、念願の続編が!!!!
こりゃ観なきゃならんという事で、ちょっと遅れてしまいましたがレンタルして
鑑賞する事にしましたよ!!
さぁさぁ。
・・・あれ?
・・・あれあれ??
誰だこの登場人物たちは・・・??
なんだこのお話は・・・????
まさか・・・・まさか・・・・・。
うわ!!これ、監督がちが〜〜〜〜〜〜〜う!!!!
出てくる俳優さんたちもちが〜〜〜〜〜う!!!!
観たかったのはこんなんじゃな〜〜〜い!!!!
まさかの監督変更、演者の変更しての作品に仕上がっていましたよ。
僕的に前作は大絶賛。
その殆どが、監督のチャウ・シンチーについての事だったので、
本作の肩透かしを食らった感が半端なくって。
本作の監督さんはツイ・ハークというお方。
この方もアクション監督としてはとても名のあるお方で。
ワイヤーアクションをいち早く取り入れた方でもあるんですって。
大好きジェット・リー主演の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズの
監督さんでもあるんですって。
確かに「ワンス・〜」のアクションはメチャクチャカッコ良いですもんね!!
ただ、僕的に観たかったのはチャウ・シンチーのあのハチャメチャなアクションと、
ドリフ的なベッタベタなギャグ、とにかく楽しい作風だったんですよねぇ・・・。
一応、チャウ・シンチーの名前も制作・脚本に名を連ねてはいるのですが・・・。
本当かなぁ。
先に良いところを挙げようか。
一つはやっぱりアクション。
CGを多用したド派手なアクションシーンは楽しかったかな。
クライマックスのバトルはちょっと異次元すぎて実写というかアニメを
観ているようでした(苦笑)
敵キャラのカラクリ王様みたいなルックも良かったしね。
もう一つはヒロイン・小善がとっても美人さんでした。
演じたのはリン・ユンさんというお方。
どこかで見たことあるなぁと思ったらチャウ・シンチー監督の「人魚姫」で
ヒロインを演じていた方でしたよ。
通りでねぇ。
「人魚姫」のレビューでもべた褒めでした(笑)
前作から引き続きスー・チーが出てたのも嬉しかったな。
彼女も相変わらず美人さんでした。
う〜〜〜ん、良かったのはこんくらいかな。
あとは、ちょっと物足りなかったです。
まずお話が全然ピンとこない。
あってないようなもので、トントン進んでいくお話、しかも辻褄があっていないような
展開で正直うとうとうっとり・・・。
クライマックスのど迫力バトルを観るまでは、何を観せられているんだろうって
うとうとうっとり・・・(軽眠)
次にキャスティングの変更もダメダメでしたね。
本作は前作からガラリとキャストが変わっていて。
主役級のキャラももれなく変わっていたので、なんだかなぁと。
例えば孫悟空は前作のあのキャラ、ルックがあったから魅力的な仕上がりだったのに
本作の悟空はただのイケメン化け物でちょっとピンとこなかったな。
沙悟浄もただのブサイク化け物になっていたし。
猪八戒もキモチわりぃだけの仕上がり。
三蔵もインパクトの欠けるキャラクターだったしね。
ギャグに関しても面白くなかったなぁ・・・。
中盤の一国の王様的なキャラがガキっぽいお笑いを仕込んでいたんですが、
ただの小憎たらしいガキに見えて面白くなかったんですよね。
なんだかなぁ・・・。
ここでもチャウ・シンチーのお笑いを求めていただけに物足りなさを
感じてしまいました。
超絶アクション以外に関しては全てに物足りなさを感じた本作。
恐らく2日後には全て忘れてしまいそうな本作。
まだまだまだまだ・・・。
西遊記はまだまだシリーズとしてはいけると思いますので、
チャウ・シンチー監督に戻して続編を作ってください!!
≪点数≫
4点
(18.09.17鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-21 Fri

2016年制作 邦
監督:石川 慶
≪キャッチコピー≫
『そこには、悪意も、善意もない。』
≪ストーリー≫
エリート会社員の夫・田向浩樹(小出恵介)、美しい妻・夏原友季恵(松本若菜)と娘の一家が、何者かに惨殺された。事件発生から1年、その真相を追う週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)は、一家の関係者を取材。浩樹の同僚・渡辺正人(眞島秀和)、友季恵の大学時代の同期・宮村淳子(臼田あさ美)、浩樹の大学時代の恋人・稲村恵美(市川由衣)らから語られる、一家の意外な素顔に驚く田中。そして、自身も妹の光子(満島ひかり)が育児放棄の容疑で逮捕されるという問題を抱えていた。
≪感想≫
本作はネタバレ厳禁、事前情報をなるべく入れないで観た方がいい案件なので、
未見の方は、読まなくても大丈夫ですよー。
さてさて。
またとんでもなく後味が悪い作品に出会っちゃったなぁ・・・。
かつ、衝撃的な作品に出会っちゃったなぁ・・・。
オススメできないんだけど、観てほしい作品に出会っちゃったなぁ・・・。
一年前に起きた一家殺人事件を追うジャーナリストの男。
別件で男の妹が幼児虐待で逮捕されていて・・・。
二つの事件の本質、真相が少しずつ明らかになっていく・・・。
僕的に、ファーストシーンがとんでもなく印象的で。
妻夫木くん演じるジャーナリストがバスで座っているシーン。
バスには老婆が立っていて、その横に立つ中年の男性が妻夫木くんに
席を譲るよう少し説教くさく語りかける。
妻夫木くんはめんどくさそうに立ち上がるも足を引きずる仕草を。
彼もまた身体に障害を持っている風で。
気まずそうな中年の男性・・・。
妻夫木くんはバスを降りて中年の男性を見送る。
その後、彼は引きずり障害を持ったであろう足を使い普通に歩き出す。
彼は中年の男性に腹が立って嘘をついていたんです。
まぁこの一連の流れに少しゾッとして・・・。
何が本当なのか嘘なのか、そして人間の汚い部分、さらにはこの妻夫木くん演じる
ジャーナリスト田中の人間性を一気に観せられた感じ。
このシーンで一気に心鷲掴みにされましたよ。
そこから田中は一家惨殺事件の被害者である家庭を追いかける。
まずは夫の同僚で同期の男、妻の大学時代の友人、その友人の元彼氏、
夫の大学時代の彼女。
そこから浮き彫りになってくる人間、と言うかこの登場人物たちの醜さ。
妬み、嫉み、我儘、利己的な思考、聞いていてとても不快な感じ。
正直、観るのを止めようかなぁと・・・。
特に最初の同僚の話は本当に苦手なお話でした。
異性をゲーム的に扱っているのが凄い胸糞悪くってね・・・。
自分の大学時代の周りにもこんな奴らってそういやいたなぁなんて
思い出したり。
序盤中盤ぐらいまでこんな感じが続くもんだから、人間のいやぁな部分を
浮き彫りにするドキュメンタリックな作品なのかなと思いきや・・・。
ここからびっくり。
まさかの衝撃展開が待っていました。
それは、田中の妹も実はこの一家殺人の被害者である妻と大学時代に
会っていたという真実が明らかに。
もっと言うと、被害者である妻と仲良しだった事が明らかになるんです。
ここから物語の見方が一変。
一気にサスペンス性、エンタメ性が急上昇。
それじゃあ一家殺人事件の犯人は一体誰なんだ?
田中の妹はこの事件にどう関わっているのか??
的なお話に様変わり。
そっからの世界観も相変わらず暗くって、濁っていて、
沈んだ展開なんですが、いくら不快に思っていても、
目が離せなくなっている自分がいて。
終盤からは衝撃の展開目白押し。
田中のあの行動。
光子の子供に関して。
全て大げさに演出するのではなく先に書いた沈んだトーンの中で
さらりと描き出す。
むむむ・・・。
また、凄い作品に出会ってしまったなぁといった感じ。
人におススメするかと言ったら、あまりおススメできませんが、
観た人とお話はしたい。
不快になるし後味が悪い事は間違いないんですが、作品としては
とても良い作品、傑作でした!!!!
本作は原作もあるんですね。
読んでみようかなぁ・・・。
≪点数≫
9点
(18.09.16鑑賞)
こちら原作。

満足ならクリック!!
2018-12-19 Wed

2015年制作 米
監督:ジェレミー・ソルニエ
≪キャッチコピー≫
『扉を開ければ
死が待っている―。』
≪ストーリー≫
無名のパンクロックバンド「エイント・ライツ」に、待ちに待った演奏のチャンスが回ってくるものの、ライブ会場は異様な雰囲気が漂うネオナチたちが集まる場所だった。さらに間の悪いことにバンドメンバーたちは殺人事件を目撃したため、命の危険にさらされる。楽屋に閉じこもった彼らの運命はいかに……。
≪感想≫
とあるパンクバンドが片田舎のクラブでライブをする事に。
そこで、殺人事件を目撃。
そのクラブはネオナチの巣窟でバンドメンバーも口封じのために
殺されそうになるが・・・。
この手の作品といえば、知らないお家にコソ泥に入ったらおっそろしい
ジジイが待ち受けていた「ドント・ブリーズ」という作品。
あの作品の印象が強くって、なんとなくこの作品も「ドント・〜」が好きな人は
楽しめる的な案内があったから鑑賞する事にしました。
あと、後に知ったんですが本作の監督は以前観た「ブルー・リベンジ」という作品の
監督さんで。
ちょっと納得。
グレーな世界観とグロ・バイオレンス描写に少し既視感があったんですよね。
さてさて。
なるほど、楽しい作品に仕上がっておりました。
グロ・バイオレンス描写について。
本作は、バイオレンス描写が結構エグくって。
腕がグッシャグシャに切り刻まれている描写。
どう猛な犬に喉元食いちぎられている描写。
拳銃で脳天ぶっ放される描写。
エンタメ的な描写ではなくリアル寄りの描写が観ていて、とっても緊張感が
あってギュッと握り拳を握りながら鑑賞しておりました。
演出については全てがそんな感じでした。
絶えずグレーな感じで緊張感たっぷり。
突然、何かが起こる感じが本当にググッとね。
キャラについて。
この手の作品で怖い存在が・・・。
それは狂犬!!
例えば以前観た「ドント・ブリーズ」のあの怖い犬。
例えば以前観た「ノー・エスケープ 自由への国境」のあの怖い犬。
本作でも登場、こっわいこわ〜い犬!!
ただ、もう少しMADな感じを出しても良かったかなと。
あと、本作についてはストーリーも少しだけよく分かんなかったんです。
ちょっとなんでこの事件に巻き込まれているのかが少しピンとこなくって。
結局、バンドメンバーたちは殺人事件を目撃したから口封じっつーことは分かるんですが、
そもそもこの、殺されていた女性はなんで殺されていたのか、あと地下にあった施設は
結局のところなんだったのか、そこら辺が少しムムムってね。
う〜〜〜〜〜ん、なんでしょう。
本作は全体的に薄味に感じましたよ。
もう少しインパクトがあっても良かったのかな。
これはこの監督さんの色なんでしょうね。
前作の「ブルー・リベンジ」もそうでしたもんね。
まぁまぁまぁ。
それでも、最後までどうなるのかわからない展開、緊張感あふれる描写。
十分に堪能させていただきました!!
本作の主演であるアントン・イェルチンは先日、不慮の事故で亡くなられましたね。
新「スター・トレック」シリーズでも良い味出していたのになぁ・・・。
合掌・・・。
≪点数≫
6点
(18.09.16鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-17 Mon

2016年制作 独/オーストリア
監督:マーレン・アデ
≪キャッチコピー≫
『愛は不毛じゃない。』
≪ストーリー≫
ルーマニアのブカレストにあるコンサルタント会社勤務の女性イネス。仕事ばかりの忙しい毎日を送っている娘が心配でならない父親のヴィンフリートは、ブカレストを訪れる。悪ふざけが大好きな彼と折り合いの悪い彼女は、やむなく数日間一緒に過ごすことに。やっと父親が帰国してホッと一息つくイネスだったが、トニ・エルドマンという別人に成り切った彼が再びやって来る。父の真意がわからず、イネスは混乱するが……。
≪感想≫
父親と一人娘の笑って泣ける絆のお話。
あらすじだけを読んでいるとコメディタッチのお話なのかなぁと
思ったらそうでもなくって。
僕的には案外、チクリと身に沁みるグッと来た作品でした。
親の心子知らずなんてまさに。
本作の父親であるヴィンフリート(別名トニ・エルドマン)は娘(イネス)を
心配してお節介な行動ばっかり。
側から見たら確かに鬱陶しい親父の行動だったりするんです。
ただ、それが本当に娘を思っての行動なので無下な心にもならず。
これまたただ、イネスの気持ちも痛いほどわかるので、
「もう、ほっといてやれよ・・・。」
とも思ったり。
親の気持ち。
子の気持ち。
僕は、独身で子供もいないのでどちらかと言うとイネスの気持ちに
共感する事が強くって。
なまじっか親の愛情も感じているだけにこの父親の無鉄砲な行動に
モヤモヤと行ったり来たり。
けど最終的にはやっぱりその人を思っての行動の方が勝つんだよなぁって。
イネスはあくまでも自分のために行動。
父親のヴィンフリートは、イネスが心配ゆえの行動。
もしかしたら、その行動も最終的には自分のためになっているかもしれないけど、
きっかけはイネスのためが最初なんだよねぇ・・・。
ただ、やっぱり側から見ているこっちからすると、なんて最悪なオヤジなんだと
感じたり。
でも、それも心配から来るもんなんだよなぁと気持ちがぐらっぐらと行ったり来たり。
この父親の無鉄砲な行動は一人娘のイネスの心を溶かしていく。
徐々にイネスは成長していく。
人生に必要なものは何かって考え出す。
具体的にはそれは言葉では表さないんだけど、彼女の行動、表情を見ていると
きっとそれはとても良い未来に繋がる事なんだろうとグッとくる。
とにかく出てくる人たちの良き性格が繊細に描かれていた作品。
中でもイネスはとても良かったなぁ。
あの父親に対しての感情とか。
すっげー迷惑なんだけど、無下にできない。
実は心配なんだけど、なんか腹が立つ。
そんな素直になれない自分に腹が立ったり悔しくなったり。
むむむ・・・・分かるぅ・・・。
中盤のヴィンフリートの演奏に乗せて歌うシーンがあったんですが、
これがまたすっごい良かったです。
歌詞もしっかりと彼女の心情にあっていてね。
本作、白眉のシーンだったんじゃないでしょうか。
キャラについては他にも。
僕的メガヒットのキャラクター。
まずはイネスの女性部下(名前は忘れちった)
彼女の従順な感じとか純な感じとか本当に素敵。
クライマックスのイネスの誕生日パーティーに現れた瞬間、
一気に大好きになりましたよ!!
彼女のこの純真さもイネスの成長へと繋げてくれましたもんね。
もう一人はイネスの上司であるあいつ。
なんだかんだでこの誕生日パーティーの企画に乗っかった二人は
本当に善人だなぁと感じました。
親と子の関係について本当によく考えさせられた作品。
僕もこんな親子の関係が築けるだろうか・・・。
この作品がまた照れ臭さに繋がり斜に構えるきっかけにならないと良いな(笑)
ちょっと長尺でしたが、とてもいい作品でした。
独身男性、独身女性に捧げたい良作です!!
≪点数≫
8点
(18.09.15鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-14 Fri

2016年制作 米
監督:テイト・テイラー
≪キャッチコピー≫
『人はひとを殺したことを
忘れられるのか?』
≪ストーリー≫
夫トム(ジャスティン・セロー)と離婚し、深い悲しみに沈むレイチェル(エミリー・ブラント)。そんな彼女を慰めるのが、かつてトムと暮らしていた家の近所に住む夫婦の仲むつまじい姿だった。通勤電車の窓から二人を眺めてはトムと過ごした日々を思い出す彼女だったが、その夫婦の妻が不倫にふけっている現場を目撃する。次の日、電車を降りて彼らの様子を確かめようとするが、不意に記憶を失ってしまう。やがて自分の部屋で大けがを負った状態で目を覚ましたレイチェルは、その人妻が死体で発見されたのを知るが……。
≪感想≫
ミステリ作品。
そんな前情報を入れずに鑑賞。
映画館で本作の予告をちょくちょく観ていて、なんとなく面白そうだなぁって
思っていたので、いざレンタルして観る事にしました。
とある女性が電車の窓からいつも見ている風景。
その女性にはその景色を見ている理由があって・・・。
そしてその景色に異変を感じた彼女は・・・。
的なお話。
う〜〜〜ん、ちょっともやっといらっと後味の悪い作品でした。
まず、登場人物たちが全てダメダメな人達で。
大きなネタバレしますが、本作では三人の女性が一人の男に振り回されるという構造が。
まず一人目の女性、主役的立ち位置であるレイチェル(エミリー・ブラント)。
彼女は一応、色々考えると被害者の一人ではあるんですが、そもそもアルコール中毒なんですよね。
彼女の落ち度が見える分、ちょっとモヤモヤっとね。
次に二人目の女性、トムの再婚相手であるアナ。
彼女も今回の被害者ではあるんですが、元を考えると、レイチェルから
旦那であるトムを奪った相手ではあるんですよねぇ・・・。
本作の大きなテーマである不貞行為(不倫)の愚かさを彼女はしてしまっているんですよね。
そこらへんがちょっとモヤモヤっとね。
最後に三人目の女性、トムの最新の不倫相手であるメガン。
彼女も悲しい過去を背負っているのですが、結局、彼女も不倫という行為に
走ってしまっているのでなんだかモヤモヤっとね。
もちろん本作での一番の悪はトムという男。
誰彼構わず女性を物として扱うかのごとく、蹂躙していく。
めちゃくちゃ不快で不愉快なキャラクターでした。
とまぁ、全体的に出てくるキャラは一癖も二癖もある方々だったので、
誰かに肩入れする感じでもなくってね。
ひたすらもやもやと観賞していましたよ。
演出について。
本作はミステリ、サスペンスタッチの作風。
ここに関しては、先に書いた嫌なキャラ達のおかげで、最後までグッとのめり込んで
観る事ができました。
時間軸をずらしたり、主人公格のレイチェルの酒癖の悪さのキャラクターを活かして、
何が本当か何が嘘なのかという謎を引っ張りながら進んでいく手法はなるほどねぇと。
ただやっぱり、どうしてもストーリーやキャラクターに違和感を感じたので、
最終的にはもやっといやぁな気分になってしまったという所です。
むむむ・・・どんより・・・。
≪点数≫
4点
(18.09.09鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-12 Wed

2018年制作 邦
監督:上田 慎一郎
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき……。
≪感想≫
とんでもなく巷で話題の本作。
低予算での制作(制作費はなんと300万円らしいっす)。
いろんな芸能人の方々が絶賛のコメントの嵐。
人気が出てきたら本作の原案者が「本作は自分の作品のパクリだ!!」的な
発言。
映画自体の評判とはまた違ったピックアップをされていて。
そんな文字通り話題作の本作。
もともと、上映は2館のみだったんだけど、口コミでどんどん増えて今や200館以上の上映に。
私が住む沖縄でもやっとこさ上映される事に。
そんなこんなで勢い勇んで鑑賞して来ましたよ!!
さてさて。
とても良作、いや傑作!!
そりゃ話題にもなるわなぁと素直に思えた今年ベスト級の作品でした!!
まず最初に。
本作は何も情報を入れないで観ないと面白さが半減どころか激減してしまう作品。
僕も事前情報は入れない方が良いと聞いていたので、極力情報を遮断し、
テレビやネット上の記事など観ない、読まない、聞かないを心がけておりました。
事前に入れていた情報は、
「ゾンビ映画を撮っているところに本物のゾンビが!?」
的な煽り文句のみ。
その情報だけだったので、鑑賞後の心地良さったらなくって。
思っていたのと全然違った着地で本当に良い意味で驚かされました。
そんなこんなで、本作を観ていない方は、思いっきりネタバレしますので
絶対に読まないでください!!
本当に・・・。
本当に・・・。
中途半端な感想と雑な文章で、この傑作の驚きが失われる事になるのは
とんでもなく申し訳無いので絶対に読まないでくださいよ!!
さあさあ。
ここから思いっきりネタバレしながら感想を。
冒頭、先に書いたストーリー展開が繰り広げられる。
映画の中でゾンビ映画を撮っていて、その最中に本当にゾンビが出て来て
パニックパニック。
その内容がとっても安っぽくてツッコミどころも多々あって。
例えば全て、ワンカットで流れているんですが、正直、時折、カメラもブレッブレで
ちょっと酔ってしまいそうなほど。
お話もすっごい違和感があって、たまぁに話が繋がらなかったり、妙な間ができたりと、
正直、頑張ってんなぁとは思えるんだけど、これのどこにみんなはハマったんだろうと
思ったり・・・。
観ていて、出ている俳優さんたちも初見の方ばっかりだったので、低予算で作られているのが
丸分かりだったので、それにしちゃ、頑張っている方かなと思ったりしたんです。
ただ、これだけじゃ僕的にはハマらないなぁなんて思っていたら・・・。
なんとびっくり。
これまでのワンカットの流れ自体が作品になっていて。
要するに映画の中で映画を撮っている事自体が、映画の設定だったんです!!
そしてここから、この作品が作られるまでの過程が映し出される。
ワンカットの作品を撮っている裏側ではこんな事が起こっていたんですよ的なね。
これがとんでもなく面白くって。
それまでのホラーゾンビ映画から、見方を変えてコメディ映画に。
それまで引っかかっていた部分、ツッコミどころの数々。
その理由がしっかりと描かれていて。
そのタネ証しを一つ一つ丁寧に映し出す。
観ているこっちはゲラゲラと笑いながら鑑賞。
しかもそのタネ証しが押し付けがましくなくってとても自然なんですよね。
すっごい楽しく鑑賞させていただきました。
そして本作には、もう一つスパイスが加えられていて。
それはファミリー映画的側面。
父と娘の再生物語的な。
劇中作品の監督であり、監督役でもある親父の再生物語的な。
あの、うだつの上がらない親父が作品を取りながらかつての勢いを取り戻すあの感じ。
正直、僕的にラストシーンはグッときて何故かわかりませんが涙を流していましたよ。
決して泣かせるシーンじゃないんですけどねぇ(苦笑)
出てくるキャラクターも最高。
一人一人がしっかりと役割を担っていて◎。
アル中の俳優さんとか、お腹くだしてしまうあいつとか、監督の奥さんも
いいキャラしてましたねー。
制作会社のお偉いオバハンや若手ディレクターみたいな彼も最高。
たくさん笑わせていただきました!!
ただ、1点だけ。
本当に本作については1点だけ苦言を呈するなら、監督の娘のキャラがちょっとだけ
ピンんとこなかったなぁ。
中盤に、勝手にディレクションするシーンがあるんですが、そこの部分のでしゃばり方が、
ちょっといくらなんでも感があってね。
いくら、そんな性格だからって口出しはわかるんですが流石にあそこまでがらっぱちな
口の聞き方するかなぁって。
その1シーンだけはちょっと「んん??」って引っかかりましたよ。
それ以外は全て最高!!その後の彼女の行動もグッときたしね。
とにもかくにも。
全てにおいて大大大満足の大傑作。
300万円という低予算でもアイディア一発でこんなにも素晴らしい作品が撮れるなんて!!!!
観て良かったぁ~~~!!!
≪点数≫
10点
(18.09.06鑑賞)
2018-12-10 Mon

1980年制作 英
監督:スタンリー・キューブリック
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
冬の間閉鎖されるホテルに、作家志望のジャック一家が管理人としてやってきた。そのホテルでは過去に、管理人が家族を惨殺するという事件が起こっていたのだが……。
≪感想≫
名匠スタンリー・キューブリック監督作品。
映画通なら誰もが知っているであろう本作。
僕も名前ぐらいは聞いたことあるし、あの有名なシーン、
ジャック・ニコルソンの壊れたドアから覗き込むあのフェイス!!
あのシーンは色んなコントでパロディ化されているような気がします。
そんな印象が強くて勝手になんとなく観た事になっていて・・・。
今更ながら手に取ってみましたよ。
さてさて。
ん?んん??ちょっと思っていたのと違う!!!
僕的に先に書いた超有名なシーンのせいで、ジャック・ニコルソン扮するシリアルキラーが、
旅人たちを襲いまくる話なのかなって思っていました(苦笑)
サスペンスタッチのジェイソン的な。
ところがどっこい。
どちらかというとポルターガイスト的なホラー作品でした。
冬の期間だけ閉鎖されるホテルに管理人の職についた作家のジャック。
妻と息子も一緒にホテルで過ごす事にする。
徐々にジャックの心が崩壊。
息子のダニーは不思議な能力が覚醒して、この世のものじゃない物が見えるように。
妻のウェンディは不穏な空気を感じ取り一刻も早くホテルを出ようと計画するが・・・。
ストーリー展開。
ストーリーについては正直、飛び飛びな感じがしました。
展開についていけない部分もあったり。
ジャックがおかしくなっていくのも、ちょっと理由が分んなかったし、
とり憑かれたのかと思ったらそんな感じでもなさそうだし。
クライマックスに出てきた謎のキャラや、最後のカットにあった
ジャックが写真に載っていたのも、ちょっと良くわかんなかったし。
とにかく、お話については大づかみで把握した感じ。
調べてみると本作は原作本があるようで。
著者はこれまた有名なスティーブン・キング。
「キャリー」や「ミスト」「スタンド・バイ・ミー」の原作者でもあるようです。
とにかく恐らく原作通りといったわけではないかもと思いましたよ。
代わりと言っちゃあなんだが、撮り方、演出はやはり一級品で。
凝った画作りと効果音や音楽を使った演出。
ホテルの中での追いかけっこも怖かったし。
吹雪の中、中庭大迷路での追いかけっこもハラハラドキドキで見ごたえ十分。
特徴的だったのが、鏡を使った演出が多かったように思います。
鏡越しのジャックとか、巧くホラー的な感じが出ていてなるほどなぁと。
ジャックの怖さや狂気が存分に発揮されていて手に汗握らされましたよ。
お母さん役が良い意味で地味っぽい感じも良かったな。
すぐに殺されてしまいそうな弱々しいさがなんとも◎。
とにもかくにも。
本作が制作されたのが1980年。
名作と謳われている作品はやはりいつも観ても色褪せません。
十分に堪能させていただきました!!
≪点数≫
8点
(18.09.02鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-07 Fri

2014年制作 邦
監督:中村 義洋
≪キャッチコピー≫
『私は、私がわからない。』
≪ストーリー≫
人里離れた山中で10か所以上を刺され、焼かれた死体が発見される。殺害されたのは典子(菜々緒)で、容疑者は化粧品会社のOL城野美姫(井上真央)。テレビディレクターの赤星雄治(綾野剛)は、美姫の同僚、家族、幼なじみなどに取材。典子が美姫の同期入社で、美人で評判だった一方、美姫は地味で目立たない存在だったことが報道され……。
≪感想≫
職場の同僚にオススメされて鑑賞シリーズ。
いっつも僕が取りこぼしている謎の作品をオススメしてくれる同僚さん。
今回はメジャーどころをオススメしてくれました。
本作は湊かなえ原作の小説を映画化。
湊作品は色々と映像化されています。
僕も「告白」「北のカナリアたち」あたりを鑑賞しています。
小説も何冊かは読んだかな。
ただ、僕的に湊作品とは相性が悪いんですよね。
あの独特の重々しいお話がちょっと苦手で・・・。
どんより沈んだ気持ちになるんです・・・。
実は本作も原作本は読んでいたり。
こちらは、それまでの湊作品に比べてとても読みやすかった記憶があります。
さて、映画について。
なるほど、とても良くできた作品でした!!
一つの事件を色々な視点、証言から真実を見つけていくっつー流れ。
本作って実は謎解き系のお話でもなくって。
いびつな人間関係について。
SNS社会について。
物事の本質について。
ってな感じかな。
まず、怖いなぁと思ったのがSNSについて。
時代なのかなぁと思いますが、ツイッターでいろんな顔のない人たちが犯人を作り上げて、
そこから派生して、さらなる被害者やら加害者やらを生み出す。
バカッターなんて言葉が生まれましたが、まさに。
本作のネット住民たちも好き勝手書いてはいろんな人間を追い詰めていきます。
無関係な人たちがこの事件の本質とは別のところでワイワイとやっては、新しい嫌な
世界を作り出す。
恐らく今後もこういう行為は増えていくだろうし、無くなることは難しいのかなって。
例えばツイッターとかを完全撤廃するか、新しいストレスのはけ口ツールが出てくるか。
そのぐらいの事がないと、変わっていかないだろうなぁって。
もひとつ怖いなぁと感じたのが人間について。
本作では人間の嫌らしい部分とか醜い部分が多々出てきます。
ここら辺は湊作品っぽいなぁと。
赤星という男。
こいつはテレビ局の契約社員で、大学時代の同級生から得た情報で
この「白ゆき姫殺人事件」を追う事に。
勝手に有力容疑者を作り上げ、その周りの人物から自分に必要な情報だけ切り取り、
テレビに流し出す。
そして裏では自分のツイッターで好き勝手な言葉を発信。
う〜〜〜ん、こういう人間っているよなぁ・・・。
被害者の三木典子という女。
彼女は本当に嫌なやつでした。
なまじちやほやされているせいかプライドばっかり高くなって、向上心を失って。
自分を高めるのではなく、相手の価値を下げる事で自分のポジションを確立させる。
う〜〜〜ん、こういう人間っているよなぁ・・・。
ちっちゃなところで言うと、城野美姫の小学校の担任も空気の読めない先生でしたね。
デリカシーがないと言いますか。
こんな人が先生だったらやだなぁと思いつつも、こういう人っているんだよなぁと
心当たりがあったり。
この先生には何らかの制裁、もしくは言動に対しての影響を分からせて欲しかったな。
他にも他にも。
城野美姫の同僚二人も邪な二人だったし。
子供の頃に関わった同級生たりもちょっと嫌なやつだったし。
とにかく本作に出てくる人たちってなんだかなぁというやつらばっかで。
少し、いくらなんでも感があるので敢えてなのでしょう。
というか、やっぱりこの事件について語られている事は何が真実で
何が間違っているのかを色々と考えさせられました。
みんながみんな自分の主観でお話しするもんだから、一人の女性に対しての
印象や事件の結末に対しては様々な意見があって。
そこに、自分の意思を込めて話すもんだから、聞き手はそっちの方向へ誘導されてしまう。
それが、本作でも語られる
「人の記憶は捏造される。自分の都合の良いように書き換えられていく。」
という事なんでしょう。
最後の最後。
最重要容疑者候補の城野美姫から語られる真実。
これまでの証言がいかに嘘が含まれていたのかが明らかになる。
ただね・・・。
ふと思うんですが、結局のところ、城野美姫が言っている事ですら、
本当かどうかわからない訳で。
全体を鑑賞して受け手の僕は何を信じて何を疑うのか、それこそ僕の主観なわけで。
そこら辺を考えているとモヤモヤって無限ループ・・・(苦笑)
唯一引っかかったのが、マスコミの描きかた。
殺人事件のニュースについて、勝手に一人の女性を容疑者扱いして、
勝手に社会に垂れ流す。
いくら何でもそれはないでしょうと思ったり。
似たようなことは実際にあるのかもしれませんが、ここまで特定の人物を犯人扱いするのは
さすがにやらないだろうと。
ちょっと、このテレビ局の描きかたには「??」でした。
とまぁ全体的にわかりやすくって、そいうもやもやっとした思いが生まれた本作。
展開の仕方とか、着地の仕方は本当によくできた作品で、僕的に十分に堪能。
ひっさしぶりにオススメ作品が当たったかも(笑)
次はどんな作品を勧めてくれるかな。
楽しみに待っております。
≪点数≫
8点
(18.09.01鑑賞)
こちら原作本。
読みやすかったです。

満足ならクリック!!
2018-12-05 Wed

2017年制作 邦
監督:北野 武
≪キャッチコピー≫
『全員暴走』
≪ストーリー≫
関東の山王会と関西の花菱会の間で起きたし烈な権力闘争の後、大友(ビートたけし)は韓国に拠点を移す。彼は日本と韓国の裏社会で暗躍する実力者張会長(金田時男)の下にいたが、ある時、韓国に出張中の花菱会の花田(ピエール瀧)が騒ぎを起こし、張会長の部下を殺害してしまう。この事件を発端に、張会長と花菱会の関係は険悪になり……。
≪感想≫
世界の北野武監督の「アウトレイジ」シリーズ最新作。
もちろん前2作は鑑賞。
そのバイオレンス描写とキャッチコピーの「全員悪人」の
名に恥じぬわっるい奴らの競演に楽しませてもらいました。
一応、前作ではもう少し続きそうかなぁなんて思っていたので
本作が出た時は少し嬉しかったり。
さてさて。
今回はどういうバイオレンスが待っているのでしょうか。
くぅ~~、今回もイタタタタ・・・。
肝であるバイオレンス描写について。
例えば1作目で言うと、椎名桔平演じる水野の殺され方。
上手く説明できませんが、助手席に座らせ首にロープを巻きつけたまま、
トップスピードで車を走らせる的な殺し方。
めちゃくちゃ怖くて痛かったっす。
例えば2作目で言うと、加瀬亮演じる石原の殺され方。
バッティングセンターでボールを顔面に延々打ちつけられるシーンとか
これまた痛々しくてえげつなかったっす。
そして本作はと言うと。
やっぱり一番は大杉漣演じる野村が殺されるシーンかなぁ。
山道の地面に埋められて顔だけ出ている状態で、いつ車が
来るのか分からなくって、最終的には轢かれて終わるっていう場面。
本作のベスト目を背けたシーンでした。
他にも、ピエール瀧が口に爆破物を咥えさせられて、導火線で
花火のように殺すっていうシーンも怖かったし。
もちろん、単純に拳銃やらマシンガンやらでバンバン殺していく
シーンもエグかったし。
とにかくバイオレンス描写に関してはこれぞ「アウトレイジ」シリーズっぽくて
十分に堪能させていただきました。
もうひとつの肝である、「全員悪人」的世界観について。
本作も山ほど悪人が登場。
裏切ったり裏切られたり、きったない権力闘争の中での殺し合い。
これほど醜いものはないですよねぇ・・・。
ただ、本作では韓国系ヤクザグループが登場。
彼らに関しては義に重んじ家族を大切にするという特徴が色濃く出ていて。
ちょっと韓国映画で良く描かれるの韓国特有の縦社会を
思い出しましたよ。
この韓国グループを牛耳る張会長、その右腕的存在の李辺りは、
めちゃくちゃ貫禄あってカッコ良かったです。
あと、ふと感じたのが、本作は前2作に比べ汚らしさ、怖さが減ったように
感じました。
前まではもっと、どろっどろだったような。
もちろん、本作もきったない人間たちで溢れかえっていたんですが、
時折、笑えるシーンも挿んだり。
例えば、西田敏行が啖呵を切るシーンとかは、恐らくアドリブで演技を
していると思うんですが、時折、ジョークまがいのセリフを発するので、
クスリとさせられたり。
ピエール瀧の変態キャラクターも、ちょっと緩和的な役割にも思えたりね。
あと、やっぱりビートたけし演じる大友の佇まいのカッコ良さが
少し映画を美しくしているという事もあるのかな。
最後の締め方もこれまでのきったない世界に対し、綺麗な着地の
させ方だったしね。
とにかく、本作の楽しみ方は前2作とは少し違った感じがしました。
恐らくもう続編は作られないであろう本シリーズ。
ただ、この手の作品は別のキャラを主役にして撮る事だって可能なはず。
北野監督にはまだまだヤクザ映画を撮り続けてほしいです!!
≪点数≫
7点
(18.08.31鑑賞)

満足ならクリック!!
2018-12-03 Mon

2018年制作 米
監督:ゲイリー・ロス
≪キャッチコピー≫
『ターゲットも、ダマしも、
史上最強
目撃者は、全世界。』
≪ストーリー≫
仮出所したデビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、服役中に考えていた犯罪計画を実行しようとする。それは、ニューヨークで開催される世界最大規模のファッションの祭典メットガラに出席する女優ダフネ・クルーガー(アン・ハサウェイ)が身に着ける1億5,000万ドルの宝石を盗み出すというものだった。デビーは旧知の仲のルー・ミラー(ケイト・ブランシェット)を相棒に、ハッカー、スリ、盗品ディーラーらを集めてチームを結成する。
≪感想≫
大人気シリーズ「オーシャンズ」シリーズ最新作。
ジョージ・クルーニ、ブラッド・ピット、マット・デイモン等々。
豪華なキャストが大金を稼ぐためにワイワイキャッキャと駆け回るお話。
これまで3作品出ているのかな。
その後も続くのかと思いきや、メインキャストのバーニー・マックが亡くなって、
続編が作られなくなって。
そんなこんなで。
本作はメインキャストを一新。
主人公は前作までの主役のダニー・オーシャンの妹のデビー・オーシャンが
仲間を集めてワイワイキャッキャと駆け回るお話に変更。
端的に言うと、女性版「オーシャンズ」ですね。
女性版〜〜と言えば以前観た「ゴースト・バスターズ」があったり。
あれも楽しかったなぁ。
本作は前作までの人数からぎゅっと絞って8人になっていて。
だからかもしれませんがしっかりとそれぞれがキャラ立ちできていて、
とっても素敵な奴らに仕上がっておりました。
僕的に本シリーズの肝って、こういうスターたちの楽しいやりとりだったりするんですよね。
実は僕的に前シリーズは人数が多かったせいか、ちょっとキャラを把握するのに
3作品かかった感がありますが、先に書いた通り、本作は少なっていたので
スッと入り込むことができたんです。
しかも魅力的なキャラもたっくさん。
リーダー格のデビー・オーシャン。
演じたのはサンドラ・ブロック。
彼女は冒頭の出所した後のシーンがもう全てを物語っていて。
繰り広げる詐欺の連べ打ち。
すっごいスタイリッシュでクールでカッコ良い!!
この一連の流れで本作の楽しさをグッと伝えてくれて。
サブリーダーのルー・ミラー。
演じたのはケイト・ブランシェット。
僕的MVPはこのルー姐さん。
立ち振る舞いの全てがカッコ良い。
バイク乗っている姿とか、スカジャンを着こなしている姿とか、デビーとの対等な
やり取りはこれまたグッとくるものがありました。
実は前シリーズの僕的MVPはブラット・ピットで。
彼も主人公ダニーの右腕的存在でしたね。
この辺の立ち位置のキャラは本当にカッコ良い!!
他にも。
ヘレナ・ボナム・カーター演じるデザイナーのローズはなよっとしつつも可愛らしかったり。
凄腕スリ師のコンスタンスは文字通り本当に凄腕かつ楽しいキャラだったし。
リアーナ演じるハッカーのナインボールもクールでカッコ良いキャラだったし。
少ししか出ていませんでしたがナインボールの妹ちゃんも良い味出していました。
あとは、宝石を偽造するアミータやマルチキャラのタミー。
そしてアン・ハサウェイ演じるダフネ。
みんなしっかりと活躍してくれて楽しかったですよ。
アン・ハサウェイはやっぱり美人さんですねぇなんて改めて思いました。
とにかく各キャラにしっかりと見せ場も作っていたし、チームプレイも健在だったし、
普通のやり取りを見ているだけでもとっても楽しかったです。
お話や演出、展開について。
正直、お話自体はお約束的な流れで。
いかにオーシャンズチームのカッコ良さを伝えるための作品なので、
そこにハラハラドキドキはそこまでなくって。
お話についても特にシリアスな流れもなくって、クールでスタイリッシュで、
というような感じ。
ただ、それを観ていて飽きが来るかといえばそうでもなくって、
「そうそう!!これこれ〜〜〜!!!!」
って感じ。
あいつがチームに加入するのも何となくよめたし、あいつがきっと
犯人に仕立て上げるんだろうなぁなんて思っていたらまさにその流れだったし。
というか別にそんなに隠すつもりもなくって、敢えてわかりやすく作って、
スカッと仕上げる事に重視したんでしょうね。
僕的にはとっても楽しめました!!
とにもかくにも。
僕的にはそのスタイリッシュさ、クールさ、そして女性たちのキュートさと
カッコ良さを十分に堪能。
下手すりゃシリーズで一番好きかも。
続編希望!!!!
≪点数≫
8点
(18.08.29鑑賞)

満足ならクリック!!