fc2ブログ
 
■プロフィール

ゆず豆

Author:ゆず豆
映画のレビューをつらつらと・・・。

■最新記事
■最新コメント
■最新トラックバック
■月別アーカイブ

■カテゴリ
■カウンター

■検索フォーム

■RSSリンクの表示
■リンク
■ブロとも申請フォーム
■QRコード

QR

No.1517 『三度目の殺人』
No1517 『三度目の殺人』

2017年制作 邦
監督:是枝 裕和

≪キャッチコピー≫
『犯人は捕まった。真実は逃げつづけた。』

≪ストーリー≫
勝つことを第一目標に掲げる弁護士の重盛(福山雅治)は、殺人の前科がある三隅(役所広司)の弁護を渋々引き受ける。クビになった工場の社長を手にかけ、さらに死体に火を付けた容疑で起訴され犯行も自供しており、ほぼ死刑が確定しているような裁判だった。しかし、三隅と顔を合わせるうちに重盛の考えは変化していく。三隅の犯行動機への疑念を一つ一つひもとく重盛だったが……。

≪感想≫
歩いても 歩いても」「奇跡」の是枝裕和監督作品。
海街diary」「そして父になる」なんて作品もありました。
「海街〜」は大好きな作品です。
そして今年、最新作の「万引き家族」はカンヌ映画祭にて最高賞のパルム・ドールを受賞。
未見ですがいずれ必ず。

さてさて。

僕的に是枝監督の作品は現代社会の問題をドキュメンタリックな撮り方でドラマティックに
映し出しているという印象。
特にこれまた未見ですが「誰も知らない」という作品や「そして父になる」がそうでした。
「海街〜」や「奇跡」はちょっと違いますが。

先日「午後8時の訪問者」という作品を観た時に感じたのが、その作品の監督であるダルデンヌ兄弟の
作風と少し近しいものがあるんじゃないかと感じています。

本作についてもそんな感じの作風で。
弁護士の福山雅治が殺人事件の容疑者である役所広司の冤罪を晴らすために奮闘するっつーお話。
出演は福山雅治、役所広司、広瀬すずらスーパースター級がずらり。
人気キャストを揃えつつズシリと重いサスペンス作品に仕上がっていました。

ただ、最後の最後まで綺麗に着地せず、鑑賞後もモヤモヤと残る終わり方で。
物語に重きを置かずに、そこに見え隠れするメッセージをどう受け取って、それを
どう持ち帰るか的な。

う〜〜〜〜〜ん、もやもやもやもや。

例えば、司法制度について。
本作では、司法制度、死刑制度についての問題が見え隠れ。
裁判官、弁護士、検事がそれぞれの事情を忖度して、なんとなく一つのゴールへ向かっていく。
本作のそれは少し極端に描かれていたように見受けられましたが、結構ゾッとしたな。
それなら、何が正解で、何が間違いなのか。
本当にそんなやり方でそれこそ、本作でも何度も出ていたキーワード「裁く」ことを
今の司法制度で行っていいのかってね。

ただ、一方で僕的にはやっぱり何か事件があった際にはどこかで
それが「悪」なのか「善」なのかを線引き、判断してくれる機関がなきゃ
いけないと思うんです。
もちろん、それが本当に正しいのかは分かんないのかもしれませんが。

う〜〜〜〜〜ん、もやもやもやもや。

演者について。
容疑者三隅を演じた役所広司さん。
怪演とはこの事で、供述もころころ二転三転するし、本当にこいつが殺したのか、
殺していないのか、最後の最後まで曲者感、不気味感を維持したまま終わっていく。
これは役所広司さんのまさしく「怪演」があったからこそ。
僕的に物語だけに特化して解釈すると、結局のところ、三隅は殺人を犯していたんだろうなぁと。
そして被害者の娘の咲江の証言も全て本当だったんだろうなぁと。
ただ、三隅は咲江のための殺人ではなくって、もっと色々な事情が重なってのことなんじゃないかなと。
もっというと三隅はサイコパスで、ある種本作での立ち位置は観るものや物語で
出会う人たちにとっての鏡的な存在だったのではと。
物語でも語られていた「器」のようなね。
この三隅というキャラクターを観ていて思い出したのが、韓国映画の
哭声/コクソン」の國村隼さんが演じた男。
あの作品もきっちりとした答えもなく、受け手がその存在をどう受け取るか的なお話でした。
この國村隼の怪演もとんでもなかった記憶があります。
本作の役所広司がその立ち位置だったかなぁと。

とにもかくにも。
もやもやが止まらない本作。
こうして感想を書いても全然まとまらないし、考えもまとまらない。
好きなのか嫌いなのかも分からない。
とても良い作品なのは間違い無いのですが、なんだか上手く立ち上がれないと言うか。

むむむ・・・もう少し考える時間をください(苦笑)

≪点数≫
  8点
                                           (18.08.14鑑賞)

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
満足ならクリック!!

スポンサーサイト



映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)