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No.1500 『プレシャス』
No1500 『プレシャス』

2009年制作 米
監督:リー・ダニエルズ

≪キャッチコピー≫
『プレシャス・ジョーンズ16歳。』

≪ストーリー≫
実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカー(マライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。

≪感想≫
ず・ず・ずぅ〜〜〜〜ん・・・。

とてつもなく重たくって沈んだ作品。

主役のプレシャスは母親から虐待を受けており、ロクな生活も
させてもらえていなくって。
物は投げつけられるは、家事はさせられるはまるで奴隷のような生活。
劣悪な生活環境なのでろくに教育も受けさせてもらえない始末。

まず、ここまででもズシリとくる内容。

観ているうちにさらなる事実が。
プレシャスには子供がいて、今も2人目を妊娠中。
しかも子供の父親はプレシャスの父親。
父親からも性的虐待を受けていたんです。

・・・・むむむ。

積み重なるヘビーな状況。

そして、極め付けはプレシャスがHIVに感染しているという事実が判明。

・・・なんでだよ・・・。

立て続けに知らされる過酷な運命。

とまぁ、こんな重たいお話ですが。
プレシャスを取り囲む善なるメンバーは良かったです。
例えば、プレシャスが学校を退学してフルースクールに通うことになるんですが、
そこの面々はとても気の良い奴らで。
恐らく、彼女たちも劣悪な環境の中で生活をしているんでしょう。
そんな感じも微塵にも感じさせずおバカでお下品な軽口トーク。
これが、結構、重たい雰囲気から少し軽くしてくれて、とても良い塩梅だったんです。
彼女たちも幸せになってほしいなぁ。

フリースクールの先生(ポーラ・パットン)や福祉課の相談員(マライア・キャリー)、
男性看護師(レニー・クラヴィッツ)も愛のある人たちでしたね。
特に福祉課の相談員は淡々とプレシャスを救うために、カウンセリングを進めていく。
この手の仕事の方は本当に大変だろうなぁと。

あとは、当の本人であるプレシャスの地力が素晴らしかった。
本能的な事なんでしょうが、嫌な事が起こると自然と楽しい妄想をして現実逃避をする。
これって、別に悪いことではなくって。
時にはそうやって逃げることも必要なんですよ。
特に彼女のような10代そこそこの子供が受け止められる現実じゃないんですもん。
周りの大人や人間が支えてあげればいいんです。
プレシャスの周りには幸いにもそういう人達がいたんだから。
自然と備わっているバランス感覚みたいなものが彼女にとっての
一筋の希望だったんじゃないかな。

クライマックス。
プレシャスの母親が、こうなるまでの経緯を涙ながらに語る。
ただ、やっぱり彼女が語る言葉は軽薄で許せるものではなくって。
もちろん、彼女にとってはとても辛くって耐えられないものなのかもしれない。
ただ、それがわが娘を傷つけて良いという理由にはならない。
むむむ・・・何ともモヤモヤするなぁ。

ラストはプレシャスが二人の子供と、母親の元から離れるという選択をして幕を閉じます。
そのエンディングは物凄い光が差し込む終わり方ではなくって。
ここまでの落とし方ならもっと上げても良いだろうと思うけどそうじゃなくって。
本当に1歩目をやっと踏み出したといった感じ。

彼女には素敵な未来が待っている事には間違いなくっても、
それでももっともっとより良い未来、幸せな未来に向かっていてほしいと切に願う。

とにもかくにも。

とんでもなく過酷で重たいお話。

描き方のせいか、観ているこっちまで沈みまくることはなかったかな。
こういう作品は色々と考えさせられるから、少し身構えてしまう。
だけど、やっぱり見逃してはいけないよねぇ。

≪点数≫
  7点
                                           (18.07.16鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)