2018-09-17 Mon

2017年制作 米
監督:ジョーダン・ピール
≪キャッチコピー≫
『何かがおかしい』
≪ストーリー≫
ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、週末に恋人の白人女性ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。歓待を受けるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚え、さらに庭を走り去る管理人や窓に映った自分を凝視する家政婦に驚かされる。翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で一人の黒人を見つける。古風な格好をした彼を撮影すると、相手は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り……。
≪感想≫※とんでもなく大きなネタバレあり
人種差別を描いたホラーサスペンス作品。
な・な・なんだ、この不気味な作品は!!
黒人男性と白人女性のカップルが、女性の実家に訪問。
そこで、不穏な空気に包まれるっつーお話。
大きなネタバレになりますが、ど直球の差別を描いた作品。
白人至上主義一族が黒人を連れて来ては洗脳していくというお話で・・・。
まず、全体的に流れる不気味な空気がすっごい生々しくって。
見せ方や音の演出で、すっごいヒリヒリ。
例えば、彼女(ローズ)の実家に帰る途中で、白人の警察官に尋問されるシーンがあるのですが、
この時点で白人の無意識下にある黒人への差別心がどんな感じなのかを知らしめる。
ここら辺は上手いんだけど不快だなぁって。
そして、ローズの実家に帰ると、そこにはやはり白人だけの世界みたいなものがあって。
黒人もいるんですが、二人の使用人だけ。
しかも、この二人の使用人。
何かおかしいんです!!
行動やら表情やらすっごい怖くって。
特にメイドのあの人は最後の最後まで怖かったぁ・・・。
これまた大オチのネタバレなんですが、ローズ一族は黒人の体を借りて、
精神の移植をしていて。
この事実を知った後に、メイドや使用人、乗っ取られていた黒人達の行動、
言動を考えるとぞっとしてね。
特にタイトルにもなっている
「ゲットアウト!!」
という言葉を発する青年がいたんですが、僕は最初、
「この場所から早く出ていくんだ!!」
的な意味かなぁと思っていたんですが、実は
「俺の体から出て行け!!」
っていう意味だったのかなぁと。
鑑賞後も色々思い返しては楽しい作品でした。
キャラでいうとローズの弟君も怖かったです。
さらにネタバレなんですが、オープニングの通り魔的なやつもこいつだったんですね。
あの表情とかこれまたぞぞぞっ・・・。
クライマックスのクリス(黒人)の無双っぷりも良かったな。
これまでしてきた白人達の黒人差別を見てきたから、クリスがそれぞれを
やっつけるシーンはちょっとスカッとした自分もいたり。
最後の着地も良かったし。
あのクリスのマブダチである、あいつの存在感も良かったな。
これぞ親友!!って感じが◎。
こんなに大げさではないかもしれませんが、アメリカでは今でも黒人差別は蔓延っているようで。
それを、エンターテイメントとして、ホラーとして、サスペンスとしてしっかりと味付けされていた良作。
派手なドッカンバッカン作品も大好きだけど、こういう低予算の巧みな作品も大好き!!
本作はアカデミー脚本賞を受賞したみたい。
前評判も良くって、期待を裏切ることのない大良作でした!!
≪点数≫
9点
(18.07.08鑑賞)

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