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No.1446 『デトロイト』
No1446 『デトロイト』

2017年制作 米
監督:キャスリン・ビグロー

≪キャッチコピー≫
『1967年、米史上最大級の暴動勃発。街が戦場と化すなかで起きた“戦慄の一夜”』

≪ストーリー≫
1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

≪感想≫
ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティー」のキャスリン・ビグロー監督最新作。

彼女の作品はとんでもなく重たい作品ばかり。
上記二作品とも戦争をテーマにした作品で、受け手に投げかけるテーマが
ズドンと降りかかる。
観終わったあと色々と考えさせられてもやもやしっぱなし。

そんなビグロー監督の本作のテーマは
1960年代に起こったデトロイト暴動のお話。

これまた実話に基づいたお話で。

いつの時代にもある白人による黒人への人種差別。
とても痛々しい歴史で誰もがおかしいと思っているはずなのに、
今でもその差別は無くならない。
白人警官が黒人を殺すという事件は最近でも耳にします。

そんな、人種差別をテーマにした本作。

時代は1967年。
デトロイトで権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。
街では黒人たちが暴徒化し警察は鎮圧に測る。
その流れでアルジェ・モーテルでは黒人たちが白人警官に不当な
取り調べを受けることになる。

僕的に、冒頭は白人だけが悪いようには見えなかったんですよね。
白人だ、黒人だと色分けするのではなく個人の性格、人間性が起こしている
事件なんじゃないかって。

例えば、不満を挙げる黒人の中には火炎瓶で街中を燃やしまくったり。

例えば、貧乏な黒人は暴動に紛れ商店から物を盗みまくったり。

例えば、このホテルに警察が乗り込んできたのは黒人のあいつがオモチャの拳銃で
警察を威嚇、イタズラしたからだし。

警察が犯人を捕まえるのも仕事の一環なので、
多少の尋問はしょうがないのかなって思ったり。

ただね・・・。

ここから徐々に浮き彫りになってくる白人の奥底に眠る黒人差別。
言葉の節々、行動の所々に現れる差別意識。
観ていてとても痛々しくて目を背けたくなる。
特に中盤の尋問、拷問のシーンは、圧倒的リアリティで、しかも長尺。
これぞキャスリン・ビグロー印のとてつもないド直球。

ふぅ〜〜〜・・・。

警官のクラウス。
こいつがまた最低な野郎で。
周りの白人はまだ埋め込まれた黒人差別をにじませながら行動しているんだけど、
クラウスだけは、この差別心プラス人間の汚い部分や欲やらを前面に出した
行動に走る。
中盤の黒人への対応や終盤の言動や対応。
差別とも違う悪い「人間」としての行動には本当に反吐が出ました。
こいつに関しては、差別の怖さと人間の怖さを思い知らされましたよ。

ホテルの事件が一度落ち着いた頃。
ここから、今度は社会、法が黒人への差別があることを知らしめる。
ここまでくると黒人への差別というテーマが剥き出しの状態に。
まず、事件現場で白人警官と黒人容疑者たちの間に立つガードマン・ディスミュークス。
彼は、なんとかその場を収めようと色々と行動を起こしていくが、あの結果に。
そして、今度は彼がまさか事件の容疑者として捕まってしまう。
観ているこっちは1mmも彼が悪いことをしていないのは知っているので、
あまりにも理不尽な結果に悔しさを拭うことができない。
彼が警察に尋問され始めるシーンは、本当にゾッとしましたよ。
その後、司法の場にて繰り広げられる白人警官の起こした事件に対する論争。
繰り返し述べられる事件の実情。
そこで起こった数々の仕打ちの証言に、思い出されるあの悲劇。
決定的な証拠として、白人警官二人の「自供」が挙げられるも証拠不十分で
まさかの無罪。
そこに残される「憤った想い」。

ズシリと胸に残る不条理感。

こういう事実が繰り返し起こる社会。

なぜなくならないのでしょうか。

そしてなぜ、さらに加速するような社会に走ってしまうのでしょうか。

キャスリン・ビグローはこの間違った方向に走る社会に対して痛烈なメッセージを投げかける。
どう変わるのかは受け手次第。
より良い世界にしていかなくちゃなぁ。

そうそう。

本作は演じた方達も素晴らしかったですね。

最低最悪な白人警官を演じたウィル・ポールター。
どこかで見たことあるなぁと思ったら「レヴェナント:蘇えりし者」に出演していましたね。
この損な役どころを見事に演じられていました。

そして僕的MVPはディスミュークスを演じたジョン・ボイエガ。
彼は本当に素晴らしかった。
白人側と黒人側の間に立つ彼が、後々、やはり黒人としての迫害を受ける時、
震える体と絶望的な表情。
観ているこっちも本当に怖くなって震えてしまいましたよ。

他のキャストも素晴らしく好演されていました。

演出の素晴らしさも相まって、圧倒的なリアリティでグサリと突き刺さる作品に。

演出でいうとカメラワークも緊張感が溢れていて素晴らしかったなぁ。
手持ちカメラっぽいブレッブレなカメラが逆に臨場感があってこれまた、怖くって怖くって。

そして音。
全体的に乾いた音が鳴り響いていて、ディスミークスが警察に連行されて尋問されるシーンでの
あのキーーーーンってうっすらなり続ける不快な音の演出はすごかったです。

とにもかくにも。

いつもズシリと重い余韻を残してくれるビグロー作品。
さぁ、これからまた色々と考え続けることになるんだろうなぁ。

観たくないんだけど観なくちゃいけない作品。

素晴らしい社会派映画でした。

≪点数≫
  9点
                                           (18.02.01鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)

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