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No.1454 『ブラックパンサー』
No1454 『ブラックパンサー』

2018年制作 米
監督:ライアン・クーグラー

≪キャッチコピー≫
『国王として守るか?
ヒーローとして戦うか?』

≪ストーリー≫
アフリカの秘境にあるワカンダで産出される鉱石ヴィブラニウムは、全てを破壊してしまうほどのパワーを持つ。歴代の王は、悪用されないように鉱石の存在を極秘にしていた。若くして王になったティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、謎の男エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)がワカンダに潜入しようとしていることを知り……。

≪感想≫
大大大好きMCUシリーズ最新作。
本作でもう18作目かぁ・・・。
もちろん全部鑑賞しているし最近はなるべく映画館で鑑賞する
ようにしています。
シリーズが進むにつれてひたすら楽しくなっている印象。

今作の主人公はブラックパンサー。
以前、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」にも出ていましたね。
かなり動けるキャラクターでとても楽しみにしてました。

さてさて。

いやぁ、やっぱり楽しいMCU!!!!
本作も十分に堪能させて頂きました!!!!

キャラがまず最高。
主役はブラックパンサー。
先に書いた通りめちゃくちゃ動けてカッコいい!!
ブラックパンサーはアフリカンヒーローなのでそもそもが動ける雰囲気ビンビンで。
身体能力を活かしたルックなんです。
例えばアイアンマンはいかにもメカメカしいフォルムなんですが、
本作のブラックパンサーはシンプルなタイツっぽいスマートなスーツで、
これがまたクールでカッコ良いんですよね。
しかも、ワカンダ王国の技術は凄いので性能も素晴らしくって。
受けたダメージを蓄積させて一気に爆ぜる!!
これもまた見ていて気持ちよかったんですよね。
素敵でした。

本作は女性キャラも際立っていました。
最近のアメコミ映画は女性キャラもカッコ良いですよね。
例えば「マイティ・ソー バトルロイヤル」のヴァルキリーとか。
例えば「アベンジャーズ」のブラックウィドウとか。
DCシリーズの「ワンダー・ウーマン」もそうですね。
本作では僕的には二人の素敵な女性キャラが。
一人は、先に挙げたブラックパンサー(ティ・チャラ)の妹であシュリ。
彼女はメカニック担当なんですが、彼女が創作、制作する武具やメカが、
メチャクチャカッコ良くってね。
あのダブルアーム型の武器とか最高!!
見応えたっぷりでしたよ。
彼女は下手すりゃアイアンマンことトニー・スタークより技術力はあるんじゃないかな。
今後も楽しみなキャラクターです。
彼女に関してはルックもキュートで愛くるしかったな。

そしてもう一人の素敵な女性キャラ、戦士オコエ。
彼女の無双っぷりは半端なく観ていてとっても気持ち良かったです。
もっと活躍させて欲しかったなぁ・・・。

アクションについて。
相変わらずのMCU印満載だったんですが、ライマックスに関しては
もう少し派手に見せてくれても良かったなぁと思ったりしました。
ただ、中盤の韓国でのカーアクションシーンは素晴らしかったです。
あそこだけ何回でも観たいなって。

ブラックパンサーのアクションももっと観たかったかな。
まぁそれなりに満足できたので良しとしましょう。

お話について。
結構、スタンダードなメッセージが盛り込まれたお話。
国や人種だけで考えるのではなくこれからは、地球全体で考えよう的な。
これは、今後のアベンジャーズシリーズにつながるメッセージでもあるのかも
しれませんね。

音楽や世界観もクールでした。
本作はワカンダ王国という国が舞台なのですが、アフリカの奥地の国ということで、
アフリカンな音楽や演出の数々。
あの部族的な儀式も不思議体験で良かったし。

あと、このMCUシリーズはシリアス路線になりすぎないところが大好き。
上手くギャグとかを織り交ぜて、それでも魅せる所はバシッと魅せる。
ここ数作はそういう路線になっているんじゃないかな。

いつまでたっても飽きさせないMCU。

本作も十分に堪能させて頂きました!!!!

さぁ、次はいよいよアベンジャーズの新作!!!!
期待で胸が膨らむ膨らむ。
楽しみで仕方ありません!!

絶対映画館で観るんだい!!!!

≪点数≫
  8点
                                           (18.03.03鑑賞)
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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
No.1453 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
No1453 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

2017年制作 邦
監督:石井 裕也

≪キャッチコピー≫
『透明にならなくては息もできないこの街で、きみを見つけた。』

≪ストーリー≫
2017年東京。看護師の美香(石橋静河)は病院に勤める傍ら夜はガールズバーで働き、漠然とした不安や孤独の中で日々過ごしていた。一方、工事現場での日雇い仕事に従事する慎二(池松壮亮)は、常に死の気配を感じながらも何とか希望を見いだそうとしていた。排他的な都会で生きづらさを抱えつつも、懸命に生きるすべを模索する二人が出会い……。

≪感想≫
原作は最果タヒさんの同名詩集。
詩集が原作なのでストーリー自体はオリジナルなのかな。
監督は「船を編む」「川の底からこんにちは」等の石井裕也監督。
どちらも好きな作品です。

さてさて。

心にじわりと幸せが滲んでくる良作でした。

生い立ちや環境のせいで、日々に不安を抱えている二人の男女が、徐々に
近づいて惹かれ合うと言うお話。

何といっても主役の二人が素晴らしかった。

特に美香を演じた石橋静河さんがとんでもなく素晴らしかった!!!!
めちゃくちゃ美人さんと言う訳ではないのですが、佇まいが凄い素敵で。
本作のキャラクターは世の中を斜めから見て不安だらけの感情を、見ないふりをして強がる。
その辺の繊細な感情を見事に演じられていて。
何でしょう、この応援したくなる感じ。

一方の慎二も良かったですね。
演じたのは池松壮亮くん。
彼はこの手のキャラクターを演じると安定の素晴らしさ。
影のある佇まいとか、ちょっと何を考えているのかわからない感がプンプンしていて
良かったです。

この二人が本当に徐々に近づいていく過程がまた良い感じで。
しかも、本作は詩集を基に作られているので、言葉や演出もどこかポエティックで。
ちょっと難解なんだけど、分からせたい部分はとても直球。
ラストシーンは本当に素晴らしかったな。

どんなにつまらくっても、くだらなくっても、悲しくっても、腹立たしくっても、
生きていると良い事が起こるかもしれない。
とてつもない悪い予感がしても。
とてつもない良い予感がしても。
この二人を見ているととても応援したくなるし、まだまだ生きる事に希望を
感じる事ができたというか。

周りのキャラや環境を観ていると、重たく感じそうな作品なのに、
どこか希望を感じる作品。

おススメです!!

≪点数≫
  7点
                                           (18.02.25鑑賞)


こちら原作。
詩集なんて読んだことないかも・・・。

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No.1452 『君の膵臓をたべたい』
No1452 『君の膵臓をたべたい』

2017年制作 邦
監督:月川 翔

≪キャッチコピー≫
『ラスト、きっとこのタイトルに涙する。』

≪ストーリー≫
高校の同級生・山内桜良(浜辺美波)がひそかにつづる闘病日記「共病文庫」を偶然見つけた僕(北村匠海)は、彼女が膵臓(すいぞう)の病気で余命わずかなことを知り、一緒に過ごすようになる。彼女の言葉をきっかけに母校の教師となった僕(小栗旬)は、桜良が亡くなってから12年後、教え子と会話をしていた際に、桜良と過ごした数か月を思い出す。一方、結婚を控えた桜良の親友・恭子(北川景子)も、桜良との日々を思い返し……。

≪感想≫
住野よる氏の人気小説を実写化。
原作は未読ですがめちゃくちゃ良い評判を聞いていて。
テレビでも芸能人の方が紹介しては「感動した」とか
「目玉がもげるほど号泣した」との感想を述べていました。

原作に興味はあったのですが、なかなかこの手の作品とは縁遠くって。
イメージ的に「世界の中心で愛を叫ぶ」的な。
確実に泣かせにきている作品ってちょっと身構えてしまうんですよね。

そんなこんなで原作は未読。
実写版の本作もスルーしようと思っていたら。

なんと、まさかの職場の同僚からのご推薦。
その方はいつも変った映画を見つけては僕に推薦してくれる方で、
これまでも「ペット 檻の中の乙女」やら「エミリー 悪夢のベビーシッター」やら
マイナーな作品を推薦してくれて。
それが、今回はまさかの王道作品。
これはと思い、さっそくレンタルしてまいりました。

さてさて・・・。

なるほど、澄んだ作品ですなぁ・・・。

不純物を全て取っ払ったような作品。
先日「ケンとカズ」という、アンダーグラウンドで蠢く人間を描いた作品を
観たからか、本作とのギャップがえげつなくって(苦笑)

登場人物について。
主人公の男の子「僕」と病にかかって余命いくばくもない少女・桜良。
この二人がまた純粋でひたむき。
正反対の性格の二人が惹かれあうのは当然っちゃあ当然。

ただ、本作は、二人の恋愛話と思いきや、どちらかというと「生きる」事に対しての
お話だったのかなと。
「死」は不意に訪れる。
「今」を誠実に生きる事が人生を豊かにする。
人との繋がりが人生に彩りを与える。
二人の生き方、想いを観ていてそんな事思いましたよ。

本作の構成ですが、大人部分と高校生時代とを上手に入り混じった作りにしていて。
特徴的だったのが、高校生時代のシーンについて。
基本的には桜良と「僕」、そして周りの人物も高校生ばっかりで大人があまり
見受けられなかったような。
そこが先に書いた不純物を除いたという感想に。
主役級の2人に濁りがないため、とても綺麗に見えたんです。
その交流が初々しくって、途中、あれ?この子たちって中学生ぐらいだっけか??と思っちゃうくらい。

もちろん引っかかる部分も無かった訳ではなくって。
桜良が死にいたる原因になった通り魔の被害を受ける件はやっぱり、唐突過ぎるなって思ったし。
桜良が死んで十数年も「僕」は成長できていないんじゃないかって思ったし。
だって、桜良との交流や死をきっかけに「僕」は成長していたと思うんです。
それが、大人になってからの「僕」はあまり成長しているように見えなかったんですよね。
そこは少し引っかかったかな。

とにかく無垢な世界の無垢な二人の澄んだお話といった感想。
リアルとは程遠い作品ですが、こういうまっすぐな「清い事」を訴える作品も悪くないなと。

原作本も興味あるので読んでみようと思います!!

≪点数≫
  7点
                                           (18.02.24鑑賞)


こちら原作。
いずれ必ず。

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No.1451 『ケンとカズ』
No1451 『ケンとカズ』

2016年制作 邦
監督:小路 紘史

≪キャッチコピー≫
『ここから這い上がんだよ――。』

≪ストーリー≫
ケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克哉)は自動車修理工場で働きながら、裏では覚せい剤の取引をしていた。ケンは恋人の早紀が身ごもっており、彼女と生まれてくる子供のために人生をやり直そうと考えていた。一方、カズは母親のことで問題を抱えていた。カズは密売ルートを増やすべく、敵対グループと手を組もうと画策するも……。

≪感想≫
主人公のケンとカズ。
二人は覚醒剤を売りさばいて金儲けをしていた。
ケンは彼女の妊娠をきっかけに足を洗おうと考えるが
一方のカズは金の為にさらなる危険な事に足を踏み入れようとしていた・・・。

ひりひりひり・・・。

重くて痛々しい作品でした。

アンダーグラウンドな世界。
「うわ、これ今もどこかでこんな奴らが蠢いているんだろうなぁ・・・」
って。

例えば、時折僕らの前に流れる信じがたいニュース。
そこの延長線上に本作のような奴らがいるんだろうなぁって思ったり。
とにかくこの画面の奥の事はとても現実的に感じました。

その理由として・・・。
何しろ登場人物全員の顔が良かった!!
例えば、似たような作品で「ディストラクション・ベイビーズ」と言う映画がありました。
あれもならず者ばっかりの作品で主人公の男は、誰彼構わず喧嘩を売っては、
止まらない暴力の連鎖を生み出していたお話しで。
ただ、その主人公の男を演じたのが俳優・柳楽優弥さん。
これがまた華のあるお方でねぇ・・・。
怖いんだけど、カッコいいと言うか。
とにかく圧倒的オーラを纏っていたんですよね。

本作の役者陣は良い意味でやさぐれ感、素人っぽさの残る方々ばかり。
だからこそ、身近に感じてひりつく緊張感が伝わる。
ケンとカズはもちろんのこと、二人の舎弟分であるテル。
二人の先輩のヤクザの東堂さん、そして東堂さんにいつもついているアイツ。
それぞれが、身近にいそうで素晴らしかったです。

う〜〜〜〜ん、ちょっと昔話になりますが、僕の中学校はやんちゃな奴らが多くって。
その時代の同級生たちを思い出すと言うか。
本作の彼らはある程度若者になっているのですが、僕の同級生たちも
更生していなければ、彼らのようになっているんだろうなぁ、いや、むしろ
ここに写っているのは、あいつらか!?なんて思ったり・・・(苦笑)

とにかく本作で演じている役者さんたちはもれなく素晴らしかったです。
カズのあの小生意気で憎たらしい顔面。
テルの舎弟感丸出しの顔面。
藤堂さんの怒らせたら取り返しのつかないがつかない顔面。
藤堂さんの部下のアイツのあの無表情で威圧感がハンパ無い顔面。
全て◎!!!!

お話も良かった。
あの引き返す事の出来ない感情と行動。
アンダーグラウンドの悪の道に進んでしまうと、引き返すことができないぜ的な。
物語の着地の仕方もけして光が差し込まない終わり方。
ただ、彼らの中だけには光は差し込んでいるような。
不格好で苦々しく、少しだけせつないような。

本作はバイオレンス描写もたっくさん。
喧嘩シーンではひたすらぼっこぼこに殴るシーンやその後の、
面構えもまた痛々しくってね。
これもまたリアリティ抜群で良かったです。

全体的に暗い作品なんだけど絶え間ない緊張感。
ひりひりと擦り減っていく神経。

おそらく低予算でつくられたであろう本作。
邦画の良い所を存分に出した良作でした。

≪点数≫
  8点
                                           (18.02.22鑑賞)

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No.1450 『スウィート17モンスター』
No1450 『スウィート17モンスター』

2016年制作 米
監督:ケリー・フレモン・クレイグ

≪キャッチコピー≫
『誰もがこじらせて
     大人になった』

≪ストーリー≫
恋愛に関する妄想を膨らませては何かと騒動を起こし、情緒不安定気味の母親(キーラ・セジウィック)や教師のブルーナー(ウディ・ハレルソン)らを翻弄(ほんろう)している高校生ネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)。親友クリスタ(ヘイリー・ルー・リチャードソン)と一緒にいるときだけ安らげると思っていたが、彼女が人気者でエリートの兄ダリアン(ブレイク・ジェナー)と恋仲になり……。

≪感想≫
イッタいイタい青春ガールズムービー。

17歳の女子高生のネイディーン。
子供の頃から周りと馴染めず、陰々鬱々な日々。
ある日、唯一の親友で心の拠り所のクリスタが反りの合わない
兄貴と寝ているのを見つけてしまい・・・。

イタタタタ・・・。
痛いよう。
若人特有の世界は自分中心に回っている感が半端ない。
悪いのは自分のこじらせた考え方なのに、あたかもそれを分かってくれない
周りのせいにして。

観ているこっちはいいオジさんになっているので、ネイディーンを見ていて
「いやいや、それはさすがにダメでしょ!!」
「いやいや、そりゃそうなるよ・・・(号泣)」
なんて呆れながら思ったり。

ただね・・・。

僕も若かりし頃、それこそ10代後半の頃はこんな感じだったよなぁって。
僕もみんなの人気者タイプではないし、どちらかというと、そういう人たちを
羨ましいなぁなんて思っているのに、それを隠すために
「けっ!!あんなチャラい生き方は硬派じゃないぜ!!」
なんて思っていたし(苦笑)
もしかしたら、今も少しこじらせ気味っちゃあこじらせ気味だし(再苦笑)
そんなダメダメ女子高生を見ながら、痛みを感じながらおじさんは鑑賞。

そんなダメダメ女子も最後の最後では成長する。

これまでは、自分のことばっかり考えてたネイディーン。
色々とおイタを経験して、自分を受け入れ家族を受け入れ、自分だけの世界じゃないことを知る。
やっぱりこの頃特有のイタさの修正って経験がそうさせるんですよね。
この時代にどういう経験をしているのかが、大人になっての人間力に差が
出てくるのかなぁって、ふと思いました。

ネイディーンを演じたのは「トゥルー・グリッド」で凛とした逞しい少女を演じた、
ヘイリー・スタインフェルドさん。
以前観た良作「はじまりのうた」にも出ていましたね。

とても大好きな女優さんの一人です。

本作でも、イッタいイタい女子を見事に演じていました。
内容もそうですが、本作を観ているとエレン・ペイジ主演の
JUNO/ジュノ」を思い出したり。
顔の感じとかも似てるんだよなぁ。

とにもかくにも。

とても大満足の一作。

本作はおそらく女子が観て楽しい作品かもね。
10代、20代、30代、40代と様々な世代が観てどう感じるか感想を聞いてみたい。
共感なのか、反発なのか、今の自分、過去の自分に投影しながら
ニヤニヤチクチク。

オススメです!!

≪点数≫
  8点
                                           (18.02.18鑑賞)

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No.1449 『お嬢さん』
No1449 『お嬢さん』

2016年制作 韓
監督:パク・チャヌク

≪キャッチコピー≫
『幕が上がったら最後、あなたはもう、
     極限の騙し合いから逃げられない――』

≪ストーリー≫
日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。

≪感想≫
韓国映画。

昨年、本作を含めて3作品の韓国映画が話題になって。
「アシュラ」と「哭声/コクソン」と本作。
全て毛色が違うけどとても評判が良くって。

僕も前2作品は鑑賞。

どちらも素晴らしい出来栄えで、韓国映画の良さを再確認。

そして、満を持して最後の1作である本作を観ることに・・・。

さてさて。

これまた素晴らしい作品ですねぇ・・・。

まず、物語の描き方が素晴らしい。
本作は3部構成で成り立っていて。
1部は侍女目線。
2部はお嬢さん目線。
3部は総括。
1部の終わりに、ある真実が写し出される。
その衝撃に目が離せなくなる。
そして2部で1部のおさらいをしながらタネ明かし。
1部の終わり方が腹たつ終わり方だったのでぐぬぬと思いながら鑑賞していると、
また最後に1展開あって。
この物語が2転3転していくのがとても楽しくってね。
描いている内容はドロッと官能的なんですが、この描き方は飽きることなく鑑賞することができました。

次に世界観。
本作の舞台は韓国なんですが、登場人物たちはカタコトの日本語を使って
会話を織りなしていて。
ミステリ調の内容と相まって、この微妙に伝わる日本語がまた観ているこっちの
頭をフル回転させてくれて。
これがまた、とても素晴らしかったなぁと。

次にエロス。
本作はR18作品ともあって過激な性描写がたっぷりあって。
女性同士のラブシーンはとても官能的で美しくって儚かったです。
本作は女性が観ても良いのではと思ったりね。

本作で登場する男どもはクズばっかり。
お金のためにお嬢さんと侍女を騙そうとする伯爵。
お嬢さんを奴隷的に扱う屋敷の主人。
こいつらの行動は本当にゲスくてクズで最低最悪の男ども。
女はその支配から抜け出すための物語を紡ぐ。

とにもかくにも。

噂に違わぬ素晴らしい作品。

やはり韓国映画は侮りがたし!!!!

≪点数≫
  8点
                                           (18.02.11鑑賞)

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No.1448 『珍遊記』
No1448 『珍遊記』

2016年制作 邦
監督:山口 雄大

≪キャッチコピー≫
『絶対に観ろ!バカヤローッ!!!』

≪ストーリー≫
天竺へと旅をしていた僧侶の玄奘(倉科カナ)は、たまたま寄った家の老夫婦から妖力で悪さをする不良息子・山田太郎(ピエール瀧)の更生を頼まれる。玄奘は、宝珠を駆使し妖力を封印することに成功。さらに、玄奘は力を失った太郎(松山ケンイチ)を引き取り、旅に同行させることに。道中さまざまな騒動を巻き起こす太郎は……。

≪感想≫
本作の原作は漫☆画太郎先生の人気漫画。
この原作はその昔、少年ジャンプで連載されていて、僕もめちゃくちゃハマって
読んでいました。
単行本も集めていたくらい。
もっと言うと、僕の携帯のラインスタンプはこの珍遊記を購入して使っていまして。
唯一、お金を使ってゲットしたのはこのスタンプだけと言うくらい好きな作品。
はっきりいって中身も何もあったもんじゃないんだけど、あのくだらなさと
ギャップが半端ないヘタウマな絵が最高なんですよね。
とにかく大好きな作品です。

そんな大好きな作品がまさかの実写化。

このテイストは実写にすることは到底難しいのではと思いつつ、
楽しみにしておりました。

さてさて。

う〜〜〜ん、悪い意味で予想通りのダメ映画でした・・・。

まずは良かったところ。

主役二人は良かったです。
山田太郎に関しては、正直なところもう少し子供だと良かったのになぁと
思いましたが、それでも松山ケンイチさんは違和感なく楽しく演じられていました。
玄奘を演じた倉科カナさんもまぁ、違和感はなかったかな。
良かった所はこのくらい。

あとは、まぁまぁまぁ。

端的に言うとめちゃくちゃつまらなかったです。

まず、ギャグの一つ一つが笑えなかった。
間の問題なのか視覚的な問題なのか、とにかく面白くなかったんですよね。
原作の世界観に合わせているのはわかるので、怒りがこみ上げることはなかったんですが、
遠い目をしながら鑑賞していましたよ(苦笑)

本作は、お話なんてあってないようなもんだし、ギャグが笑えないとどうしようもないんですよねぇ・・・。

中盤、バトルシーンもあったので、そこも見せようによってはカッコよくいけそうだけど、
それをしてしまうと、ちょっと世界観が崩れてしまうのか、少しお笑いに走っていて。

この手の作品で思い出したのが、チャウ・シンチーの「西遊記~はじまりのはじまり~」とか「カンフー・ハッスル」とか。
あれもギャグテイストをふんだんに盛り込んだ作品なんだけど、魅せる所はしっかりとしていて
観ていてメチャクチャ気持ちが良いんですよね。
あんな感じで作っても良かったのになぁって。
中国っぽい世界観も似ているし。

漫画で読むとすっごい楽しいんですけどねぇ。

この作品は実写ではなくアニメ向けなのかも・・・。

とんでもなく好きな作品なのでアニメ化を希望します!!!!

≪点数≫
  3点
                                           (18.02.10鑑賞)


こちら原作。
大好きすぎる・・・。

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No.1447 『ドラゴン×マッハ!』
No1447 『ドラゴン×マッハ!』

2015年制作 香港/中
監督:ソイ・チェン

≪キャッチコピー≫
『ピンチが生んだ最高の相棒(バディ)!』

≪ストーリー≫
香港の臓器売買について調査していた捜査官チーキット(ウー・ジン)は素性がばれ、タイの刑務所に送り込まれてしまう。指揮官のチャン刑事(サイモン・ヤム)がチーキットの行方を捜す一方、臓器売買の拠点である刑務所の所長(マックス・チャン)はチーキットに暴行を繰り返していた。見て見ぬ振りをするしかない看守チャイ(トニー・ジャー)だったが、チーキットが難病を患う娘の適合ドナーだとわかり、彼を救おうとする。

≪感想≫
以前観た「SPL/狼よ静かに死ね」の続編と謳われた本作。

前作は大好きドニー・イェン兄貴とサモ・ハン・キンポー御大の共演作と言うことで
楽しく鑑賞させていただきました。
お話は重たいものの、とにかくアクションがカッコ良かったんですよね。
大好きドニー兄貴も素敵でしたし。

そんな大好きな作品の続編となる本作。

・・・あれ?

これって本当に続・・・編???

お話自体は全く関係ない作品に仕上がっておりました。
前作から引き続き出演する役者さんもたくさんいたのですが、全く別人としての
登場だったし。
前作と別物として観ても問題ないくらい、全く関係ないお話に仕上がっておりました。

とはいえ・・・。

お話の作りや世界観は前作を引き継いでたような。

重たいお話。
大きな悪に立ち向かう男たちも少しの悪を背負い哀しみを背負う。

冒頭は正直、アクションも少ないし、どんよりしたお話が続いていたので、
ちょっとこれはつまらないかもなぁ・・・なんて思いながら鑑賞。

それが終盤に連れて・・・。

色んな男たちの背景や役割が繋がっていって・・・クライマックスの大立ち回り!!!!

そして最後の着地。

前作と打って変わっての希望の光が差し込む終わり方。

素晴らしい!!

お話で言えば本作の方が好きかも。

そしてアクションについて。
本作も素晴らしいアクションの数々。
本作では主演は前作で敵として現れたウー・ジンと「マッハ!!!!!!!!」シリーズの主演を
務めるタイのアクション俳優の第一人者トニー・ジャー。
どちらもメチャクチャ動けてカッコいい!!
ウー・ジンは前作では青龍刀的な武器を使ってバトルを繰り広げていましたが、本作では
トンファーと拳のみで敵をバッタバッタとなぎ倒す。
そしてトニー・ジャーは相変わらずの最強ムエタイ使い!!
先にも少し書きましたが、序盤中盤まではお話重視で結構テンション的には停滞していたんですよね。
それがまずは中盤の刑務所内での大乱闘シーン。
そこで少しテンションが上がって、クライマックスの大バトルシーンでテンションガン上がり!!
上記二人のアクションが素晴らしくって。
ただ、それには二人の相手をする素晴らしい敵役がいてこそ。

本作の素晴らしい敵は二人いて。
まずは、ナイフ使いの殺し屋っぽい男。
こいつのナイフさばきがメチャクチャカッコ良かったんですよね。
淡々と粛々と相手を殺しまくるマシーンっぷりがなんとも恐ろしくって。
闇医者の所に襲撃する所はなんてしびれましたよ。
前作のウー・ジンの役回りと一緒かな。

そしてボスキャラ的存在のマックス・チャンというお方。
こいつがまたとにかく強くって。
彼の動きだけありえないほど俊敏で無敵感たっぷり。
いくらなんでも感がありありでしたが、あのいつでも余裕フェイスも含めて魅力的な
佇まい。

クライマックスのトニー・ジャー+ウー・ジンVSマックス・チャンのバトルは
緊張感たっぷりで本当に素晴らしかったです。

このシーンが観れただけでも御の字でしょう!!!!

とにかく見応えたっぷり、緊張感たっぷりの名アクションシーンでした。

キャラでいうと、前作でも登場したサイモン・ヤム。
彼はルックがまず渋くって、男衆たっぷりの哀愁漂う佇まいなので、
アクション担当ではなくお話担当って所かな。
彼も素晴らしい役割を担っておりました。

あとは大ボスのアイツ。
自分の心臓の病気を治すために血の繋がった弟の命を奪おうとする。
極悪非道なんだけど、彼も病弱なルックスだったのでこれまた哀愁漂う佇まい。
クライマックスもちょっと物悲しかったですね。

とにもかくにも。

アクションはもちろんのこと、お話も素晴らしかった本作。

もう少し序盤を短めにしても良い気もするけど、いやいや大満足の一作。

前作に引き続き十分に堪能させていただきました!!!!

≪点数≫
  8点
                                           (18.02.04鑑賞)

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No.1446 『デトロイト』
No1446 『デトロイト』

2017年制作 米
監督:キャスリン・ビグロー

≪キャッチコピー≫
『1967年、米史上最大級の暴動勃発。街が戦場と化すなかで起きた“戦慄の一夜”』

≪ストーリー≫
1967年の夏、アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生し、街が騒乱状態となる。2日目の夜、州兵集結地の付近で銃声が鳴り響いたという通報が入る。デトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元警備隊は、捜査のためにアルジェ・モーテルの別館に入る。数人の警官が、モーテルの宿泊客相手に捜査手順を無視した尋問を開始。自白を強要された宿泊客たちは……。

≪感想≫
ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティー」のキャスリン・ビグロー監督最新作。

彼女の作品はとんでもなく重たい作品ばかり。
上記二作品とも戦争をテーマにした作品で、受け手に投げかけるテーマが
ズドンと降りかかる。
観終わったあと色々と考えさせられてもやもやしっぱなし。

そんなビグロー監督の本作のテーマは
1960年代に起こったデトロイト暴動のお話。

これまた実話に基づいたお話で。

いつの時代にもある白人による黒人への人種差別。
とても痛々しい歴史で誰もがおかしいと思っているはずなのに、
今でもその差別は無くならない。
白人警官が黒人を殺すという事件は最近でも耳にします。

そんな、人種差別をテーマにした本作。

時代は1967年。
デトロイトで権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。
街では黒人たちが暴徒化し警察は鎮圧に測る。
その流れでアルジェ・モーテルでは黒人たちが白人警官に不当な
取り調べを受けることになる。

僕的に、冒頭は白人だけが悪いようには見えなかったんですよね。
白人だ、黒人だと色分けするのではなく個人の性格、人間性が起こしている
事件なんじゃないかって。

例えば、不満を挙げる黒人の中には火炎瓶で街中を燃やしまくったり。

例えば、貧乏な黒人は暴動に紛れ商店から物を盗みまくったり。

例えば、このホテルに警察が乗り込んできたのは黒人のあいつがオモチャの拳銃で
警察を威嚇、イタズラしたからだし。

警察が犯人を捕まえるのも仕事の一環なので、
多少の尋問はしょうがないのかなって思ったり。

ただね・・・。

ここから徐々に浮き彫りになってくる白人の奥底に眠る黒人差別。
言葉の節々、行動の所々に現れる差別意識。
観ていてとても痛々しくて目を背けたくなる。
特に中盤の尋問、拷問のシーンは、圧倒的リアリティで、しかも長尺。
これぞキャスリン・ビグロー印のとてつもないド直球。

ふぅ〜〜〜・・・。

警官のクラウス。
こいつがまた最低な野郎で。
周りの白人はまだ埋め込まれた黒人差別をにじませながら行動しているんだけど、
クラウスだけは、この差別心プラス人間の汚い部分や欲やらを前面に出した
行動に走る。
中盤の黒人への対応や終盤の言動や対応。
差別とも違う悪い「人間」としての行動には本当に反吐が出ました。
こいつに関しては、差別の怖さと人間の怖さを思い知らされましたよ。

ホテルの事件が一度落ち着いた頃。
ここから、今度は社会、法が黒人への差別があることを知らしめる。
ここまでくると黒人への差別というテーマが剥き出しの状態に。
まず、事件現場で白人警官と黒人容疑者たちの間に立つガードマン・ディスミュークス。
彼は、なんとかその場を収めようと色々と行動を起こしていくが、あの結果に。
そして、今度は彼がまさか事件の容疑者として捕まってしまう。
観ているこっちは1mmも彼が悪いことをしていないのは知っているので、
あまりにも理不尽な結果に悔しさを拭うことができない。
彼が警察に尋問され始めるシーンは、本当にゾッとしましたよ。
その後、司法の場にて繰り広げられる白人警官の起こした事件に対する論争。
繰り返し述べられる事件の実情。
そこで起こった数々の仕打ちの証言に、思い出されるあの悲劇。
決定的な証拠として、白人警官二人の「自供」が挙げられるも証拠不十分で
まさかの無罪。
そこに残される「憤った想い」。

ズシリと胸に残る不条理感。

こういう事実が繰り返し起こる社会。

なぜなくならないのでしょうか。

そしてなぜ、さらに加速するような社会に走ってしまうのでしょうか。

キャスリン・ビグローはこの間違った方向に走る社会に対して痛烈なメッセージを投げかける。
どう変わるのかは受け手次第。
より良い世界にしていかなくちゃなぁ。

そうそう。

本作は演じた方達も素晴らしかったですね。

最低最悪な白人警官を演じたウィル・ポールター。
どこかで見たことあるなぁと思ったら「レヴェナント:蘇えりし者」に出演していましたね。
この損な役どころを見事に演じられていました。

そして僕的MVPはディスミュークスを演じたジョン・ボイエガ。
彼は本当に素晴らしかった。
白人側と黒人側の間に立つ彼が、後々、やはり黒人としての迫害を受ける時、
震える体と絶望的な表情。
観ているこっちも本当に怖くなって震えてしまいましたよ。

他のキャストも素晴らしく好演されていました。

演出の素晴らしさも相まって、圧倒的なリアリティでグサリと突き刺さる作品に。

演出でいうとカメラワークも緊張感が溢れていて素晴らしかったなぁ。
手持ちカメラっぽいブレッブレなカメラが逆に臨場感があってこれまた、怖くって怖くって。

そして音。
全体的に乾いた音が鳴り響いていて、ディスミークスが警察に連行されて尋問されるシーンでの
あのキーーーーンってうっすらなり続ける不快な音の演出はすごかったです。

とにもかくにも。

いつもズシリと重い余韻を残してくれるビグロー作品。
さぁ、これからまた色々と考え続けることになるんだろうなぁ。

観たくないんだけど観なくちゃいけない作品。

素晴らしい社会派映画でした。

≪点数≫
  9点
                                           (18.02.01鑑賞)
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No.1445 『SING/シング』
No1445 『SING/シング』

2016年制作 米
監督:ガース・ジェニングス

≪キャッチコピー≫
『それは、人生を変えるステージ。』

≪ストーリー≫
劇場を運営するコアラのバスター・ムーンは、以前は活気のあった劇場に輝きを取り戻すべく、世界最高の歌唱コンテストをプロデュースしようと考える。感傷的に歌うハツカネズミや、内気なゾウ、25匹も子供がいるブタ、パンクロッカーのヤマアラシらが会場に集結し……。

≪感想≫
ここは人間世界のように動物たちが住む世界。
コアラのバスターが自分の劇場を盛り上げるために、歌のオーディションを行う。
そこに集まったのは一癖も二癖もある奴らだった・・・。

いやっほい、最高に楽しい作品でした!!!

負け犬たちが頑張る的なお話。

正直、目新しいお話ではないのですが、安定の楽しさといいますか。
クライマックスは楽しいんだけどグッときました。

動物たちの世界といえば昨年鑑賞した素晴らしいアニメ「ズートピア」を思い出したり。
劇場で歌を歌う的な作品でいえば最近観た「マダム・フローレンス」を思い出したり。

内容的にもちょっと「ズートピア」に通づるものがあったかな。
多様性を受け入れる感じがね。

本作は何と言っても音楽が素晴らしかった。
聴いたことあるあんな曲やこんな曲。
見ていても楽しいし聴いていても楽しい。
ちょっと、物語ともリンクしていてこれまたグッときたんですよね。
サントラが欲しくなっちゃいましたよ。
そういや、日本からもきゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」が
使用されていましたね。
そういや、彼女の曲を使うあのアイドルもどきの子達、かわいかったなぁ・・・。

キャラについて。
主役のコアラのバスターはちょっと自分勝手で性格に難ありでしたが、ルックがまず良いので、
性格のアレはまぁ許容範囲かな。
終盤の自分の体を使って洗車をするあたりは笑えましたよ。

バスターの親友の羊のエディ。
こいつが最高に良いやつでした!!
バスターは本当に周りに恵まれているよ。

バスターのもとに集う歌い手の面々も良かったなぁ。

ハリネズミのアッシュやゴリラのジョニー、ゾウのミーナ。
歌もさることながら気のいい奴らで見ていて楽しかったな。

ネズミのマイク。
あいつは結構クズなやつでしたが、歌とパフォーマンスは素晴らしかったです。
けど、中盤で劇場が破壊される件はこのマイクのせい。
ちょっと腹たったな。
ただ、最後の最後の終わり方はマイクにバチが当たりそうな終わり方だったので、
どうかバチを彼に!!なんて今も思っていたり(苦笑)

そしてそして・・・。

僕的MVPは主婦のロジータ!!
彼女の日常は大量の子供達に囲まれ、家事と子育てに追われる毎日。
それをアイディア一発で乗り切る所とか気持ち良かったし、
彼女が最後に歌っているシーン、パフォーマンスを披露しているシーンは、
何故か分かりませんが、泣きながら見ていましたよ。
すっごいグッときたんですよね。

そこからの次々とみんなが歌っていくシーンはひたすらグッときたなぁ・・・。

とにかく、この負け犬達の頑張りは観ていてジンと来たんですよね。

最後の最後も綺麗な着地で終わったし。
本当に楽しい楽しい作品でした。

おススメです!!

≪点数≫
  9点
                                           (18.01.28鑑賞)

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No.1444 『思い出のマーニー』
No1444 『思い出のマーニー』

2014年制作 邦
監督:米林 宏昌

≪キャッチコピー≫
『あなたのことが大すき。』

≪ストーリー≫
心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。

≪感想≫※ネタバレあり
ジブリ作品。

以前何かのレビューの時にも書いたのですが、僕はジブリ弱者で。
アニメ作品はやっぱりピクサー作品が大好きで。
ジブリは何となく疎遠になっていたんですよね。
観たのは「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」、そして最近観た「崖の上のポニョ」くらいかな。
どれもまぁまぁまぁって感じかな。

そんなジブリ弱者の僕。

本作は海外の児童小説をアニメ化した作品。
調べてみるとこういう作りのジブリ映画って多いみたい。
本作の監督が撮った「借りぐらしのアリエッティ」もそうですね。
なろほどねぇ・・・。

さてさて。

ツッコミどころは多々あれど、良くできたお話だなぁ。
構成がとても好きな感じ。
鑑賞後色々考えては、なるほどふむふむと。

お話について。
幼いころに両親を亡くした杏奈は里子と頼子にもらわれる。
もともと体の弱かった杏奈は療養のために、頼子の田舎に預けられることに。
杏奈は療養先で不思議な少女マーニーと出会うっていうお話。

大きなネタバレですが、この謎の少女は幻影で実は杏奈の祖母の
若かりし記憶だったって感じ。
それを知って色々考えるとまた味わい深いというか。

杏奈は赤ちゃんの頃に両親を亡くし祖母であるマーニーに預けられる。
そこで子守唄代わりにマーニーの思い出話を聞いているから、
現在の杏奈の心にぼんやりと色を残す。
そして杏奈は、幻想としてマーニーと出会うというカラクリ。
グッときますねぇ・・・。

絵について。
ふと思ったのが、マーニーのキャラクター画。
口もパクパクしているだけでなんだか一昔前のアニメを観ている気分に。
言ってしまえばとっても雑でへたっぴに見えたんです。
ただね・・・。
これ、良く良く考えると、わざとなのかな。
だって、本作のマーニーは杏奈の心が生み出した幻影で。
敢えてお化け感を出したのかなぁ・・・。
これが敢えてだったらすっごい演出上手だなって。

キャラについて。
僕的には杏奈の偏屈っぷりがちょっと納得いかなかったな。
極端に心を閉ざしすぎなんじゃないかなって。
他人を拒絶する部分しか描いていないような気がしたので少しザラッとしちゃって。
そんな子が、あんなに簡単に心が雪解けするのかなって。
杏奈の生い立ちや状況を見るとそうなるのも分かるんですが、
ちょっとだけ好きにはなれなかったです。
あと、僕的にだんまりおじさんのあいつ。
彼をもう少し活躍させてほしかった。
あまりにもポツリ感がですぎてもったいなかったです。
杏奈がお世話になっているおじさんおばさんの描き方もちょっとなって。
杏奈がガンガンに行方不明になったり、道端で倒れたりしているのに、
いくらなんでも無頓着すぎるだろって思ったり。
めちゃくちゃ良い人っぽいのに病気療養のために来た子どもに接する
対応ではないよなぁって。
キャラについてはちょっとむむむと思う部分も多かったかな。

とは言え。
言いたい事はとても良い事で心がグッとくるお話。
全体的に暗めのテイストでしたが満足できた作品でした。
この調子でジブリ作品にも手を伸ばしてみようかな。

≪点数≫
  6点
                                           (18.01.27鑑賞)

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No.1443 『SPL/狼よ静かに死ね』
No1443 『SPL/狼よ静かに死ね』

2005年制作 香港
監督:ウィルソン・イップ

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
特別重犯罪捜査班チームに、チャン捜査官(サイモン・ヤム)の後任としてマー捜査官(ドニー・イェン)がやってくる。長年香港裏社会のボスであるポー(サモ・ハン)の逮捕に執念を燃やしてきたチャンは最後の大仕事にかかる。

≪感想≫
香港映画。
出演はドニー・イェンやサモ・ハン・キンポー。

僕的カンフー映画の歴史って、まずはジャッキー・チェンから入って。
子どもの頃はジャッキー映画ばっかり観ては興奮して、アクションの真似っこをしたりして遊んでいました。
その中で、ユン・ピョウを知り本作に出ているサモ・ハン・キンポーを知り。
この3人が出ている「スパルタンX」「スパルタンA」は最高に楽しかったのを覚えています。
そして次に知ったのがジェット・リーことリー・リンチェイ。
彼の「ワンス・アポン・アタイム・イン・チャイナ」シリーズはアクションがめちゃくちゃカッコ良くって。
僕の中でジャッキーに次ぐカンフーアクションスターとして君臨しております。
そしてそして、その流れで本作に出演しているドニー・イェン兄貴を知ることに。
ドニー兄貴は「捜査官X」とか「スペシャルID 特殊身分」「カンフー・ジャングル」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」にも出ていました。
最近観た「トリプルX:再起動」にも出ていましたね。
僕的に、上記のジャッキー・チェン、ジェット・リーに並ぶアクションスターがこのドニー兄貴なのです。

そんな大好きドニー兄貴主演の本作。
しかもサモ・ハン・キンポーも出演となれば観ない手はないでしょう。

本作を知ったのは最近「ドラゴン・マッハ」なる楽しそうな作品が出ていて、
調べてみると本作の続編との事なので、まずは1作目をと思い鑑賞。

うん!!やっぱり大好きドニー・イェン!!!!

お話は男くさーい香港ノワール作品。
ちょっと、これまた大好きジョニー・トー監督の「エグザイル/絆」とか「PTU」とかを思い出したり。
あれもイカした男たちがドンパチ繰り広げる作品。
本作も泥にまみれた男たちが香港マフィアを相手にドンパチ繰り広げる感じ。
ただし、本作のドンパチは銃撃戦ではなくバリッバリのアクション(カンフー)劇。

これがまたカッコ良いんだなぁ・・・。

アクションについて。
先に書いた通り本作は格闘アクションばっかりなので見応えたっぷり。
最初は、あぁ、拳銃ドンパチ系かなと思ったら、素手でのバトルが多くって。
ドニー兄貴はもちろんの事、サモ・ハン・キンポーもめちゃくちゃ動けるし。
クライマックスのドニー兄貴とサモ・ハン・キンポーのタイマンアクションはしびれました!!
あと、敵の殺し屋みたいな包丁使いの男ジェット。
こいつがまた素晴らしく動けるやつで。
けしておっとこ前ではないんですが、その敏捷な動きに完全にやられてしまいましたよ。
演じたのはウー・ジンという俳優さん。
初めて観たかな。
これまた彼とドニー兄貴のタイマンバトルはガンアガりでした!!
もう一人の主役であるサイモン・ヤム演じる刑事マーはアクションが苦手なのか、
ガンアクションが主でしたが、見せ方が巧いせいかこちらもめちゃくちゃカッコ良かったです。

キャラについて。
僕的にサモ・ハン・キンポーと言えば「燃えよデブゴン」とか先に書いた「スパルタンX」の印象が強いので
三枚目のイメージでしたが、本作ではがらりと印象を変えて極悪非道な悪の大親分を演じていました。
自分の家族は大事にするが、他の人間には一切の情けをかけない、分かりやすい悪党。
これが意外にも似合っていたんですよね。
あとは、ドニー兄貴の猪突猛進な「漢」と書いてオトコと読む的なキャラも言わずもがな最高だったし。
刑事マー率いるボンクラ4人刑事も、哀愁漂う漢っぷりで素晴らしかったです。

本作はお話も凄く哀愁たっぷりで。
最後の最後のあの展開。
ネタバレしますが、サモ・ハン演じるポーをやっつけた後のあの展開!!
いくらなんでも哀しすぎる!!!!
ちょっと、しばらく口アングリでした・・・。
納得いかねーーーよ!!!!!
ドニー兄貴が可哀そう過ぎる・・・。
誰も報われないあの感じが何ともザラりとした後味を残していました。

僕的にはこの終わり方は少し嫌いかなって・・・。

とは言え・・・・。
やっぱりカッコ良かったドニー・イェン。
今後も彼の作品は見続けるのだ!!!!

さて、冒頭にも書きましたが本作の続編「ドラゴン×マッハ!」があるのですが。
この終わり方だと、誰がどうなっているんだ???
いくらなんでもドニー兄貴はでないよなぁ・・・。

≪点数≫
  8点
                                           (18.01.24鑑賞)

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No.1442 『アメリカン・スナイパー』
No1442 『アメリカン・スナイパー』

2014年制作 米
監督:イ・イルヒョン

≪キャッチコピー≫
『米軍史上最多、
   160人を射殺した、
      ひとりの優しい父親。』

≪ストーリー≫
イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。

≪感想≫
名匠クリント・イーストウッド監督作品。

アメリカ・ネイビーシールズの凄腕スナイパーのお話。
鑑賞後知ったのですが、これって実在した人物の自伝を基に作られた
作品だったんですね。

へぇーへぇーへぇー。

物語の主役はクリス・カイルという凄腕スナイパー。
彼は、30歳で軍人となり4度イラク戦争へ派兵。
仲間から「伝説の狙撃主」と呼ばれ、敵であるテロリストたちからは
「ラマディの悪魔」と呼ばれ懸賞金もかけられた人物。
彼が射殺した人数は200人以上。
2009年に退役した後、PTSDに悩まされながらも、同じ退役軍人を
支援し、その後、2013年に同じくPTSDに悩まされる退役軍人に
射殺されてしまう。

演じたのはブラッドリー・クーパー。
ハング・オーバー」シリーズや「アメリカン・ハッスル」の時の彼と大違い!!
めちゃくちゃマッチョで逞しい軍人へと変化しておりました。
少しずつ少しずつ壊れていく兵士を見事に演じていて、あの、
何も映らないテレビ画面を見ている表情とか、日常の音に戦場の音を
重ねてしまう所作や心の揺らぎは見事でした。

内容について。
本作は後に「戦争を賛美している」等の批判を受けたそうです。

確かに本作では、主人公のクリス・カイルを英雄的に扱っていました。
見ようによっちゃあ、アメリカ万歳的な感じもしたし、テロリストの悪党っぷりも
色濃く描いているようにも見えたし。
ただ、一方でイラクの人達から見ればアメリカ軍も自分達を危険に巻き込む
嫌な奴らとしても描いていたし、やれ反戦だ、やれ戦争賛美だと、そんなにまで強い
メッセージ性は感じ取れなかったです。
それよりも観ている人の戦争に対する感情がしっかりと反映される作りだったのかと。
鑑賞後に生まれる想いが「戦争」に対する感情と言いますか。

そして、もう一つ。

本作は一人の人間が「戦争」に参加して変貌していく様を丁寧に描いた作品でもあって。
むしろ、本作ではそれを色濃く大事に描いていたのかなと。
本作で描かれる戦争は淡々と戦闘シーンが行われていて
これがまた、実際もこうなんだろうなって思えるような
リアリティの高さでした。

以前観た「ハート・ロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティー
を思い出しましたよ。

戦闘が行われている横では実際に生活している家族もいて。
僕の思い描いている戦争はやはり太平洋戦争のようなイメージ。
空爆がガンガンなって地上では兵士たちがしのぎを削って命の
奪い合いをしている。

本作ももちろんそうなんですが、現代のお話しなのでより身近で
その恐ろしさを感じることができたと言うか。

ただ、少しだけエンタメ風に描かれていた部分も。
クライマックス。
テロリストの敏腕スナイパーとの対峙シーン。
銃弾をスロー描写にして、ちょっとカッコイイ感じに仕上げていました。
そして、そこからのテロリストたちとの戦闘シーンも、少しだけ
フィクショナルに感じたかな。

これはこれで、見ごたえあってとても良かったです。

先に書いた、クリス・カイルが壊れていく過程。
少しずつ蝕まれていく心は観ていてとてもぞっとしましたよ。
命の奪い合うという普通じゃない精神状態の毎日を過ごして、
通常の日常に戻った時の喪失感と絶え間ない緊張感。

「ハート・ロッカー」の主役のように、ある意味彼は戦争ジャンキーに
なっている部分もあったのかなと。

本当に少しずつなんだけど、変化を観るのがとても痛々しく、
そして「戦争」の恐ろしさを感じました。

本作は実話に基づいたお話し。

僕はその情報を知らずに鑑賞したので、ラストの彼の死を知らせる
字幕が流れて実際の彼の写真等が流れた瞬間、ズシリときました。

エンドロールでは音楽もなく無音なのでさらに余韻がハンパ無くって。

色々と染みてくる作品。

クリント・イーストウッド御大はやはり見応えのある作品を撮ります。

本作も例にもれず素晴らしい作品でした。

≪点数≫
  7点
                                           (18.01.21鑑賞)

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