2018-04-27 Fri

2016年制作 英
監督:スティーヴン・フリアーズ
≪キャッチコピー≫
『それは、いちど聴いたら
クセになる“しあわせ”。』
≪ストーリー≫
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。
≪感想≫
実話に基づいたお話し。
大金持ちの女性が音痴なのにカーネギー・ホールでコンサートを開くというストーリー。
かなりざっくりしたあらすじを書きましたが、内容は夫婦愛のお話でした。
本作の主人公であるマダム・フローレンスは実はとんでもない音痴で。
しかもそれを自分では気付いておらず、周り(特に旦那のシンクレア)の画策によって
生活を続けていて。
例えば、フローレンスがコンサートを開きたいと言うと、シンクレアがお金で客を買収したり
フローレンスと仲良しの方だけを呼んだり。
フローレンスは超が付くほどの大金持ちなので、何でもお金で解決して、
周りを買収していて。
もう一つ付け加えると、フローレンスは梅毒にかかっていて闘病生活を
続けていて。
それもあって、シンクレアはフローレンスに余計な負担をかけないために黒子に徹しつつ
様々な根回しをしているんですよね。
これだけ聞いていれば、なんて純粋な愛情の形なんだなんて思ったりもするのですが。
実は、シンクレアにはフローレンスと夫婦でありながら愛人がいるんです。
フローレンスとは別居をしていて、フローレンスが眠りにつくまでは、献身的に尽くし
その後に別宅に帰り愛人と共に過ごす。
冒頭、これを観た時は
「なんだ?こいつは結局遺産目当てでフローレンスを世話しているのか??」
なんて思ったり。
観ていて、シンクレアに対して好感を持てなかったんです。
ただね・・・。
観続けてシンクレアの行動を追っていくと、彼は彼なりにフローレンスの事を愛して
やまないんじゃないかって。
だって、そうじゃなきゃあんなにも献身的にフローレンスの事を介護とも言える接し方を
しないんじゃないかなぁ。
他人がフローレンスの事を嘲笑した時もめちゃくちゃキレていたし。
そこら辺は観ていて凄くグッときたんですよね。
特に中盤の、愛人からの呼び止めも聞かずに間髪入れずに動き出すシーンなんて最高でしたよ。
これはこれでまぁ一つの形なのかなとも思ったりね。
あとね、このマダム・フローレンスという人物もちょっと魅力的な方だったんですよね。
愛すべき自己中心キャラと言いますか。
根がとても綺麗な方と言いますか。
実際に、こういう人が周りにいたらとっても大変だとは思うんです。
ただ、彼女の真剣な行動を見ているとやっぱり応援したくなっちゃうんですよね。
中盤のカーネギーホールでのコンサートなんてまさに。
最初のリサイタルでは爆笑していた女性が、周りの観客に
「ちゃんと聞きなさいよ!!」
なんて怒り出すシーンがあって。
あそこもグッときましたねぇ・・・。
基本的には愛されキャラなんですよね。
キャラでいうともう一人。
フローレンスのもう一人の相棒ともいえる伴奏者のコズメ。
彼がまた良かった。
気弱そうな体格ととぼけたルック。
性格もお人好しで憎めないキャラクター。
彼のこのやさしさがまたフローレンスの支えにもなっていたのでしょうね。
とにもかくにも。
夫婦の形とはなんぞや。
僕は独身なので、自分に当てはめることはできませんでしたが、このシンクレアの
フローレンスに対する愛情は本物であったと思うし、きっと、フローレンスは
とても幸せな人生を送れたんだろうと思っています。
人生のパートナーに対する心意気はとても見習いたいなぁとね。
≪点数≫
6点
(18.01.13鑑賞)

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