2017-09-07 Thu

2015年制作 仏/トルコ/独
監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
≪キャッチコピー≫
『夢見る季節は
終わりがくるから
未来へと走り出す。』
≪ストーリー≫
5人姉妹の末娘ラーレ(ギュネシ・シェンソイ)は、イスタンブールからおよそ1,000キロの場所にある小さな村で暮らしている。10年前に両親を亡くした姉妹たちは、祖母(ニハール・G・コルダス)に育てられる。長女ソナイ(イライダ・アクドアン)、次女セルマ(トゥーバ・スングルオウル)、三女エジェ(エリット・イシジャン)、四女ヌル(ドア・ドゥウシル)らは美しく成長し……。
≪感想≫
トルコの田舎町を舞台にした作品。
両親を亡くした5姉妹。
躾の厳しい祖母と叔父に囲まれ暮らしている。
何でもかんでも抑圧されている彼女たち。
反抗期と思春期と青春。
一人一人を通して複雑な感情と自由へのシンプルな思い。
女性向けの作品なのでしょうが、男性の僕も観て良かったなぁと思える作品。
本作の彼女たちはお国柄なのか宗教上なのか、とても縛られていて。
中でも性的な事情は特に制約があるようで。
結婚するまでは性行為をしてはいけない。
だとか。
男性とむやみやたらに遊んではいけない。
だとか。
周りの友達とかはそうでもないんだけど、彼女たちの家柄がそうなのだとしたら、
やはり宗教上の理由なのでしょう。
周りの人たちにも協力者はいたしね。
トラックの運転手のあんちゃんとか。
イスタンブールに引っ越した先生とか。
おばあぁちゃんも根は良い人っぽかったし。
恐らくとても閉鎖的な地域で古き良き風習を今でも信仰し疑わない家庭だったのでしょう。
変化を恐れる人たち。
時代とともに物の価値は変わっていく。
もちろんそこに宗教が関わるとシンプルな事情に複雑な思いが絡んでくる。
むむむ・・・。
そもそも恋愛もそうですが生活や人生に縛りがあることって、
どこにでもある普遍のテーマだったり。
それに抗い自由を求め行動していくのは老若男女、万国共通。
ただ、本作のそれは女性、そして女の子であるということでとても切なく感じるし、
最後の勇気ある行動とそこに差しこむ光は、とてもグッとくるもんで。
とにかく彼女たちの瑞々しさがとても際立った本作。
5人姉妹でキャラ立ちはそこまではっきりはしていませんでしたが、それでも
個々の性格や悩み、事情は浮き彫りに見せた所は巧いなぁと。
以前「海町diary」「ヴァージン・スーサイズ」を鑑賞しましたが、姉妹が
主役という点では同系列か。
先に書きましたが女性向け作品ですが、男性も観てもとても良い作品だと思います。
オススメです。
余談ですが学生の頃、とある国際交流のイベントのお手伝いをした時、
参加各国の中でとびきり笑顔の綺麗な女の子がいた。
そういや、その子はトルコの子だったなぁ。
彼女のあの瑞々しい笑顔をふと思い出した作品でした。
≪点数≫
7点
(17.07.09鑑賞)

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