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No.1301 『きみはいい子』
No1301 『きみはいい子』

2014年制作 邦
監督:呉 美保

≪キャッチコピー≫
『抱きしめられたい。
     子どもだって。
       おとなだって。』

≪ストーリー≫
新米教師の岡野(高良健吾)は、ひたむきだが優柔不断で、問題があっても目を背け、子供たちから信用されていない。雅美(尾野真千子)は夫の単身赴任で3歳の娘と2人で生活し、娘に暴力を振るってしまうことがあった。一人暮らしの老人あきこ(喜多道枝)はスーパーで支払いを忘れ、認知症を心配するようになる。彼らは同じ町で暮らしており……。

≪感想≫
以前観た大傑作邦画「そこのみにて光輝く」の呉 美保監督作品。

「そこのみにて~」はひたすら重々しいお話でしたが、本作もまた重くって
痛々しい作品に仕上がっていました。

現代社会における生々しい問題が描かれている。
ネグレクトの問題。
高齢化社会。
学級崩壊。
親が子供を殴るなんてあり得るんだろうかと思ったりもしますが、
本作のような事件はあり得る話な訳で。
本当に怖くって悲しい社会になったのか、そこに気付き始めたのか。
とにかく本作で取り上げている問題は生々しくて痛かったです。

ただ、本作のそれは少しだけ理由も描かれていたんですよね。
例えば、子に暴力を振るっている母親。
彼女も実は子供の頃暴力を振るわれて育ってきていて・・・。
暴力の連鎖というものですね。
それを断ち切るのはやはり愛情。
同じく暴力を受けて育ったママ友の優しさが彼女を救ってくれたんです。
子育てにしても大人の成長にしてもそうなんですが、やっぱり
相手を想う上での行動は何かしらを変えるきっかけになるというか。
例えば、子供をしかるにしてもそこに「想い」があるかないかで、
とても大きな違いがあるんじゃあなかろうかと。

僕は未婚で子供もいないので、何とも難しいですが、自分に置き換えると
他者との共生にも言えるんじゃないかって。
相手の事を「想う」上での行動は送り手も受け手にもより良いきっかけに
なるんじゃないのかなって思ったり。
言葉にするととても安っぽくなりますが、そんな事感じました。

本作では、色々な悲しみを救うのは「抱きしめる」という行為でした。
小学生の教師である岡野が子供たちに宿題として家族に抱きしめられてきなさいと言う。
照れながらも子供達は宿題の報告を語りだす。
一人一人がなんとも言えないふわりとした柔かい感情を語るシーンはグッときました。
岡野が甥っ子に抱きしめられるシーンもキュッと胸が締め付けられて。
甥っ子にとってはたわいもない行為なんだけどね。
鼻の頭がツンとなりましたよ。

演出について。
やっぱりこの監督さんはとても巧みだなと感じたシーンが2つ。
一つは岡野がクライマックス桜の花びら舞う道を疾走するシーン。
これまで描いていたおもっくるしい社会なんだけど、それでも、それでも希望を感じ取れる演出。
「そこのみにて~」のラストに通づる美しさを感じるシーンでした。
そしてもう一つは、子供に暴力を振るっている雅美に対し大宮の奥さんが救いの抱擁をするシーン。
少しづつ光が射しこむ演出。
ズルいと思いつつもやっぱりグッときましたねぇ。
沈んだ心になりながらもしっかりと浮上の余地を与えてくれるこの演出はやっぱり巧みだなって。

ラストの終わり方も良かったです。
観客に投げかける方法は、最初は「え!?」ってなったけど、色々と考えに考えると、
きっと彼らは幸せになれるんじゃあなかろうかと思えたしね。

総括。
恐らく、社会ではこんな世知辛い事が数々あって、無くなる事はもしかしたら、ないのかもしれない。
それでも、なくそうとする、少なくとも自分はそうなってはならないと強く感じました。
暴力の連鎖ではなく優しさの連鎖を。

重々しくも素晴らしい作品でした。

≪点数≫
  8点
                                           (16.12.18鑑賞)


こちら原作小説。
興味あります。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)

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