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No.1279 『私たちのハァハァ』
No1279 『私たちのハァハァ』

2015年制作 邦
監督:松居 大悟

≪キャッチコピー≫
『走れば届く気がした。』

≪ストーリー≫
福岡県北九州市の田舎町に暮らす女子高生4人組は、ロックバンド「クリープハイプ」が大好き。福岡のライブを観に行き出待ちした際、「東京のライブにも来て」と言われたことから東京に行くと決める。こうして高校生活ラストの夏休みに、自転車で東京を目指す彼女たちの旅がスタートし……。

≪感想≫
北九州に住む女子高生4人組。
好きなバンド・クリープハイプに会うために自転車で東京に行く事に・・・。

私ごとですが、大学の4年間は北九州に住んでおりまして、懐かしい景色や
風景が映し出されるのかと思い鑑賞。
・・・そんな事はありませんでした(苦笑)

クリープハイプと私。
以前「百円の恋」という傑作邦画を鑑賞した際に主題歌を担当していたのが
このクリープハイプというバンド。
クセのある歌声なんだけどとても良い曲で、You Tubeで聴きまくった記憶があります。

さて、作品について。
何とも痛くてイタくて瑞々しい青春映画なんでしょうか。

これ女子が観たらどうなんでしょうねぇ。
えらいリアルなんでしょうか。
とても興味があります。

ノリで家出をして大好きなバンドに会いに行く。
ちょっと成長した「スタンド・バイ・ミー」的な。

彼女達はこの経験を通して成長していく・・・。
と思いきや、それはそうでもなかったり。
それをどんな思い出にして糧にして、笑い話になるのか苦い思い出になるのかは
今後の彼女たちの生き方だったりもする。
それに気づくのはまだもう少し先のお話なんでしょうね。

ただ、その瞬間を切り取った本作はやっぱり瑞々しくって素敵な作品なんだと感じました。

主要メンバーは4人という少数というのもあって、きっちりとキャラが出来上がっており、
それぞれがキラキラしていましたよ。
彼女達って演技自体がはじめての子も多く、どちらかというとリアル感がハンパなく
ドキュメンタリー映画を観ているようでした。

序盤はワクワク仲良くやっている彼女達。
徐々に壁にぶち当たり、疲労困憊でそれぞれの自我が溢れだす。
その頃の若人は視野や世界が狭い中で生きていて、またそれが自分を中心に回っているものだから
なかなか他者や社会との折り合いが付きにくかったりするもの。
他人や友人、家族との距離感も曖昧なまま自分本位で生きている。
中盤の喧嘩のシーン。
そこが本作の白眉ともいえるシーンで、それぞれの自我が溢れだして、誰彼構わず、傷つける。
若者特有のものだなぁと、自分自身の過去に照らし合わしたり。
とんでもなくイタくて痛い名シーンでしたよ。

本作の主役は女子高生達。
男性の僕としてはやはりどこか遠いお話。
しかも僕も高校時代なんて20年ぐらい前のお話なわけで。
なので、少し自分の娘がこんな子たちのように育ったらと考えると・・・。
まぁ、往復ビンタものですね(苦笑)

あと、ひとつ引っかかったのが、ツイッターのお話。
この流れで行くと、彼女達は停学、退学は免れないんだろうなぁって。
だってここまでさらしものになってしまったんだもん。
怖い世の中になったもんだと、少し身震いしました。

先に書いたようにどこかドキュメンタリー映画を観ている気分。
彼女達は今頃、どこで何をやっているのでしょうか。
そんなことふと思える、良作でした。

≪点数≫
  8点
                                           (16.11.05鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)