2017-01-23 Mon

2015年制作 米
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
≪キャッチコピー≫
『その善悪に
境界(ボーダー)はあるのか――』
≪ストーリー≫
優秀なFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)は、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官(ジョシュ・ブローリン)のもとで極秘任務に就く。ケイトは早速、謎めいたコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)と共に国境付近の捜査を開始。人が次々と亡くなる現実を突きつけられたケイトは……。
≪感想≫
メキシコの麻薬組織とアメリカのCIA・FBIの戦いを描いた作品。
なんとも緊張感あふれる作品。
めちゃくちゃシビれました。
良かった所。
出てくる奴らのクセモノ感がハンパなかった。
まずはアレハンドロという男。
今はアメリカの手下となって働いているが、元はコロンビア麻薬組織の元締めで
殺し屋だった男。
妻と娘をメキシコの麻薬組織に殺され、ナワバリごとやられてしまって、復讐を誓う男。
私、俳優のベニチオ・デル・トロが好きでして。
「ユージュアル・サスペクツ」や「スナッチ」「トラフィック」等々。
あの渋い感じがとってもイカしているんですよねぇ・・・。
この闇を抱えたキャラクターをこれまた、闇を抱えていそうな空気を醸し出すデル・トロが演じてくれたんです。
いや、もう最高に痺れあがりました。
正直、正義だけではやっていけないんだ的なアンチテーゼで、やっている事はとんでもなく
あくどい事だったりするので気分が高揚する事は無かったのですが、
ズンと痺れあがるカッコ良さがあったんです。
次にもう一人のクセモノ野郎、マット。
彼も初登場から大事な会議にラフな格好+サンダル履きという舐めた出で立ちで
いかにもクセモノっぽくて良かったですよ。
演じたのはジョシュ・ブローリン。
どこかで見た事あるなぁと思ったら「トゥルー・グリット」や「ノーカントリー」にも出ていました。
紅一点、本作の主役である捜査官のケイト。
彼女は本作の正義の象徴。
どんな悪い事でも愚直に正そうとし、曲がった事を許しません。
それが故に様々な悪に巻き込まれ、世界の本当の姿を見せつけられる。
麻薬戦争の裏側はこんなにもどす黒くって気持ちが悪い所なのかと。
ストーリーについて。
本作はなかなかのバッドエンディングで後味の悪いものに仕上がっていました。
勧善懲悪なんぞではなく、この世界、必要悪はあるんだぜ的な。
もちろんそれも分かるんですが、それはさらなる悪を呼ぶ恐れがある事も否めなくって。
だって、復讐の連鎖はこれからも続いていくぞ、きっと。
少し、リーアム・ニーソン主演の「96時間」シリーズを思い出したり。
とにかく、この生ぬるくって重たいストーリー。
手放しでウッヒョーってな感じにはなりませんでしたが、色々と考えさせられるお話。
実際にメキシコの麻薬組織ってこんな感じなんですってね。
あまりにも遠いお話なので、凄く興味があります。
いつもなら僕ならどうする?とか物語に入り込みながら観る事も多いのに、本作は
想像つかない世界のお話だったので、ひたすら歯を食いしばって、
緊張感を保たせつつ鑑賞していました。
序盤の、メキシコから悪党を搬送するシーンなんてたまりませんでしたよ。
とにもかくにも。
最初は、「ゼロ・ダーク・サーティ」的な作品かなと思いきや全然違いました。
あれも重たくって決して後味が悪かったりもしたのですが。
本作もなかなかのもの。
それでも良い作品と思えるのは出演者の魅力と、お話が持つ魅力。
そして実際にこういうことが起こっているという事実とそれに対する興味なのでしょう。
おススメです!!
≪点数≫
8点
(16.11.04鑑賞)

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