2016-12-26 Mon

2013年制作 韓
監督:イ・ジュヒョン
≪キャッチコピー≫
『隣の芝生は、赤い。』
≪ストーリー≫
誰もがうらやむ理想の家族を絵に描いたような一家。だがその正体は、母国からの密命を遂行するために韓国に潜入している北朝鮮の工作員チーム、サザンカ班だった。表では仲むつまじい4人家族だが、玄関のドアを閉めると階級を重んじ、母国の命令を順守するスパイ集団となる。何かと押し掛けてくる隣人一家を資本主義の隷属者と見下しながらも彼らに憧れを抱き、互いの階級を忘れて家族的な絆を育むようになる4人。そんな中、メンバーの一人が母国に残した妻子が脱北に失敗したとわかり……。
≪感想≫
韓国スパイ映画。
北朝鮮のスパイが韓国にて普通の家族を装いながらスパイ活動を
行っていくというお話。
むむむ・・・ポップな感じと思いきやなかなか重たいお話でした。
そこに映るシーンはちょっと軽やかだったりもしたんです。
例えば、お隣さん家との交流や、お隣さん家の痴話喧嘩等々。
少しデフォルメされた現状はコントチックだったりもしたんだけど、
その実、裏に隠された北朝鮮一家の抱えている真実はたまらなく重苦しい。
ドラマ的にはすんごく良い作品でした。
ただね・・・。
少しひっかかった点がいくつか。
お隣さん一家のどうしようもなさ。
お隣さんにごくごく普通の韓国人一家が住んでいるんですが、これがまた、
とんでもなくダメダメ一家で。
両親は口を開いては喧嘩ばかり。
父親は、奥さんの文句ばかり。
母親も、旦那の不満ばかり。
しかも母親は、金の亡者でサラ金から金を借りてくる始末。
これが、何らかの理由があってこのような怠惰な人間になったのならまだ良いんですが、
それも特に描かれていなかったので、ただの悪妻に見えたんですよね。
息子はまぁ、良いやつなんだけど、そこまで魅力的でもないしね。
とにかくこのお隣さん家の家庭事情はあまり好感の持てる感じではなかったです。
それが北朝鮮の人たちからしてみれば、とても羨ましいものだったのかもしれませんが、
ちょっとピンとこなかったです。
もう一つは北朝鮮と言う国について。
これはどこまでリアリティのあるお話なんでしょうか。
北朝鮮と言う国はどういう国なんでしょうか。
本当にこのような現状があるのでしょうか。
家族を人質にスパイ活動を強要される。
北朝鮮と言う閉鎖的な国で育った人たちは、本作のように隣の芝は
青く見えたりするのでしょうか。
彼女、彼らのように生まれた時からそういう世界で育ってきた人間にとって、
民主主義社会はどう映るのでしょうか。
例えば、本作のように韓国に対して憧れを持つ人間が増えてくると、
クーデターとかに繋がっていくのかなって。
それが、できないようにしっかりと統制がとれているのであれば、簡単に
隣の芝は青く見えないんじゃないかなって。
本作の工作チーム「ツツジ班」は少し、心が揺らぎ過ぎにも見えたんですよね。
本作がとてもリアル寄りであれば、やっぱり人間らしさって
心を縛られる事ではないんだよなぁと。
むむむ・・・・観終わった後、色々考えさせられてどんよりしてしまいました。
≪点数≫
6点
(16.10.01鑑賞)

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