2016-08-11 Thu

2014年制作 米
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
≪キャッチコピー≫
『もういちど輝くために、もういちど愛されるために、すべてを手放し、羽ばたこう。』
≪ストーリー≫
かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。
≪感想≫
第87回アカデミー作品賞受賞作。
タイトルから超絶物のアクションヒーロー大作かと思ったら全然違いました。
あらすじから落ち目の俳優が再起に奮闘する作品かと思ったらそうでもなくって。
正直、ピンときていない部分も多々あったので良かった所のみ。
これは恐らく観た人はだれもが認めるであろう圧倒的撮影と編集力。
ワンカット風に撮られた本作はそれだけでも観る価値はあるでしょう。
撮影監督はエマニュエル・ルベツキというお方。
この方は本作でもそうですが「ゼロ・グラビティ」「レヴェナント: 蘇えりし者」でアカデミー撮影賞を
3年連続で受賞したんですって。
これは史上初との事。
カメラワークだったり、繋ぎの部分だったり細部にこだわっているプロフェッショナルな作りには脱帽です。
お話について。
全体的に把握は難しかったのですが、本作ってブラックなユーモアを交えた作品なのかなと。
所々に実在する俳優さん達の名前が出たり、批評家に対しての皮肉な発言。
演劇界と映画界の成り立ちというか違いの発言だったり。
何より、主役を演じたマイケル・キートンに対しての役割がまさに実際とリンクしているんですよね。
例えば、本作の主役であるリーガンは落ち目の俳優で、昔はバードマンというヒーローを演じて
世間を盛り上げてきたお方。
マイケル・キートンも昔はバットマンシリーズでバットマンを演じて一世風靡したお方で。
彼も、バットマン以降はパッとしなかったのかな。
そこら辺の事実とリンクした感じが何ともね。
あと、本作って、どこから本当でどこからが嘘なのかが分からない作りになっていて。
先に書いたワンカットのようなカメラワークとも相まってどこか夢心地というか。
ふわふわしている感じがして。
ただ、お話や登場人物は良い奴はあんまり出てこないので、心地良い感じでは
なかったのですが(苦笑)
つまるところ、主役のリーガンは精神を病んでいるお方なんです。
妄想と現実。
二つの世界が混在していて、その頭の中を現実に映しこんでいる。
例えば、リーガンが超能力らしきものを発揮するシーンが多々出てくるのですが、
劇的に演出するのではなくスパイス的に描き込む。
非現実な事もスッと描きこむことで先に書いた虚実が入り混じった感じに仕上がっているんですよね。
だからリーガンが描いた世界のどこからが本当で嘘なのかを観ているこっちは考えながら鑑賞して、
最後の最後まで思考しながら観ていましたよ。
そんなこんなで最後まで考えながら鑑賞した本作。
それほどピンときていない私。
ちょっと、一人では解決しそうもないので、色んな人のレビューを読んでお勉強だ!!
≪点数≫
6点
(16.06.12鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト