2016-06-23 Thu

2013年制作 香港/中
監督:ダンテ・ラム
≪キャッチコピー≫
『迷って、傷つき、涙した――昨日までは。』
≪ストーリー≫
2度香港ボクシング王者として君臨したものの、八百長に関わって全てをなくしたファイ(ニック・チョン)。借金取りから逃れるためマカオに来た彼は、友人のジムで雑用係として働くことに。ある日、チー(エディ・ポン)という青年が賞金欲しさに総合格闘技大会での優勝を目指してジムへやって来る。チーは富豪の息子であったが父の会社が倒産、酒に溺れる彼を抱えながら日雇い労働者として生計を立てていた。ファイがボクシングの王者だったことを知ったチーは彼にコーチを頼み、大会へと臨むが……。
≪感想≫
胸熱くなる負け犬映画。
主要登場人物は3名。
1人目。
元ボクシングチャンピオンのチン・ファイ。
彼は、チャンピオンになるも、その後は八百長、そして借金まみれ、前科もんになって
廃れた生活を送っている。
2人目。
夫に逃げられそのせいで、精神を破綻。
これまたそのせいで息子を失い、さらに精神を病んでしまう。
今は、娘と二人で暮らしているクワン。
3人目。
金持ちのボンボン、放蕩息子のスーチー。
父親が破産してしまい、これまた荒んだ生活に。
父親を立ち直らせるために寡黙にトレーニングを積む毎日。
上記負け犬3名が交わりそれぞれが希望の光を見出していく。
いやぁーもう、最高でしょう!!
まず、試合シーンがとても良かった。
総合格闘技の試合なんだけど、緊張感があって見せる所はしっかりと魅せてくれたし。
打撃、組み技、寝技となんでもござれ。
めちゃくちゃカッコいい攻防戦を見る事ができましたよ。
次に、負け犬からの再生っぷりが最高でした。
本作のような内容の作品の見所ってやっぱり負け犬たちが徐々に徐々に
活力を取り戻していく所だと思うんですよね。
最初の廃れっぷりでもなく、最後のカタルシスでもなく中盤の盛り上がりの部分。
本作でいう所のトレーニングシーンがそう。
これまで廃れていた男が、あの再生していくシーンの数々。
音楽に乗せて一心不乱に流れるトレーニングシーンはメチャクチャあがりました。
去年観た、女子ボクシングを描いた最高の負け犬邦画「百円の恋」のトレーニングを
思い出したり。
人と人との繋がりから生まれる破壊と再生も素晴らしかったですね。
例えば、チン・ファイとスーチー。
彼らが出会い師弟関係を築いて、それぞれが力を蓄えて試合に赴く。
結果的に弟子を倒した相手に師匠がリベンジするという構図も、あざとい演出っぽいのに、
そこを前面に押し出さない演出にも好感を抱きました。
2人の特訓シーンも良かったですね。
ちょっとブロマンスっぽい仕上がりになっていたり。
恐らくアドリブであろう、あの二人のキャッキャとじゃれあうシーンも◎でしたよ。
女子が見たらキュンッとしちゃうんでしょうねぇ・・・。
そして2人の肉体改造っぷりもハンパなかったです。
めちゃくちゃ引き締まった肉体とゴリッゴリのバトルシーンには胸熱くなりっぱなしでした!!
例えばチン・ファイとクワン親子。
クワン親子はチン・ファイと出会い少しずつその生活に彩が付く。
その関係をまた破壊するのも彼との交流から。
そして、またそれを再生していくのも彼との交流から。
ラストのシウタンとチンとの別れのシーンは思わずほろりと涙そうそう。
本作はアクションも良かったのですが、ストーリーも王道的で丁寧な良作でした。
まったく前情報なしで観賞しましたが、当たり作品でした!!!!
≪点数≫
8点
(16.05.03鑑賞)

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