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No.1176 『紙の月』
No1176 『紙の月』

2014年制作 邦
監督:吉田 大八

≪キャッチコピー≫
『最も美しい
横領犯。』

≪ストーリー≫
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。

≪感想≫
2012年の大傑作「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督作品。

原作は角田光代さんの小説。
日常に辟易している銀行員の主婦が欲求におぼれ横領をするというお話。

まず、演出が素晴らしかったです。
宮沢りえさん演じる梅澤梨花と池松壮亮くん演じる平林光太が
どんどん恋に落ちていくシーン。
そこで流れる音楽がまた良かったんですよね。
すっごいロマンス感が溢れる演出と言うか。
やっている事は不倫と言う行為なのにどこか幻想的で、少し肯定さえしたくなったり。

梨花が最初に犯罪に手を染めるシーン。
これがまた、すごく偶然で単純で何気なくって。
もちろん、本人には葛藤もあるんでしょうが、そこの感情の機微のバランスが
とても絶妙に描かれていて。
本当にこんなことってありえるんだろうって思っちゃったんです。
普通なら
「いやいや、ありえないでしょう・・・。」
とか
「ばっかだなぁこいつ。」
って思っちゃいそうなんだけど、梨花がどんどん落ちていくのはスッと受け入れられたというか。
すっごい悪党はいなくって、本当にボタンの掛け違えからズルズルと転落していく様がなんともね。

そして、クライマックスでの梨花の爆走するシーンまでの流れは本当に素晴らしかったです。
ただね・・・。
僕的には少しラストが気に入らなかったんですよね。
勧善懲悪とまでは行きませんが、梨花には制裁と言うか決着をつけてほしかった。
何らかの結果を見たかったんです。
そこは、残念だったなって。

キャラクターについて。
本作、出てくる人物も抜群に良くって。
梨花と恋に落ちる光太。
こいつがとっても嫌な奴なら腹が立つんですけど、こいつはこいつで普通にいる青年なんですよね。
悪意がなくって世間知らずの大学生なので、こういうものにのめり込んでしまう。
自分は社会で何物にもなれていないのに、こんなもんじゃないと心のどこかで諦めていない感じ。
こいつも、本当にわずかのズレからごろごろと転げ落ちる。
そしてクライマックスのクズ行為。
ただ、それすらもありえるし人ってこんなものなんだよなぁと思ってしまう。
ここも大八監督の演出力と言ったところか。
梨花の同僚である隅さん(小林聡美)と相川さん(大島優子)。
この二人が陰と陽タイプで対照的な役どころなんだけど、この人たちもなんだか
身近にいるような感じで。
二人の対比はどちらにも転ぶバランスの中で日常は流れている感がプンプン。
役者さんの素晴らしさも相まってとても見応えのあるキャラクターでした。

とにもかくにも。
ラストの着地はあまりピンときませんでしたがとても素晴らしい作品。
良い映画なのは間違いないです。
吉田大八監督はやっぱり信頼できる監督さんなのです。

うーーーん、だけどなぁ。
これはこれで良いのかなと思ったりするのも事実。
今、鑑賞してしばらくして感想を書いているのですが、余韻がハンパなくって。
もう少し噛み砕いて考えてみよう・・・。

≪点数≫
  7点
                                           (15. 12.27鑑賞)



こちら原作本。
映画とは結構違うみたい。
読んでみようかな。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
No.1175 『アウトレイジ ビヨンド』
No1175 『アウトレイジ ビヨンド』

2012年制作 邦
監督:北野 武

≪キャッチコピー≫
『全員悪人 完結。』

≪ストーリー≫
5年前、ヤクザ界での生き残りを懸け壮絶な権力闘争に明け暮れた暴力団「山王会」は関東の頂点を極め、政界にまで勢力を広げていた。彼らの壊滅を目指す刑事の片岡(小日向文世)は、関西最大の「花菱会」と対立させるべく策略を練る。そんな中、遺恨のある木村(中野英雄)に刺されて獄中で死んだはずの大友(ビートたけし)が生きていたという事実が持ち上がる。その後、出所した大友だったが……。

≪感想≫
以前観た「アウトレイジ」の続編。

監督は世界の北野武監督。
北野監督の作品を観るのはこれで2作品です。

前作で、そのバイオレンス描写に度肝を抜かれたわけですが・・・。
本作もその続編という事でヤクザ達がバッタバッタと殺されまくっていましたよ。

まずは肝であるバイオレンス描写。
本作は前作に比べると、残虐描写は抑えていたように思えます。
その分エンタメ性やストーリーに重きを置いていたような。
それでも、痛々しい場面は多々あって。
例えば突然訪れる「死」。
ふと破裂音が。
ドカンと銃声が響きわたってドテッと人が死んでしまう。
ゾゾゾって。
あと、ピッチングマシーンの貼り付けも痛かったー。
観ていて嫌な気持ちになりましたよ。
極めつけは大友がドリルでギュンギュンやるシーン。
思わず痛々しすぎて握りこぶしギューって。
前作には劣りますが、やっぱり暴力シーンは本当に嫌な気分になりましたよ。

ストーリーについて。
先に書きましたが、本作はストーリー、エンタメ性に重きを置いているような気がしました。
裏切りの連鎖。
ヤクザ社会の黒々しさ。
腐敗した警察官。
どいつもこいつも悪人なんですよねぇ・・・。
本作で一番の悪党だったのが警察の片岡(小日向文世)。
こいつがまた二枚舌を活かして色んな所でヤクザ達を操るんです。
コイツはいったい何のためにうごいているのか。
出世のためもあるのかもしれませんが、それだけには見えなかったんですよね。
とにかくずる賢くて悪い奴でしたよ。
最後の最後にはああいう結果になってスカッとしましたもん。
そして本作の主役ともいえる大友(ビートたけし)。
これがまたメチャクチャカッコ良かったです。
これは、たけしさんの佇まいやバックボーンがあるからなんですが、そこにいるだけでもうOKみたいな。
語る言葉にも凄く説得力があって。
なんでしょうかこのカリスマ性は・・・。
他の役者さん達や、例えば役的には上の立場がいたとしても、その圧倒的存在感で、
見る物を惹きつける。
ある意味、たけしさんはもうこういう役どころしかできないんじゃないかな。
良くも悪くもパブリックイメージがつきすぎていてね。
とにかくメチャクチャしびれましたよ。

とにもかくにも。
本作の終わり方なら、続編もできそう。
ぜひぜひ撮って欲しいなぁ・・・。

また新たなる悪人どもを出してほしいです。

≪点数≫
  8点
                                           (15. 12.27鑑賞)

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No.1174 『ジャージー・ボーイズ』
No1174 『ジャージー・ボーイズ』

2014年制作 米
監督:クリント・イーストウッド

≪キャッチコピー≫
『夢、栄光と挫折――それでも僕らは歌い続ける。』

≪ストーリー≫
ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、瞬く間にトップスターの座に就くが……。

≪感想≫
クリント・イーストウッド監督作品。

相変わらずの巧みな印象。
凄く楽しませて鑑賞後もしばらくは余韻に浸る事のできた作品でした。

さてさて。
本作の舞台は1960年代。
実在の大人気バンド・フォー・シーズンズの経歴を基にした伝記映画。
本作の元々は人気ミュージカルなんですって。
このフォー・シーズンズというバンド。
申し訳ないですが僕は知らなかったです。
ただ、劇中で流れる曲たちはなんとなく耳にしたことがあって。
特にラストに流れる「君の瞳に恋してる」は誰でも知っていますよね。
色んな人がカバーしていて僕も大好きな曲です。
その曲たちを生みだしたかれらの栄光と挫折のお話。

それを名匠、クリント・イーストウッドが撮る。
演出について。
やっぱりこの方、さりげなく巧いんですよね。
例えば、物語の本質を語りで描かずに微妙な描写で描き出す。
それがとても絶妙な塩梅で観ていて巧いなって唸らされる。
例えば、クライマックスのフランキーが電話で娘の不幸を聞くシーン。
あれって、ダメダメな監督なら台詞で事の顛末を描きそうなものなのに、本作は違っていて。
フランキーの会話は娘に何かが起こったのか?程度で終わらせて、後の葬式シーン。
そしてさらに後に娘がドラッグに溺れていたことを知らせる。
しかもその、ドラッグがその時代には蔓延しているっていう所まで、
先のシーンでちょろっと語らせる。
うーん、巧い!!
ってな感じで、いちいちが巧いんですよね。

あと、本作は時折、主人公達がカメラに向けて語りかけてくるんです。
アニー・ホール」でウディ・アレンもやっていたような。
とにかく特異な演出方法。
僕的にはフレッシュでした。

主人公達の感情の機微を描くのも上手で。
フォー・シーズンズの4名のキャラもしっかりと立っていて。
中でもフランキーたちの活躍に嫉妬してしまうニック。
彼も、根っからの悪党ではないんですよね。
人間が持ち合わせる負の部分に飲み込まれたというか。
彼の気持ちも分かるんですよねぇ。
他の3人にしてもそう。
陰では思い悩み色んな壁にぶち当たっている。
栄光の影には苦悩と挫折と裏切りと欲にまみれた部分も持ち合わせている訳で。
痛みを伴いながらももがいている主人公達。
ラストの4人の再会からの若返った姿での熱唱はジンときました。

本当に良い作品。
鑑賞後、とにかく音楽が聴きたくなりましたよ。
音楽がどうこうというテーマでは無かったんですが、やっぱり音楽って凄いなって。
綺麗ごとかもしれませんが、「音楽」は国や人種を越えて一瞬で世界を変える事が
できる可能性があるツールだと思ったり。
だからこそ本作のフランキーのような、天性の「声」を持つ人はやっぱり特別なんですよねぇ。
羨ましい・・・。

名匠、クリント・イーストウッド。
次はどんな作品を撮るのでしょうか。
楽しみです!!


≪点数≫
  9点
                                           (15. 12.16鑑賞)


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No.1173 『トラッシュ! -この街が輝く日まで-』
No1173 『トラッシュ! -この街が輝く日まで-』

2014年制作 英/ブラジル
監督:スティーヴン・ダルドリー

≪キャッチコピー≫
『ぼくたちはゴミ山で、世界の"希望"がつまったひとつのサイフを拾った。』

≪ストーリー≫
ブラジル・リオデジャネイロ郊外でゴミ拾いをして暮らす3人の少年は、ある日ゴミ山で一つの財布を見つける。その財布には世界を揺るがすとんでもない秘密が隠されていたことから、警察も総力を挙げて捜索に乗り出す。少年たちは「正しいことをしたい」と財布に隠された謎を解明すべく、警察のしつこい追跡をかわし命懸けで真実を追い求めていくが……。

≪感想≫
ブラジルのゴミ山で暮らす少年たちがとある重要なものを拾って事件に巻き込まれていくお話。

本作を観ながらある一つの作品を連想しました。
2008年アカデミー作品賞を受賞した「スラムドック$ミリオネア」。
あれも貧困に悩み苦しむ青年が色々な事件に巻き込まれながらっつーお話でしたが。
本作もそんな感じ。
「スラムドック~」に比べたら少しこちらの方が重めかな。

さてさて。
まず本作の主役である3人の悪ガキたち。
こいつらがまた素直で生意気で可愛い奴らだったんですよね。
それぞれが自分の役割を的な語りがあったように、3人がそれぞれキャラ立ちできていて
良い感じ。
非常に好感が持てましたよ。
僕的には、ラット少年が良かったな。
時折見せるお調子者っぽい動きがなんともね。
不条理な世界に生きる彼らにはとにかく幸せになって欲しかったです。
ラストシーンの海辺でのはしゃぎっぷりは本当に胸がすきました。

ストーリーについて。
正直、ツッコミ所もなかった訳ではなかったんです。
例えば、ラストにやっと出てきた女の子はそれまでどうしていたのか?とか、
父親の事はお話しなくてもいいのか?とか。
とにかく勝手にお話が進んでいっているような気がして。
例えば、ラファエルが警察に拉致られたとき。
神父さんは有無を言わさずに警察に乗り込み訴えかける。
あたかもこいつらが拉致したことを疑わないがごとく。
なんとなく、通常なら先に他の方法を考えたり、熟考しそうなものなのだが。
まぁ、本作はブラジルの社会問題を盛り込んだ作品なので、ブラジルでは
当り前の事として認識されているのかな。
腐敗した社会や警察についてもそういう問題が実際にあるんでしょうね。
だからこそラストはあの終わらせ方で、少し夢のある感じに仕上げていたのかなって。

とても気持ちの良い終わらせ方でした。

謎解きや緊迫感あふれる演出も巧みでとても見応えがありました。
警察から追われながらギリギリの所での攻防戦。
ハラハラドキドキしながら子供たちのワンパクな所も見え隠れさせながら映し出す演出は◎。

見応えたっぷりの本作。
監督はスティーヴン・ダルドリー。
リトル・ダンサー」の監督さんで。
なるほど通りで子供を撮るのが巧い訳だ。

後味の良い良作でした。

そうそう。
悪ガキたちを助ける女性役でルーニー・マーラさんが出ていましたね。
どこかで観たことあるなと思ったら「サイド・エフェクト」で怪演していた女優さんだ!!

≪点数≫
  7点
                                           (15. 12.26鑑賞)

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No.1172 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
No1172 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

2015年制作 米
監督:J・J・エイブラムス

≪キャッチコピー≫
『目覚めよ――』

≪ストーリー≫
強大な軍事力を誇るファースト・オーダーが銀河を支配しようとしていた。レジスタンスを率いるレイア・オガーナ将軍は、ジェダイ復活に失敗し行方をくらました兄ルーク・スカイウォーカーを探しだすため、パイロットのポー・ダメロンを惑星ジャクーへ派遣するが・・・。

≪感想≫
スターウォーズ最新作。

待ちに待ったスターウォーズ最新作。
本シリーズがスタートしたのが1977年。
旧三部作と謳われるエピソード4~6は爆発的にヒットし、いまでも熱狂的な ファンが
後を絶たないシリーズに。
そして1999年。
新三部作と謳われたエピソード1~3が上映。
こちらは、イマイチ人気も出ず逆にファンからは非難を浴びる事に。

そしてそして。
いよいよ待ちに待った最新作エピソード7が上映。
全世界で同時上映され、爆発的にヒットしているみたい。

映画好きとしてはその流れに乗らない手は無い!!
と言う事で、いざ映画館にて鑑賞してきましたよ!!

まずは僕とスターウォーズ。
本作が上映されるにあたって復習を兼ねてシリーズ6作品を鑑賞。
巷の評判と同様に、旧三部作は楽しめたけど、新三部作に関しては
最後にいくにつれて「なんだかなぁ」って感じ。

いよいよ本作。
旧三部作の流れを汲んだ愛すべき作品に仕上がっていました!!

実は本作の監督はJ.Jエイブラムスさんで。
本シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスではないんです。
それを知った時、少し心配になったのですが、J.Jエイブラムスと言えば
SUPER 8/スーパーエイト」でスピルバーグ愛に満ち溢れた作品を撮ってくれたので、
今回もめちゃくちゃ「スターウォーズ」愛に溢れた作品に仕上げてくれるという
期待通りの展開に。
スタートレックのリブート作も撮っているしね。

旧作品のキャラクターも登場させつつ新キャラにもキッチリと新しい息吹を吹き込む。
アクションや演出もこれまでのスター・ウォーズの流れをしっかりと汲み、
取り入れながら描き出す。
まさに新シリーズの幕開けにふさわしい作品に仕上がっていました。

キャラクターついて。

まずは新キャラ達。

ヒロインのレイ。
こちらは新たなるジェダイの香りがプンプン。
実質、彼女が主人公で今後、彼女の成長譚が描かれていくんでしょう。
見た目も凛としたたたずまいで非常に魅力的なキャラクターでした。
ヒロインでありヒーローである様な。

レイの親友となる新たなるキャラクター、フィン。
どこかで見た事あるなと思ったら「アタック・ザ・ブロック」の主役を演じていた方
だったんですね。
フィンも好青年で愛すべきキャラクター。
序盤のレイとの掛け合いは最高に微笑ましかったですよ。

本作の敵であるカイロ・レン。
ネタばれになるのであまり多くは語りませんが、そういう役どころだったんですね・・・。
予想と違った展開に少し驚かされました。
あと、こいつの武器がカッコ良かったな。
僕的には、ダース・ベイダーは別格として、エピソード1のダース・モールがイケている
敵役だったんですが、 見た目的には本作のカイロ・レンも負けていなかったです。
ただ、性格的にまだまだ悪役にはなりきれていなかったな。
結構、弱々しい部分も出ていたので、もう少しダース・ベイダーのようなカリスマ性が
あっても良かったかも。
まぁ、本シリーズは光と闇をテーマとしているので、このカイロ・レンが今後どのように
悪として成長していくのかも見物です。

他にも、ヨーダっぽいルックのマズ・カナタというキャラも良かったな。
あとは、ハン・ソロを追っかけているギャング集団を「ザ・レイド」のイコ・ウワイスと
ヤヤン・ルヒアンが演じていたりと嬉しい誤算。
どうせなら彼らにバリッバリのアクションを見せてほしかったな。

あとね、キャプテンファズマというキャラクターがいまして。
量産型敵キャラのストームトルーパーの色違いというかボス的存在。
ポスターにもど真ん中にしっかり写りこんでいるあいつ。
こいつの見た目がカッコ良かったのでどういう活躍をしてくれるんだろうと
期待していたのですが・・・。
まさかの「あれだけ!?」感・・・。
これじゃぁ、次回作には出ないかもね・・・。
残念無念。

新キャラでドロイドと言えばBB-8。
これがまたお茶目で可愛らしーんだよ!!
親指立てるシーンがめっちゃ良かったです!!
一家に一台BB-8!!
今後も活躍し続けてほしいですね。

そして旧キャラクター達もこぞって出演してくれました。
ハン・ソロ&チューバッカの名コンビ!!
彼らの愛機であるミレニアム・ファルコンと共にいぶし銀の活躍を見せてくれました。
特にチューイに関してはまた惚れ直しましたなぁ・・・。
名コンビと言えばドロイドのC-3PO&R2-D2も復活。
少ししかありませんでしたが彼らの掛け合いは最高にアガりました。
レイア姫やルークも出ていたし、何より彼らの存在が本作にしっかりと生き続けているのが
嬉しかったですねぇ・・。

本シリーズの一番の僕的見所はキャラクターのルックなんです。
旧三部作を見た時、異形の生物やドロイドたちが同じ世界でワイワイキャッキャとやっているのが
楽しかったりワクワクしたりしたんですよね。
その流れを本作でもキッチリと見せてくれて。
とても楽しい仕上がりに大満足でした。

もう一つの見所はSFアクション。
旧シリーズを見た時、あの宇宙でのバトルシーンには心踊らされましたが、
本作でもそれは健在で。
もっと言うとパワーアップしていたんじゃないかな。
クライマックスのスターキラーは旧作品のデス・スターと彷彿とさせて戦いも
旧作を思わせる演出。
ここらへんもアガッたなぁ・・・。
レーザー光線の音とかもスター・ウォーズ印満開で心躍る躍る。
とにかく旧3部作を愛しているからこその作りに仕上がっていたんですよねぇ。

あとは、やっぱり音楽ですね!!
ジョン・ウィリアムスが作った音楽はやっぱり本シリーズに見事にマッチしていて、
これぞ「スター・ウォーズ」!!
これまた最高にアガリましたよ。
あの冒頭の音楽と共に字幕が流れてるシーンには、思わず心の中で
「よっ!!待ってました!!」
なんて叫んだり。

いやはや長々と書きましたが。
とにかく楽しめた本作。
完璧とまでは言い難いですが、大満足の1作。
次回作が楽しみなんですが、また監督が変わるらしいですね。
少し心配ですがとりあえず、J.Jエイブラムスさん、ありがとう!!

≪点数≫
  9点
                                           (15. 12.25鑑賞)
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No.1171 『サボタージュ』
No1171 『サボタージュ』

2014年制作 米
監督:デヴィッド・エアー

≪キャッチコピー≫
『1人ずつ消されていく、最強の9人。』

≪ストーリー≫
麻薬取締局DEAの中でも最も強いとされる特殊部隊のリーダーを務め、ブリーチャー(破壊屋)の異名を持つジョン・ウォートン(アーノルド・シュワルツェネッガー)。彼とそのチームは麻薬カルテルのアジトを急襲し、巧みなチームワークと見事な戦術でミッションを成功させる。だが、組織が隠し持っていた1,000万ドルもの大金が突如として消え、それと同時に隊員たちが何者かによって一人、また一人と殺害されていく。報復や隊員の犯行などが疑われる中、ジョンは女性刑事と一緒に事件の真相を追い掛けていく。

≪感想≫
アーノルド・シュワルツネッガー主演作。

シュワちゃんと言えば昔はゴリッゴリのアクションスターでしたが、一度、
政界に進出したため映画の世界からは一旦身を引いていて。
それが政界引退と共に復活。
手始めに、スタローンらとの共演作品「エクスペンダブルズ」シリーズ。
最高の祭り映画でしたねぇ・・・。
他にも「大脱出」や「ラストスタンド」等々。
素敵な作品に出ずっぱりな訳で。
またまた、筋肉親父の復活か!?なんて心踊る訳ですが。

さて本作。
エグ目でグロ目な少し落ち着いたサスペンスアクション作品でしたよ。

本作、バイオレンス描写がけっこう凄くって。
R15作品と言うだけあってね。
仲間がどんどん惨殺されていくんですが、この殺され方がエグいエグい。
少し、目を背けてしまいました。
死体の天井貼り付けや冷蔵庫から死体がドンっと出てくるところ。
とにかく凄惨な感じが出ていました。
監督はデヴィッド・エアー。
以前観た「エンド・オブ・ウォッチ」を撮った監督か。
どおりでね。
「エンド・~」のレビューに書いたのですが、鑑賞後少し凹んだりしたんです。
本作のテイストも少し似ていました。
後味があまり良くはないというか・・・。
苦みが残る後味で・・・。
デヴィッド・エアーは「トレーニング・デイ」の脚本を書いたお方でもあるんですね。
これまたどおりでね・・・。

キャラクターについて。
シュワちゃん頑張っていましたねー。
妻子を殺害された過去を持つ男を好演されていました。
だけどね・・・ふと思う。
これがデンゼル・ワシントンだったらもっと良い感じだったんじゃないかって。
例えば「トレーニング・デイ」の感じ。
例えば「イコライザー」の感じ。
結構、マッチしているんじゃないかな。

シュワちゃん演じるブリーチャーの部下たち。
8人と人数が多めだったので最初はキャラ立ちができていませんでした。
徐々に減っていったので何とかついていけましたが、最初はちょっとピンとこなかったですよ。

ストーリーや演出について。
本作、結構ストーリーが複雑で。
仲間を殺している奴を探すお話なのですが、そこにブリーチャーの過去をからめたり、
麻薬組織をからめたり、冒頭の現金強奪をからめたりと。
少し混ぜ込み過ぎでお腹いっぱい。
ただ、演出が巧かったんですよね。
例えば、中盤、部下の一人であるトライポッドを探しに行くシーンでは、時間軸をごちゃ混ぜにして、
ブリーチャー達の訪問と麻薬組織の訪問を交互に映し出す。
なかなか巧いなと思わずニヤリ。
あとは、やっぱりバイオレンス描写かなぁ・・・。
クライマックスのカーアクションからの着地の仕方。
壮絶な〆方でしたねぇ。

ちょっと思ったんですが、ラストのあの締め方は余計だったんじゃないかな。
例えば先に書きましたデンゼル・ワシントン主演の大傑作「イコライザー」。
あれも敵を最後の最後まで追い詰めて決着をつけるというお話でしたが、
本作もそういうテイストで。
ただ、「イコライザー」のスカッと感はまるでなく、重々しく終わっちゃったんですよね。
そのせいで、後味も悪くなり重い空気になっちゃったような気がして。
その前のカーアクションでも結構盛り上がっていたのでそこで終わらせても
良かったのになって。
残念無念。

全体的に重々しくバイオレンスたっぷりの本作。
楽しめた部分もありますが、ちょっと不満が残る1作でした。

≪点数≫
  6点
                                           (15. 12.23鑑賞)

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
No.1170 『ベイマックス』
No1170 『ベイマックス』

2014年制作 米
監督:ドン・ホール, クリス・ウィリアムズ

≪キャッチコピー≫
『"優しさ"で世界を救えるか?』

≪ストーリー≫
西洋と東洋の文化がマッチし、最先端技術分野の先駆者たちが数多く住んでいるサンフランソウキョウ。そこに暮らしている14歳の天才児ヒロは、たった一人の肉親であった兄のタダシを亡くしてしまう。深い悲しみに沈む彼だったが、その前にタダシが開発した風船のように膨らむ柔らかくて白い体のロボット、ベイマックスが現れる。苦しんでいる人々を回復させるためのケアロボット・ベイマックスの優しさに触れて生気がよみがえってきたヒロは、タダシの死に不審なものを感じて真相を追い求めようと動き出す。

≪感想≫
ディズニー作品。

まずはこれだけは言いたい!!
本作のCMを見た時、兄を亡くした弟が、残してくれた人工ロボットとの心温まる交流を
描いた作品かと思ったんです。
ドラえもん的な?
それもあって、甥っ子や姪っ子に勧めたり、子供がいる方達へガンガン
お勧めしたりもしたんですよね。

それが蓋を開けてみると・・・。

「ん・・んん??・・・おもてたのとちがーーーう!!!!」

ごりっごりのヒーローアクション大作でしたよ。

内容はともかくこの宣伝の仕方は本当にズルいよなぁ・・・。
以前、ブラッド・ピット主演の「ワールドウォーZ」という作品がありましたが、あれもゾンビ映画なのに、
ゾンビの匂いを一切させないで宣伝してたっけ。
ゾンビ映画と言ってしまうと客が一気に減るからとの事で、宣伝方法を変えたとか。
まぁ、分からないでもないですけど、このような宣伝方法は嫌いですねぇ・・・。

さてここからは作品について。
とても満足できる作品に仕上がっていましたよ。

正直、僕が見たかったのはこんな作品だったりもするんですよね。

先にも書いたように本作はバリバリのアクションヒーローもの。
それもそのはず、本作はアメコミが原作なんですって。
タイトルも「ビッグ・ヒーロー・シックス」。
文字通り6人のヒーロー達が町のために戦う的な。
本作って、舞台もそうなんですが日本をかなり意識した作りになっていたんです。
例えば、舞台もサンフランソウキョウというサンフランシスコ+東京という架空の都市だし。
町にもカタカナや漢字も溢れかえっているし。
アクションも空手が出てきたりしたし。
そして何よりベイマックスの必殺技が「ロケットパンチ」なんです!!
マジンガーZじゃん!!ってね。
ヒーロー的な所も、日本のゴレンジャー等の戦隊ものを意識しているのかなって。
とにかく嬉しくって気持ちの良い仕上がりになっていましたよ。

キャラクターについて。
ビッグ・ヒーロー・シックスの面々。
欲を言えば、もう少しキャラクターの個性(バトル)をもっと見たかった気もしましたが、
それぞれしっかりと色分けされていましたね。
僕的には女性キャラクターのゴーゴーがカッコ良かったかな。
あの、ローラーブレードみたいなのを駆使してスイスイと動き回るアクションはいけていました。
本作、アクションシーンが結構スピーディーでカッコ良かったです。
とても満足いく仕上がりになっていました。

総括。
ストーリーはスタンダードなヒーローもの。
これはこれで子供も楽しめる作品になっているのにな。
実際にうちの甥っ子姪っ子は大好きになったくらいだもん。
やっぱり不満が残る宣伝の仕方。
ちょっとあざといそのやり方はやっぱり嫌いかな。

あぁーーー良い作品なだけにもったいないない・・・。
-2点!!

≪点数≫
  7点
                                           (15. 12.20鑑賞)

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No.1169 『ワイルドカード』
No1169 『ワイルドカード』

2014年制作 米
監督:サイモン・ウェスト

≪キャッチコピー≫
『最強の「切り札」』

≪ストーリー≫
以前は優秀な兵士で、現在はラスベガスの裏社会で用心棒をしているニック(ジェイソン・ステイサム)。ある日、誰かにひどい暴行を受け重傷を負った元恋人から犯人捜しと復讐(ふくしゅう)を依頼される。瞬く間にそれを成し遂げたニックだが、犯人の背後には権力を駆使しラスベガスを支配する凶悪マフィアが控えていて……。

≪感想≫
ジェイソン・ステイサム主演作。

ジェイソン・ステイサムと言えば「トランス・ポーター」シリーズや「エクスペンダブルズ」シリーズ。
どちらも好きな作品です。
無敵感あふれるアクションの数々が素晴らしいんですよね。
安心して主役の活躍のみを観ていれば良い的な。

さて本作。
相変わらずの無敵ステイサムの降臨でした!!

ラスベガスに無敵で影のある用心棒がいまして。
そいつがちょっとした事件に巻き込まれてその無双っぷりを発揮するというお話。
その事件と言うのが、友人の女性がマフィアに絡まれて復讐するという事件。
ちょっとデンゼル・ワシントン主演の大傑作「イコライザー」を思い出したり・・・。
お話としてはまぁ捻りもないスタンダードな展開なのかな。

良かった所。
アクション。
全体的にド派手な爆破とかカーチェイスとかは無く肉弾戦のみ。
量的には少なめだったかな。
ただその少ないアクションシーンがカッコ良かったんです。
特にクライマックスのバトルシーン。
これまで抑えていたアクションをここで一気に爆発させる。
ここで見せたナイフアクションはメチャクチャカッコ良かったです。

演出について。
本作はとにかくスローを多用していたような。
そうすることで緊張感や重々しさを前面に押し出していて。
この演出はまぁ良くも悪くもと言ったところか。
だって、最後の方はちょっと飽き飽きしちゃったんだもんな(苦笑)

音楽。
本作、音楽も少しロートルな雰囲気を出していましたね。
クラシカルな感じと言うか、ノリノリではなく落ち着いた雰囲気の音楽と言うか。
その音楽がアクションシーンにも流れていまして。
あんまりマッチしていないようにも感じたり。
少し、以前観たブラッド・ピット主演の「アウトロー」の空気感を思い出したり。

とにもかくにも。
全体的に好きなシーンもたくさん。
無敵なジェイソン・ステイサムを観るのはやっぱり悪くないですね。

≪点数≫
  7点
                                           (15. 12.19鑑賞)

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No.1168 『滝を見にいく』
No1168 『滝を見にいく』

2014年制作 邦
監督:沖田 修一

≪キャッチコピー≫
『7人のおばちゃん、山で迷う。』

≪ストーリー≫
7人の中年女性たちは温泉付き紅葉ツアーと銘打った旅行に参加し、それぞれが思い思いに山道の散策を楽しんでいた。だが、彼女たちの先に立って案内していたツアーガイドの姿がこつぜんと消え、7人は山中に置き去りにされてしまう。携帯もつながらず、食べる物も宿泊できる施設もない中、彼女たちはサバイバル生活を余儀なくされ……。

≪感想≫
沖田修一監督作品。
沖田監督と言えば「キツツキと雨」や「南極料理人」「横道世之介」。
どれも大好きな作品。
特に「横道世之介」は2014年のベストに入れたくらい。
作風的にはほっこりな空気で人生を肯定したくなる感じ。
とにかくお気に入りな監督さんの一人です。

さて本作。
相変わらずの沖田ワールド。
ほっこりほくほく、のんびりした作品でしたよ。
物語的にはいたって簡単。
7人のおばちゃん達が滝を見に行くバスツアーに参加し、山で遭難するというお話。
遭難するんだけどとってもポップな感じ。
命からがらなんだけどどこかほのぼのしていてすごく可愛らしいというか。

まずキャラクターの一人一人がとても立っていて。
一人ずつしっかりとした色分けが出来ていて、それぞれがとても愛くるしいというか、人間らしいというか。
一人ずつ解説を。

1.根岸純子(ジュンジュン)
この方が一番の主役かな。
最初は根暗な感じで、穏やかながらも遭難して一番の活躍、変化を遂げた方なんじゃないでしょうか。
柔らかながらもヘビを捕まえて、みんなにイタズラする所はとってもキュート。

2.谷由美子(ユーミン)
この方は高飛車な性格の、どちらかと言うとおばさんではなくお姉さん。
一番、登山が似合わない彼女が、身の上を独白するシーンはとってもキュート。
彼女が発した
「40超えたら女はみんな同い年!」
は2015年僕的流行語です。

3.関本百合子(セッキー)
キンキン声の彼女。
太極拳をやったり小粋なジョークをかましたり。
終盤の死別した旦那との絡みは切ないながらも微笑ましくって。

4.桑田三枝(クワマン)
彼女はいわゆる一番のオバタリアン。
最後にガイドの男を蹴っ飛ばす所は最高に笑わしてもらいましたよ。
ユーミンとのタバコのやり取りはちょっとほっこりしましたね。

5.田丸久美子(クミ)
クワマンの相方的ポジション。
ちょっとオイシイ所は少なかったですが、クライマックスのオペラは滝も相まって
マイナスイオンでまくり!!

6.花沢敬子(師匠)
7人の中での最年長。
リーダー的な役割を担った彼女。
実は一番若々しかったりもしたんですよねぇ・・・。
素敵な年の取り方です。

7.三角道子(スミス)
花沢師匠の弟子的存在の彼女。
夜に師匠が独白するシーンの後に、スミスが師匠を眺める表情。
僕的ベストシーンはこの師匠を眺めるスミスの表情でしたよ!!

とまぁ、一人一人が個性爆発で素敵な人たち。
素敵なアンサンブルで楽しませてくれました。

とにかくこの人たちのやり取りが楽しいんですよね。
僕は時折、いききっているから面白いなどと感想を述べたりするのですが、
本作はその逆でいききり過ぎず、いかにもありそうな、ふと周りではこういう人たちが
いるんだろうなって思わせてくれたところが凄く良くって。
ほっとするというか。
この人たちは今頃、どんな生活を送ってんだろうなって、ふと思い出したり。

どこかほっこりする作風は沖田監督の特徴で。
本作ももれなく沖田印満開の作品に仕上がっていました。
おススメです!!

≪点数≫
  8点
                                           (15. 12.13鑑賞)

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No.1167 『薄氷の殺人』
No1167 『薄氷の殺人』

2014年制作 中/香港
監督:ディアオ・イーナン

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
中国・華北地方で切断された死体の断片が次々に発見され、刑事ジャン(リャオ・ファン)が捜査に当たるが、容疑者の兄弟が逮捕時に射殺されたため詳細は誰にもわからなくなってしまう。5年後、しがない警備員となっていたジャンは以前の事件と手口が類似した猟奇殺人が発生したことを知り、独自に調査を開始。やがて、被害者たちはいずれもウー(グイ・ルンメイ)という未亡人と近しい関係だったことを突き止めるが……。

≪感想≫
中国ノワール作品。

独特の重々しい空気感。
中国と言うお国柄という所もあるのでしょうか。
くらぁーくておもぉーくて陰々滅々とした世界観。
以前観た「罪のてざわり」に通づるものがありましたよ。
あとねぇ、ちょっと暗めのバイオレンスという事で、傑作「ドライヴ」を思い出したり。

本作、まず、お話が凄く面白かったんです。
1999年に起こった事件から始まる連続殺人事件。
一人の女性の周りで巻き起こる事件。
徐々に明かされる真実。
ググイと引っ張られるストーリーテリングに振り回されっぱなし。
とても良くできているなって。

あとねぇ、本作セリフもとても少ないんですよね。
とは言え、しっかりと感情の機微も映し出している。
おぉ、独特の空気感。
嫌いじゃないですよ。

演出もフレッシュな感覚が。
序盤、銃撃戦があるんですが、その始まりと言うか流れがあまりにも突発的で。
しかもアドリブかなと思うくらいそこにいる人間たちがドタドタしているんです。
撮り方にも関係するんですけどとにかく野暮ったいというか。
ただ、その演出がとてもリアリティがあって銃撃戦が始まった瞬間ビックリしちゃったんですよね。
急に訪れる暴力を垣間見た感じがして。
とにかくこのシーンは名シーンだったかと思います。

あとね。
ふと思ったんですが時折流れるディスコチックな音楽。
エンディングでも流れていましたが、本作のテイストと全く違う雰囲気で、
これはこれで
「変わってんなぁー・・・。」
って。

全体的に。
暗くてどんよりとしたお話と映像と空気感。
韓国ノワールとはまた違うアジアの作品を堪能させていただきました。

久しぶりの余談。
主演のグイ・ルンメイさん。
どこかで観た事あるなと思っていたら、以前観た「藍色夏恋」のヒロインさんだったんですね。
へぇー、へぇー、へぇー。

≪点数≫
  8点
                                           (15. 12.13鑑賞)

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No.1166 『トゥモローランド』
No1166 『トゥモローランド』

2015年制作 米
監督:ブラッド・バード

≪キャッチコピー≫
『ウォルト・ディズニー最大の謎にして、最高のプロジェクト』

≪ストーリー≫
17歳のケイシー(ブリット・ロバートソン)が見覚えのないピンバッジに触ると、自分が思い描いた別世界へと入り込んだ。バッテリー切れで現実の世界に戻ってきた彼女の前に、不思議な少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が現れる。そしてケイシーにトゥモローランドに戻りたいのなら、フランク(ジョージ・クルーニー)という男性を訪ねるよう助言する。

≪感想≫
ディズニー作品。

ちと脱線から。
僕とディズニーランド。
初めて行ったのは幼稚園生ぐらいの頃。
イマイチ記憶に残っていませんが「カリブの海賊」に乗ったのは覚えているかな。
今思うと、それは1985年くらいのお話で、東京ディズニーランドが開園されたのが
1983年との事なので、できて間もなく行っていたんですね。
親父頑張ったんだなぁと感慨深くもなり・・・。

さてさて。
タイトルのトゥモローランドとは、ディズニーランドにあるエリアのひとつなんだって。

お話的には未来は自分の手で変えようぜ!!ってなお話。

まずは良かった所。

キャストが最高!!
一人目の主人公であるフランク役のジョージ・クルーニーは言わずもがなですが、
フランクの少年時代を演じた子役も良かったですねー。
ジョージ・クルーニーのニヒルな笑顔にそっくりで違和感なく見る事ができましたよ。
二人目の主人公であるケイシー役のブリット・ロバートソン。
快活なキャラクターで何事も絶対あきらめない少女をこれまた違和感なく演じられていました。
そしてそして。
何と言ってもアテナ役のラフィー・キャシディ!!
超絶的な可愛らしさで一気に虜になってしまいましたよ。
キャラクター的にもとっても良かったんですよね。
ロボットの役でアクションもハンパなくってテンションアガリまくり。
キック・アス」のヒットガールとまではいきませんが、こんなにも可愛らしい子が
ドカドカとアクションをこなしているのを見るのはやっぱり爽快ですね。
とにかくこの3人の主人公がキャラクター的にも役者さん的にも見応えあって◎。
これだけで観たかいがあったなぁって。

次にSF演出がアイディアたっぷりで抜群!!
本作は未来のお話だったりするので、色々なメカや映像が盛りだくさん。
壮大な風景や未来の映像はやっぱりデカいスクリーンで観たかったなって。
ハイテクメカも最高でした。
フランクの家にある的を迎撃する仕掛けの数々には心躍らさせていただきましたよ。
本作って世界観や演出がとにかくワクワクしたんです。
観ていて楽しかったというか。
それこそディズニーで夢を見ているような感覚に。

さて、ここからはムムムな所。
ストーリーが大づかみ過ぎて・・・。
当り前のように進んでいくストーリー。
例えばケイシーはなぜアテナに選ばれたのか・・・。
トゥモロー・ランドの仕組みとは・・・。
フランクが追放されることになった理由や、追放後の行動は・・・。
ピンとこなくって勝手に物語が進んでいっている部分が多くってなんだかなぁと
いった部分もあったり。

子供向けだからしょうがないのかなとも思ったり。
SF作品ってこんなもんか何ても思ったり。

とにかくストーリーに関しては少し物足りなかったです。
敵のロボット達(黒服集団)も個性爆発っぽくて良い感じだったのに
意外に活躍しなかったしね。

とはいえ。
やっぱりそのルックや世界観は抜群!!
特にラフィー・キャシディーちゃんと言うニューヒロインにも出会えましたし。
何だかんだで楽しく鑑賞できた一作です。

≪点数≫
  7点
                                           (15. 12.12鑑賞)

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No.1165 『007 第15作 リビング・デイライツ』
No1165 『007 第15作 リビング・デイライツ』

1987年制作 英
監督:ジョン・グレン

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
ソ連高官のコスコフが亡命を希望した。護衛についたボンドは、KGBの殺し屋の手からコスコフを守る。そして、コスコフの情報から、KGBによるスパイ暗殺計画が告げられた……。

≪感想≫
007シリーズ第15弾。

本作からジェームズボンドは4代目ティモシー・ダルトンへ。
この俳優さん自体初見なのですが、他にも代表作はあるのかな。
まぁまぁまぁ・・・。

さてさて。
以前より、本シリーズはおバカ傾向、リアル傾向と別れていまして。
本作はおバカよりではなくリアル志向作品。

ギャグや三枚目路線を取っ払った作りに仕上がっていました。
まずストーリーが以前に比べて練られているように感じましたよ。

少しネタバレしますが、最初は味方だと思っていた奴(コスコフ)が、実は本当の
敵だったという流れはエンタメ的にもワクワクする流れになっていました。
プーシキンと言うキャラクターの存在も巧く活きていましたね。
こいつも本当は敵のような存在。
それが、共通の敵(コスコフ)と言う存在が同じ方向を向かせる。
最後は共闘してボンドと戦う所が良かったです。
欲を言えば、もう少し活躍させてほしかったかなと。
アフガンの戦士シャーの扱いもそうでしたね。
もう少し、ボンドとの交流を描いていればラストの戦いに厚みが増したのかなと。
もったいないない。

キャラクターについて。
本作から、諜報機関の秘書マニー・ペニーの女優さんも変わっていましたね。
今までの貴婦人風から一転。
若々しくって美人さんになっていましたよ。
ボンド・ガールのマリアム・ダボさんよりこのキャロライン・ブリスさんの方が綺麗だったな。

本作のボンド・ガールがまたとってもトラブル・メーカーで。
盛り上げるための演出なんでしょうが、彼女がやる事なす事ちょっと悪い方向に
持っていかれるんですよね。
それが少しイラッとしちゃったのも事実。
もっと巧くキャラ付けしてあげてよなんて思ったり。
ボンドの女好きもお約束なんですが、やっぱり少し癪にさわったり(苦笑)

アクションについて。
アクションはそんなにバッキバキではなかったような。
ただ、前作ぐらいもありましたかねスカイアクションと言うか高い所での
アクションが多かったです。
例えば最初のロッククライミングやクライマックスの軍用機でのアクション。
そこら辺は観ていて気持ちが良かったですね。

本作の良かった所はあと、車がカッコ良かったことと、スパイグッズが多めだったこと。
特にボンドカー(アストンマーチン)のチェイスシーンで色々な武器が出てきたところは
カッコ良かったです。

さて、4代目となったジェームズ・ボンドシリーズ。
このままリアル志向に行くのか、はたまた・・・。
まだまだ楽しみですね。

≪点数≫
  6点
                                           (15. 12.6鑑賞)

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No.1164 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
No1164 『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』

2005年制作 米
監督:ジョージ・ルーカス

≪キャッチコピー≫
『伝説は完結する』

≪ストーリー≫
クローン大戦が勃発し、アナキン(ヘイデン・クリステンセン)とアミダラ(ナタリー・ポートマン)の秘密の結婚から3年後、分離主義者の勢力はますます拡大。共和国側は窮地に追いこまれていた。アナキンはシス卿のダース・ティラヌス(クリストファー・リー)を死闘の末に倒すが……。

≪感想≫
「スター・ウォーズ」シリーズ第六弾。

今回は新三部作の3作目。
いよいよトリになります。

この新三部作。
一作目は楽しめたんですが、前作がとてつもなくつまんなくって。
あまりにも身勝手なアナキンの行動に辟易しちゃったんですよね。

さてさて本作。
キャラクターについて。
アナキン・スカイウォーカー=ダース・ベイダー。
相変わらずのダメダメ人間。
そもそもこいつがなんでジェダイになれたのか分からないぐらい、ブレブレ精神の持ち主。
いくら資質が物凄いからと言ってこれは無さすぎる。
本作でもその無責任な行動はご健在。
勝手に物事を悪くしている節アリ。
いくらなんでも感がハンパないキャラクターでしたよ。
パドメ。
前作ぐらいからこのパドメの行動もダメダメに。
凛とした清廉な女王様から恋に盲目的な少女へ変貌。
本作でもアナキンに振り回されっぱなしの弱々しい女性へと変貌していました。
とにかくこの二人のシーンは取って付けたような恋愛B級作品へと早変わり。
安っぽくて見応えの無い作品に格下げじゃい!!
とほほ・・・。

ストーリーについて。
本作で新三部作は終了という事で、旧三部作(エピソードⅣ)に続くようなお話になっていました。
そこは少し良かったかな。
以前、C-3POやR2-D2がアナキンやパドメと交流しているにも関わらず、知らないっつーのは
おかしくないかい!?なんて思いましたが、そういう事だったんですね。
なるほど納得いたしました。
うっすら辻褄が合わない部分もあったようにも思いましたが、そこはご愛嬌という事で。
着地の仕方は良かったと思います。

映像について。
前作くらいからなんか薄っぺらくて安っぽく感じた映像。
CG技術が優れてきたとはいえ、なんだか物足りない。
ただし、最初の宇宙でのバトルシーンは素晴らしかったです。
前作で嫌になった気分も、この最初の宇宙バトルがあったから最後まで観る事ができたぐらい。
とても迫力や動きがあって良かったです。

さてさて、いよいよ12月に公開される最新作。
期待値はマックスですが、果たして!?
いざ劇場へ!!!!!!

≪点数≫
  6点
                                           (15. 11.29鑑賞)

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