2015-09-28 Mon

2013年制作 イスラエル
監督:アハロン・ケシャレス, ナヴォット・パプシャド
≪キャッチコピー≫
『善良そうな容疑者 過剰な被害者 乱暴な刑事 本当の'悪<オオカミ>'は誰だ!?』
≪ストーリー≫
イスラエルのとある森で、少女がむごたらしく暴行された果てに殺される事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのは、中学校で宗教学を教えているドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問にあたるものの、証拠がなく釈放されてしまう。さらに行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サイトにアップされてしまったことでミッキは交通課に異動になってしまう。しかし、ミッキはドロールが犯人だと思っていて……。
≪感想≫
掘り出し物発見!!
ハラハラドキドキ、オチもドーンと驚かされる傑作に出会いました。
作品について。
制作国はイスラエルとの事。
イスラエル映画・・・初めてかも。
イスラエルのお国事情も深くは知らない私ですが、本作を観ると、お国事情も少し皮肉った
ブラックな仕上がりにもなっていましたね。
ストーリーはシンプル。
登場人物も少なめ。
少女の誘拐殺人事件。
それを追う一人の刑事。
容疑者。
そして被害少女の父。
この3人の攻防戦をこれまた限りなく少ないシチュエーションで繰り広げられるサスペンス。
まず物語の進め方が巧い!!
1つ目。
容疑者である、ドロール。
まず、こいつが本当に犯人なのかは一切、観客には伝えない。
なんとなくこいつは冤罪なんじゃないかなぁと匂わすぐらい。
だって、状況証拠や、物的証拠、言っちゃえばなんでこいつが容疑者になっているのかさえ
教えてくれない。
観ているこっちは、その映り込むシーンと情報だけで推理する。
これがまたドキドキするんですよねぇ・・・。
2つ目。
拷問シーンのエグさ。
本作はR18となっていまして。
拷問シーンがとにかく痛々しかったんですよね。
指の骨を折ったり足の爪を剥いだり、トンカチで手の甲をぶっ叩いたり・・・。
極めつけはバーナーで胸をジュー・・・。
痛みが想像できて、とっても生々しくって思わず目をつぶりたくなるぐらい。
観ているこっちは、手のひらギューーーってなっていました。
この拷問シーンの緊張感が、ストーリー展開や少し荒っぽい所も上手く
緩和されていたんですよね。
3つ目。
時折訪れる、クスリと笑わす演出。
緊張と緩和とはこの事か。
例えば、がケーキを作るシーンがあるのですがその時のBGMがBuddy Hollyの「Everyday」。
こんなポップな曲を使ってくるかと思わずクスリ。
例えば、被害少女の父ギディの父親が地下で犯人と間違ってドロールに凄むシーン。
「父さん、犯人はこっちだよ・・・。」
思わずぷぷぷ。
アラブ人とのやり取りも面白かったなぁ。
これは今のイスラエルの状況を皮肉っている感じがニヤリとね。
4つ目。
これは本作の肝!!
伏線と回収のバランスがとてもOK!!
上手い具合にヒントを落っことして、それを回収。
「なるほど、あれはこういう事ね。」
「ん?さっきのあれはいつ活かされるんだ??」
「なるほど、そういう事か!!」
これのループね。
一個一個数え挙げればキリがないくらいこれの繰り返し。
それでも、最後の最後まで重要な種明かしはしない。
ドロールは本当に犯人なのか?
この大きなキモの部分はしっかりと残してくれている。
そして最後の最後に訪れる真実。
思わず、
「ううう・・・。」
と呻く僕。
いやはや、良い作品であいましたよ。
掘り出し物とはまさにこの事。
おススメです!!
ふと思い出したのですが、以前観た「アリス・クリードの失踪」に似ていたな。
あれも掘り出し物でしたし・・・。
こちらもおススめです!!
≪点数≫
9点
(15.08.01鑑賞)

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