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No.1091 『百円の恋』
No1091 『百円の恋』

2014年制作 邦
監督:武 正晴

≪キャッチコピー≫
『呆れる程に、痛かった。』

≪ストーリー≫
32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。

≪感想≫
32歳になっても引きこもりのニート状態の一子。
毎日毎日ぐうたら過ごし、髪はボサボサ、でっぷり体系で見るからにダメ人間。
ちょっと昨年観た傑作「もらとりあむタマ子」のタマ子の将来はこんなんじゃないかって
不安になったり。
ろくに実家の弁当屋の手伝いもせず、ぐだぐだと毎日を過ごす一子に家族はついに爆発。
家を追い出されることに。
もうねぇ、ここまででこの一子のダメっぷりがハンパないんです。
他人との会話もできない。
仕事もできない。
やらない、できない、ないないづくし。
それでいて卑屈で生意気。
嫌な感じ。

ひょんなことから100円ショップで働くことになる一子。
ここには個性的なキャラクター(負け犬)が勢ぞろい。
鬱病を患う店長。
「マジっすか」が口癖の青年。
いつも廃棄弁当を狙いに来る女性(恐らくホームレス)。
そしてそして。
やたらベラベラ喋りまくるバイトの先輩オヤジ。
この先輩オヤジがとにかくうるさくてうざい。
不平不満やホラ話ばっか話して、とにかく邪魔!!
mixiの話をする所は思わず笑ってしまいましたが、とにかくやな野郎でしたよ。
そして、こいつが一子に対するある行動を起こす。
これが、もう本当に不快で。
このシーンを観た瞬間、
「なんだよ、こんな作品を観たいんじゃねぇ!!」
って怒りのあまり観るのを止めようと思ったくらい。
とにかく不快。
と言うか本当にこいつには不幸になって欲しいと心底願っています(激怒)
とにかくこいつの行動には一切同情も共感もしないし、込み上げてくるのは怒りだけ。

ただねぇ・・・。
こいつのこのシーンや行動があったからこそ、後の展開に凄みや厚みが増しているのも事実な訳で・・・。
うーーーん、けど観たくなかったな、あんなシーンは・・・。
とまぁ、観終わった後もずっとこの葛藤をしていたり(苦笑)

ついにできた彼氏らしき男(こいつもなかなかのクズ男)がきっかけでボクシングをやることに。
動機は不純かもしれないが、少しずつボクシングにのめり込む一子。
これまでの転落人生を振り払うかのごとく、トレーニングに励む。
彼女を突き動かしているのは怒り。
あいつやあいつ、そして今までの自分をぶちのめす。
コンビニでのシャドーボクシング。
ジムでのトレーニングシーン。
川辺でのダッシュシーン。
ここら辺の一子が変化していく過程は観ていて鳥肌が立ちましたよ。
めちゃくちゃシビれました。
本作屈指の名シーンじゃないでしょうか。
そして初試合の控室からリングに上がるまでのスローで流れる入場シーン。
これまでの一子の生き方や成長っぷりを思うとこれまた鳥肌もん。
最高にアガった瞬間。
正直、クライマックスの試合は涙しながら応援していました。

そして試合が終わり、一子の号泣をみてこちらも感涙。
あの最後の一言がまた、これまでの一子の生き方と重ねるとね。
これからの一子の未来にはどんな人生が待ち受けているのか。
良くなるのか悪くなるのか、それは想像もつかないが、とにかくこれまでの堕落した生活、
人生とは完全におさらばできたんじゃないかな。

最高の負け犬映画。
今年ベスト級の作品です!!

本作はやっぱりキャスティングの勝利かな。
とにかく安藤サクラさんが最高!!
冒頭のぐでっとして締まりのない表情と体型。
そこからクライマックスの戦う女の表情としまりきった体型。
本作の撮影期間は2週間だったんですって。
それを考えると本当に凄い!!
まさに役者!!ですね。
本当に素晴らしかったです。

主題歌も良かったな。
クリープハイプの「百八円の恋」。
本作もこの映画を観て作ったからかとてもマッチしていてこれまた素晴らしかったです。

いやぁーーー、とにかく素晴らしい作品でした。


≪点数≫
  10点
                                           (15.05.09鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)