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No.1091 『百円の恋』
No1091 『百円の恋』

2014年制作 邦
監督:武 正晴

≪キャッチコピー≫
『呆れる程に、痛かった。』

≪ストーリー≫
32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。

≪感想≫
32歳になっても引きこもりのニート状態の一子。
毎日毎日ぐうたら過ごし、髪はボサボサ、でっぷり体系で見るからにダメ人間。
ちょっと昨年観た傑作「もらとりあむタマ子」のタマ子の将来はこんなんじゃないかって
不安になったり。
ろくに実家の弁当屋の手伝いもせず、ぐだぐだと毎日を過ごす一子に家族はついに爆発。
家を追い出されることに。
もうねぇ、ここまででこの一子のダメっぷりがハンパないんです。
他人との会話もできない。
仕事もできない。
やらない、できない、ないないづくし。
それでいて卑屈で生意気。
嫌な感じ。

ひょんなことから100円ショップで働くことになる一子。
ここには個性的なキャラクター(負け犬)が勢ぞろい。
鬱病を患う店長。
「マジっすか」が口癖の青年。
いつも廃棄弁当を狙いに来る女性(恐らくホームレス)。
そしてそして。
やたらベラベラ喋りまくるバイトの先輩オヤジ。
この先輩オヤジがとにかくうるさくてうざい。
不平不満やホラ話ばっか話して、とにかく邪魔!!
mixiの話をする所は思わず笑ってしまいましたが、とにかくやな野郎でしたよ。
そして、こいつが一子に対するある行動を起こす。
これが、もう本当に不快で。
このシーンを観た瞬間、
「なんだよ、こんな作品を観たいんじゃねぇ!!」
って怒りのあまり観るのを止めようと思ったくらい。
とにかく不快。
と言うか本当にこいつには不幸になって欲しいと心底願っています(激怒)
とにかくこいつの行動には一切同情も共感もしないし、込み上げてくるのは怒りだけ。

ただねぇ・・・。
こいつのこのシーンや行動があったからこそ、後の展開に凄みや厚みが増しているのも事実な訳で・・・。
うーーーん、けど観たくなかったな、あんなシーンは・・・。
とまぁ、観終わった後もずっとこの葛藤をしていたり(苦笑)

ついにできた彼氏らしき男(こいつもなかなかのクズ男)がきっかけでボクシングをやることに。
動機は不純かもしれないが、少しずつボクシングにのめり込む一子。
これまでの転落人生を振り払うかのごとく、トレーニングに励む。
彼女を突き動かしているのは怒り。
あいつやあいつ、そして今までの自分をぶちのめす。
コンビニでのシャドーボクシング。
ジムでのトレーニングシーン。
川辺でのダッシュシーン。
ここら辺の一子が変化していく過程は観ていて鳥肌が立ちましたよ。
めちゃくちゃシビれました。
本作屈指の名シーンじゃないでしょうか。
そして初試合の控室からリングに上がるまでのスローで流れる入場シーン。
これまでの一子の生き方や成長っぷりを思うとこれまた鳥肌もん。
最高にアガった瞬間。
正直、クライマックスの試合は涙しながら応援していました。

そして試合が終わり、一子の号泣をみてこちらも感涙。
あの最後の一言がまた、これまでの一子の生き方と重ねるとね。
これからの一子の未来にはどんな人生が待ち受けているのか。
良くなるのか悪くなるのか、それは想像もつかないが、とにかくこれまでの堕落した生活、
人生とは完全におさらばできたんじゃないかな。

最高の負け犬映画。
今年ベスト級の作品です!!

本作はやっぱりキャスティングの勝利かな。
とにかく安藤サクラさんが最高!!
冒頭のぐでっとして締まりのない表情と体型。
そこからクライマックスの戦う女の表情としまりきった体型。
本作の撮影期間は2週間だったんですって。
それを考えると本当に凄い!!
まさに役者!!ですね。
本当に素晴らしかったです。

主題歌も良かったな。
クリープハイプの「百八円の恋」。
本作もこの映画を観て作ったからかとてもマッチしていてこれまた素晴らしかったです。

いやぁーーー、とにかく素晴らしい作品でした。


≪点数≫
  10点
                                           (15.05.09鑑賞)


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No.1090 『おじいちゃんの里帰り』
No1090 『おじいちゃんの里帰り』

2011年制作 独/トルコ
監督:ヤセミン・サムデレリ

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
トルコからドイツに移り住み、一生懸命働きながら一家を支えてきたフセイン(ヴェダット・エリンチン)も今や70代。彼は一見平凡そうに映る大家族の中で孫たちに囲まれて平穏な日々を送っていたが、息子や孫たちはそれぞれ悩みを抱えていた。ある日、フセインは、今度の休暇には全員で故郷トルコに買った家を訪れようと提案するが……。

≪感想≫
掘り出し物発見。
のんびりほのぼの暖かいお話。

トルコからドイツへ渡ったある家族がトルコへ里帰りするお話。
その中から見えるトルコやドイツの歴史的背景。
その昔、ドイツは労働者確保のために諸外国から移民を受け入れていたみたい。
出稼ぎというやつですな。
トルコも決して裕福な国ではないので本作のおじいちゃんのように、家族のために
ドイツに渡り、お金を仕送り続けていたようで。
そしてある日をきっかけに妻や子供も呼び寄せそのままドイツに住む。
本作は監督であるヤセミン・サムデレリさんのおじいさんをモデル作られた作品だそうで。
なるほどねぇ・・。

ドイツからトルコへの珍道中。
家族でのロードムービー。
テーマは違いますが以前観た良作「リトル・ミス・サンシャイン」を思い出したり。

本作、登場人物が結構多くって。
誰がどの立ち位置なのか全然説明が無いんですよね。
誰が誰の子どもで、誰と誰が夫婦で、最初はピンとこないんです。
ただ、少しずつ少しずつピースが繋がっていくように分かってくる。
ここら辺は上手だなって。
過去の自分と、現在の自分が同じ画面に映し出されるシーンも多々あって。
キャスティングの妙もあってか感慨深いシーンに仕上がっている。
ノスタルジックで良い感じなんです。
トルコの風景もとても暖かくて素敵。
お話、風景、どれもが陽気でやわらかいというか。

キャスティングも良かったです。
孫のチェンクくん。
なんて愛くるしいフェイス。
じいちゃんと一緒に床屋で顔剃りしてもらっている所なんて、ほのぼのしすぎでしょう。
肝っ玉母ちゃんも良かったし、子供時代の3兄妹も良かった。
何より彼ら彼女らは家族をとても愛し、大事にしているという空気感が醸し出されている。
何だかんだで支え合っている雰囲気がこれまた心地良かったんです。

テンポの良い展開と会話。
柔かいトルコの風景。
心地良い良作でした。

≪点数≫
  7点
                                           (15.05.09鑑賞)


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No.1089 『ゴーン・ガール』
No1089 『ゴーン・ガール』

2014年制作 米
監督:デヴィッド・フィンチャー

≪キャッチコピー≫
『本当に大切なものはいつも失って初めてわかる』

≪ストーリー≫
ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……。

≪感想≫
最初に・・・。
本作はネタバレすると楽しさ半減どころか、大変もったいない事になるかと思います。
レビューを読みたい方は是非、鑑賞後に読む事をお勧めします。
とりあえずとても良い作品でした!!
おススメです!!!!!

続きを読む >>
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No.1088 『エレクション』
No1088 『エレクション』

2005年制作 香港
監督:ジョニー・トー

≪キャッチコピー≫
『権力と
   結ばれるのは、
       一人だけ。』

≪ストーリー≫
香港最大の裏組織「和連勝会」で行われる会長選挙で、候補者をめぐり意見が割れていた。候補は冷静で先輩を敬うロク(サイモン・ヤム)と、短気で荒っぽいが金儲けにたけたディー(レオン・カーフェイ)。選挙の結果ロクが選ばれるがディーは承服せず、会長になった者だけが手にできる「竜頭棍」をめぐり、激しい争奪戦が始まる。

≪感想≫
大好きジョニー・トー作品。
ジョニー・トーと言えば「エグザイル」「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」等の男臭ーいノワール作品。
中には「名探偵ゴッドアイ」のようにちょいと変わった作品もございますが。
とにかく良い作品ばっりなんですよね。
なので、ビデオ屋さんにいって作品を見つけたらとにかく借りるようにしている監督さん。

さて本作。
相も変わらずのジョニー・トー印!!
最高に男臭い良作でした。

跡目争いを繰り広げる二人の男。
知的でスマートなロク。
粗暴ではねっかえりのディー。
序盤、二人の跡目争いでそれぞれが票集めに奔走する。
次期会長の座は古いしきたりで選挙にて決めるとの事。
あるものは買収され、あるものは義を重んじ投票していく。
まずここで香港の裏社会の成り立ちやキャラクターをキッチリ映し出す。

中盤。
次期会長がロクになることが決まり、あとは龍頭が揃えば後を引き継ぐことができる。
ここからはロクの会長を横取りしたいディーとロクの龍頭の奪い合いとなる。
ここでもジョニー・トー印満開。
バイオレンス描写について。
本作のアクションは拳銃がほとんど出ない。
裏社会(マフィアやヤクザ)ものと言えば拳銃ドンパチのイメージがありますが、
本作はそれが無くって。
そこら辺にある木片を使ったり、そこら辺にある煉瓦を使ったり。
ビール瓶、殴り合い。
良い意味で野暮ったくてブッサイクで男っぽいんですよね。
ここら辺は好感触でした。

そしてクライマックス。
無事にロクが会長の座に就きディーとも仲睦まじくやっていると思いきや!!
ロクもやはり裏の人間だったのだ。
隠していた牙、野蛮な一面を見せる。
思わずゴクリ。
あぁ・・・やっぱりこの世界の人間には近づきたくないって。

本当によくできた作品。

鑑賞後、調べてみると本作には続編があるみたい。
んん??
棚には並んでいなかったような・・・。
GEOさん、ぜひ入荷してください!!!!

≪点数≫
  8点
                                           (15.05.04鑑賞)



こちら続編。
GEOさぁん!!

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No.1087 『キャリー(2013年)』
No1087 『キャリー(2013年)』

2013年制作 米
監督:キンバリー・ピアース

≪キャッチコピー≫
『最も恐ろしく、切ない青春。』

≪ストーリー≫
狂信的クリスチャンの母親から厳しい教育を受け、学校では周囲から疎外されている女子高生キャリー(クロエ・グレース・モレッツ)。彼女は、激しい興奮状態に陥るとある能力を使うことができるテレキネシスだった。それを誰にも打ち明けることなく、キャリーはつらく寂しい日々を送っていた。そんな中、ひょんなことから彼女は女生徒たちの憧れの的であるトミーとプロムパーティーに参加することに。喜びに浸るキャリーだが、その裏では彼女への残酷ないたずらが計画されていた。

≪感想≫
以前観たホラー作品、「キャリー」のリメイク作品。
あれはブライアン・デ・パルマ監督が撮った作品で、巷でも人気を博し、
名作と謳われている作品。

それを大好きクロエ・グレース・モレッツ主役で撮りなおすという企画。
これは観ない手はないでしょう。

前作は、主役のシシー・スペイセク力、そしてデ・パルマ監督の演出力にやられたわけですが。

まず見せ方、演出について。
こればっかりはやっぱりデ・パルマ監督には及ばず。
あの効果音の使い方や、独特な分割画像の演出等、刺激的な感じには程遠くって。
ちょっともったいなかったかなと。
お話自体は一緒なんだけど、イマイチのれなかったんです。
もちろん、僕が一度観ているお話だからハードルが上がっているというのもありますが。
例えばクライマックスまでの持っていき方がちょっと違うかなと。
オリジナルはキャリーの能力は最後のプロムパーティーで爆発するんですが、
本作は、中盤ぐらいからキャリーは自分の能力に気付き少しずつその能力を使い始めるんです。
そのせいで、オリジナルで受けたあの爆発力が本作では感じる事ができなかったんですよね、
オリジナル版のキャリーは自分自身でもその能力に実感がわかずに使っていたので、
それこそ「暴走」と言う感じだったんです。
それに比べ、本作はキャリーは実感しているため、その行動が性格と直結してるんですよね。
そのせいか、ホラー感が薄れてしまったというか。
キャリーに対して、微妙な感情が生まれてしまったんです。
なんだかなぁと・・・。
あの誰にも止められない感が本作では弱かったような。
何とか周りが説得すれば止められたんじゃないかなって。

母親について。
本作の母親からはキャリーへの愛情があまり感じれなかったな。
ラストの方に少し愛情を向けたように見えましたが、唐突過ぎて、これまたのれない。
母親は恐らくキャリーに対しては愛情は無かったんじゃないかな。
とにかくもっと、母親の内情の描き込みがあればもう少し良かったのかなと。
ストーリーについては少し分かりづらい部分もあったり。
実は、オリジナルも僕的にはピンとこなかったんですよね。
何を訴えたいのかなって。
とほほ・・・。

あとね。
これは結構大事な所なんですけど、ラストカットについて。
オリジナルのあのラストカットは結構衝撃を受けたんです。
墓場から手がズバって。
ただ本作は、墓場にヒビがビリバリッて。
・・・・うーーーん、イマイチ・・・。

キャスティングについて。
大好きクロエ・グレース・モレッツは相変わらずの可愛らしさだったんですが、
オリジナルのシシー・スペイセクにはやはり及ばず。
キャリーらしくないというか。
いじめられっこで弱々しいんだけど、やはりどこか「華」を感じたんですよね。
これもクライマックスにいくまでの感情の積み上げが足りなくなっちゃって。
観れたのは良いけど・・・ってな感じ。
まぁまぁまぁ。

全体的にオリジナルに比べると2枚も3枚も落ちる感じ。
ただ、やっぱり良くも悪くもクロエ・グレース・モレッツの魅力は
キッチリと描かれていたので◎。


≪点数≫
  6点
                                           (15.05.04鑑賞)


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No.1086 『フルスロットル』
No1086 『フルスロットル』

2014年制作 仏/カナダ
監督:カミーユ・ドゥラマーレ

≪キャッチコピー≫
『身体能力【全開(フルスロットル)】で跳べ。』

≪ストーリー≫
マフィアたちがはびこる無法地帯となっているデトロイトの一角。そこに潜り込み、マフィアの動向を探る潜入捜査官ダミアン(ポール・ウォーカー)は、彼らがデトロイト市民300万人をターゲットに中性子爆弾を起動させようとしている情報をつかむ。彼は、マフィアにさらわれた恋人を取り戻そうとする圧倒的身体能力を持つ男リノ(ダヴィッド・ベル)と協力し、10時間後に迫る中性子爆弾の起動を阻止することに。敵が次々と立ちはだかる中で爆弾と恋人を捜す二人だが、事態の裏には巨大な陰謀がうごめいていた。

≪感想≫
以前観たアクション映画「アルティメット」シリーズのハリウッドリメイク作品。
主役のダヴィッド・ベルはそのまま起用し、相棒役のダミアンを大好きポール・ウォーカーが担当。
ポール・ウォーカーは昨年、交通事故で亡くなるという訃報があり、本作は彼が最後まで撮り終えた
最後の作品となります。
最近、「ワイルド・スピード」最新作を鑑賞し、最高の別れ方をしたのですが、
やはり彼の活躍をもっと見たいという事で本作を鑑賞。

さてさて。
ストーリーについて。
ストーリーは基本的に「アルティメット」と同じ。
と言うか、ほぼ一緒と言っても良いぐらい。
フランスのお話がアメリカに変わったくらいかな。
本作ってハリウッドでのリメイクとは言え、ヨーロッパコープ制作の作品なんですね。
良くも悪くもガチャガチャ感は相変わらずでしたよ(苦笑)
あと、少し改変したと思われるところがヒロインが、リノの妹と言う設定から元恋人と言う設定に。
これって意味があるのかな。
設定的に兄妹愛のほうがちょっと良かったような気も・・・。
そして、粗挽きストーリーならではのツッコミ所が。
ラスト、いつの間にか敵役だった奴が味方になっていて。
あれ?こんなキャラクターだったっけって思っちゃったり。
まぁ・・・まぁ・・・・まぁ・・・。
一応、本作は一度観ている内容だからか、多少の違和感は感じたものの概ね楽しめました。

アクションについて。
主役のダヴィット・ベルはパルクールアクションの第一人者。
やはり彼をそのまま起用しているだけあって、アクションは超最高でしたよ。
やっぱり彼の繰り出すアクションは観ていてワクワクするんですよね。
ピョンピョンクルクルと飛び跳ねながらの移動も楽しいし。
それを活用した格闘術も◎。
あの壁を使って三角飛びとかをする感じがイケているんですよね。
撮り方も分かっていて、スローと早回しを駆使してスタイリッシュに撮っていて。
ただ、正直アクションについては「アルティメット」シリーズの方が凄かったかな。
ダヴィッド・ベルの年齢も関係しているのかな。(ちなみに「アルティメット」は2004年制作)
あとは、ポール・ウォーカーのアクションもカッコいいんだけど、オリジナルの
シリル・ラファエリの方が生身感があったような。

キャストについて。
やっぱりこのお方の事を語らない訳にはいきません。
大好きポール・ウォーカー。
先ほどアクションはオリジナルのシリル・ラファエリの方が良かったと書いていますが、
そういう事じゃないんです。
彼にはやっぱり華があるし、昨年、ああいう事故があって、もう彼の作品を観る事ができないと思うと、
やっぱり本作は観るべき作品なのです。
彼らしいアクション(カーアクション)もふんだんに盛り込まれていたし、エンディング後の
あのメッセージを見せられるとやっぱりグッとくるものがあって。
「ワイルド・スピード」のあのストーリーに絡めた終わり方が素敵すぎたのですが、
本作は本作で良かったと思います。
彼らしい作品だったなって。

とにもかくにも。
ダヴィット・ベルのパルクールアクションだけでも観る価値はあると思うし、
何と言ってもポール・ウォーカーの遺作となればもちろん観るべき作品だと思います。

先日「ワイルド・スピード」の感動の余韻も残りつつの本作は
やはり素晴らしいと言わざるをえない。
おススメです。

≪点数≫
  8点
                                           (15.05.03鑑賞)


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No.1085 『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
No1085 『ビル・カニンガム&ニューヨーク』

2010年制作 米/仏
監督:リチャード・プレス

≪キャッチコピー≫
『彼に撮られることこそが、ニューヨーカーのステータス!』

≪ストーリー≫
1929年生まれのビル・カニンガムは、ハーバード大学を中退してニューヨークに移り住み、広告業界に足を踏み入れる。その後、帽子のブランドを立ち上げるものの一時兵役に就き、除隊後は再びニューヨークでファッション関連の記事を執筆するようになる。やがてカメラ片手に自転車で街に出て、精力的にストリート・ファッションの撮影を始める。

≪感想≫
その男の名はビル・カニンガム。
ニューヨークのストリートでファッションスナップを撮り続けている。

いききった男の生きざま。
まず何といっても彼のポリシーが凄い。
写真を撮る事を仕事としているのではなくあくまでも生きがいとして撮っている。
好きな事を自由に撮り続け活き続けている。
そこには太い信念がある。
そんなことは露ほどにも映らず、軽やかに楽しそうな彼を映し出す。
恐らく観ている誰もが彼の生き方に憧れを抱くのではないだろうか。
とにかく自由で、とにかく楽しそう。
誰彼、分け隔てなく撮っていく彼はとても誠実だ。
例えばセレブの方が高級なものを身にまとっていても私服でなければ撮る事は無いし。
例えば町のバイク便の男のファッションがイケていたらパチリとシャッターを押すし。
彼の世界ではごくごく一般的なヒエラルキーは通用しない。
「着ているのか」「着せられているのか」的な。

彼はとにかく自由。
「仕事」に縛られる事もない。
「お金」に縛られる事もない。
ただそこに存在し好きなだけ写真を撮りまくる。
嬉々として撮り続ける彼の笑顔はいつまでたっても少年のようで。
それでもプロフェッショナルな表情も忘れないところに彼が培ってきた経験と技術が見え隠れ。
逞しいというか。

そういえば。
以前観たドキュメンタリー映画の傑作「シュガーマン 奇跡に愛された男」のロドリゲスも
とても素晴らしい人間でしたが、本作のビルもまた違ったタイプだがとっても
チャーミングで素晴らしい人間でしたよ。

そんな絶対的にゆるぎない彼。
終盤のインタビューで1度だけ熟考し言葉に詰まる部分があった。
「恋愛」について。
「信仰」について。
今までの軽やかな彼もやはりどこかで悩みながら生きてきた事に気づかされる。
好きなものだけを選んで生きてきた彼もやはり色んなものを諦めてきたのであって。
もちろんそれは彼が選択してきたのだが、少しこの一般的な思考に対する余韻が
彼の世界と観客の世界が近づける。
やはり魅力的な人間だ。

ファッションに疎い僕ですが、この人をもっと追い続けたい。
これからどういう生き方をしていくのか興味が尽きない。
とにかくこの魅力的でチャーミングな爺さんから目が離せない良作ドキュメンタリーでした。


≪点数≫
  9点
                                           (15.05.02鑑賞)


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No.1084 『マチェーテ・キルズ』
No1084 『マチェーテ・キルズ』

2013年制作 米
監督:ロバート・ロドリゲス

≪キャッチコピー≫
『常識やぶりの!!!アクション・エンタテイメント』

≪ストーリー≫
アメリカ大統領(カルロス・エステベス)から、メキシコの極悪人マッドマン(デミアン・ビチル)を倒すよう依頼された元捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)。しかし、マッドマンは多重人格者である上に、停止すると同時にワシントンをターゲットにしたミサイルが発射されるという恐ろしい連動機能を備えた心臓の持ち主であった。それを解除できるのは、世界一の武器商人として悪名をとどろかせているヴォズ(メル・ギブソン)のみ。だが、彼も宇宙からの地球総攻撃というとんでもない計画を進めていた。

≪感想≫
前作「マチェーテ」がとても楽しいB級作品だったので続編制作が決まった時点から
楽しみにしていた本作。
さぁさ、いざ鑑賞。

ん?んん!?
思ったほど楽しくないぞ・・・。

確かにワクワクはとても多かったんです。
例えばオープニングのタイトルロールとか。
例えばエンドロール前のキャストの紹介とか。
良い意味でB級臭たっぷりで遊び心満載の映像。
マチェーテが暴れまわってバッタバッタと敵をなぎ倒していく所とか。
おぉ!!これぞロバート・ロドリゲス監督印じゃん!!
みたいな・・・。
キャストもとても豪華で、ガンガン出てきてはガンガン死んでいく。
大好きミシェル・ロドリゲス姉さんも相変わらずのカッコよさでしたし。
レディ・ガガやアントニオ・バンデラスはあっさりした使い方でしたね(苦笑)
それはそれで潔くて良いねなんて。

ただねぇ・・・。
そのワクワクはワクワクのままで終わってしまったんですよね・・・。
消化不良感がハンパないというか・・・。
心が躍る事が無かったんです。
前作ではそのバカバカしい演出が心地良く、頭カラッポ最高ってな感想だったのですが、
本作のそれは突き抜けていなかったんですよね。
いや、確かに首ちょんぱとか、血がブシャーとか、下ネタ、下品な笑いもふんだんに
盛り込まれていたのですが、やっぱり何か物足りなかったんです。
先に良い所で挙げた豪華キャストも実はキャラ立ちができていなかったり。
あっさりした使い方で良かったと書きましたが、キャラクターの描き込みはしっかりしようぜ!みたいな。
例えば、マチェーテに賞金首がかかって彼を追う奴らが何組か出てくるのですが、
もっと有効に使う方法もあったろうに。
娼婦宿の女軍団ももっと活躍して欲しかったし。
色んな役者が演じたカメレオンももう少しキャラ立ちさせて欲しかったな。
ここら辺はとてももったいないなと。

あと、本作の一番嫌な所は終わり方。
まさかの続編へ・・・的な終わり方。
「おいおい、せめてこのストーリーだけは完結しろよ!!」
冒頭の次回作の予告がここで活きるのでしょうが
「そんなの楽しくも何ともないやい!!」
何でしょう。
これもB級っぽくていいじゃんなんて言葉も聞こえてきそうですが、
あまりにも拍子抜けしすぎて、軽い怒りを覚えましたよ。

とにもかくにも。
本作は確実に続編が作られるのでしょう。
ただねぇ・・・本作、アメリカでも大コケしたみたい。
こりゃ続編は無いかも!!
それでいい、潔く終わってくれ!!

余談ですが、主役のダニー・トレホは御年71歳。
それであんなに動けるのか!!
凄いなぁ・・・顔はメチャクチャ怖いけど・・・(顔は関係ないか)。


≪点数≫
  4点
                                           (15.04.29鑑賞)


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No.1083 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』
No1083 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

2007年制作 米
監督:ベン・アフレック

≪キャッチコピー≫
『 - 』

≪ストーリー≫
パトリックとアンジーは、ボストンで私立探偵として働く幼なじみのカップル。ある日、4歳の少女アマンダが誘拐される事件が発生し、その3日後、警察の捜査に限界を感じたアマンダの叔母夫婦が、街の裏側に精通するパトリックたちのもとに捜索依頼に現われる。誘拐事件では自分たちの出る幕はないと、あまり気の進まないままアマンダの行方を調べ始めるパトリックとアンジーだったが…。

≪感想≫
第85回アカデミー作品賞受賞作「アルゴ」のベン・アフレック初監督作。
ベン・アフレックは本業は俳優さん。
僕が観たのは「アルゴ」や「カンパニー・メン」「トータル・フィアーズ」等々。
感想は書いていませんが、有名なのは「アルマゲドン」や「パール・ハーバー」あたりかな。
あと、以前観た傑作「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の脚本とこれまた有名俳優マット・デイモンと
共同執筆しアカデミー脚本賞を受賞。
本当に多才なお方です。

そんなマルチ俳優の初監督作。
いや、やっぱり器用なお方です!!
初監督作品でこんなにもレベルの高い作品を作れるのか!!
巷では第二のクリント・イーストウッド的な事も言われているみたいですね。
なるほどねぇ・・・。

お話自体が面白いというのもあるのですがストーリー展開の作りがとても巧いんですよね。
とある少女誘拐事件に巻き込まれた探偵。
はたして少女はどこにいるのか・・・。
この事件を軸に炙り出される真実。
真相は2転3転と転がり転がる。
中盤までは重々しくのべっと進んでいくんだけど、クライマックスの怒涛の展開。
最後の最後まで飽きずに観る事ができましたよ。

お話の本質について。
本作は主人公が最後にある選択をすることになります。
はたして本当にそれで良かったのか。
描かれている部分だけで言えば恐らくその結果は間違っていたのだろう。
ただし、まだまだ人生は続いていく訳で。
彼は、明るい未来のために彼女(アマンダ)の人生を背負って生きていくことを切に願う。
パトリックの選択の可否について。
僕的にはパトリック派ではなくドイル警部派。
パトリックの取った行動、意志も分からなくもないが、今、目の前にある幸せやこれまでの現状、
今後の想像をすると、やはりドイル警部の行動に否定できなくて。
そのままの方がアマンダのためにも良いんじゃないかって。
子供にとって必要なのはいつも傍にいてくれる存在。
それは肉親でなくてもいいのではと思ったり。
親子の関係で言えば以前観た傑作ドキュメンタリー「隣る人」を思い出したり。

本作は選択をして最終的な結果までは描かれていない。
少し終わり方は重々しく苦い終わり方だ。
それが余韻となり観ているこちらに何かを投げかけている。

やはり作りが巧いなと。
恐らく、これからも監督業は続けていくのでしょうね。
今後の作品も楽しみな監督さんです。


≪点数≫
  8点
                                           (15.04.29鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)