2015-05-28 Thu

2013年制作 米
監督:ウディ・アレン
≪キャッチコピー≫
『虚栄という名の花』
≪ストーリー≫
ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は夫ハル(アレック・ボールドウィン)とニューヨークでぜいたくな生活を送っていたが、全てを失い、サンフランシスコに暮らす妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のアパートに身を寄せる。過去のセレブ生活にとらわれ、神経をすり減らしていたジャスミンだったが、ある日お金持ちの男性ドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、自分の身の上についてうそをついてしまう。
≪感想≫
圧巻の負け犬映画の登場です!!
主演のケイト・ブランシェットは本作でアカデミー主演女優賞を受賞。
いやはや納得の演技でした。
さてさて。
ストーリーについて。
元セレブ妻のジャスミンは旦那が詐欺罪で捕まり一文無しになり
地元の妹を頼ってサンフランシスコへ。
ジャスミンは何だか変。
自意識過剰と言うか自己顕示欲の塊と言うか。
とにかく独り言も多いし嘘もつくし人を見下しては自分を正当化する。
観ているこっちはメチャクチャ腹が立つ・・・というかというとそんなこたない。
彼女の痛みを感じる訳でもなくどこか彼女に違和感を感じる。
我儘の権化といえば以前観た傑作「ヤング≒アダルト」のメイビス。
彼女も我儘で自意識過剰で周りを振り回す、いわゆるイタい女。
ただ彼女には彼女なりの生き方みたいなものがしっかりあったので、
関わりたくないなとは思うものの嫌いにはなれなかったんですよね。
本作のジャスミンはと言うと、やっている事、言っている事、行動、言動の全てがイタいんですけど、
観ているこっちは痛みを感じないというか。
共感するところが全くなくって、何だか彼女は「変」だという気持ちが募るばかり。
本作、一つ凄いオチが最後に待ち受けていて。
この真実が明らかになったときこれまでの彼女は何か「変」だの思いに辻褄が合う。
上手い!!
この作りはとても巧い!!
こんな人なかなかいないよなぁ・・・いや、いるかも。
この境界線を微妙に越えているからこそのこの感想。
あとは、この奇怪な女性を演じたケイト・ブランシェット力。
そりゃ、アカデミー賞をとるわいな。
彼女にとって幸せとはいったい何ぞや。
築きあげてきたものの崩壊。
それに伴う精神の崩壊。
今後、彼女はどう生きるのか。
光が全く見えない。
映画としてはとても素晴らしいが、ジャスミンの今後を考えるととても哀しい。
とまぁ、重々しく苦々しげに書いていますが、実は笑える部分も多々あって。
コメディタッチでもあるんですよね。
イタい女性にクスリと笑わせてもらう。
そんな描き方ができるウディ・アレン監督はやはり巨匠と言わざるをえないでしょう。
≪点数≫
7点
(15.04.27鑑賞)

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