2015-04-30 Thu

2013年制作 米
監督:M・ナイト・シャマラン
≪キャッチコピー≫
『1000年後の地球。そこは人類に牙をむく緑の惑星。
危険は目の前にあるが、恐怖はお前の中にある。』
≪ストーリー≫
人類が地球を捨て去り、ほかの惑星へと移住して1,000年が経過した未来。ある宇宙遠征任務からの帰路につく兵士サイファ(ウィル・スミス)と息子のキタイ(ジェイデン・スミス)を乗せた宇宙船にトラブルが発生して機体が破損、緊急シグナルを搭載した尾翼部が地球へと落下する。それを追って地球に宇宙船が不時着するが、ほかのクルーたちは死亡してしまい、サイファも重傷を負ってしまう。帰還に必要な緊急シグナルを捜そうと大自然に足を踏み入れるキタイは、地球の生態系が人類を消し去るために進化していることを知り……。
≪感想≫
むむむ・・・中途半端!!
本作の見所ってなんだろう??
一つは監督さん。
本作の監督はM・ナイト・シャマランさん。
「シックス・センス」や「アンブレイカブル」「サイン」等々。
僕のレビューで言うと最近観た「デビル」。
ドンデン的な作風と非現実的な作風のイメージ。
本作は、未来のお話でしたが、先に挙げた作風ではなく本格的なSF作品でしたよ。
あれ?なんだか思っていた内容と違うぞ・・・。
なんて思っていたら、本作は主演のウィル・スミスがアイディアを出して作られた作品のようで。
そういや本作の見所はウィル・スミス&ジェイデン・スミス親子の共演かも。
この親子のキャッキャやっている所を見る事なのではないでしょうか。
このお二人実は初めての共演作ではなくって。
2006年に「幸せのちから」で初共演。
僕も観ましたが(レビューは書いていません)、良い作品だったような。
実の親子という事もあって、それだけで思い入れが少しアップするんですよね。
親子の会話シーンに二人の姿を合わせて実生活でできない事をドラマチックに
やってんじゃねーかなってね。
ふふふ・・・。
とにかくそこら辺の共演を見れただけでもまぁ良かったのかな。
次の見所は映像力。
本作はきっと映画館で観た方が良かったね。
未來のお話でSF的な無いようなので、宇宙船やら、近未来の武器やら、モンスターやらと
非リアルな生物や武器が続出。
これは大画面で観た方が良いに決まっていますよね。
もったいなかったな。
良い所はこのぐらいかな。
あとは全体的に中途半端に感じました。
ストーリーも起承転結が中途半端で、あらすじを簡潔に言うと息子キタイの
サバイバル的なお話で。
別にミステリ要素がある訳でもないし、アクションも中途半端。
ジェイデン君は以前「ベスト・キッド」のリメイク版でカッコいいカンフーアクションをしていたのに、
本作では特にカッコいいシーンがある訳でもなく・・・。
うーーーーん・・・何だかなぁ。
映像も凄かったと書きましたが、もっともーーーっといききったアクションを見せてほしかったな。
未來の武器も「スター・ウォーズ」のライトセーバー的な感じで良い感じなのに、
イマイチカッコ良くなくって物足りない。
多種の変形が可能と言っていたのにその設定を活かせていない。
もっと色んな種類の武器を見せてほしかったです。
こちらももったいないない。
何だかんだで可もなく不可もなくと言った本作。
ドデカイスクリーンで観ると良い作品なので、DVDでの鑑賞は
おススメしない・・・かな(苦笑)
≪点数≫
5点
(15.03.29鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト
2015-04-27 Mon

2013年制作 邦
監督:呉 美保
≪キャッチコピー≫
『すべての終わり、
愛の始まり。』
≪ストーリー≫
仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
≪感想≫
久しぶりに心揺さぶられる作品。
これでもかと言う程に負のスパイラルに巻き込まれる主人公達。
泥臭いお話。
達夫は採掘の仕事をしていたが事故で部下を亡くし、自分のせいだと思い
トラウマで退廃した生活の日々。
パチンコ屋で出会った拓児と仲良くなり、姉の千夏に一目ぼれ。
すぐさま恋に落ちるも、彼女ら一家の生活は重苦しいほどの環境。
そこに映る全てはとても実在感がある。
こんな生活がどこかで行われているのか。
こんな人達がどこかで生活しているのか。
それはとてもリアリティがあって現実的だ。
まずそこに打ちのめされる。
このリアリティのおかげで痛々しさがハンパない。
そこで起こる全ての事が痛々しい。
こんなにも環境は落ちていくのか。
こいつらは一つも悪くないんですよ。
もがいても、もがいても周りが立ち上がることを許さない。
どれだけ頑張れば良いのか。
どれだけ許していけばいいのか。
心はズタボロ、ボッキボキに壊されている。
それでも過ごさなければならない。
それでも生きなければならない。
クライマックス。
海辺の二人に差し込む朝日。
何かが変わった訳でもなく、今後も苦しい生活が待ち受けているであろう二人。
それでも美しく、神々しささえ感じる二人の微笑にグッと心を鷲掴みにされた。
多くを語りたいが、語ると作品の質が落ちそうなので抑え目に。
本当に素晴らしい作品に出会いました。
≪点数≫
10点
(15.03.28鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-23 Thu

2013年制作 仏/英
監督:スティーヴン・フリアーズ
≪キャッチコピー≫
『それは、人生を取り戻す旅』
≪ストーリー≫
1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じ、ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共にアメリカに旅出つが……。
≪感想≫
実話を基にしたお話。
「事実は小説より奇なり」
なんて言葉がありますがまさしくその通りなストーリー。
1950年代アイルランド。
フィロミナは親から強制的に修道院に入れられる。
ある日、外出先で出会った男を結ばれ子どもを授かるがカトリックでは、
婚前外の性交渉は罪とされ、産まれた子どもを奪われてしまう。
3歳になった息子は、強制的に養子にされそれ以後、フィロミナは息子に会えずに
過ごしていた。
50年後、フィロミナは意を決し離れ離れになった息子を探す事にするが・・・。
ここからが大変。
息子はアメリカに養子に出されていた事実。
息子はレーガン大統領やブッシュ大統領の主要顧問だったという事。
そして彼はゲイだったという事。
そして彼もまた母親を探していたという事・・・。
めくるめく展開。
浮き彫りになっていく事実。
映画として、とても見応えがありました。
次々と解き明かされていく謎は、極上のサスペンスドラマを観ているよう。
お話の展開や作りがまず上手いなと。
物語が放つ空気感も良かったです。
正直、お話だけ聞いていると、メチャクチャ腹立たしくて重苦しいんです。
ただ、主役の二人(特にフィロミナ)の少しユーモラスな掛けあいを観ていると、
少し軽やかささえ感じたんですよね。
演じた役者さんも素晴らしかったです。
フィロミナ役のジュディ・デンチ。
彼女は本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたそうです。
流石です。
もう一人の主役、スティーヴ・クーガンも良かったです。
少しやぼったくてインテリ風の記者を見事に演じていました。
ここからは映画とは別のお話。
本作で起こっている事は事実なわけで。
ここで描かれているのは信仰心とはなんぞやというお話。
フィロミナは自由を奪われ、子どもを奪われ、それでも神を信じ、信仰心を失う事は無い。
息子を奪った修道院のシスターに対しても彼女は
「あなたを赦す。」
と・・・。
むむむ・・・。
確かに起こった事を受入れそれを赦す事は、次なるステップへの方法の一つだとは思うし、
それで、フィロミナが救われ生きていけると言う事はとても素晴らしいと思うんです。
ただ、個人的にはやっぱりこの修道院やそこで教えられている事は、
どうにも納得いかないんですよね。
あるべき姿が失われているようで・・・。
とまぁ、鑑賞後はもやもやっとしていたのですが、よくよく、考えると、フィロミナも赦したとはいえ、
記事にしてくれとも言った。
それによって、この事実が世間にさらされこういう事が二度と起こらないような仕組みづくりの
一旦にはなったから良いのかなとも感じたり。
宗教とは何ぞや。
この映画でも語られていましたが近年、カトリック教会で行われてきた「性的虐待」が
明らかになってきているんですって。
こういう事件って被害者も、被害者と感じている事もなく、一種の洗脳や催眠と
通ずるものがあるのでは。
個人間では成り立っている関係だから、良いのかと過りつつも、やっぱりそれは
間違っていると強く憤ったり。
個人的には信仰することで盲目的になるのではなく、あくまでも信仰は幸せに生きるための、
バランスアイテムなのではないのかなとも思ったり。
なんて事をつらつらと書きつつも正解は見つからず。
ただやっぱり、本作で描かれている事は絶対に間違っていると思うし、
その真実を知った衝撃はすさまじい。
それでも先に書いたとおりそんな重いお話を軽やかに、ユーモラスに描いた本作は
やっぱり素晴らしいと言わざるを得ない。
お勧めですよ。
≪点数≫
9点
(15.03.27鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-20 Mon

2013年制作 英
監督:エドガー・ライト
≪キャッチコピー≫
『自由のために 飲んで戦え!!』
≪ストーリー≫
ひと晩に5人で12軒のハシゴ酒という学生時代に達成できなかった挑戦にリベンジすべく、故郷であるイギリス郊外の街ニュートン・ヘイヴンに戻ってきた中年男性たち。終点となる12軒目のパブ、ワールズ・エンドを目指して、ひたすら飲みまくっては大騒ぎする彼らだったが、どこか街の住民たちの様子がおかしいことに気付く。やがて、住民が何者かによって操られていることが判明。目を光らせて青い血を流す彼らに追い掛けられながらも、五人はハシゴ酒を成し遂げようと逃げては飲んでを繰り返していく。
≪感想≫※ネタバレあり
大好きサイモン・ペグ&ニック・フロスト。
そして映画監督のエドガー・ライト。
この3人が組んだ作品にハズレはなくって。
以前観た「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!」。
そして本作を含めた三作をスリー・フレーバー・コルネット三部作っていうんですって。
へぇーへぇーへぇー・・・。
さて本作。
やっぱり楽しいな。
まず、お話の設定や展開が素晴らしい。
悪友5人組が再び集い、田舎町に帰り、町のパブ12件をビールはしご酒する。
ごくごくと飲みほしていくうちに彼らは町に起こるある異変に気付くのだが・・・。
ネタばれしますが、このある異変というのが、町の人間が宇宙人に乗っ取られているという事!!
はしご酒、酔っ払い、軽いテイストから突然、宇宙人!?
なんじゃこりゃこりゃ!?
この設定を思いついただけでも◎。
良い意味で
「くっだらねぇーーー(笑)」
とはいえこのお話自体はフザケすぎていなくって。
よくよく考えると意外と良い事言っているぞって。
実はこの宇宙人は様々なデジタル化やチェーン店ばっかりのネットワーク社会の
メタファーとなっているわけで。
昨今のデジタル化社会に
「そんなのに振り回されているのは違う!!
同じことばっかりやって真面目ぶるのはつまんない!!」
「馬鹿をすることこそ人間なんだぜ!!」
的な。
もっとよくよく調べてみると、本作はアーサー王のお話だったりして。
12件のパブの名前や悪友たちの名前。
アーサー王の歴史にまつわるネーミングがされていて。
12という数字もアーサー王になるまで12の戦いを経てきたんですって!!
へぇー、へぇー、へぇー。
そこら辺を含めると結構スルメ作品なのかなって思ったり。
基本スタンスは頭からっぽ作品に見せかけて、色々なオマージュだったり、
深い意味が込められている。
ほんと、頭が下がりますな。
次にアクション描写が素晴らしい。
本作、意外に格闘アクション描写が良かったんです。
カメラワークやカット割り等のおかげなんだと思いますが、「カッコいい」とか
「イカした」とかではなく、観ていて楽しいアクションだったんですよね。
もちろんカッコよさも含まれていましたが、全体的にこの映画が纏う楽しい
おバカな空気感と見事にマッチしていましたよ。
最後は愛すべきおバカなキャラクターたち。
サイモン・ペグ&ニック・フロストのコンビは言わずもがな。
最高のバディ感で、大嫌いだけど大好き的な感じは◎。
他の3人もキャラ立ちできていて良い感じ。
僕的にはいじめられっ子のピーターが良かったなぁ。
ヘタレなんだけど、そこが愛らしいと言うか・・・。
とにかく各キャラクターが良い味出していてハズレがなかったです。
とにもかくにも。
冒頭に書いたように彼らの作る作品にハズレ無し!!
これからも新作をどんどん作ってくれぃ!!
≪点数≫
8点
(15.03.21鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-16 Thu

2013年制作 米
監督:ジョエル・コーエン, イーサン・コーエン
≪キャッチコピー≫
『1961年、NY、グリニッジ・ヴィレッジ ボブ・ディランが憧れた伝説のシンガーたちがいた。』
≪ストーリー≫
1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……。
≪感想≫
「トゥルー・グリット」「ノーカントリー」「バーバー」等々のコーエン兄弟最新作。
やっぱり見応えたっぷりコーエン兄弟。
演出について。
まず巧いのが、本作ってほんの数日のお話を描いているんですよね。
なんか観ていると長い期間を追ったお話に見えたんです。
作中で主人公が「長い旅をしていたようだ」的な語りには思わず唸りましたよ。
夢をあきらめるとかあきらめないとか、そこらへんの普遍のテーマを淡々と。
よく考えると重々しいんだけどフラットに。
ほんの少しの可笑しみを加えて。
僕のイメージですが、コーエン兄弟の作風って、ほんの少し現実とズラした
世界観を描くのが上手な印象。
夢か虚ろかぼんやりとした感覚。
確かに実在するんだけど少しもやっとしたシーンも差し込みながら。
本作でもそういうシーンや演出が多々ありました。
例えばシカゴまでの道のりでの警察とのやりとり。
例えばシカゴからの帰り道での猫を轢いちゃうくだり。
少しもやっと進んでいくんですよね。
ほんのちょっと同監督の「オー・ブラザー!」を思い出しました。
そういえば、あの作品もロードムービーで音楽も少しテーマになっていましたね。
そこら辺の描き方がとっても興味深くって、いつも見入ってしまいます。
作りや世界観はお気に入りな本作。
ただねぇ・・・。
主役のオーウェンの人間性に共感できなかったんです。
夢を捨てられないのは分かるんです。
プライドも捨てきれないのも分かるんです。
その葛藤を絶えず抱えてもやもやと過ごすのも分かるんです。
誰だってそうだし、僕だってそうだし。
やっぱり、ただねぇ・・・。
結局、周りの人に迷惑をかけているのを見ないふりしていたのが、なんだか頂けなくて。
知らなかったとはいえ昔の彼女が中絶をせず子どもを産んでいたという現実。
知らなかったとはいえガールフレンドが彼のステージ出演の為に店の人に
抱かれてしまっていたという現実。
それらの現実を知った時、とても腹立たしく感じたんです。
「そんな夢捨てちまえ!!」
って。
それまで同情的だった感情も大逆転。
一気に腹立たしさに変ってしまいましたよ。
夢を捨てないのは構わない。
夢を追い続けるのも構わない。
ただ、周りの人への影響もきちんと背負って生きなきゃなぁと。
終わり方はほんの少しだけ光を感じる終わり方。
きっと、オーウェンは夢とお別れしたんじゃないでしょうか。
綺麗じゃないけど清々しく。
点数は低めですが、色々と思いが生まれる作品。
コーエン兄弟。
次回作が楽しみな監督さん達です。
≪点数≫
6点
(15.03.07鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-13 Mon

2013年制作 インドネシア
監督:ギャレス・エヴァンス
≪キャッチコピー≫
『全面抗争。』
≪ストーリー≫
上層部からマフィアへの潜入捜査を命じられ、組織と関わりのある悪徳政治家や警察関係者を暴き出すことになった警官ラマ(イコ・ウワイス)。囚人を装って刑務所に入った彼は、マフィアのボスを父親に持つウチョと出会って組織のメンバーとして迎えられる。だが、父親に対する反発と野心を募らせたウチョが新興組織と協力することになってから、裏社会で抗争が勃発してしまう。やがてラマは、ゴトウ(遠藤憲一)率いる日本人ヤクザ、ハンマー・ガールやバッド・ボーイといった特殊な殺し屋たちとの対峙(たいじ)を余儀なくされていく。
≪感想≫
インドネシア発超絶肉弾アクション第二弾!!
僕の中で、アジアアクションと言えば、古くはジャッキー・チェンやリー・リンチェイ主役の香港映画。
その後、台頭してきたのが「チョコレート・ファイター」のジージャーや
「マッハ!!!!!!!!」のトニー・ジャー主役のタイ映画。
そして、本作、インドネシア映画!!
前作の予告編を見た時にそのアクションに身震いし何回も何回も観直した記憶があります。
予告で観たアクションはとても凄まじく、本編を観てそのアクションを十分に堪能させていただきました。
そして続編となる本作はと言うと・・・。
いや、やっぱり凄いよインドネシアアクション!!
良かった所をいくつか。
まずはアクション!!
本作でもその肉弾戦は健在。
主演のイコ・ウワイスさん。
(余談ですが今年上映されるスター・ウォーズの新作にも出演されるみたいですよ!!)
シラット使いで素手の格闘はもちろん、武器を使ってのアクションも素晴らしい。
痛みを伴うそのアクションはスカッとするのではなく、ごくりと見入ってしまう感覚に。
例えば、最近観たタイ映画「マッハ!無限大」はパルクールアクションも取り入れながらの
格闘だったのですが、本作は純粋に格闘技。
敵をバッタバッタとなぎ倒していく姿は圧巻。
めちゃくちゃシビれましたよ。
敵もイケていたなー。
暗殺集団みたいな3人組。
鎌ナックル使いのラスボスと、バットボーイとハンマーガール。
ニックネームこそアレですが、こいつらがまたすっごいアクションを見せてくれたんですよね。
クライマックスのバットボーイとハンマーガールの対二人戦は、これまたシビれました。
敵のこの3人。
台詞が全然ないんです。
それでも、この超絶アクションだけでこんなにもキャラが立っている見せ方は凄いです。
そういや、前作でマッド・ドッグ役で出ていたヤヤン・ルヒアン氏も本作で登場。
違うキャラクターで出演されていたのですが、これまた凄まじいアクションは健在!!
粋な演出しやがるぜ。
とにもかくにも、本シリーズはアクションが売り!!
先にも書きましたが、本作のアクションってスカッとするのではなくグッと見入る感じのアクション。
R15に指定されるほどのバイオレンス描写はめちゃくちゃ見応えたっぷりでした。
本作、前作が当って予算が上がったのか、前作のビルだけのお話ではなく、
いろいろな場所を舞台としたお話に。
そのおかげでカーアクションやガンアクションもふんだんに盛り込まれていましたよ。
次に、お話。
潜入捜査物で、ヤクザの相棒を持つお話。
なんとなく以前観た韓国映画の傑作「新しき世界」を思い出したり・・・。
そこから生まれる人間模様も結構見応えがあって、こちらも抜群。
演出。
本作で描かれるバイオレンス描写は結構いききっていて。
ただそれが不快感には繋がらなかったんです。
何でだろう・・・・。
これはきっと撮り方や色の使い方、背景とのコントラスト等々が上手くマッチしていたから
じゃないのかな。
音楽もそうなんですが、全体的にスタイリッシュだったんですよね。
これまた以前観た傑作「ドライブ」の空気感を思い出したり。
アクションの撮り方も多少ガチャっとしているんだけど不細工じゃなくって。
見せる所はしっかりとみせてくれていたんですよね。
この演出には脱帽。
こちらにかんしても見応え抜群。
香港・タイ・インドネシア。
ふと思う・・・。
ドッカンバッカン的な爆破アクションじゃない素晴らしい格闘アクション。
このアクションの凄さはきっとお金云々じゃないぞ!!
がんばれ日本!!
≪点数≫
9点
(15.03.07鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-09 Thu

1964年制作 英
監督:ガイ・ハミルトン
≪キャッチコピー≫
『 - 』
≪ストーリー≫
金だけを愛する男ゴールドフィンガー。彼はアメリカ中の金塊が貯蔵されるフォートノックスを放射能で汚染させ、自分の金の値打ちを上げようと画策していた。それに先立つ、大量の金流出を調べていたボンドは、事件の背後にゴールドフィンガーが存在していることを知るが……。
≪感想≫
007シリーズ第3弾。
本作も制作年は1960年代。
まだまだ、古臭いですね。
そしてまだまだシリーズとしての醍醐味みたいなものを僕自身、掴みきれてないような。
本作から初めて登場、ボンドカー。
色んなボタンがついていて。
油放出!
煙幕放出!!
マシンガン!!!
果てにはボタンを押せば助手席が吹っ飛ぶ!!!!
ここら辺は観ていてとてもアガりました。
なんとなく思い描いていたボンドシリーズに近づいてきたかも。
アクション。
ショーン・コネリー演じるジェームス・ボンド。
見た目はスマートでメチャクチャカッコ良い。
これぞ理想のジェントルマン的出で立ちで良い感じ。
なのだが・・・。
いかんせんアクションがおざなりすぎる。
撮り方も現代作品のように優れていないため、その雑さショボさが浮き彫りに。
これはもったいない。
クライマックスのおデブ中国人との格闘なんて殆どコントですもんね(苦笑)
あと、ジェームズ・ボンドのキャラクターについて一つ。
彼はなぜにこんなに女好きなの!?
女性を見たらすぐ口説くんだもん。
プロとして失格だよ(苦笑)
いくらなんでも感がちょっと・・・。
おデブ中国人と言えば、コイツの武器が何と帽子!!
シルクハットをブーメランのように使って敵を殺すんですから(笑)
これまたコントの粋ですよ。
ただコイツの佇まいは◎。
殆どセリフもなく不気味にニヤリと笑う感じがいかにも悪っぽくてね。
本作は展開や演出も全体的にコントぽかったかな。
先に書いた武器が帽子もしかり。
例えばクライマックス。
ラスボスであるゴールドフィンガーとの決着。
飛行機内での格闘から外に吸い出されるまでのくだり。
思わず笑っちゃいましたよ。
先日観た、「マッハ!無限大」のラストも笑いましたが、本作も負けていないぜ。
例えば、飛行機からガスを散布して兵隊さん達がバタバタと倒れるシーン。
これは展開と言うか、撮り方が笑えました。
いくらなんでもねぇ・・・。
まぁ、これってたぶん時代と技術のせいだと思うんですよね。
まだまだ映画文化が発展していないからこのぐらいになってしまっているのでしょう。
ただ、前作はすっごい面白かったのにな。
お話や演出をしっかりしていればと言う気持ちも強いですが、まぁ頭カラッポで観賞する
作品としては良いのかな。
期待せずに次回作次回作。
≪点数≫
5点
(15.03.01鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-06 Mon

2013年制作 タイ
監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ
≪キャッチコピー≫
『トニー・ジャー × ジージャー = 無限大』
≪ストーリー≫
古式ムエタイ兵士の子孫であるカーム(トニー・ジャー)は、象のコーンと一緒にタイの小さな村で暮らしていた。ある日、突然現れた動物密輸入組織のボス・スチャートと手下たちによって誘拐されたコーンを取り戻すため、カームはバンコクに向かう。だが、彼が屋敷に侵入したときにはすでにスチャートは息絶えており、カームに殺人の疑いが掛かる。
≪感想≫
タイ発アクション映画、マッハシリーズ最新作!!
と思いきや、最近観た「トム・ヤム・クン」の続編。
僕は知っていたので良いのですが、この売り方はズルいよなぁ・・・。
主演はもちろんタイのアクション俳優と言えばこの方、トニー・ジャー。
監督は「マッハ!!!!!!!!」でもコンビを組んだプラッチャヤー・ピンゲーオ。
そしてそして!!
なんとなんと!!
本作ではあの、大好き「チョコレート・ファイター」のヒロイン、ジージャーが!!
よっ!!待ってました!!
大好きなジージャーの最新作ともあって、映画館で鑑賞してきました。
本作について。
むむむ・・・良いとこ少し、悪いとこたくさん。
先に悪いとこ。
とにかくストーリーが粗挽き。
ただ、この手のタイ作品はアクションが売りなのでストーリーはあってないようなもの。
とりあえず盛り上げておけばOKみたいな。
その盛り上げ、アクションはどうだったかというと・・・。
ん?あれあれ??
キレが落ちたか!?
まぁ考えるとトニー・ジャーもジージャーも年齢的には全盛期ではないのかな。
本作のアクションはCGやワイヤーアクションに頼っていて。
とにかくこのCGがちゃちいんですよね。
あきらかにCGを多用してありえない表現もバンバンやるものだから、
本来の凄さが凄さとして映ってくれないんです。
とっても、もったいないなぁって。
このちゃちいCGと先に書いた粗挽き盛り上げストーリーのせいで、
全体的に安っぽく観えて。
例えば、中盤のバイクでの追っかけっこシーン。
何の前触れもなくバイクの集団に襲われるまでは良いのですが、その数の多い事!!
ここまできたらコントだよ(苦笑)
正直、笑っちゃいましたもんね。
クライマックスのRZAとの格闘シーンもそう。
象の角をつかみながらの格闘はいくらなんでも動きに制限がありすぎて、つまんない。
あそこはもっとスタンダードな格闘、もしくはジージャーとトニー・ジャーのツープラトン攻撃でしょうが!!
もったいないなぁ。
RZAのラストの表情にも笑わせてもらいましたが・・・。
とにかく、コントチックな展開とアクション。
確かに、火炎の中での格闘シーンや、先に書いた角に囚われた格闘シーンは
新鮮で観た事ないなって感心した部分もあるんですが、いかんせん
盛り上がらないCGと演出。
ほんと、もったいないよねぇ・・・。
とにかくダメダメなことばっかりでしたよ。
次に良いとこ。
そりゃもうやっぱり、主役2人のカッコよさでしょう!!
トニー・ジャーとジージャー。
この二人が同じ画面で戦っているだけで2,3点上がりますよね。
確かにキレが落ちたのかもしれません。
確かにCGに頼っている部分も多々あるのでしょう。
ただ、やっぱり所々で見せてくれるあのカッコよさはもう◎。
本作は純粋な格闘技は少なかったですが、その分、身体能力に特化した
パルクールアクションが多かったかな。
クルクルバタバタと移動をしながら戦いを繰り広げる。
もちろん、十八番のムエタイやキックボクシング、テコンドーあたりを駆使した
格闘も最高でしたよ。
はじめて、二人を観た時の衝撃には到底及びませんが、最高にカッコよかったです。
とにもかくにも。
悪いとこはたくさんあって、しかもそれが肝心のアクションでもあったりと、もったいない度の高い
本作でしたが、観たかった二人、特にジージャーの新作を観れただけでも良しとしよう。
はぁーーー次回作はいつになるのやら・・・。
待ち遠しいですねぇ。
≪点数≫
4点
(15.02.27鑑賞)

満足ならクリック!!
2015-04-02 Thu

2004年制作 邦
監督:中島 哲也
≪キャッチコピー≫
『わたし根性ねじまがってまーす』
≪ストーリー≫
田園風景が広がる美しい茨城県下妻市。青空の下フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・桃子(深田恭子)の生きがいはお洋服。ロリータ一直線で他人を必要としない桃子の前に、真っピンクの改造原付きに乗った地元のヤンキー少女(土屋アンナ)が現れる。
≪感想≫
「告白」「嫌われ松子の一生」」「パコと魔法の絵本」の中島哲也監督作。
何かのレビューの時に書いたのですが、この監督さん。
とにかく見せ方にこだわった方のようで。
中島監督はもともとCMディレクターさんで。
あの有名なサッポロ黒ラベルのCMを撮ったお方。
youtubeはこちら。
めっちゃスタイリッシュでオシャレな感じ。
その作風が先に書いた3作品にも顕著に表れていたんですよね。
画作りや演出、語り口もとにかくこだわっていて。
僕的にはそれが結構ハマっていたんですよね。
「告白」に関しては、ちょっと物語に合っていなくって違和感アリアリだったんですが、
他の2作は好印象の記憶が。
そんなこんなで本作。
「・・・あれ、こんなにつまんなかったっけ?というか何だか腹立たしいぞ!!」
先に書いたこだわりの演出、画作りは健在。
むしろ本作が監督デビュー作なのでこちらの方がより特化した作りになっていて。
それがとにかくザラザラと違和感アリアリな演出で。
もうねぇ・・・変わった語り口の演出のせいでとにかくお話が入ってこないんですよね。
わざとらしいエンタメ的演出や、主人公の面白げなナレーション。
アニメを差し込む演出。
寺の鐘がオチの音として使われる演出。
時折、カメラ目線で観客に語りかける演出等々・・・。
ちょっとダッサイなぁって。
肩すかしを喰らった感がハンパない。
思い出すと「パコと~」や「嫌われ~」でも同じような演出があったような。
なぜでしょう、この演出が好印象だったはずなのに、今回に関しては
到底受け入れる事ができなかったんです。
なれるまでの1時間ぐらいは本当に苦痛でした(苦笑)
恐らく・・・恐らくですが、本作をリアルタイムで観ていたら結構衝撃を受けたのでは。
この中島監督の撮り方に慣れてしまった僕は、免疫力がついて飽きが来て、
噛み砕いてみる事で自分の好みに合っていないという事に気付いたのでは・・・なんて。
お話自体は別に嫌いではなかったんですけどね。
ベッタベタの王道友情物語。
キャラクターも結構立っていたし、魅力的でしたし。
爽やかで良かった所も多々あったんですよ。
少しぶっ飛んだお話なのでマンガとかにしたら面白いかもって思ったら、こちら小説が
原作なんですね。
なるほどねぇ・・・。
物語自体は面白いので、そのスタイリッシュな撮り口に慣れてきたと思ったら、また萎えさせられる。
冒頭とクライマックス前の原付で轢かれるシーン。
あそこは一番萎えちゃったなぁ・・・。
とにかく残念無念の本作。
好きな部分もあっただけにもったいない。
中島監督の作品は結構好印象だっただけに残念。
僕、この監督と相性が悪いのかも!!
≪点数≫
5点
(15.02.22鑑賞)
こちら原作本。
未読です。

満足ならクリック!!