2015-03-30 Mon

2013年制作 米
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
≪キャッチコピー≫
『「くたばれ!」と社会は言った。「くたばるか!」と男はたった一人で戦いを挑んだ。』
≪ストーリー≫
1985年、電気工でロデオカウボーイのロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)は、HIV陽性と診断され余命が30日だと言い渡される。アメリカには認可治療薬が少ないことを知った彼は代替薬を探すためメキシコへ向かい、本国への密輸を試みる。偶然出会った性同一性障害でエイズを患うレイヨン(ジャレッド・レトー)と一緒に、国内未承認の薬を販売する「ダラス・バイヤーズクラブ」を設立するが……。
≪感想≫
本作、実際にあったお話を基に作られた作品らしくって。
なるほどねぇ・・・。
ダメ男が死と向き合う事によって成長していく良作でした。
俳優さんについて。
本作の見どころは何と言っても俳優力。
主演のマシュー・マコノヒーと助演のジャレッド・レト。
お二人は本作でアカデミー主演男優賞と助演男優賞を受賞されました。
二人ともガリッガリに絞って、HIV患者を熱演。
実は、僕はお二人の作品は初見なのですが、元々の姿(特にマシュー・マコノヒー)を
見てびっくり。
元々マッチョなお方だったんですね!!
いやはや役者魂ですな。
少し「アメリカン・ハッスル」の方々を思い出したり・・・。
あの作品も役者たちの演技合戦が凄かったもんなぁ・・・。
キャラクターについて。
俳優さん達の化けっぷりも凄かったんですが、僕的にはお話、主役のロン・ウッドルーフが
好印象で。
基本的にこいつはダメな奴だったんです。
酒、女、ドラッグ、金。
欲にまみれた生活を送っていて。
冒頭の仲間から、かけ金をくすねるシーンには
「あぁ、なんてクズな奴なんだ。」
って。
それが病気に蝕まれ死を身近に感じた時から・・・。
不屈の闘志が湧きあがる。
生への渇望。
社会から、現在から隔離されようとした男が、なにくそ根性で立ち上がる。
基本的にやっている事、動機は不純かもしれない。
ただ、それが彼を生かし活かす。
ここでまず一つの成長を遂げる。
そして彼は世の中の仕組みの矛盾にぶつかる。
パートナーであるレイヨンの死。
ロンはまた立ち上がり生きて活きてくる。
次は自らのためではなく、周りの人たちのために。
ここで二つ目の成長が。
スーパーでのレイヨンをかばうシーン。
お金がなくてもダラス・バイヤーズ・クラブの会員に入れてあげるシーン。
ちょっとシビれました!!
あと本作の好印象の一因として、作品の描き方も良かったです。
エンタメ性を抑えた感じ。
そこまで起伏の激しくなく淡々とした描き方。
そこが観ているこっちに考える余韻を与えてくれていたんですよね。
ここは上手いなと。
とにもかくにも。
俳優さん達の演技も良かったのですが、僕的には物語が◎。
負け犬の成長譚として、とても良作でした。
≪点数≫
8点
(15.02.22鑑賞)

満足ならクリック!!
スポンサーサイト