2014-12-01 Mon

2010年制作 米
監督:デブラ・グラニック
≪キャッチコピー≫
『家族のために 未来のために
彼女は大人になるしかなかった――』
≪ストーリー≫
ミズーリ州に住む17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、心を病んだ母に代わって幼い弟と妹の世話に励み、その日暮らしの生活を切り盛りしていた。そんなある日、ドラッグの売人をしていた父親が逮捕され、自宅と土地を保釈金の担保にしたまま失踪(しっそう)してしまう。家を立ち退くまで残された期間は1週間、リーは家族を守るべく父親捜しの旅に出るが……。
≪感想≫
何とも重々しい作品。
場所はアメリカのミズーリ州。
見るからに閉鎖的で都市とは程遠い田舎な地域。
その中で暮らす一家。
父親は行方不明で母親は心を病んでいて殆ど動けない。
17歳のリーは幼い弟と妹の面倒をみている。
冒頭の数分でこの状況が観ている者へ伝わる。
そして徐々に彼女たちに降りかかる無理難題。
リーは、行方不明になった父親を探すことになるのだが・・・。
うーーーん、重い!!
非常に重たい作品でした。
田舎ならではの結束。
それは良くも悪くもみなをがんじがらめにしてしまう。
一族としての掟に背いたものは罰せられる。
この「繋がり」がとても綺麗なものじゃなく、なんだか禍々しいものに見えて・・・。
その中に嫌でも生きていかなければいかない子供たち。
そのシステムを知る前の子どもたちには分からない窮屈さ。
その窮屈さ、困難さをリーは徐々に知ることになります。
それでも逞しく突き進むリー。
本作の魅力は何と言ってもこのリーの逞しさと健気さ。
リーはどんな苦境に立たされてもあきらめない。
この状況を何とか打破しようと立ち向かう。
そこに怯えや戸惑いは見られず、絶えず緊張をしていながらもピンと張りつめた
意志で行動しているように見えた。
それこそ、ゴールだけ見ていて、そこに向かう事だけを考えているような。
17歳の少女のこの行動がなんとも健気で、応援したくなる、救いたくなるんですよね。
リーを観ていると誰かとかぶるなと思っていたら、以前観た「トゥルー・グリッド」の
父親の復讐のために旅を続けるマティだ。
あの作品の主役も凛としたたたずまいで応援したくなる少女でしたね。
とにかくリーのすべてに立ち向かう姿勢にグッときました。
リーを演じたジェニファー・ロレンス。
やっぱりこの女優さんは素晴らしいです。
以前、「アメリカン・ハッスル」という作品で絶賛しましたが、本作もとても好演されていて。
ジェニファー・ローレンスのために本作があると言っても過言ではないハマりっぷり。
この何とも言えない我慢顔が似合うんですよね。
調べてみると、本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたみたい。
凄いなぁ・・・。
今後も追い続けたい女優さんの一人です。
ラストは少し希望の光が射しこむ終わり方。
確かに、そこまで現状は良くなっていないのかもしれない。
確かに、取り急ぎ今の危機を乗り切っただけなのかもしれない。
ただ、彼女たちならこれからの生活を何とか逞しく乗り切っていけるのではないか。
乗り切って欲しいと強く願うばかり。
重々しくもとても良い作品でした。
≪点数≫
8点
(14.10.19鑑賞)

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