2014-11-17 Mon

2013年制作 韓
監督:パク・フンジョン
≪キャッチコピー≫
『"父"への忠誠か、"兄"との絆か。』
≪ストーリー≫
韓国で有名な犯罪組織の幹部チョン・チョン(ファン・ジョンミン)の右腕としても認められているジャソン(イ・ジョンジェ)。だがその正体は、カン課長(チェ・ミンシク)に潜入捜査を命じられた警察官であった。警官の職務を果たそうとするも、自分と同じ中国系韓国人であるチョン・チョンとの間に生まれた兄弟のような情と絆を裏切っていることに苦悩するジャソン。そんな中、組織のリーダー急死を契機にした後継者争いが勃発(ぼっぱつ)、さらに組織の一網打尽を目的とした捜査作戦が動き出す。
≪感想≫
ヤクザの組織に潜入する韓国ノワール作品。
潜入物と言えば香港映画の「インファナル・アフェア」。
とても良い作品で、ハリウッドリメイクもされました。
本作も韓国で絶大なる人気を誇り、これまたハリウッドリメイクも決まっているそうです。
さて、作品。
とにかく濃厚。
とにかく重々しい。
絶えず手に汗握る緊張感。
めちゃくちゃ見応えたっぷりの作品。
さすが韓国ノワール。
この空気感はなかなか・・・。
ストーリー。
8年間も巨大ヤクザ組織に潜入する主人ジャソン。
あらゆる犠牲も厭わず、見えない明日のために断ることもできずに潜入を続ける。
これでもかと言う程の犠牲の数々。
それでも上司のカン課長の言う事は断らない。
いや、断れない状況なのだ。
ここがもう、とても非道で。
より良い未来のために潜入しているはずなのに。
より良い未来のために潜入させているはずなのに。
これじゃあどちらが善で、どちらが悪なのか分からない。
時に身内を見殺しにしても。
時に自らの子どもを殺すことになっても。
彼らはどこに向かうのか、どういう未来を求めるのか・・・。
むむむ・・・どーーーんより・・・。
ジャソンは潜入捜査をしていますが、最終的なゴールがどこなのかぼやかしているんです。
8年間も潜入しているのに・・・。
実は本作のちょっと気になったところは、そこだったりもします。
警察の目的、行動がイマイチぼんやりとしていて分かりにくい。
もっとより良いやり方もあったろうに。
もっと少ない犠牲で済んだように。
ちょっとそこら辺は「?」でした。
演出について。
これぞ韓国映画、ノワール作品らしい重く痛々しい空気。
暴力シーンはヤナ感じプンプンだし、人間の闇の部分を、社会の闇の部分を巧みに炙り出す。
ずーーーっと手に汗握る感じ。
やりおるのーーー・・・。
キャラクターについて。
各キャラクターがいい味出していて非常に良かったです。
主役のジャソン演じるイ・ジョンジェ。
彼は以前観た傑作「10人の泥棒たち」にも出ていましたね。
苦悩と葛藤になやむ潜入捜査官をみごとに演じていました。
カン課長演じる大好き、チェ・ミンシク。
「悪い奴ら」「LUCY/ルーシー」と最近良く見てます。
この手の役がほんとーに良く似合う!!
一物抱えて、怪しさプンプンな感じが。
ちょっと武田鉄矢さんに感じが似ているかな。
そしてそして、本作の僕的MVPチョンチョン演じるファン・ジョンミン。
鑑賞後、彼の行動を思い出すと一つ一つがグッとくるんですよねぇ。
やな部分も、もちろんあるんですが、ジャソンを想う感じがなんともね。
先に挙げた主要3人だけでなく脇を固める奴らも曲者揃い。
チョンチョンのライバルであるジュングやチョンチョンが呼び寄せて田舎からきた
朝鮮族の殺し屋4人衆。
こいつらも何とも言えない名演技で名キャラクター達。
素晴らしかったです。
少し物語に不満はありましたが、全体的にはとても良くできた作品。
キャラも立っているし、韓国映画っぽい重々しい空気感も◎。
やられたって感じです。
≪点数≫
9点
(14.09.27鑑賞)

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