2014-11-03 Mon

2012年制作 米
監督:デヴィッド・エアー
≪キャッチコピー≫
『これが、
ロス市警のリアル。』
≪ストーリー≫
ロサンゼルスの重犯罪多発地区サウス・セントラルを担当する白人巡査テイラー(ジェイク・ギレンホール)とメキシコ系巡査ザヴァラ(マイケル・ペーニャ)は、固い絆で結ばれた警官コンビ。パトロール中に通報を受けて向かった家で、図らずもメキシコ麻薬カルテルの秘密に触れてしまう。組織の怒りを買った二人は命を狙われてしまい……。
≪感想≫
ロサンゼルス市警の日常を追った作品。
本作、撮り方がドキュメンタリータッチになっていて。
主人公コンビが持参しているカメラで写した映像を繋ぎ合わせて物語は進む。
いわゆるPOV方式の作品。
(以前観た「クロニクル」や「クローバーフィールド -HAKAISHA-」もそう)
この撮り方のおかげでグッとリアリティが増す。
もちろん手ブレは酷いし、ガチャガチャしていて観にくいのは否めませんが、それはそれで良し。
ロサンゼルスの中でも極めて治安の悪い地域で警官を続けるという事。
何とも壮絶で、デンジャラスな町なんだろう。
リアリティがある反面、少し本当の事のように思えないくらい。
ギャングがのさばり、国籍が違うと対立し、ドラッグ、不法移民、暴力がはびこる街並み。
本当に恐ろしいです。
警察だからって関係ないない。
危険は常につきまとい、時には狙われることだってある。
とある男性警官は目玉にナイフを突き刺され。
とある新人女性警官はぼっこぼこに暴力を受ける。
いやはやもう・・・。
そんな中、本作の主役コンビ、テイラーとサヴァラ。
お互いを兄弟と呼ぶぐらい信頼し合った名コンビ。
車の中ではひたすらバカ話、バカ話、バカ話。
男同士ってこんな感じだよなぁって、ここらも凄くリアリティがある。
少し退屈な駄話の流れも後の展開に上手に活かされる。
タイトルの「エンド・オブ・ウォッチ」。
調べてみると、この言葉は、警察の中の隠語で「殉職」の事を指しているそう。
思いっきりネタバレになりますが、ラストはサヴァラが殉職してしまいます。
先に書いたバカ話の数々、二人のやりとりが鮮明に思い出され、メチャクチャ沈んだ気分に。
そして、最後の最後、また車の中での二人の駄話シーンが・・・。
「つらい、つらすぎるよ・・・・(泣)」
演出が絶妙に巧すぎる。
確かに派手すぎる所もあったり、ちょっと「いくらなんでも」的なシーンもあったりしたんです。
例えば、クライマックスで二人がギャングたちに発砲(ほぼ乱射)されるシーン。
いくらなんでも、あれだけ打たれたら被弾しそうなものなのに、都合よく無線機にあたるだけは
ちょっととか。
ラストのテイラーだけ生き残るのも、ちょっと無理がないかいとか。
ただそんな過度の演出も全体のリアリティに比べたら屁でもなくって。
とにかくこの街の危うさや、この街で働く警察の危うさを、POV方式を使って見事に
映し出してくれていました。
監督はデヴィッド・エアー。
なるほど「トレーニング・デイ」の脚本を書いた方か。
あの作品も警察と裏社会を描いた傑作でしたね。
ちょっと鑑賞後凹みましたが、とても良作でした。
≪点数≫
8点
(14.09.15鑑賞)

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