2014-10-22 Wed

2011年制作 カナダ
監督:ケン・スコット
≪キャッチコピー≫
『会いたい 会いたくない めんどうだけど愛おしい』
≪ストーリー≫
42歳の独身男ダヴィッド(パトリック・ユアール)はある日突然、693回に及ぶ精子提供を通じて533人の子どもの父親であることが発覚。さらに142人の子どもから身元開示の訴訟を起こされていることを知る。身元を明かすつもりはないダヴィッドだったが、子どもの一人が応援しているサッカーチームの選手であることに気付くと、ほかの子どもたちにも興味を持ち始め……。
≪感想≫
実は最初、この物語の設定があまり好きじゃなくって。
なんか生命の誕生を軽んじているんじゃあなかろうかなんて、イラッとしたんです。
冒頭、ダヴィットのあまりのくず、グズっぷりに腹が立って腹が立って。
そんな男が急に533人の父親に。
最初はそれを拒む彼も徐々に徐々に父親へと変貌を遂げる。
(邦題は「そして父になる」にしてもよかったぐらい(笑))
実はこのダヴィット。
根っこは良い奴なんです。
この精子を提供してお金を稼いだのも、おそらく家族のため。
ダメな奴なんだけど憎めない。
だからこそ恋人や家族にも叱られながらも愛されているんでしょうね。
この家族も良い感じで。
特にクライマックスの父親とのくだりはグッときました。
やっぱりこの親にしてこの子ありと言うような粋な言葉は本当に良かったです。
ダヴィットの子どもたち。
彼ら彼女らは家族を愛しつつも、生物学上の父親に会いたいと訴訟を起こす。
彼らも、とても純粋で良い奴なんです。
誰かを恨むわけでは無く、ただただ純粋に父親を探す。
ふと思う。
結局こういう事って、周りのマスコミや外野が面白おかしく煽っているんですよね。
世間では、ダヴィットの無責任な行動が批判の対象になっていましたが、
それはやっぱり違くって。
だって、ダヴィットはそういう法律、システムがあるのに乗っかっただけでしょ。
子供たちもその行動に批判している訳じゃなかったでしょ。
それを、周りの人たちが勝手に、はやし立てる。
こりゃもう放火魔みたいなもんだよ。
ネットの炎上とかもそういう事なんでしょうね。
ちょっと脱線。
とにかく登場人物たちは、もれなく愛しいキャラクター達でしたよ。
子供たちとのキャンプシーンや記念撮影のくだり。
ラストの全員で抱き合うシーンはとてもグッときましたよ。
気になる事も少しはあったんです。
例えば、子供たちのお母さんが全く出てこなかったこと。
子供たちそれぞれのバックボーンが描かれていなかったこと。
(まぁ500人以上いるからしょうがないか(苦笑))
とにもかくにも。
フィクションと思って鑑賞したら特に問題ないない。
心ほっこり良作でした。
いずれ私も父親になる時が来るんでしょうか。
悪くないかも。
≪点数≫
7点
(14.09.06鑑賞)

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