2014-09-29 Mon

2012年制作 米
監督:アリエル・ヴロメン
≪キャッチコピー≫
『100人殺した男』
≪ストーリー≫
1960年代、アメリカ・ニュージャージー州。愛する妻と2人の娘に恵まれ、幸せに満ちあふれた日々を過ごしているリチャード・ククリンスキーには家族も知らない恐ろしい秘密があった。誰の目から見ても良き家庭人である彼の正体は腕利きの殺し屋で、捜査のかく乱やアリバイ工作のために命を奪った者を冷凍保存し、死亡日時をずらした上で遺棄することからアイスマンの異名を持っていた。約20年間にわたり、100人以上の人間をあやめてきたリチャードだったが、1986年に逮捕されてしまう。
≪感想≫
実在した殺し屋リチャード・ククリンスキーをモデルにした作品。
このククリンスキーという殺し屋。
100人以上の人間を殺してきたという人物。
アイスマンと言うタイトルがついているからにはどういう冷酷な人物なのか。
と思いきや、なかなかHotな人間でした。
僕がイメージしていたのは「ノーカントリー」のシガーや「悪の経典」の蓮見。
殺しを何とも思わず、ただ殺すだけ。
そこに何の感情もわかない。
そんな奴だからこそ、こんなに人殺しを続けていられたんじゃなかろうかなんて
勝手に思っていたのです。
ところがどっこい。
結構、感情的な行動もあり、これじゃあどんどん転落人生を送って行くぞと思っていたら、
まさにその道を転がり落ちていって。
その行動一つ一つがあまりプロっぽくないなぁなんて感じたり。
例えば、家族と車に乗っていての、一般人にキレるシーンとか。
例えば、敵ボスを感情的に撃ち殺してしまうシーンとか。
よく警察に捕まるという着地で済んだなと。
ギャングに報復されてもおかしくないのに。
(余談ですが、ククリンスキーは終身刑になって、留置場で謎の死を遂げたらしいです。とほほ。)
100人以上の人をバレずに殺してきた人間がこんなにもたやすい物なのかと。
ちょっと期待はずれでした。
とまぁキャラクター、内容は置いといて。
それを演じる俳優力は凄かったですね。
ククリンスキーを演じたマイケル・シャノン。
強面でいかにも冷酷な殺し屋っぽい感じが◎。
キレた時の感じとか、冒頭の殺しのシーンとかは本当に怖くて良い感じでした。
どこかで観たことがあるなぁと思っていたら、「プレミアム・ラッシュ」の悪党警官でしたよ。
脇を固めるのは悪党フェイスと言えばこの方。
レイ・リオッタ。
相変わらずの悪そうな顔でしたねぇ。
レイ・リオッタが出演しているだけでキナ臭い感じがプンプンです(笑)
他にも妻役のウィノナ・ライダーも、うすうす夫の仕事に懐疑心を抱いている妻を好演していたし、
何より、二人の娘が非常に可愛らしかったです。
うーん・・・全体的に良い所と悪い所とって感じかな。
実在した人物という事で、本当にあった事件、人物の真相が気になりました。
書籍でも探してみるか。
≪点数≫
5点
(14.08.15鑑賞)

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2014-09-26 Fri

2012年制作 仏/ベルギー/カナダ
監督:パトリス・ルコント
≪キャッチコピー≫
『ようこそ、自殺用品専門店へ。ステキな"人生"をご提供致します。』
≪ストーリー≫
どんよりとした雰囲気が漂い、人々が生きる意欲を持てずにいる大都市。その片隅で、首つりロープ、腹切りセット、毒リンゴといった、自殺するのに便利なアイテムを販売する自殺用品専門店を開いているトゥヴァシュ一家。そんな商売をしているせいか、父ミシマ、母ルクレス、長女マリリン、長男ヴァンサンと、家族の誰もが一度たりともほほ笑んだことがなかった。人生を楽しもうとしない彼らだったが、無邪気な赤ちゃんが生まれたことで家庭内の雰囲気が少しずつ変わり始め……。
≪感想≫
「仕立て屋の恋」「列車に乗った男」のパトリス・ルコントの初アニメ作品。
実は本作の予告をYouTubeで観たことがあって、楽しみにしていたんです。
絵のタッチ、デザインが変わった風貌で気持ち良かったんですよね。
しかも仏映画という事で、なお興味が湧いたり。
さていざ鑑賞すると・・・。
うーーーん、予告だけで良かったかなぁ・・・。
ストーリーについて。
自殺専門店の家族の元に飛びっきり明るい息子が誕生する。
自殺を推進する家族とは裏腹に、息子はすくすくと太陽のように成長していくのであった。
まず、ストーリーは良さげなんだけど深みが無い。
先に書いたストーリー以上の事を感じる事ができなかったんです。
「自殺はダメですよー」的なみっせーじもなけりゃあ、自殺をする人の背景も全く描かれない。
自殺用品を売っているミシマ一家の仕事への姿勢もイマイチピンとこない。
物語中盤、ミシマ夫婦が
「こっちも自殺を後押しするのは辛いのよ・・・。」
的な表現をしますが、その突然とした発表に口あんぐり。
「そんなの今更言われてもなぁ・・・。」
それなら最初から止めておけばいいのに・・・。
そもそも自殺は犯罪として扱われている世界で、こういう商売をやっているからには、
それなりの理由がある訳でしょう。
その訳もイマイチ描かれないもんだから、なんだかピンとこなくって。
表面的なメッセージは良かったんですよ。
おそらく「人生は素晴らしい!!」的なね。
ただそれを大きな声で訴えるだけじゃ何も響かんのです!!
うーーん、何だかなぁ・・・。
恐らくですが、本作は子供向けに作られたのではないでしょうか。
物語をすっごい薄く作って、あとは視覚と聴覚で楽しませるみたいな。
時折、ミュージカルになったりもしてたし。
確かにその演出は楽しかったりしたもん。
子供は楽しめる作品に仕上がっています。
なんて苦言をつらつら・・・。
ちょっと残念な作品でした。
ただキャラクターのデザインは◎。
日本のアニメでもなくアメコミでもなくいかにもヨーロッパ。
以前観た「ベルヴィル・ランデブー」もそうでしたが、変わったデザインが多いですねぇ。
オリジナリティ溢れる感じが大好きでしたよ。
それだけにストーリーをもっとしっかりとしてくれれば・・・。
とほほほほ。
≪点数≫
3点
(14.08.15鑑賞)

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2014-09-24 Wed

2013年制作 米
監督:ベン・スティラー
≪キャッチコピー≫
『生きてる間に、生まれ変わろう。』
≪ストーリー≫
雑誌「LIFE」の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランド、アイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。
≪感想≫
ベン・スティラー主演・監督作。
この人は本当に多才ですねぇ。
実は僕的に彼の事があまり好きじゃなかったのですが・・・。
以前「ペントハウス」という、気持ちのいいケイパームービーを観てから、
「なんか好きかも!!」
なんて思うように。
それから「ナイトミュージアム」やら「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」やら
鑑賞。
何だかんだで楽しませてもらいました。
さて本作。
「なんじゃこりゃ!!めちゃくちゃ傑作じゃないですか!!」
本作については映画館で予告をしょっちゅう観る機会がありまして・・・。
実は、あまり好きそうな感じじゃなかったんですよね。
「現状から勇気をもって一歩踏み出せ!!」
的な。
「やりたいことがあるならすぐに行動しな!!」
的な。
僕が10代、20代の頃なら感化されて勇気が湧いてきて
「よっしゃ、やったるぞ!!」
ってな具合になったろうに、もう僕も30中頃。
現実を受け止めながら、切磋琢磨している自分にはちょっとなぁって思ったんです。
とは言え、映像は凄く綺麗で、いずれ少しずつ色んな世界を見て回りたい僕としては、
この壮大な景色を観るだけでもありかななんて。
そしていざ鑑賞。
「・・・思っていたのとちがーう!!(良い意味)」
無鉄砲的夢にときめけ作品ではなく、今を大事にしつつ、今までの自分を肯定しつつ、
踏み出せと言う美味しいとこどりのストーリーでした。
そもそもこの主役のウォルターは誠実で良い奴なんですよね。
ろくでなしで惰性で生きてきた奴なのかと思いきや、ただの人見知りをこじらせた妄想族。
別に他人にそこまで迷惑をかけていないんです。
もっと言うと、地味な仕事をコツコツとこなしている優秀な社会人でして。
そんな善き人間が、一念発起、世界へ飛び出す。
こりゃ応援しない理由はないでしょう!!
このキャラクター、ストーリーにまず胸打たれちゃって。
そして本作のもう一つの見所。
それは壮大な自然映像。
本作の撮影チームは「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」と同じらしくって。
だからこんなに綺麗でカッコ良いんですね。
寄りの画ではなく引きの画を多用し、世界の中にポツリと一人の人間が。
これがすっごい良いんです。
世界に飛び出したくなるというか。
とにかく見応えある映像に仕上がっていましたよ。
映画館で観てたら、さらに良かっただろうなぁ・・・。
音楽もカッコ良くって◎。
ちょっとサントラが欲しいかも。
ストーリー、演者、映像、音楽。
どれを取っても一級品の本作。
誰が観ても受け入れられるような良作でした。
おススメです!!
≪点数≫
9点
(14.08.14鑑賞)
こちらサントラ。

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2014-09-22 Mon

2013年制作 邦
監督:品川 ヒロシ
≪キャッチコピー≫
『騙しあいの一発逆転劇――
最後に勝つのは誰だ!』
≪ストーリー≫
人生の一発逆転を願って企てた銀行強盗が見事成功したキャバクラ「ハニーバニー」店長のシュウ(藤原竜也)、ボーイのコジ(田中聖)、常連客の健さん(小杉竜一)。彼らは奪った数億円の大金を均等に分け合うはずだったが、自らの取り分を少しでも増やしたいという欲から壮絶な争いが始まる。さらにほかにもその金を奪おうとする者が現われ、事態は予測できない展開に……。
≪感想≫
うーーーん、なんだろう・・・あまり好きじゃないかも。
木下半太の同名小説を芸人の品川ヒロシが映画化。
品川監督と言えば「ドロップ」に始まり「漫才ギャング」。
どちらも鑑賞しましたが、それほど好きじゃないって感じ。
「ドロップ」の時にちょっと書きましたが、品川臭がプンプンでちょっと受けつけなかったんですよね。
「漫才ギャング」はテーマが監督の本職だったのでそこまで違和感が無かったのですが、
本作はまたその品川臭が復活していて違和感感じまくり・・・。
何だか、圧がハンパなくってイラッとするというか・・・。
全体的にコント、劇を観ている感じだったんですよね。
物語は銀行強盗や騙し合い、シリアスでバイオレンスな雰囲気。
物語のテンポも良く、どんどん、どんでん返しが起こって最後の最後まで飽きさせない
お話・・・と思いきや。
何だか全体的に緊張感が足りないんですよね。
理由の一つとして、間の悪いコメディチックな演出。
テンポの良いお話の中に挟まれる「笑ってください」的なあざといお笑いシーン。
漫才チックな掛け合いや、コントチックなフェイス。
これが、緊張感あふれる展開に水を差して、萎えちゃったんです。
確かに自然に流れる会話の中での挟み込みはまだ面白かったりもしたんです。
ただ、あからさまな漫才掛け合いには正直うんざりしちゃったり。
この演出がまず物語からリアリティを排し、ノリきれなくなった要因の一つなのでは。
次にキャラクターの弱さ。
主役三人はまだ良かったです。
彼らのやりとりは先に書いたあざとい演出は置いといて、銀行強盗後の打ち合わせ、
打ち上げからの・・・的な感じは全然違和感なく楽しめましたし。
ただね残りのキャラがあまりにもピンとこなくって。
まず、キャバクラ嬢役の中島美香さん。
非常に申し訳ないのですが、彼女にこの役どころは合っていなかったのでは。
とても重要なのに彼女が移ると以前観た「クローズZERO」の黒木メイサ的異物感を覚えたんです。
なんでだろう・・・。
ラストの屋上を走ってジャンプして渡るシーン。
あのシーンは、本作最後の見所なはずでカタルシス爆発なシーンのはずなのに、
何だかノリきれない自分がいたり。
見た目かなぁ・・・演技かなぁ・・・とにかくピンとこなかったんですよね。
次に裏社会の2大バケモンの破魔翔(窪塚洋介)と渋柿(池畑慎之介)。
裏社会の極悪人でやる事なす事、極悪非道で超外道。
ただね・・・ぜんっぜん怖くなかったんですよ。
リアリティが無いのもありますが、これまた先に書いたあざといコメディタッチがあったからかな。
クライマックスも何だか詰めが甘く、極悪人として彼ららしくないなって。
巧くキャラクターを活かしきれていなかったのでは。
本当にもったいない。
これがシリアス路線で進めていたら、ごく身近にある恐怖、裏社会的なメッセージを、
投げかける事ができたのになんて。
暴力的なシーンやグロチックな演出もあったんですけど、あまり不快に感じなかったんですよね。
普通は目も背けたくなるのに。
苦言をつらつらと。
良い所もちょっとはあったんです。
一つは物語の締め方。
つまるところこいつらは悪いことをやっているんだから、そら簡単には幸せにはなれないよね。
ラストの破魔翔の語り。
「うん、そこは良いこと言うね!!」
なんて素直に思いました。
そしてもう一つはアクションシーン。
品川監督の前作「漫才ギャング」のアクションシーンはカッコ良かったんです。
本作のアクションシーンも結構よくって。
ただ、最初のコジの格闘シーンは正直微妙。
確かにコジの格闘術はカッコ良かったんだけど、スローで血がブシャーとかは
ちょっと狙い過ぎかなって。
最後の破魔翔のナイフアクションシーンのカメラワークが理想的でカッコ良かったな。
ほんの数秒でしたけどね。
良い所はこのぐらい。
あとは本当にダメダメでした。
とにもかくにも、全体的にはやっぱり嫌いな本作。
品川監督にはコメディ、笑いを取っ払って純粋なアクション映画を撮ってほしいな。
≪点数≫
3点
(14.08.13鑑賞)
こちら原作。
うーーん、まぁいいや。

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2014-09-19 Fri

2013年制作 米
監督:アレクサンダー・ペイン
≪キャッチコピー≫
『回り道がもたらした人生最高の当たりくじ』
≪ストーリー≫
100万ドルが当たったという通知を受け取ったウディ(ブルース・ダーン)。それはどう見てもインチキだったが、徒歩でもモンタナからネブラスカまで金を受け取ろうとするウディに息子のデイビッド(ウィル・フォーテ)が付き添うことに。こうして始まった父と息子の4州をまたぐ車での旅。途中、立ち寄った父の故郷で、デイビッドは父の意外な過去を知ることになる。
≪感想≫
全編モノクロのロードムービー。
出演者、登場人物のキャラクターが秀逸。
宝くじ当選を疑わずネブラスカまで行こうとする父親ウディ(ブルース・ダーン)。
とても無口で純朴な彼は周りの静止も効かずにひたすらネブラスカを目指す。
彼の人の好さに付け込んで、昔の仲間たちは、金をむしり取ろうとする。
宝くじが詐欺のダイレクトメールを知った昔の仲間たちは彼を嘲笑。
嫌ですねぇ・・・。
クライマックス。
息子の最高の親孝行が実った時。
ウディの顔は今までの暗い顔ではなく、とても晴れ渡った顔に。
モノクロの映像なのに、その表情、温かみを感じ取れる撮り方、演出がとても素晴らしい!!
ウディの妻ケイト(ジューン・スキッブ)。
彼女は無口な旦那とはうって変わって毒舌のマシンガントーク。
愛くるしい見てくれとは反対に、どぎつい下ネタや罵声。
ただ、その中にも見え隠れする家族への愛情。
はた迷惑だけど、心の底から邪険にできない存在。
とても素敵な奥さんでしたね。
演じたジェーン・スキッブさんは本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたんですって。
へぇへぇへぇ・・・納得のキャラクター、演技でした。
口うるさい彼女が旦那のために周りに啖呵を切るシーン。
観ていてスカーーーっとね。
ウディの息子たちも良かったですね。
何だかんだで親父の事はしっかりと「父親」として見ている。
ラストのウディのためにトラックとコンプレッサーを購入してあげるシーンも良かったのですが、
僕的には、息子2人で他人の倉庫から父親のためにコンプレッサーを取り返すシーンが
最高でしたね。
こちらも観ていてスカーーーっとね。
その他、出演される老人たちも味があって、とっても良かったです。
モノクロ演出、田舎町演出と相まってとても、閉鎖的な感じやのんびりな感じ、良い所も
悪い所も、クセのあるところもちょっと心地よく感じたり。
出てくる人たちは嫌な奴も多かったけど、制裁も受けてくれたので不快には感じませんでした。
演出について。
本作は全編モノクロ。
これが凄く巧く活きていたんじゃないでしょうか。
田舎町に流れる景色。
出てくる老人たち。
音楽も味かあってとても良かったです。
景色もラストのリンカーンのビル群をモノクロで観た時、今までの田舎町の景色から一転、
その映像が、観ている物に一気にグッと近づいたシーンでした。
とても穏やか、ほのぼのながらもジンとさせてくれた良作。
たまに観直しても良いと思える作品でした。
≪点数≫
8点
(14.08.13鑑賞)

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2014-09-17 Wed

2006年制作 米
監督:デヴィッド・フィンチャー
≪キャッチコピー≫
『この暗号を解いてはいけない』
≪ストーリー≫
1969年、自らを“ゾディアック”と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが……。
≪感想≫
1960年代に実際に起こった未解決事件を描いた犯罪映画。
この手の作品は結果が分かっている分、中身がとても重要となってくる。
本作は、犯人が誰か的な謎も見せつつ、そこまでの過程を巧みに描いていました。
本作の肝はまだ未解決事件だという事。
という事は犯人は見つかっていないという事。
そこで焦点は犯人を捜す人間にあてられる。
このゾディアック事件に振り回される人間たち。
その人間たちがいかにこの事件に関わり、憑りつかれ変化していく。
最近観た「凶悪」に少しテイストが似ているかも・・・。
新聞の漫画を描いているグレイスミス。
彼は事件に興味をもち、のめり込み憑りつかれる。
家族をないがしろにし、仕事をないがしろにし・・・・。
同じく新聞記者のエイブリーも同様。
彼も事件にのめり込み過ぎた故に、アル中になりヤク中になり、果ては亡くなってしまう。
犯罪者を追う彼らの中に潜む闇のようなものが徐々に現れ出してくる。
この闇は観ている僕らの中にも潜んでいるような・・・。
あぁ、やっぱり「凶悪」に似ていますねぇ。
そこらへんの描き方は巧みでしたね。
最後の最後まで緊張は持続して、観終わって力が抜ける感じ。
監督は、デビット・フィンチャー。
「セブン」「ファイト・クラブ」の監督さんでもあります。
どちらもサイコパス的なお話ですね。
なるほどなるほど・・・。
本作には大好きロバート・ダウニーJr.が出演されていました。
彼は実生活でもその昔、ヤク中、アル中になっていたみたい。
今は復活して「アイアンマン」やら引っ張りだこの俳優さん。
無事に復活してくれて嬉しい限りです。
あと、マーク・ラファロもゾディアック事件を担当する刑事を好演されていました。
マーク・ラファロと言えば「アベンジャーズ」のハルク。
アイアンマンにハルク。
何気に嬉しい組み合わせでした(笑)
とにもかくにも。
本作で、おそらく犯人であろう容疑者は絞り出されていました。
アーサー・リー・アレンという最重要人物。
彼はその後、事件が解決しないままに病気で亡くなってしまったんですって。
そして彼の死後、DNA鑑定をしたらしいのですが結果はシロ。
本事件は未解決のまま今に至っていて。
ただねぇ・・・本作を鑑賞後色々、検索して調べたのですが、やっぱりこのアーサーと言う人物が
犯人のような気がするんだよなぁ・・・。
世の中ではいまだ解決していない事件は山ほどあって。
そして、それが解決しないままに新しい事件は山ほど起こっていて。
やるせないなぁ・・・。
≪点数≫
6点
(14.08.12鑑賞)

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2014-09-15 Mon

2011年制作 邦
監督:阪本 順治
≪キャッチコピー≫
『仇も恨も是まで是まで』
≪ストーリー≫
南アルプスのふもとにある長野県大鹿村でシカ料理店を営む風祭善(原田芳雄)は、300年以上の歴史を持つ村歌舞伎の花形役者。公演を間近に控えたある日、18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸部一徳)が現れる。脳に疾患を抱え記憶を失いつつある貴子をいきなり返され戸惑う善だったが……。
≪感想≫
冒頭数分、出演者のロールが流れてタイトルドーン。
ポコポコ木琴のような音色、音楽。
「・・・なんだか古くさい作品だなぁ。」
といったのが印象。
出演者はとても豪華な顔ぶれ。
原田芳雄に佐藤浩市、三國連太郎、石橋蓮司等々。
松たか子や瑛太も出てきますが脇を固めるポジション。
主役級の方々はベテラン俳優さんたち。
「・・・これまた古くさい作品だなぁ。」
といった印象。
舞台は長野県大鹿村。
大鹿村に伝わる大鹿歌舞伎を取り入れた喜劇。
今ではコメディ作品なんて言葉が浸透していますが、本作はこれぞ「喜劇」。
日本の伝統文化とベテラン役者を使って微笑ましいドタバタストーリーを織り成す。
しかも本作は性同一性や痴呆というセンシティブな問題を軽やかに、面白おかしく映し出す。
これがまた不快じゃないんですよね。
それもこれも先に書いた豪華なベテラン俳優さん達が、上手にガチャガチャやってくれていたから。
田舎ならではの喧騒があったから。
岸部一徳さんと原田芳雄さんの掛け合いは絶妙に面白かったし、
時折出てくる、おっさんたちの裸も絶妙にだらしなくって力が抜けましたねぇ・・・。
松たか子さんの独特な間の演技も思わずクスリとね。
とにかく演出が巧く作品にマッチしていて観心地は良かったです。
古くさい、古くさいと書いてはいますが、地味ながらも良い作品でした。
ただね・・・。
全体的にノリきれなかった部分も。
それは僕が歌舞伎に精通していないという事。
物語クライマックス。
歌舞伎のシーンが続くんですが、楽しみ方も内容もイマイチわかっていないので、
ピンとこなかったです。
もう少し歌舞伎の説明、お話の説明があっても良かったのかなと。
もったいないな。
それは僕の勉強不足という事で反省・・・。
とにもかくにも。
ちょっと古めの人情「喜劇」を観た気分。
たまにはこういう作品も悪くないですね。
≪点数≫
6点
(14.08.11鑑賞)

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2014-09-12 Fri

2008年制作 邦
監督:真田 敦
≪キャッチコピー≫
『どうして僕たちは何かを失って、大人になるんだろう。』
≪ストーリー≫
恋人にフラれ、大学を休学したレオ(岡田将生)は、ひょんなことからハワイ島にあるホノカアの映画館で映写技師として働くことに。ホノカアは、レオが半年前に“伝説の虹”を探し求め、恋人と道に迷った末にたどり着いた町だった。不思議な魅力に吸い寄せられるように再びやって来たこの町で、レオは風変わりだが心優しい人たちと出会う。
≪感想≫
ハワイが舞台の日本の作品。
そもそもハワイ諸島は8つの島から成り立っていて、僕らがテレビ等で観ている思い描いている
ハワイは恐らくオアフ島。
本作の舞台はビッグアイランドと呼ばれるハワイ島。
オアフに比べるとだいぶ田舎なのかな。
そんなハワイ島の小さな田舎町ホノカアを舞台にしたお話。
いろいろな人がレビューの中でおっしゃっていますがハワイ版「かもめ食堂」といったところか。
のんびりした空気、ぼんやりとしたお話、美味しそうな料理などなど。
ただ、僕的には「かもめ食堂」よりだいぶダメダメな作品に感じました。
ストーリーや演出について。
まず、このお話自体にイマイチのれなかったかなと。
お話と言うか、語り口と言うか。
本作ってファンタジー的演出も散りばめられていて。
死者が出てきて優しく語り合う的演出や、忽然と人が亡くなる的演出。
別にそれはそれで、とても柔かくてのんびりとしていて素敵な演出なのですが、
それならもっといききってほしかったなと。
中途半端にストーリーにドラマがあるので、巧くバランスがとれていなかったように感じて。
現実寄りにするか、ファンタジー寄りにするかを極端にしても良かったように思います。
「かもめ食堂」や同系列の作品「めがね」「マザーウォーター」等はそこらへんが上手かったんですよね。
本作は観ていて、引っ掛かりがとても多くって、ぼんやりとながめつつも
「ん?ん??」
って。
もったいないない。
も一つ演出について。
本作では美味しそうな料理がたくさん出てきます。
ただ、この美味しそうな料理が上手く活かされていなかったような。
例えば食べるシーンをもっと増やしたり、作る過程をもう少し増やすことで、さらに美味しそうに
映って作品にも好影響を与えたのでは。
これまた「かもめ食堂」等は巧かったんですよねー。
もったいないない。
とにかくこの物語の描き方、作風に上手くノリきれなかったです。
キャスティングや町の景色、空気感は良かっただけに残念。
主演の岡田将生君は役柄と非常に合っていて好演されていたし、脇を固める
倍賞千恵子さんや松坂慶子さんはとってもキュートでした。
あとはなんといってもコイチさんを演じた喜味こいし師匠。
冒頭のレオとのTシャツのくだりは最高に笑えました。
ハワイの風景もとても素敵。
沖縄ののんびりとした風景とはまた違って柔かい景色と言うか。
一度は訪れてみたいですねぇ。
ムーンボウ(月虹)も見てみたいです。
とにもかくにも、何だかもったいない作品。
物語の意味を考えず、ただ流れてくる音、映像を楽しむのなら穏やかで
温かい作品に仕上がっているかと。
≪点数≫
3点
(14.08.10鑑賞)
こちらサントラ。
のんびりゆらりと良い感じ。

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2014-09-10 Wed

2009年制作 スウェーデン/デンマーク/独
監督:ダニエル・アルフレッドソン
≪キャッチコピー≫
『その過去が真実の口を開き、彼女の存在は脅威となる。』
≪ストーリー≫
宿敵と対決したリスベット(ノオミ・ラパス)は相手に重傷を負わせたが、自らも深手を負い病院に収容される。一方、政府公安警察内の秘密組織「特別分析班」は、事件を通じて自分たちの秘密が発覚するのを恐れ、関係者抹殺に動き出す。多くを知りすぎたミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)にも危険が迫るが、仲間を集め巨大な陰謀を解明しようと奔走する。
≪感想≫
北欧の人気小説ミレニアムシリーズ第三弾。
本作で三部作の最終章。
前作、前々作と、いずれもとても良くできたお話だったので続けて鑑賞。
綺麗に着地してくれたシリーズ最終作でした。
本シリーズ、派手さ的には1作目からトーンがダウンしてますね。
もともと落ち着いた作品だったのですが、本作はさらに輪をかけて
落ち着いた作風でしたよ。
大人向けと言うか。
ストーリーについて。
本作は前作の直後からお話が進んでいきます。
前作で重傷を負ったリスベット。
病院にて快復するも、父親への殺人未遂容疑で警察に収容されてしまう。
そして舞台は法廷へ。
リスベットの自由を勝ち取るためにミカエルらは奔走する。
もう、ここまで続けて観ているとリスベットを応援したい具合がハンパない。
彼女の生い立ち、今までされてきた酷い事を思い出したらわなわなと。
そして、その彼女を抑圧してきた男どものクズっぷり、ゲスっぷりには腹が立って腹が立って。
これが少しずつ詰まれていって、ギャフンといわせる流れはやっぱり観ていて
気持ちが良かったです。
決してリスベットも善なる人間とは言えませんが「勧善懲悪」な感じがね。
とりあえずリスベットのお話は綺麗に着地をしてくれましたね。
ミカエルとリスベットの関係もとても良かったです。
心の底では繋がっていて信頼しあっている形が。
キャラクターについて。
本シリーズって意外と登場人物が多いんですよね。
しかも名前が聞いたこと無いような名前ばっかりなので覚えるのに一苦労。
先に書いた、落ち着いた作風という事もあって、さらに覚えるのに一苦労。
こればっかりはちょっと苦労しました(苦笑)
前作で無敵の殺人マシーン、ニーダーマンが登場しましたが、本作でも登場。
もう少し彼を活かしたお話にしてほしかったな。
正直、本作では蛇足的な展開だったので、あまり必要に感じられなかったです。
無痛症というオイシイキャラ付けも、リスベットの兄というキャッチーなキャラ付けも
上手く活かしていなかったかなと。
そこら辺は少しもったいなかったです。
ただ本シリーズの売りは何と言ってもリスベットというヒロイン。
彼女を観る事ができて、また彼女が様々な苦境を自らの力と、周りの助けを借りながら
乗り越えていく姿を観る事が出来ただけでも良かったです。
本シリーズのレビューでいつも書いていますが、2時間ドラマ的な作品でしたが、
お話はしっかりしていて見応えのあるシリーズでした。
ミカエル・リスベットシリーズとして続編が作れそうな気がしますが、
原作の作者さんが本作を書いたのを最後に亡くなられたんですって。
残念ですね。
また新しいリスベットの活躍を観たかったなぁ・・・。
≪点数≫
7点
(14.08.09鑑賞)
こちら原作。

満足ならクリック!!
2014-09-08 Mon

2009年制作 スウェーデン/デンマーク/独
監督:ダニエル・アルフレッドソン
≪キャッチコピー≫
『その過去が真実の口を開き、彼女の存在は脅威となる。』
≪ストーリー≫
少女失踪(しっそう)事件解決から1年後、社会派雑誌「ミレニアム」で少女売春組織に迫った特集の準備を進めていた担当ジャーナリストが殺害される。現場にリスベット(ノオミ・ラパス)の指紋のついた銃が残されていたことから、彼女は容疑者として指名手配されてしまう。リスベットの無実を信じるミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)は、独自に調査を進めていくが……。
≪感想≫
北欧の人気小説ミレニアムシリーズ第二弾。
前作がとても良い作品だったのと、ハリウッドリメイク版を観たいということで
続けて観賞。
相変わらずの良作でした。
全体的には前作と同じ印象。
お話はとにかく面白い。
サスペンスとして上手く出来た作品だと思います。
ただ、難点なのが前作でも書きましたが、2時間のTVドラマを観ている感じ。
派手なアクションがないというのもあるが、ストーリーの質的にも少し重たいからかな。
ストーリーについて。
本作ではリスベットの過去がどんどん明らかになっていきます。
相変わらず、つらい仕打ちを受けるリスベットの過去はさらに壮絶なものだったんですねぇ。
本当にリスベットの受けた苦しみを思うと嫌な気分になります・・・。
彼女が自らの力で、それらに抗い闘う姿には応援しない訳ないでしょう!!
そして彼女を信頼し、良きパートナーとなりうる存在、ミカエル。
彼は最後までリスベットを信じ彼女の為に行動をします。
本作ではこの二人が一緒になるシーンはラストだけでしたねー。
もう少し二人で共同して色々な謎を解き明かしてほしかったな。
それは最終章である次回に持ち越しなのかな。
キャラについて。
先に書いたリスベットとミカエルはおいといて。
本作からのニューキャラであるリスベットの友人である二人(ミミとパオロ)。
ミミはキックボクシング、パオロはボクシングを使って敵の大男ロナルドと戦います。
ロナルドは無痛症のためどんな攻撃もお構いなし。
それでも立ち向かうミミとパオロはめちゃくちゃカッコ良かったです。
このパオロ・ロベルトと言う人は実際にもボクサーで元世界ランカーらしいですね。
へぇーへぇーへぇー・・・。
もう少し彼らの活躍を観たかったな。
次回作でラストと言う本シリーズ。
前作は導入。
今作は次回作への布石と言ったところか。
さて最終章はリスベットとミカエルの関係にどう決着をつけるのか。
楽しみですねぇ・・・。
≪点数≫
7点
(14.08.02鑑賞)
こちら原作。

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2014-09-05 Fri

2009年制作 スウェーデン/デンマーク/独
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
≪キャッチコピー≫
『彼女だけが知っている』
≪ストーリー≫
ジャーナリストのミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)は、ある大物実業家の違法行為を暴露し、名誉棄損で有罪になる。そんな彼に目をつけた大企業の前会長が、40年前に失踪(しっそう)した自分の血縁にあたる少女についての調査を彼に依頼する。ミカエルは天才ハッカーでもある調査員リスベット(ノオミ・ラパス)と協力して、未解決事件の真相に迫る。
≪感想≫
スウェーデン発の本作。
元々、ミレニアム3部作として原作があり、本作はその1作目を映画化。
実写版である本作もも3部作として作品が作られているようで。
なおかつ、ハリウッドでもリメイクされており、そちらを観たくってまずはスウェーデン版の本作を鑑賞。
とても上質なミステリー作品。
冒頭。
記者のミカエルの物語と天才ハッカーのリスベットの物語が並行して映し出される。
リスベットのシーンで序盤に出てくる新しい後見人ニルスとのやりとり。
これがまた非常に不快極まりない展開。
リスベットは後見人という立場を盾にニルスに強姦されてしまう。
このニルス弁護士のいやらしさとかサディスティックな性格は近年まれにみる嫌な奴で
殺意すら覚えてしまう程のキャラクター。
リスベットが力で制圧されるシーンは観ていて、正直、観るのを止めようかと思ったくらい。
ただ、その後、リスベットが自らの力でニルスを手玉に取ったシーンには心の中で
「もっとやっちまえ!!」
って心の中でガッツポーズ。
本作は女性が男に力で征服されるお話が多かったですね。
この手の話はとても不快で嫌いですな。
中盤。
ミカエルとリスベットが合流し力を合わせて推理していくことに。
ここから少しずつ謎が解け始める。
クライマックスに向けての引っ張りがグーーーッと。
本作、リスベットと言うスーパーキャラクターがとても魅力的だったという良さもありますが、
脚本、お話がとても面白かったんです。
行方不明になった少女の行方を追うミカエルとリスベット。
話は二転三転。
少しずつ明かされる真実。
最後の大オチも悪くなく綺麗な着地となっておりました。
キャラクターも良い。
お話も良い。
ただ欲を言えば、リスベットの天才ハッカーたる技術的な側面ももう少し描いてほしかったな。
あまりそこが描かれていなかったせいで、ただのパンクな風貌をした変わった女性と言われかねない。
もっとデジタルを駆使して活躍して欲しかったなぁ。
あと少し気になったのが、鑑賞後、本作は映画と言うよりTVドラマと感じた事。
何でしょう。
お話もとても素晴らしくてキャラクターも非常に好感触。
だけど映画を観たーって感じがしなかったんですよね。
終始、落ち着いたトーンだったからでしょうか。
舞台が北欧と言う綺麗な景色だったからでしょうか。
とにかくちょっとTVドラマっぽいなって。
良くも悪くもね。
それでも先に書いた通り、お話的にはとても見応えがあったし、
今後のリスベットとミカエルの活躍が気になってしょうがない。
十分に堪能させていただきました!!
次回作ももちろん鑑賞しますよ!!
≪点数≫
7点
(14.07.27鑑賞)
こちら原作本。
ちょっと長編なので尻込み中。
ただ、興味はあります。

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2014-09-03 Wed

2012年制作 米
監督:スティーヴン・シュボースキー
≪キャッチコピー≫
『さよなら、壁際の僕。』
≪ストーリー≫
1991年、シャイで物静かな高校生チャーリー(ローガン・ラーマン)は、クラスメートたちに“壁の花”とあだ名を付けられ甘く見られていた。だが、彼の平凡な日常は、パトリック(エズラ・ミラー)とサム(エマ・ワトソン)兄妹との出会いによってすっかり様変わりする。チャーリーは初めて知る友情の素晴らしさや、初恋の胸のときめきに有頂天になっていたが……。
≪感想≫
キラキラとまぶしい青春時代。
暗い過去からの脱却。
爽やかな良作でした。
本作の一番の魅力はキャスト力。
主役の3人を演じた俳優さん達が素晴らしい!!
友達が1人もいないさえない少年チャーリーを演じたローガン・ラーマン。
初めて見ましたが、この坊ちゃん感がなんともこの役柄にあっていて、
とてもマッチしていました。
彼が冒頭、今までの自分を払しょくするかのごとく一歩踏み出す。
そしてそれに周りが答えてくれた瞬間。
ちょっとグッときましたねぇ。
チャーリーの初恋の女性となるサム。
演じたのはハリー・ポッターシリーズのエマ・ワトソン。
ハーマイオニーもこんなに大きくなったんですねぇ(しみじみ・・・)。
彼女もとてもキュートで過去に一物抱えた少女を好演してくれました。
サムの義兄であるパトリック(エズラ・ミラー)。
彼は初めて見ましたが、中世的なフェイスでハンサム君。
彼も影のある役柄を見事に演じていました。
とにかくこの3人の悩みながらも楽しく生きている感じがとても瑞々しくって好感が持てたんです。
悩み、トラウマを抱えた彼らは楽しみ、はしゃぎながらも時に、壁にぶつかる。
それでも一歩踏み出すものだけが見る事のできる景色。
チャーリーやサムがトラックの荷台にのって感じた「無限」は生涯、彼らの中に残り続けるでしょう。
確かに彼らが抱えている闇はとても重々しく、想像もつかない苦しみ。
だけど、彼らの前を見つめるその姿勢はとても逞しく普遍的な生き方なんだろうと感じた。
支え合う仲間。
いつの時代もそういう存在は誰にとっても必要で大切。
それこそ先日観た「横道世之介」のような・・・。
とにかく旬の俳優陣の瑞々しい姿を観ることのできる良作でした。
≪点数≫
7点
(14.07.23鑑賞)
こちら原作本。
興味ありますね。

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2014-09-01 Mon

2012年制作 米
監督:ジョン・ムーア
≪キャッチコピー≫
『運の悪さは、遺伝する。』
≪ストーリー≫
久しく会っていなかった息子ジャック(ジェイ・コートニー)がロシアでトラブルを起こした上に、ある裁判の証人となったと知らされた刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)。身柄を引き取りに現地を訪れた彼だが、そこでテロ事件に巻き込まれてしまう。相変わらずの運の悪さを呪いながらも、混乱状態に陥った状況下でジャックと再会するマクレーン。しかし、なぜか親子一緒に次期ロシア大統領候補の大物政治家、大富豪、軍人らが複雑に絡む陰謀の渦中へと引きずり込まれるハメになり……。
≪感想≫
大好き「ダイ・ハード」シリーズ第五弾。
現時点で本作がシリーズ最新作。
今の所・1作目・3作目・4作目・2作目の順かな。
さてさて本作は・・・。
なんじゃこりゃ・・・げんなり・・・そして怒り!!
いくらなんでも雑すぎます!!
これこそダイ・ハード、マクレーン刑事じゃなくても全然良いんじゃないかい!?
ツッコミ所や適当に作ったんじゃないか的演出が多々あって。
どうにもノリきれませんでしたよ・・・。
物語序盤。
大金をはたいて撮ったであろうカーチェイスシーン。
確かに凄いんです!
ドンガラガッシャン凄いんです!!
ただそのカーチェイスのドンガラガッシャンに意味が感じられないというか。
お金をかけて撮りましたよってことだけは伝わりましたが・・・。
敵の装甲車とマクレーンの車の追っかけっこ的な感じなんですが、いくらなんでも
普通の人たちを巻き込み過ぎでしょう。
マクレーンも1台車を潰して、一般人の車を強奪するって・・・。
たまったもんじゃないよ・・・。
これ見よがしに、それこそ場当たり的に車を派手にぶっ壊すだけ。
確かに凄いアクションが観たいんですよ。
けど、こんなんじゃないやい!!
そしてこのカーチェイスシーンシーンにはもう一個。
マクレーンが乗る車が全部ベンツなんですよね・・・。
これは恐らく、ベンツがスポンサーがついているからなんでしょうが、これまた、
しつこいぐらいのベンツマーク。
大人の事情だからとはいえ、ここまでしつこいとねぇ・・・興醒めですよ。
クライマックスにもツッコみたい!!
チェルノブイリでのクライマックス。
敵グループが放射線満載の部屋に何やらガス的なものをまき散らす。
「よし、これにて放射線は中和されましたよ(ニヤリ)」
えぇ!!なめんなこの野郎!!
そんな便利なものがあったら日本に教えてくれこの野郎!!
そして最後、マクレーンたちが放射線汚染水にどぼーーん。
「大丈夫、大丈夫。ちょっとハゲるくらいさ(ニヤニヤ)」
あぁん!!ふざけるなこの野郎!!
いくらなんでもこれは無知すぎる!!と言うかノリを勘違いしてるんじゃ!?
他にも他にも。
まず敵のキャラクターが弱すぎる。
結局彼らの犯行の動機って「金」なんですよね。
んんーーー・・・これは前作にも言えたんですが、ここまで大がかりなテロ行為なのに
目的は金って・・・。
安直すぎるんですよねぇ。
ラストで敵ボスが死ぬシーン。
1作目のオマージュなのでしょうが全然嬉しくも何ともないよ・・・。
とにかくキャラが弱すぎる。
味方のキャラクターも弱すぎる。
本作の相棒(バディ)は息子であるジャック。
彼もジョンの息子っぽいところは運が悪い所ぐらいでしょうか(苦笑)
問題解決能力がなさすぎる・・・。
3年間も練ってきた作戦の割には、一個計画が狂ったぐらいでアタフタ、意気消沈しすぎでしょう。
CIAにしてもそう。
全然次の一手が出てこない。
こんなに大がかりでドデカイ作戦の割には、最終的には場当たり的な展開ってどうなんでしょうか・・・。
他にも他にも他にも!!
数え上げりゃあきりがないです!!
もーーーー、こんな感じで行くなら続編なんて作らないでください!!
もう少し丁寧に作ってください!!
以上!!
好きだったダイ・ハードシリーズもひとまず終了。
最後の最後でとんだ作品になっちゃったなぁ・・・。
さてさて。
次はどのシリーズを観てみようかしら。
おススメがあればぜひ!!
≪点数≫
3点
(14.07.21鑑賞)

満足ならクリック!!