2014-07-23 Wed

2012年制作 英
監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
≪キャッチコピー≫
『歌わにゃイカん理由ができた。』
≪ストーリー≫
寡黙でとっつきにくい性格が災いし、周囲から筋金入りの頑固おじさんとして扱われ、息子とも溝ができてしまっているアーサー(テレンス・スタンプ)。
そんな彼が愛してやまない、性格の明るい妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のガンが再発してしまう。
そんな中、彼女が在籍するロックやポップスの名曲を歌う合唱団「年金ズ」が国際コンクールの選考大会に出場することに。
治療などで練習に参加できないマリオンの代理で「年金ズ」のメンバーになるアーサーだが、個性豊かなメンバーや慣れない合唱に面食らってしまう。
≪感想≫
老人、コーラス。
まず思い浮かんだのは、以前、本ブログで大絶賛したドキュメンタリー作品「ヤング@ハート」。
観終わって思ったのが、「ヤング@ハート」とは少し違ったかな。
「ヤング@ハート」は音楽と生を繋げた大傑作。
本作は、音楽や生よりも愛や家族との絆に重きを置いていたような気がします。
フィクションという事もあってよりドラマチックに作られていて。
偏屈オヤジの下に訪れる。
妻との死別、息子との確執、失意からの復活。
ベッタベタな展開なんだけど関係ナイナイ。
グッとくるんです!!
序盤、老夫婦のやりとりを主に描かれる。
頑固で偏屈で不器用なりに奥さんを介護するアーサー。
何だかんだで妻を必要としていて大事にしている。
「逝ってほしくない・・・。」
思わず弱音を吐くアーサーの姿にホロリ。
病気に侵されながらも強く活き続ける妻マリオン。
このマリオンの良妻賢母っぷりがハンパなくって。
偏屈オヤジのアーサーの不器用な愛情をしっかりと受け止める。
二人のやりとりを見ているだけで、
「結婚っていいかも。」
なんて思ったり。
二人で歴史を刻んで作り上げた形は揺るぎないものに変わっていて、とても素敵に見えたんですよね。
ポロポロと落涙。
しみじみ良い作品だなぁって。
コーラスが趣味のマリオン。
中盤、マリオンがアーサーのためにソロで歌い上げる。
その歌詞はアーサーに向けたメッセージ。
これがまた素晴らしくって。
マリオンが亡くなって、次は息子との確執を描き出す。
我が息子にも素直に接することのできないアーサー。
その意固地な心を溶かしたのはやはり妻マリオンの存在。
マリオンとの日々を思い出し、意地を張るのを止めたアーサー。
マリオンの代わりにコーラスコンクールに出る事に。
最後の最後で訪れる、コンクールのシーンで歌い上げるマリオンへのアンサーソング。
その歌声は客席へ響き、息子へ響き、そして恐らく天国にいるマリオンの元へと届く。
素晴らしいです!!
とても良い作品でした。
しっかし僕も年を重ねたせいか、この手の作品を観ているとじんわり涙が・・・。
泣かせにきているようなシーンでもないのにな。
不思議なものです。
≪点数≫
9点
(14.06.21鑑賞)

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