2014-07-18 Fri

2013年制作 韓/米/仏
監督:ポン・ジュノ
≪キャッチコピー≫
『前を進め。世界を変えろ。』
≪ストーリー≫
地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。
生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。
車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。
そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。
≪感想≫
「母なる証明」や「グエムル -漢江の怪物-」のポン・ジュノ監督が撮る
初めての英語作品。
実は本作、とても楽しみにしておりまして。
巷で評判高いポン・ジュノ監督がハリウッドでどんな作品を撮ってくれるのかってね。
いざ鑑賞。
ド派手なだけじゃないモヤッとした良作でした。
巷では、ポン・ジュノっぽくないというお話を聞きますが、僕的にはテイストはやっぱり
韓国風、ポン・ジュノ風と感じました。
内容的にはアクション大作的に作れるのにそうしていない。
派手にアクションを見せて盛り上がりそうな所で、ちょっと抑える。
ネタバレしますが主役級のキャラクター達がどんどん殺されていくんですよね。
そのキャラに感情移入したら殺されて、また別のキャラに感情移入したら殺されて。
そこら辺が少し不快にも感じつつ、そこは絶妙にバランスが取れていて。
最後まで飽きることなく鑑賞できました。
本作の魅力の一つは役者さんたち。
主役のクリス・エヴァンスは「キャプテン・アメリカ」での真面目坊ちゃんにちょっと通ずる部分もあり
好印象。
韓国人親子のミンス(ソン・ガンホ)とヨナ(コ・ソヨン)。
ソン・ガンホはイケメンっていう訳でもないのにメチャクチャカッコいいんですよね。
味があるというか深みがあるというか。
とにかく韓国人俳優の中でも彼は好きな役者さんの中の一人です。
ヨナを演じたコ・ソヨンもちょっとペ・ドゥナを思わすような感じで好印象。
達者な演技も相まって二人のシーンはとても見応えありました。
あとは上流階級側のターミネーターばりのおっさん(フランコ)。
「ノー・カントリー」のシガーを思い出したり・・・。
総理大臣を演じたティルダ・スウィントンもやな奴を怪演。
等々・・・。
ただ僕的一番ヒットは老人ギリアムの側近グレイ。
彼の佇まいが超カッコよくって。
冒頭のドラム缶を駆け抜けながら敵へと向かっていくシーンはちょっとアガりましたよ。
そんな彼もあっけなく死んでしまったのには思わず
「チクショーーーー!!」
って。
ホントに魅力的なキャラクター、役者さん達でした。
ストーリーについて。
本作のテーマは世界の縮図を列車の中にまとめあげた感じかな。
弱肉強食で、秩序を守るためには犠牲も厭わない。
人類が生き残るためには犠牲も必要なのさ的な。
ただそういった階級社会で産まれてくるもの。
「革命」
虐げられてきた共の革命を観ているとやっぱり気分は高ぶってきます。
おっきなネタバレですが下級層に滞在していた老人ギリアムも実は上とグルだったんですよね。
ただ、ギリアムもカーティスが新しい世界を率いてほしかったはず。
ボスであるウィルフォードにあったら話をせず舌をちぎってやれ的な事を話していましたから。
列車(世界)のしきたりを、新しい秩序(世界)を作り出して欲しかったのでしょう。
ラストは思わぬ形で幕が閉じる。
突然訪れるおおきなうねり。
外へ出る事になった彼ら。
その先には希望の光はほんの少ししか感じられませんでしたが、これもポン・ジュノっぽいっちゃあ
そうなのかも。
色々書いてきましたが満足の1作でした。
≪点数≫
7点
(14.06.14鑑賞)

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