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No.965 『ダイ・ハード3』
No965 『ダイ・ハード3』

1995年制作 米
監督:ジョン・マクティアナン

≪キャッチコピー≫
『世界一、運の悪い奴。』

≪ストーリー≫
ニューヨークの繁華街で爆破テロが発生する。
サイモンと名乗る男から犯行声明が出され、次の爆破が予告される。
そして、もし防ぎたかったらジョン・マクレーン刑事に黒人街ハーレムで「俺は黒人が大嫌い」という看板を掲げろと命令する。
またしても運の悪さを見せつけるマクレーン刑事と、些細な事から事件に巻き込まれた黒人ゼウスのにわかコンビが爆弾テロリストに立ち向かう。

≪感想≫
「ダイ・ハード」シリーズ第三弾!!
第一弾は噂に違わぬ大傑作。
第二弾も面白かったです。

さて第三段となる本作。
ネタが尽きたのかお約束的要素がガラッと変わっていましたね。
「ダイ・ハード」のお約束。
・クリスマスに主人公であるマクレーンがテロに巻き込まれる。
・ワンシチュエーションである(1作目はビル、2作目は空港)。
と言うイメージ。
本作はもれなく取っ払われていましてね。
まずクリスマスじゃなーーーい!
そして本作の事件現場はニューヨーク全体になっちゃってる!!
そしてそして、本作は偶然そこに居合わせた的流れじゃなく、犯人に指名されちゃっている!!!
もう巻き込まれと言う面白い展開は無くって・・・。
これまでの「ダイ・ハード」を覆す展開。

むむむ・・・。
ちともったいない気、肩すかしを喰らった感は否めません。
・・・が!!相変わらずのアクション、マクレーン力、爆発ドッカンバッカン!!
アクション映画としてアガる気持ちの良い作品でした。

序盤。
前作のレビューにて冒頭が少し間延びしていた的な感想を書きましたが、本作はいきなりフルスロットル。
ニューヨーク各地に爆弾が仕掛けられ、犯人からの電話を基にマクレーン刑事が走り回る。
ここら辺の展開。
少しキアヌ・リーブス主演の傑作「スピード」を思い出したり。
そして本作。
質の良いバディムービーにも仕上がっていて。
サミュエル・L・ジャクソン演じる相棒ゼウスとのやり取りが良い感じでね。
本作でのゼウスの立ち位置は前作までのマクレーン刑事ばりの巻き込まれっぷり(苦笑)
最後の最後まで良いコンビでした。

中盤、終盤にかけてこれまでの守りの立場から攻めのやりとりに。
こっからさらにアクションドッカンバッカン!!
直接的な格闘はあまりありませんでしたがカーチェイスやら体を張ったアクションが満載。
楽しく観る事ができました。

ストーリーについて。
1作目の際に脚本が素晴らしいと書きました。
本作も何気に脚本が良かったかなと。
伏線をはって回収のくだりが前作に比べると少しですが増えていたように感じます。
1作目に比べるとやっぱり見劣りはするんです。
ただ2作目よりはこちらの方が楽しめたかな。

シリーズ物って最初の方が傑作だと後々トーンダウンしていく傾向が・・・。
さて次回作次回作・・・。


≪点数≫
  8点
                                           (14.06.23鑑賞)


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No.964 『ザ・イースト』
No964 『ザ・イースト』

2013年制作 米
監督:ザル・バトマングリッジ

≪キャッチコピー≫
『任務か正義か――その選択はあなたの心を震わせる』

≪ストーリー≫
健康被害や環境汚染の元凶とされる企業を敵視し、抗議活動を行う環境テロリスト集団のイースト。
元FBIエージェントのサラ(ブリット・マーリング)は、テロ攻撃にさらされる恐れのある企業の依頼を受け、彼らのアジトへと潜入して捜査をすることに。
企業に対する彼らの過激な姿勢の数々に怒りを覚えるサラだが、健康被害の実態を目の当たりにし、その根絶に挑むイーストの思想を理解するようになる。
さらに、謎めいたリーダーのベンジー(アレキサンダー・スカルスガルド)に惹(ひ)かれ、心が激しく揺れ動く。

≪感想≫
環境テロリスト。
果たして彼らの行いは正義なのか悪なのか。

本作の描き方はどちらにも心が揺れるようになっている。
企業側がもちろん悪。
ただテロリスト側も見方を変えると悪。
ここら辺はとても巧いなと。

「目には目を歯には歯を」の精神でイーストのメンバーは企業にテロを仕掛ける。
イーストのメンバーはそれぞれ重い事情を抱え企業への復讐心から、活動に力を入れていて。
ちょっとその部分が、共感することが難しかったかな。
もし、これが純粋に世の中の事を考えての行動ならばもう少し、共感も感じたのでしょう。
もちろん、その個人的な復讐心、バックボーンはとても壮絶で耳を疑いたくなる。
ただ、そのテロと言う行動の動機が個人的なもので行われると、ちょっとザラッと感じてしまったんですよね。
最後の最後まで、どういう方法が正しいのか考えさせられる。

そもそもこの現状に耳を疑いたくなる。
本作で起こっている事はフィクションでも何でもなくって。
アメリカの現状は、とても壮絶だ。
環境保護団体や反企業勢力へスパイを送り込み情報を操作するんだって。
そしてそのスパイ活動をおこなう企業があって。
どこに正義があるのでしょうか。

例えば結果的に悪に染まっている企業がある。
それは本当に金や私利私欲のためだけに行われているのか??
被害や規模が大きくなればなるほどその理由や詳細があいまいになっていく。

それでもダメなものはダメな訳で。
被害を受けている人はこんなにもたくさんいる訳で。

日本で言う所の原発問題に通ずるものがありますね。

とにかく最後の最後まで緊張感を保たせながら鑑賞。
終わり方も悪くなかったです。
希望の光が射している終わり方。
今後も、彼らの戦いは続いていく。

そして現実の社会でも・・・。

俳優さん達も素晴らしかったですね。
大好きエレン・ペイジも相変わらずの高クオリティでしたよ。

ぼんやりとしたあいまいな感想になってしまいましたが、今後の考え方に一石を投じた良作でした。


≪点数≫
  7点
                                           (14.06.22鑑賞)


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No.963 『サスペクト・ゼロ』
No963 『サスペクト・ゼロ』

2004年制作 米
監督:E・エリアス・マーハイジ

≪キャッチコピー≫
『見えるんだ、罪が。聞こえるんだ、叫びが。』

≪ストーリー≫
遺体のまぶたが切り取られ、“0”(ゼロ)のマークが残される連続殺人事件が発生。
FBI捜査官トム・マッケルウェイ(アーロン・エッカート)は、元恋人でダラス支局から派遣されてきたフラン・クーロック(キャリー=アン・モス)と事件解決を目指すが……。

≪感想≫大いにネタバレあり
絶えず謎々しい空気が流れる。
サイコチックな映像も特徴的で重々しい。

物語序盤。
連続殺人犯、各地で起こる誘拐事件。
FBI捜査官のマッケルウェイは時折訪れるフラッシュバックと偏頭痛に悩まされながらも捜査を続ける。
導入部分としては問題なし。

中盤。
ある一人の男が浮かび上がる。
自称元FBIのベンジャミン・オライアン。
彼は自分の特異な能力(透視能力)らしきものを駆使してこの事件に遠くから関わっているようで。
フランらはオライアンが犯人であると考えるが、マッケルウェイは彼の能力を見抜き、
彼はこれまでの誘拐事件や殺人事件の犯人を粛清しているんだと考える。

いったい誰が犯人なのか。
本当にオライアンが犯人なのか。

むむむ、ここまでは凄く良いですねぇ。
先に書いた全体的に重苦しいトーンとストーリーが相まってグッとのめり込む事が出来て。

さぁ終盤!!
いざ蓋を開けてみると・・・・。

「・・・え??まさかのド直球!?」
この手の作品はある意味オチのドンデン返しがとても大切だと思うんです。
それがあまりに薄すぎたというのが正直な所。

僕的には、
「オライアンの透視能力は本当で実はマッケルウェイが犯人でした!!」
なんてオチを考えていたんですよね。
それはそれで、辻褄が合わなくなってしまいますが、そのぐらいの爆弾があるのかなって。

それがこれなんだもんなぁ・・・。
悪い意味で沈んだトーンが沈んだトーンのまま終わりを告げた感じ。

巷では名作「セブン」を彷彿とさせるスリラーと聞きましたが全然違う。
確かに「セブン」もド直球のオチでしたが、観終わった後口あんぐり。
そのぐらいのインパクトがありましたもんね。

中盤までがとても良さげだっただけにもったいないなぁ・・・。


≪点数≫
  6点
                                           (14.06.21鑑賞)


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No.962 『アンコール!!』
No962 『アンコール!!』

2012年制作 英
監督:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ

≪キャッチコピー≫
『歌わにゃイカん理由ができた。』

≪ストーリー≫
寡黙でとっつきにくい性格が災いし、周囲から筋金入りの頑固おじさんとして扱われ、息子とも溝ができてしまっているアーサー(テレンス・スタンプ)。
そんな彼が愛してやまない、性格の明るい妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のガンが再発してしまう。
そんな中、彼女が在籍するロックやポップスの名曲を歌う合唱団「年金ズ」が国際コンクールの選考大会に出場することに。
治療などで練習に参加できないマリオンの代理で「年金ズ」のメンバーになるアーサーだが、個性豊かなメンバーや慣れない合唱に面食らってしまう。

≪感想≫
老人、コーラス。
まず思い浮かんだのは、以前、本ブログで大絶賛したドキュメンタリー作品「ヤング@ハート」。

観終わって思ったのが、「ヤング@ハート」とは少し違ったかな。
「ヤング@ハート」は音楽と生を繋げた大傑作。
本作は、音楽や生よりも愛や家族との絆に重きを置いていたような気がします。
フィクションという事もあってよりドラマチックに作られていて。

偏屈オヤジの下に訪れる。
妻との死別、息子との確執、失意からの復活。
ベッタベタな展開なんだけど関係ナイナイ。
グッとくるんです!!

序盤、老夫婦のやりとりを主に描かれる。
頑固で偏屈で不器用なりに奥さんを介護するアーサー。
何だかんだで妻を必要としていて大事にしている。
「逝ってほしくない・・・。」
思わず弱音を吐くアーサーの姿にホロリ。
病気に侵されながらも強く活き続ける妻マリオン。
このマリオンの良妻賢母っぷりがハンパなくって。
偏屈オヤジのアーサーの不器用な愛情をしっかりと受け止める。
二人のやりとりを見ているだけで、
「結婚っていいかも。」
なんて思ったり。
二人で歴史を刻んで作り上げた形は揺るぎないものに変わっていて、とても素敵に見えたんですよね。
ポロポロと落涙。
しみじみ良い作品だなぁって。

コーラスが趣味のマリオン。
中盤、マリオンがアーサーのためにソロで歌い上げる。
その歌詞はアーサーに向けたメッセージ。
これがまた素晴らしくって。

マリオンが亡くなって、次は息子との確執を描き出す。
我が息子にも素直に接することのできないアーサー。
その意固地な心を溶かしたのはやはり妻マリオンの存在。
マリオンとの日々を思い出し、意地を張るのを止めたアーサー。
マリオンの代わりにコーラスコンクールに出る事に。
最後の最後で訪れる、コンクールのシーンで歌い上げるマリオンへのアンサーソング。

その歌声は客席へ響き、息子へ響き、そして恐らく天国にいるマリオンの元へと届く。
素晴らしいです!!

とても良い作品でした。

しっかし僕も年を重ねたせいか、この手の作品を観ているとじんわり涙が・・・。
泣かせにきているようなシーンでもないのにな。
不思議なものです。


≪点数≫
  9点
                                           (14.06.21鑑賞)


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No.961 『凶悪』
No961 『凶悪』

2013年制作 邦
監督:白石 和彌

≪キャッチコピー≫
『知るべき闇は、真実の先にある。』

≪ストーリー≫
ある日、ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、死刑囚の須藤(ピエール瀧)が書いた手紙を持って刑務所に面会に訪れる。
須藤の話の内容は、自らの余罪を告白すると同時に、仲間内では先生と呼ばれていた全ての事件の首謀者である男(リリー・フランキー)の罪を告発する衝撃的なものだった。
藤井は上司の忠告も無視して事件にのめり込み始め……。

≪感想≫
こ・こ・こ・こえぇーーーー・・・。

本作は実際にあった事件を基に作られたお話で。

冒頭、須藤たちの卑劣で下劣な行為が映し出される。
これがもう不快極まりないんです。

例えば、こういう犯罪映画やサスペンスもの、悪人物って、その悪人にカリスマ性や
インテリジェンスが身についていたり、そこに至るまでの背景が描かれているから、
共感まではいかないけど、なるほどと思ったりするんです。
ただ本作の奴らは、その背景に厚みがなく、ただ単純に損得だけで行っているようにしか
見えないからいやぁーな気分になる。
須藤は仲間(自分)のため。
木村は金(自分)のため。

この二人の怖さ。
質が違っているように見えて、須藤は単純な暴力的怖さ。
一方の木村は、こいつ狂ってるな的怖さ。
この二人が揃えばどんな悪い事でも平気で犯してくる。
ぞぞぞ。

内容的には以前観た「悪の法則」という作品に少しテイストが似ているかな。
「悪の法則」に比べると派手さは欠けるが、その分リアルで身近な感じ。
それこそ、本作で描かれている事が3軒隣りで行われていそうな・・・。
とにかく、いやぁーな、こわぁーい気持ちになりましたよ。

そしてこの主犯格の二人を演じた俳優さん。
ピエール瀧さんとリリー・フランキーさん。
どちらも近づいたらやっかいな匂いをプンプン。
僕的にはピエール瀧さん演じる須藤がメチャクチャ怖かったなぁ・・・。
留置所で藤井に向けるあの鬼面!!
ひぇぇーーー・・・。
彼の名台詞であり口癖
「ぶっこむ!!」
は、しばらく口癖になりそうです(苦笑)

本作、実は善人らしい善人が出てこない。
この事件を追っかける記者の藤井(山田孝之)。
彼も事件を追う事にのめり込み過ぎて家庭をおろそかにしている。
これはこれでとても不快な気持ちに。
この藤井と言う男の行動にはイマイチピンとこない部分がありました。
正義を追求していく男には見えなかったし、家庭に戻るのが嫌と言う感じも見受けられなかった。
この藤井と言う男のキャラクターの描き込みは少し足りなかったのかなって。
山田孝之さんはとても良い役者さんだけに、そこはもったいなかったです。
他にも須藤の舎弟である五十嵐、須藤の妻。
嫌な奴らばっかし。
警察の対応もあまり好きじゃなかったな。
マスコミもあまり良い印象を受けなかった。
とにかく人間の嫌な所ばっかりをドデカイ犯罪と並行して描きこむ。
もやもやと気分が萎えてくる。
とほほ・・・。

こんな事件が本当にあるんだよなぁ・・・。
とても身近感があるだけにより怖さを感じたし、より不快に感じました。

ただ観て本当に良かったです。

激ハマリ役者さん達のアンサンブルも見応え抜群です!!


≪点数≫
  8点
                                           (14.06.14鑑賞)



こちら原作本。
興味ありますねぇ。

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映画 | 08:00:00 | トラックバック(1) | コメント(4)
No.960 『スノーピアサー』
No960 『スノーピアサー』

2013年制作 韓/米/仏
監督:ポン・ジュノ

≪キャッチコピー≫
『前を進め。世界を変えろ。』

≪ストーリー≫
地球温暖化を防ぐべく世界中で散布された薬品CW-7により、氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。
生き残ったわずかな人類は1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。
車両前方で一部の富裕層が環境変化以前と変わらぬ優雅な暮らしを送る一方、後方に押し込められて奴隷のような扱いを受ける人々の怒りは爆発寸前に。
そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が立ち上がり、仲間と共に富裕層から列車を奪おうと反乱を起こす。

≪感想≫
母なる証明」や「グエムル -漢江の怪物-」のポン・ジュノ監督が撮る
初めての英語作品。

実は本作、とても楽しみにしておりまして。
巷で評判高いポン・ジュノ監督がハリウッドでどんな作品を撮ってくれるのかってね。

いざ鑑賞。
ド派手なだけじゃないモヤッとした良作でした。
巷では、ポン・ジュノっぽくないというお話を聞きますが、僕的にはテイストはやっぱり
韓国風、ポン・ジュノ風と感じました。

内容的にはアクション大作的に作れるのにそうしていない。
派手にアクションを見せて盛り上がりそうな所で、ちょっと抑える。
ネタバレしますが主役級のキャラクター達がどんどん殺されていくんですよね。
そのキャラに感情移入したら殺されて、また別のキャラに感情移入したら殺されて。
そこら辺が少し不快にも感じつつ、そこは絶妙にバランスが取れていて。
最後まで飽きることなく鑑賞できました。

本作の魅力の一つは役者さんたち。
主役のクリス・エヴァンスは「キャプテン・アメリカ」での真面目坊ちゃんにちょっと通ずる部分もあり
好印象。
韓国人親子のミンス(ソン・ガンホ)とヨナ(コ・ソヨン)。
ソン・ガンホはイケメンっていう訳でもないのにメチャクチャカッコいいんですよね。
味があるというか深みがあるというか。
とにかく韓国人俳優の中でも彼は好きな役者さんの中の一人です。
ヨナを演じたコ・ソヨンもちょっとペ・ドゥナを思わすような感じで好印象。
達者な演技も相まって二人のシーンはとても見応えありました。
あとは上流階級側のターミネーターばりのおっさん(フランコ)。
ノー・カントリー」のシガーを思い出したり・・・。
総理大臣を演じたティルダ・スウィントンもやな奴を怪演。
等々・・・。
ただ僕的一番ヒットは老人ギリアムの側近グレイ。
彼の佇まいが超カッコよくって。
冒頭のドラム缶を駆け抜けながら敵へと向かっていくシーンはちょっとアガりましたよ。
そんな彼もあっけなく死んでしまったのには思わず
「チクショーーーー!!」
って。
ホントに魅力的なキャラクター、役者さん達でした。

ストーリーについて。
本作のテーマは世界の縮図を列車の中にまとめあげた感じかな。
弱肉強食で、秩序を守るためには犠牲も厭わない。
人類が生き残るためには犠牲も必要なのさ的な。
ただそういった階級社会で産まれてくるもの。
「革命」
虐げられてきた共の革命を観ているとやっぱり気分は高ぶってきます。
おっきなネタバレですが下級層に滞在していた老人ギリアムも実は上とグルだったんですよね。
ただ、ギリアムもカーティスが新しい世界を率いてほしかったはず。
ボスであるウィルフォードにあったら話をせず舌をちぎってやれ的な事を話していましたから。
列車(世界)のしきたりを、新しい秩序(世界)を作り出して欲しかったのでしょう。

ラストは思わぬ形で幕が閉じる。
突然訪れるおおきなうねり。
外へ出る事になった彼ら。
その先には希望の光はほんの少ししか感じられませんでしたが、これもポン・ジュノっぽいっちゃあ
そうなのかも。

色々書いてきましたが満足の1作でした。


≪点数≫
  7点
                                           (14.06.14鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(3) | コメント(6)
No.959 『ダイ・ハード2』
No959 『ダイ・ハード2』

1990年制作 米
監督:レニー・ハーリン

≪キャッチコピー≫
『また、戦場へ来てしまった運の悪い奴!』

≪ストーリー≫
クリスマス・イブ。
よりを戻した愛妻ホリーを出迎えるため、ダレス空港に来たマクレーンは、冷酷なスチュアート率いる、武装したテロリストの一味と遭遇。
彼らの目的はもうすぐ特別機に乗って到着し、米国で裁判を受ける予定にある南米某国の将軍エスペランザの身柄の奪回だ。
一味が滑走路の電源を切ったため、ホリーの乗った飛行機は着陸できなくなり、このままでは墜落の危険性も。
マクレーンは空港を乗っ取った一味との死闘へ。

≪感想≫
「ダイ・ハード」シリーズ第二弾!!
先日、やっとこさ第一弾を鑑賞。
傑作傑作と聞いていましたが、噂にたがわぬ大傑作。
前作が世のアクション映画の金字塔になったと言っても過言ではない今やスタンダードな作品。
現在、5作品も世に出ていて、恐らく今後も作られるであろう本シリーズ。

さて続編である本作はと言うと。
前作の良い所をある程度、踏襲した良作でした。

クリスマス、空港にて奥さんを待つマクレーン刑事が、またもや事件に巻き込まれる。
相変わらずついていないですねぇ・・・(苦笑)
もっと言うと奥さんもついていないですよねぇ・・・(苦笑)
本作の敵は元軍人のテロリストども。
相変わらずのマクレーン節は健在。
愚痴りながらも敵に向かってドッカンバッカン。

恐らく本作、前作に比べお金がかかっていると思うんです。
アクション、爆破、演出が格段にパワーアップしていて。
派手さにかけては前作にも増して凄まじかったです。
クライマックスの飛行機爆破。
マクレーンの飛行機から脱出してのパラシュートのくだりは素晴らしくってアガりましたよ。

キャラクターに関して。
前作ほどそれぞれがキャラ立ちできていませんでしたが、それなりにイケている奴らは健在で。
主役のマクレーン刑事はもちろんの事、奥さんも凛としていてイケていたし、
前作にも登場したテレビレポーターのクズっぷりは相変わらず健在だったしね。
ただやっぱり、もうちょっとそれぞれのキャラを魅力的に描いてほしかったな。

ここから少し苦言を。
本作は前作に比べ脚本・演出がダメダメでしたね。
全体的にテンポが悪いからか間延びした印象。
特に冒頭30分ぐらいは、あまり面白みもなく導入としても物足りない。
前作は、伏線からの回収のテンポがとても良くって飽きることなく鑑賞できたのですが、
本作に関しては伏線すらないので、あまりのめり込んで観る事が出来なかったんですよね。
残念無念。
楽しめる部分ももちろんありました。
仲間と思っていた奴の裏切りとか、予想だにしなかったので思わず
「おっ!!」
なんて思ったりもしましたし。
ただやっぱりパンチ力が足りないというか・・・。
あと、これはこのレビューを書きながら思ったのですが、そもそも犠牲者が山ほど出ているんですよね。
飛行機が1機墜落しているんです。
ハッピーエンドで終わった感がありますが、実はこんなにも犠牲者が出ていて。
そこら辺が少しモヤモヤっとしたりして。

ちょっと、その辺が前作に比べ落ちた点かな。
ただ前作があまりにも傑作すぎるのも事実。
本作はそこと比べるのは少々酷。
何だかんだで良い作品なのは間違いない。

観る事が出来て良かったです。

さぁ次回作次回作。
しばらく間を置いて観るか。

余談ね。
ラストのマクレーンが奥さんの名前を呼びながら歩くシーン。
あれって『ロッキー』の
「エイドリアーーン、エイドリアーン。」
のパロディでしょうか(笑)
ちょっと笑ってしまいました。


≪点数≫
  7点
                                           (14.06.09鑑賞)


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No.958 『ダイ・ハード』
No958 『ダイ・ハード』

1988年制作 米
監督:ジョン・マクティアナン

≪キャッチコピー≫
『地上40階!超高層ビルは戦場と化した!』

≪ストーリー≫
クリスマス・イブの夜、LAのハイテクビルを最新兵器で武装した謎のテロリスト集団が襲った!
彼らの要求を拒んだ重役達は即座に射殺。
なすすべも無く怯える人質たち。
ビルの中にいた非番警官ジョン・マクレーンは外部との連絡が一切遮断された中、ただ一人命をかけた闘いを挑んだ!

≪感想≫
アクション映画の金字塔と言っても過言ではない「ダイ・ハード」シリーズ。
実はまだ未見だったんです・・・。
テレビで何度も放映されていた時は少しずつ、つまむ程度で・・・。
友人や巷の噂も、つまむ程度で・・・。
とにかく観た気持ちになっていたんですよね。

いずれ観ようと思ってはいたんです。
先日「ホワイトハウス・ダウン」という傑作を観た際、
ブログ仲間のYANさんやmia☆miaさんに「ダイ・ハード」を観てない事に驚かれて。
これは観なければと思いいざ鑑賞!!

噂にたがわぬ大傑作でした!!
本作が後に数々のアクション映画に影響を与えている事は間違いなくって。
それこそ最近観た「エンド・オブ・ホワイトハウス」「ホワイトハウス・ダウン」もそうでしょうね。

まずアクション。
確かに1980年代の作品なので、今に比べると派手さに欠けるかもしれません。
ただ、やっぱりブルース・ウィリスのアクションはハンパなくカッコいいし、
派手にドンガラガッシャンやっている。
マクレーン刑事が裸足で駆け回るシーン、イケてたなぁ・・・。
あとは何と言っても排水ホースを巻き付けての屋上からのダイブ!!
爆発もドッカンドッカン。
古臭いとは言えないド派手さ。
その時代にこういうドデカイ作品が作られたのは、やっぱり先駆け的作品と言われる所以なのでしょうね。
大満足なアクションでした。

次に脚本。
これがまためちゃくちゃ素晴らしい!!
本作の素晴らしさってド派手なアクションにも劣らない緻密な脚本なのでは。
伏線をはっては回収、はっては回収の繰り返し。
穴が見当たらないほど良くできていて。
冒頭の裸足のくだり、奥さんの時計のくだり、奥さんが苗字を変えているくだり。
数え上げりゃあキリがない。
130分という長尺気味のお話なんですが飽きが来ないんですよね。
テンポの良いアクションを楽しみながら、テンポ良く驚かされる。
「なるほど、さっきのお話はここで活きる訳ね・・・。」
ってな具合に。

そしてキャラクター力。
本作で一気にスターダムにのし上がったブルース・ウィリス。
この愚痴りながらも敵を倒していく感じは、いかにも人間臭くて最高でした。
敵ボスのアラン・リックマン。
ハリー・ポッター」シリーズのスネイプ先生。
彼は声がめちゃくちゃ良いですねー。
いかにも悪役っぽい感じがね。
余談ですが、本作の最後でビルから落ちるシーンがありましたが、彼に落ちるタイミングを
カウント3と伝えてたけど、実際にはカウント2で落としたんですって(笑)
だから、あんなにもリアルな顔に映っていたんですねー。
へぇーへぇーへぇー・・・。
他にも黒人警官のパウエルやマクレーンの奥さんのホリー、リムジンの運転手のアーガイル。
敵グループの一人一人。
それぞれのキャラクターが立っていて見応え抜群。

とにもかくにも、今のアクション映画に影響を与えている本作。
アクション、脚本、キャラクター、どれをとっても一級品の大傑作でした。

背中を押してくれたYANさん、mia☆miaさんに感謝をこめて10点満点!!


≪点数≫
  10点
                                           (14.06.08鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(1) | コメント(8)
No.957 『名探偵ゴッド・アイ』
No957 『名探偵ゴッド・アイ』

2013年制作 香港
監督:ジョニー・トー

≪キャッチコピー≫
『 ― 』

≪ストーリー≫
目の見えない探偵ジョンストン(アンディ・ラウ)はその類いまれな想像力のおかげで、名探偵ジョンストンと呼ばれていた。
以前同僚だった刑事シト(グォ・タォ)の部下で、ジョンストンに憧れを抱く女刑事ホー(サミー・チェン)をアシスタントに、ジョンストンは少女の失踪(しっそう)事件の捜査を開始する。
ジョンストンの想像を超えた捜査にホーが振り回される中、事件は大きく発展し……。

≪感想≫
大好きジョニー・トー作品。
本作、特に前情報も無しに監督名だけでレンタル。
いつものジョニー・トー印の男くさーいノワール作品かなと思いきや・・・。
何だ?何だ何だ??
これってコメディ??サスペンス???
これはこれでメチャクチャ面白いぞ!!

キャラクターについて。
主演はアンディ・ラウ。
彼が演じる盲目の探偵ジョンストン。
まず彼のキャラクターがとっても良かったんです。
盲目な探偵。
天才でクールで理知的で・・・なんて印象を持っていたら大間違い。
意外にお惚けで三枚目でおちゃめな所があって。
友人である刑事シトとのやり取りは抜群に面白かったですねー。
ジョンストンの相棒になる女刑事ホー。
最初はジョンストンに利用されながらもどんどん距離を縮めていく。
彼女とのやりとりもどこか可愛らしくって、最高のバディムービーに。

ストーリーや演出について。
本作は130分で結構長め。
正直、序盤はイマイチついていけなかったりもしたんです。
シリアスに描いている部分とコメディタッチに描いている部分。
そこの描き方がまた凄く特徴的で。
今、自分がどのテイストで受け取っていいのか分からない。
ただ、それが決して不快には繋がらず最後の最後まで鑑賞。
ストーリーも起承転結あって何度も何度も唸らされる。
物語の主軸があるんだけど、色んな所に行ったりきたり。
今、自分がどこの部分のお話を観ているのか分からなくなりそうになる。
だけど最後の最後には綺麗に着地する。
だけど最後の最後には収まるところに収まっている。
ストーリーやテイスト。
そこのバランスがとっても変なんだけど巧みに作られている。
さすがのジョニー・トーと言ったところか。

面白いなぁ・・・。
ジョニー・トー作品は色々と観てきましたが本作は結構ベスト級かも。
(ちなみにベストは「エグザイル/絆」かなぁ。)
この監督の作品はやっぱり見逃せないですね!!


≪点数≫
  9点
                                           (14.06.08鑑賞)


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No.956 『ウルヴァリン:SAMURAI』
No956 『ウルヴァリンSAMURAI』

2013年制作 米
監督:ジェイムズ・マンゴールド

≪キャッチコピー≫
『散ることのないサムライ。』

≪ストーリー≫
カナダで人目を避けるように暮らすウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は、以前命を救ったことのある日本人実業家・矢志田からの願いで、彼の部下ユキオ(福島リラ)と共に日本へと向かう。
不敵なまなざしを向ける矢志田の息子シンゲン(真田広之)に迎えられ、病身の矢志田と再会したローガンは彼から謎めいた言葉を告げられる。
ほどなくして亡くなった矢志田の葬儀が執り行われるが、そこをギャングたちが襲撃。
ローガンは矢志田の孫娘・マリコ(TAO)を連れ、その混乱から逃げ出すが……。

≪感想≫
X-MEN」シリーズのスピンオフ第二弾。
最新作が公開されていて評判が良いので、劇場へ足を運ぶ前にいざ鑑賞。

・・・・んんーーー、なんだこのザラつきは・・・。

舞台は日本。
時代は現代。
あまりにもカルチャーギャップがありすぎでそこに描かれる日本に違和感がありすぎ。
ツッコミ所のオンパレードでノリきれない感じが何だかもう。

ウルヴァリンが第二次世界大戦中に命を助けたヤシダさん。
彼は死期を悟りウルヴァリンを呼び寄せる。
そこでヤシダはウルヴァリンの治癒能力を移植させてくれと。
「君は永遠の命を持っていても苦しいだけだ、だから俺にその能力をよこせ」的な。
日本独特の礼節や侍なるものを描くと思いきや、まさかのクズ発言!!
いくらなんでも悪党過ぎるでしょ。
他にも、真田広之演じるシンゲンも自分の権力のために娘を殺そうとするクズだし、
マリコの婚約者である防衛大臣も絵にかいたようなスケコマ師。
とにかくここで描かれる日本人どもは古臭くいかにもマンガチックな悪党ども。
悪く描くのは良いのですが、薄っぺらすぎるし、また僕が日本人と言うのもあって、
いくら何でも的な行動に共感ができなかったんですよね。

会話(言葉)についてもそう。
日本人同士なのに英語で会話したと思いきや、日本語で会話したり。
別にいいんですよ。
映画的に観やすければそれはそれでアリだと思うんです。
ただ一貫性を、ある程度設定を作ってそれを守って欲しいなと。
最近観た傑作「イングロリアス・バスターズ」を見習いましょう!!
日本語の会話もイマイチピンとこなかったしね。
シンゲンが自分の事、「ワシ」なんて言った時には「イマドキ!?」なんて
あっけにとられましたもん。

あとは小っちゃいことかもしれませんが、ウルヴァリンが長崎から一瞬で東京に車で戻ってくるのも
どうかと思ったり。
クライマックスの根城的な場所も日本にはありえないでしょうと思ったり。
雪の中バイクで走ること自体ありえないと思ったり。
ひとつ気になりだしたら、どんどん気になってきて・・・。

何作目かのレビューで書きましたが本シリーズの気持ち良さって、
ミュータント達の能力を観るのが楽しみという所が大きくって。
本作は、ミュータントの数が少ない(2人)っていう部分も楽しめなかった要因でもあるかも。

とにかくノリきれなかったんですよね・・・。

良かった点もちょっとだけ。
日本を舞台にしてくれるのはやっぱり嬉しかったし、俳優さん達が頑張っていたのは嬉しかったな。
特にユキオ演じる福島リラさんは「シン・シティ」のデヴォン青木演じるミホを思い出して
良い感じでしたよ。
真田広之さんもかわいそうな扱いを受けていましたが、頑張っていましたし。

もう一つはマーヴェルシリーズお馴染みの、エンドクレジット後のおまけ。
ネタバレしますがマグニートーとプロフェッサーXが出るんです。
僕的にはこのオマケが一番アガッた瞬間です(苦笑)

全体的に好印象は持てなかった本作。
新作を観るのが不安になりました・・・。


≪点数≫
  4点
                                           (14.06.07鑑賞)


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No.955 『パラノーマン ブライス・ホローの謎』
No955 『パラノーマン ブライス・ホローの謎』

2012年制作 米
監督:クリス・バトラー, サム・フェル

≪キャッチコピー≫
『死者と話せる少年(パラノーマン)が、迷える<心>を介抱する。』

≪ストーリー≫
300年前に魔女狩りが行われていた町、ブライス・ホロー。
ノーマンはどこにでもいるホラー映画好きの少年だが、死者と話せる特殊な能力を持っていた。
ある日、ノーマンの前に死んだおじさんが現れる。
そして、魔女の呪いによって町が滅ぼされる日がすぐそこまで近づいており、それを救うことができるのはノーマンだけだと言われ……。

≪感想≫
以前観たストップモーションアニメ「コララインとボタンの魔女」。
本作もそれとおんなじ。
ストップモーションアニメってほんとーーーに繊細で手間暇かかった作業の繰り返しなんですよね。
それだけで観る価値があります。

本作の良かった所。
まず登場人物たち。
フォルムはもちろんの事、キャラクターもみんな立っていて良い感じ。
主人公のノーマン君。
一人だけ幽霊が見えるという事で周りの人からは奇妙な少年扱い。
学校ではいじめられるは、家族にはないがしろにされるは踏んだり蹴ったり。
そんなノーマン君、心は優しい純粋な少年。
可愛らしくて応援したくなっちゃうんですよね。
脇を固める住民達や友達、家族。
それぞれのキャラクターもしっかりと描かれていて◎。
なかでも一番の親友となるおデブちゃんのニール君。
僕的にはニール君が一番好きなキャラクターでした。
見た目の可愛さももちろんの事、キャラクターとしてもとっても良い子なんですよね。
ニール君もおデブちゃんだから学校ではいじめられているんですが、このいじめられっ子同志の
ほっこりした関係があったかくなれたんですよね。
勇気が湧くというか。
他にもキャラクターは盛りだくさん。
ノーマン君の家族も良かったなぁ。
お母さんの優しい感じとか。
お姉ちゃんの意地悪だけど、最後の最後はノーマン君の味方になる感じとか。
ニール君のお兄ちゃんや、いじめっ子のアルヴィンも味があって良かったです。
ゾンビ軍団や町の住民達一人一人の表情もしっかり描かれていて気持ち良かったですよ。

ストーリーについて。
「コラライン~」のレビューにてストーリーにパンチが欲しかった的な事を書いていましたが、
本作はストーリーもとても良いお話しで大満足。
マイノリティに対する応援的な。
しっかりと本質を見極める事が大切なんだ的な。
そして家族や友達との繋がりもしっかりとほっこりと描いていたしね。
観終わった後に安心できるという感じ。

老若男女にお勧めできる楽しくてほっこりできる良作!!
おススメです!!


≪点数≫
  9点
                                           (14.06.01鑑賞)


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No.954 『桃(タオ)さんのしあわせ』
No954 『桃(タオ)さんのしあわせ』

2011年制作 中/香港
監督:アン・ホイ

≪キャッチコピー≫
『笑い合える人がいれば、ささやかでも人生はきっとバラ色。』

≪ストーリー≫
広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。
今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。
そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れ……。

≪感想≫
穏やかな良作。

家政婦の桃さんは梁家四代に渡りその家族の家政婦を務めている。
その桃さんが脳卒中で倒れてしまう。
お世話になってきたロジャーは、身寄りのない桃さんの介護をひきうける事になる。

本作、いかにも感動させます的な演出もなくしんしんと流れる二人の視点。
桃さん視点の日常。
ロジャー視点の日常。
ずーーーーっと一緒に過ごしてきた二人の距離、繋がり。
家族とは違う関係。

ここに映るふたりの関係の中には「感謝」が色濃く描かれているような気がしました。
例えばこれが家族であれば少し違った形になったのかもしれない。
桃さんはロジャーに介護されることに「感謝」をする。
ロジャーは桃さんを介護することで今まで働いてくれたことに「感謝」をする。
この二人の形がとても素敵だったんですよね。
この「感謝」する、されるという形がごく自然にできていて。
ロジャーにとって桃さんは、家族よりも繋がりの深い存在だったんでしょうね。
とてもジンときました。

「介護」について。
冒頭に映る老人ホームの風景が結構物悲しくって。
現実を突きつけられる感じがね。
ホームに入って色々な人に助けられるとは言え、やっぱり今までの環境とは違うし、
周りの入居者を見ては自分をみじめに感じたりもする。
ただそこにはやっぱり同じ環境を生きる友達もできてくるわけで・・・。
本作は「老後」の現実をしっかりと映し出す。

余談ですが。
もう亡くなっちゃいましたが、父方の祖母と母方の祖母の介護をしていた時の事を思い出しました。
そしてこれから訪れる、両親の老後、自分の老後について色々と思う所もあったり。

自分がどの立ち位置にいるかで見え方が変わってくる良作でした。


≪点数≫
  8点
                                           (14.05.31鑑賞)

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No.953 『イングロリアス・バスターズ』
No953 『イングロリアス・バスターズ』

2009年制作 米
監督:クエンティン・タランティーノ

≪キャッチコピー≫
『悪名こそ、彼らの名誉<グロリアス>。』

≪ストーリー≫
1941年、ナチス占領下のフランスの田舎町で、家族を虐殺されたユダヤ人のショシャナ(メラニー・ロラン)はランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)の追跡を逃れる。
一方、“イングロリアス・バスターズ”と呼ばれるレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる連合軍の極秘部隊は、次々とナチス兵を血祭りにあげていた。
やがて彼らはパリでの作戦を実行に移す。

≪感想≫
大好きタランティーノ作品!!
キル・ビル」シリーズに「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」等々。
数々の傑作を輩出しているお方。
どれもこれも好きな作品ですが、僕的には直近で観た「デス・プルーフ in グラインドハウス」も良かったなぁ。
あっ、やっぱり「レザボア・ドッグス」もカッコいいな。
とまぁ、わたくし的にハマりにハマっているお方。

本作ももれなくタランティーノ節全開の良作でした。

全体的な流れは5幕構成。
1幕から本作の特色である会話劇から生まれる緊張感。
本作は言語の違いを売りにした作品でしたね。
独語、仏語、英語、伊語が飛び交う会話劇。
普通ならお約束的に英語が当たり前のごとく流れていきますが、本作はその流れを逆手にとって
言語の違いを上手く組み込む。
最後の最後まで、所々に良い塩梅の緊張感を持ってくる。
そして最後の最後にカタルシス爆発!!
相変わらずのタラ印!!
気持ちいぃーーー!!!!

本作の魅力の一つにキャラクターの素晴らしさ。
ブラッド・ピット演じるバスターズリーダーのアルド・レイン中尉。
曲者感あふれる演技がイケていなくて見応え抜群。
クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐。
彼が本作の主役的存在でしたね。
先に挙げた言語を活かしたキャラクターで、彼のみが多言語を駆使して暗躍。
いやぁーな役だけど目が離せないみたいな。
他にも、ナチスに家族を殺されたショシャナ。
中盤、バスターズに加わったマイケル・ファスベンダー演じるアーチー・ヒコックス中尉。
何気に活躍しそうなのに、あっけなく殺られる辺りが、あぁ、タランティーノっぽいぽい(笑)
潔いですねぇ・・・。

とまぁ色々とキャラクターが出てくる本作。
本作は、主役と言う主役はいなかったかも。
敢えて言うとハンス・ランダ大佐でしたが、それぞれ均等にスポットライトが当たっていましたね。

少し欲を言わせてもらうと、バスターズのメンバーをもっと深く描いてほしかったな。
バスターズのメンバーが結構いききっていてタランティーノ印爆発っぽかったので
それぞれの個性を観るのが楽しみだったんです。
そこはちょっと物足りなく感じてしまいました。
惜しいなと。
あとは、ストーリーも少し無理があったかなと。
もちろん、本作は完全なるフィクションなので全体的な流れはまったく問題ないんです。
ナチスがバンバン殺られて、ヒトラーはじめ有名どころもドッカンバッカンやられるのは
やっぱりカタルシス爆発でしたから。
ただ、押さえ所はしっかりとやってほしかったです。。
クライマックスのすべての人物たちのまとめ方が雑に感じたんです。
もうちょっと巧く話をまとめてほしかったなと。

苦言はこれくらいにして・・・。

やっぱりタランティーノ作品は大好きな訳で。
映画をたくさん観ていくにつれ自分の好きな作風みたいなものが固まってきますが、
タランティーノ印がどうやら好きみたいです。
今後もたくさん撮って欲しい監督さんの一人です。


≪点数≫
  8点
                                           (14.05.25鑑賞)


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