2014-04-23 Wed

2012年制作 米
監督:ラナ・ウォシャウスキー, トム・ティクヴァ, アンディ・ウォシャウスキー
≪キャッチコピー≫
『いま、<人生の謎>が解けようとしている。』
≪ストーリー≫
1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)だったが、その目は邪悪な光をたたえていた。
1973年のサンフランシスコ。
原子力発電所の従業員アイザック・スミス(トム・ハンクス)は、取材に来た記者のルイサ(ハル・ベリー)と恋に落ちる。
そして、地球崩壊後106度目の冬。
ザックリー(トム・ハンクス)の村に進化した人間コミュニティーのメロニム(ハル・ベリー)がやって来て……。
≪感想≫
物凄い傑作を観せつけられました。
一つの映画で流れる6つのストーリー。
ただそれはやっぱり一つの物語な訳で。
壮大な世界観。
こりゃすごい作品だなぁ・・・。
ストーリーは6つ。(パンフより)
① 1849年 南太平洋諸島 数奇な航海物語
② 1936年 イギリス 幻の名曲の誕生秘話
③ 1973年 カリフォルニア 原子力発電所の恐るべき陰謀
④ 2012年 イギリス 平凡な編集者の類希な冒険
⑤ 2144年 ネオソウル クローン少女の革命
⑥ 2321年 ハワイ 崩壊後の地球の行方
6つのストーリーがテンポよくランダムに流れていく。
序盤は、それぞれの物語を整理するのに大変でしたが、そこは監督の手腕でしょうか
しばらくしたら、ある程度物語も見え始め、グイと引き寄せられる。
本作のテーマは輪廻転生。
その時代で生命は失っても、魂は生き続け次の時代へ受け継がれる。
物語の中で
「命は自分のものではない。子宮から墓場まで、人は他者とつながる。
過去も現在も、すべての罪が、あらゆる善意が、未来を作る。」
というセリフがありました。
僕は生まれ変わりというシステムと言うか考え方にはイマイチピンとこないのですが、
この言葉には凄く惹かれまして。
自分の行動や考え、意志は何かを通して未来へと繋がっていく。
良くも悪くも形を変えながら。
日常の中で常にその意識を持っている訳ではありませんが、時折ふと思ったりするんですよね。
楽しく生きるためのバランスとりみたいな。
本作、色んな人の感想にも書かれていましたが、手塚治虫の名作「火の鳥」を
思い出させますよね。
一人の役者が、姿を変えて色々な場所で登場するシステム(スターシステム)だったり、
過去の業(カルマ)や善意が未来に受け継がれる設定だったり。
あれもメチャクチャ壮大な世界感でしたからねぇ・・・。
先に挙げたそれぞれのエピソード。
全てが分かりやすく繋がっているかと言うと実はそうでもないんです。
例えば似たようなテーマで以前観たエンタメ邦画の「フィッシュストーリー」。
あれも僕は大好きなんですが、「フィッシュストーリー」のような直接的な未来への繋がりではなく
本作はうっすら繋がっていて、それでいてとても深く繋がっていて。
これはこれで、ズシリとくる作りで巧いなぁと思ったり。
本作の監督は「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄妹。
なるほど「マトリックス」を彷彿とさせる映像も多々あって、視覚的にも楽しめました。
②で二人の青年が部屋中の陶器を壊したりするシーンでのスローモーションの使い方だったり。
⑤の近未来の世界観、アクションはまさに「マトリックス」的な世界観だったり。
⑥もその近未来と太古をミックスしたような描き方は見た目的にも良い感じ。
そして本作、一人の役者さんが色々な役どころで色々なストーリーに登場する。
例えばトム・ハンクス。
ある時代では子悪党のお医者さん。
ある時代では作家さん、博士、映画俳優等々。
それらを観るのも本作の楽しみ方の一つ。
エンドロールで主要俳優さんの登場シーンが流れるのですが
「えっ!?こんな姿で出ていたの!?」
って思う事間違いなし(笑)
とにもかくにも観た後、しばらくぼーっと物思い。
正直、全てに納得したわけでは無いんです。
もう一回観たら、点数がもっともっと上がると思うんです。
ただ現時点でも、凄い作品を観たなぁって思えた大傑作でした!!
≪点数≫
10点
(14.03.08鑑賞)

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