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No.921 『グスコーブドリの伝記』
No921 『グスコーブドリの伝記』

2012年制作 邦
監督:杉井 ギサブロー

≪キャッチコピー≫
『「ボクにも、できることがきっとある。」』

≪ストーリー≫
イーハトーヴの森で家族と暮らしていたグスコーブドリは、
森を直撃した冷害のせいで両親と妹を一度に亡くしてしまう。
たった一人残された彼は懸命に働き、長じて火山局で働き始めるが、
またしても大規模な冷害が発生する。
かつての惨事を二度と繰り返さないようにするため、
グスコーブドリは自分の身を呈して冷害の被害を防ごうとする。

≪感想≫
誰もが知っている、文豪であり詩人である宮沢賢治の同名短編童話をアニメ映画化。
恥ずかしながら私、宮沢賢治作品は殆んどと言っていいほど読んだことが無くって・・・。
かろうじて「雨ニモマケズ・・・」を知っている程度。(作品ではないか)
あとは「銀河鉄道の夜」や「セロ弾きのゴーシュ」は名前だけ聞いたことがある程度。
ほんと、お恥ずかしい・・・。

そんな無知な僕がまずは映画から入ってみようと鑑賞。

・・・ピンと来ないなぁ・・・。

良かった所。
キャラクターのフォルムや映る画はとても良かったです。
本作の登場人物は全て人型のネコに置き換えて描いている。
物語が物語だけに、こういう擬人化と言うか、少しファンタジックに描いてくれた方が
入り込みやすかったです。
子どもに戻って観ているかのような感覚。
暖かい風景、穏やかな風景。
とても綺麗で素敵でした。
後半の都会のような近未来のような世界観も◎。
飛行船みたいなメカも見ていて気持ち良かったしね。

良かった所はこのぐらい。
簡単に言うと、画はとても良かったです。

さぁ、ここからあまり良くなかった所。
全体的にストーリーの伝え方がイマイチだったかなと。
まず肝心の主役であるグスコーブドリのキャラクター。
ものすごーーーーく、一定の温度で描かれているので感情の機微が全く分からない。
作品内で数年間は経過していて、少年から青年ぐらいまで成長しているだろうに、
声もトーンも変わらないし性格の変化も見られない。
ずっとグスコーブドリはグスコーブドリのまんま。
この主役が、本作の一番の肝であるはずなのに上手に描き切れていない。
何だかなぁと。
そういう事もあって、物語が盛り上がらないまんま、いつの間にか終わっちゃったんですよね。

本作のテーマは恐らく「自己犠牲」。
グスコーブドリは最後に自分を犠牲にして世界を他者を救う事になるのですが、
そこまでの過程がピンとこなくって。
一応、その前に両親がグスコーブドリら兄妹のために自らを犠牲にするようなシーンも
あったのですが、しっかりとそういう風に伝えていないためニュアンスで
感じ取るしかできなかったんですよね。

とにかくこのグスコーブドリの性格に一切共感できなかったんです。
否定とかではなく、分からないと言った感じ。

本作はテーマ的に凄い良い作品だと思うんです。
それこそ「雨ニモマケズ・・・」的なね。
無償の愛と言うか日々への感謝と言うか。
慈愛の精神とはなんぞやみたいな。

そんな暖かなテーマをこんな無味的な伝え方しちゃって。
もったいないよなぁ・・・。

残念無念な作品でした。
原作を知っている人はどう観たのでしょうか。
気になりますねぇ・・・。


≪点数≫
  3点
                                           (14.03.02鑑賞)


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映画 | 08:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)