2014-02-26 Wed

2013年制作 邦
監督:瀧本 智行
≪キャッチコピー≫
『悪に裁きを下す、美しき殺人者』
≪ストーリー≫
残忍な手口の無差別連続爆破事件を追う刑事の茶屋(江口洋介)は犯人の居所を突き止めるが、
身柄を確保できたのは身元不明の鈴木一郎(生田斗真)だけ。
共犯者と見なされた一郎は犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。
担当となった精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)は感情を表さない一郎に興味を持ち、
彼の過去を調べ始めるが……。
≪感想≫
以前原作を読んで興味があったので鑑賞。
原作を読んだとき、メインキャラの鈴木一郎(入陶 大威)に魅力を感じ、
その異質なキャラクター像が壊されやしないかと不安もありましたが・・・。
良い所と悪い所と・・・って感想を。
まず良い所。
一番心配だった、入陶大威についてはとても良かったです。
良い意味でイメージと違っていました。
入陶大威は感情を持たない人間。
そして痛みも感じない。
無痛で無感情、知能だけは優れている言わば人間の箱に入ったロボットのような存在。
原作を読んだとき、あまりにも特異な存在にとても興味が湧いたんですよね。
この超人的キャラクターを演じた生田斗真くん。
良かったです。
鍛え抜かれた肉体から繰り出されるアクションはカッコ良かったし、
感情を殺しきった演技も見応えがありました。
次に連続爆弾犯の緑川を演じた二階堂ふみさん。
そのキャラクター云々については後に書きますが、鬼畜なキャラクターを見事に怪演していました。
観ていて、薄気味悪いというか胸くそ悪いというか。
この2人の演技はとても好印象。
他には演出について。
本作は爆破シーンがたくさんあったんですが、他の邦画の爆破シーンに比べてとても
見応えがありました。
ド派手にドッカンドッカンやってくれたのでとにかく
「うぉー!」「わぁーーー!!」
って。
うーーーーん、良かったのはこれくらい。
あとはあまり良くなかったかな。
まず根本的な所から言うと、原作と設定、内容がかなり違っていました。
原作はだいぶ前に読んだのではっきりと覚えていませんが、
こんなに後味悪い感じだったっけかなぁ・・・。
なぁんか、スッキリしない感じ。
なんでしょうねぇ・・・。
他にも気になった部分をどんどん挙げていくと・・・。
まず、江口洋介さんと松雪泰子さんの演技が過剰すぎたり。
そもそもこの二人のキャラクターの行動や言動も一切共感できなかったんです。
例えば、冒頭、松雪さん演じる鷲谷の目の前でバスが爆発!!
バスから出てきた少年を鷲谷だけが助けに向かう・・・・何で??
他にも人はいっぱいいるぞ!!
そしてその後、病院で江口さん演じる茶屋が鷲谷に心無い言葉を投げかける・・・何で??
次にクライマックスの病院での爆弾テロについて。
さすがに一人(しかも病気の犯人)であんなにも壮大な仕掛けはできないでしょう・・・とか。
も一つ、クライマックスで天才であるはずの入陶が緑川にガンガン車で轢かれるのは
なんか違うよなぁ・・・とか。
一つ一つの演出、物語の流れにどうも違和感があったんです。
こんな事になり得るのかなぁって納得いかなかったんですよね。
犯人である緑川のキャラも本当(原作)は男の設定だったし、もうちょっと描き込みがあったので
本作の緑川はただただサイコな鬼畜野郎としか見えなかったんです。
本作ってもっと人間の本質、性善説、性悪説みたいな所まで踏み込むべき作品じゃないのかなと
思うんですが、ただのエンタメ調のダークな作品に終わっていて。
なんかこう、物足りないというかザラザラしているというか・・・。
そういう違和感は原作を読んでいる時は無かったんですよね。
大きくは受け入れられない作品でした。
ただ、良い所、特に生田斗真君演じる入陶大威を観れたのは良かったです!!
続編も作ろうと思えば作れそうですがそれは止めてほしいなぁ・・・。
≪点数≫
6点
(14.01.11鑑賞)
こちら原作。
(一言感想はこちら。)

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