2013-11-20 Wed

2012年制作 邦
監督:三池 崇史
≪キャッチコピー≫
『まるで出席をとるみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。』
≪ストーリー≫
ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と
支持を集める高校教師・蓮実聖司。
生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、
その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。
学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、
平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。
しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。
それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった。
≪感想≫
貴志祐介原作の人気小説を実写化。
原作が凄く良かったので、観るのに少し躊躇いがあったのですが満を持して観賞。
とても良くできた作品でした。
原作ですがこれがまた長いんですよね。
上下巻あって800ページぐらいかな。
ただその長さも苦にならないくらい面白くって引き込まれる作品でして。
実写版の本作は、その膨大な量の内容をよりコンパクトに、そして分かりやすく
上手くまとめていたように感じました。
まず開始十数分で登場人物のキャラを上手く立たせる。
これで一気に作品にのめり込ませる事に成功。
そして本作品の肝であるともいえる、学校での大大大殺戮シーン。
ここをあえておどろおどろしく描くのではなく、音楽に乗せて魅せていく。
リアリティを排したエンタメショー的演出。
もちろんそこに「恐さ」もあったんですが・・・。
そこら辺の演出力、撮り方が上手く原作とマッチしていたかなぁと。
さすが三池崇史監督といったところでしょうか。
しっかしこの監督、めちゃくちゃたくさん作品を撮っていますねー。
「クローズZERO」などのマンガが原作の作品。
「藁の楯」や本作など小説が原作の作品。
果ては「ヤッターマン」や「忍たま乱太郎」等アニメが原作作品まで。
凄いですねぇ・・・。
そしてそして。
僕的に原作を読んで一番興味がわいたのが主人公である蓮実聖司という人間。
他人の事なんておかまいなし。
他人を喜ばせる事も傷つける事も厭わない。
そこにあるのは自分が考えたゴールだけ。
そこに向かうために淡々と粛々と行動する。
例えば連続殺人犯って何らかのバックボーンがあって、その人間性が
作られているかと思うのですがこの蓮実という人間はそれが分かんないんですよね。
どうやってこういう人間が誕生したのがが分からない。
育ってきた環境なのか。
はたまた生まれ持っての資質なのか。
・・・・うーーーん、そこら辺にとても興味が沸いたんですよね。
そういった人間にどうやれば共存、共感してもらえるのかって。
原作を読んだ時にこのサイコパスを誰がどう演じるのか。
僕が観るのを躊躇っていたのはイメージを壊されやしないかと言う心配があったから。
いざ蓋をあけると、伊藤英明さんが見事に怪演されていました!!
良い意味で違和感なかったです。
お見事!!
そんなこんなで満足した本作。
ダメダメな点もいくつかあったんですよ。
例えばアーチェリー部のカップルが殺されるくだりはやっつけ感があったし、
蓮実のアメリカ時代の描写はイマイチ必要性が感じられなかったり。
そして何より、主題歌が頂けませんなぁ。
映画のイメージを壊すかのような曲。
なぜにこの曲??
大人の事情でしょうか・・・。
まぁまぁまぁ。
原作はもっと登場人物が多くて、人物背景もさらに深い。
原作を読んで映画を観るといいかなぁと。
さて余談。
AKB48の大島優子さんがこの映画の試写にて途中退出。
「(命を軽んじる)この作品は嫌い」的な発言をしたそうですね。
・・・・んんー、なんでしょう。
彼女は本当にプロフェッショナルな人だとつくづく思う。
≪点数≫
7点
(13.10.03鑑賞)
こちら原作。
メチャクチャおススメです!!

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